命すむ星(ウルトラマンガイア)

登録日:2019/07/18 Thu 16:20:02
更新日:2019/08/02 Fri 20:20:50
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「守りたいものがあるんだ。あいつにも」


「命すむ星」は、『ウルトラマンガイア』の第45話。

第38話「大地裂く牙」のアフターストーリーでもあり、『ガイア』という物語の行く末を示唆した言わば決戦前の序章のような回でもある。
今までとは別格の強敵の出現、破滅に対してウルトラマン以外の地球住む者はどう立ち向かうのか?
『ガイア』のターニングポイントとなった回に登場した重要なゲストキャラが複数再登場するなど見所が多い。

脚本:古怒田健志、監督:原田昌樹


【ストーリー】


パーセルのデータを藤宮に届けに来た我夢は地球の怪獣達と分かり合うことはできないのか苦悩していることを話す。
戦う以外の道は見つけられないのか……
パーセルは通訳ではなくコントロールする道具だと我夢の気持ちを分かりつつも冷たく返す藤宮。

GUARD国際フォーラムでは地底貫通弾の指揮を取っていた柊准将と千葉参謀が議論を交わしていた。
破滅将来体への直接攻撃が失敗した今こそ更に協力な兵器での防衛を唱える柊に今までの戦いを得て
怪獣達にも一定の理解を示していた千葉参謀は地球に住むのは人間だけではないと反論する。
一人考え込む柊は神社(何の因果かミズノエノリュウが祀られている神社である)の境内で黄昏るが
そこでふとしたきっかけで風水師の黒田恵と出会う。
自分がGURADの士官であると明かした柊は恵に怪獣に大事な人を傷つけられたらどうすると問う。
恵はたしかに怪獣を憎むかもしれないが憎しみは新たな憎しみを産むだけだと復讐を否定する。
それに対して柊は自分は復讐の為に戦っているのではない。
柊「守るために。自分の大切な物を」
怪獣への復讐ではなく、ただその為だけに戦っているのだと……

エリアルベースで夕焼けを眺めながらひと時の平和な時間を過ごす石室コマンダーと千葉参謀。
空にいる人間には地上の人間の痛みがわからないと柊に言われたこを振り返る千葉参謀。
地上を離れて始めて気づいたことがたくさんあると頷きながらコーヒーを擦るるコマンダー。
千葉参謀「100年後、1000年後の子供たちにも見せてやりたいな。この美しい空を・・・」
が、束の間の安息を引き裂くように警報が鳴り響く。

ジョジー「ワームホール出現!」

ワームホールから鴉天狗のような姿をした怪獣が出現。
地上に向けて一目散に侵攻する怪獣を迎撃するためにチームライトニングが出撃するがファイターを追い越して駆けつけたアグルが先制攻撃を開始。
光線を打ち合いながら地上に降下していく怪獣とアグル。
怪獣が目指している場所は柊のいるGUARD国際フォーラムのあるポイントだった。
地上に降り立つ両者。アグルは今までの敵とは違う異様な雰囲気を察してか直ぐに決着を付けようとフォトンクラッシャーを放つが……
怪獣の胸が開きコアに光線を全て吸収され、威力を増幅され打ち返されてしまった。
予想外の反撃に交わす間もなく大ダメージを負ったアグルに迫る怪獣。
アグルの抵抗を交わした怪獣はすかさず掴んだライフゲージを切り裂き、アグルの光を奪い文字通り握りつぶしてしまう。
光を失い消滅するアグル・・・
邪魔者が居なくなったことで怪獣は本命であったGUARD国際フォーラムに標準を向け光弾で跡形もなく破壊してワームホールに去っていった。

怪獣の襲撃後エリアルベースではライトニング・ハーキュリーズを集めて作戦会議が行われていた。
今までの宇宙怪獣とは違い明確な意思と高い知性を持った怪獣の出現(GUARD国際フォーラムの地下には秘密の新兵器研究所が存在しそれを予め知って襲撃してきた)、
次もGUARDの施設を狙ってくるであろうと危惧する千葉参謀。
破滅将来体は遂にXIGの主要施設をピンポイントに狙い始めていた……
(これ以前にもジオ・ベースをピンポイントで破壊するために襲撃してきたパスギークなど直接攻撃の予兆は以前からあった)
破壊された国際フォーラム近くでふらふらな状態で倒れていた藤宮を近くで戦闘を見ていた柊が介抱する。
先の戦闘で藤宮=アグルと悟った柊は藤宮に「お前の力を俺に貸せ」と協力を申し出る。
我夢も戦闘のあったポイントに藤宮を助けに駆けつけるが藤宮は既に柊に連れられていった後であった。

怪獣はGURADによってブリッツブロッツと命名されGUARD国際フォーラムを破壊した事件を伝えるニュースをKCBの3人が撮影してる所カメラの奥からこっそり恵が現れて?

リンブン「あーあー人が映っちゃって…あ…あ!」

ミズノエノリュウの事件以来久しぶりに恵と再開するKCB。
恵さんLOVEなリンブンは思わずカメラそっちのけでデレデレし始めてしまう。それでいいのかKCB
仕事そっちのけで恵ののほほんとしたペースに飲み込まれていったKCBは恵手作りのタマゴサンドを食べながら今まで追ってきた事件について振り返る。
会話の最中、またもミズノエノリュウの声を聞いた恵は何かの気配を感じていた。

その頃千葉参謀の予想通りブリッツブロッツがジオサテライト№3に出現。
この施設では高エネルギー弾頭(おそらく前回コッヴ達の母星を破壊するために使用されそうになっていたワームジャンプミサイルの部品)の解体が行われており、魔人にそれを破壊されれば甚大な被害が出ることは明白である。
コマンダーは直ちにライトニングとハーキュリーズに出撃を命じる。
柊と藤宮、KCBの面々も怪獣の元へと向かっていく。
そしてまた別の何かが戦闘地域に接近しているのが確認されていた。
チームライトニングが攻撃を開始し魔人の背後から矢継ぎ早に波状攻撃を行い牽制していく。
柊は藤宮に変身して俺と一緒に怪獣を倒せと申し出るが今朝の戦いで力を使い果たしておりアグレイダーには変身に充分な光が灯っていなかった。
ライトニングが猛攻を続ける中、最初こそ反撃できず激高した魔人だったがやがて冷静にファイターの動きを捉えた魔人は軽快なジャンプから繰り出したチョップで梶尾機を撃墜。
着地際に放った光弾で北田機と大河原機も撃墜してしまう。
今までの戦闘で一度も撃墜されたことのなかった梶尾機墜落の緊急事態にどよめき出す司令室。
居てもたってもいられなくなった我夢はEXで飛び出していく。
意地でも食い止めるとハーキュリーズが攻撃を開始するがミサイルを全て手甲で弾かれてしまい万事休すと思われたたが……
突如、地底から噴煙を上げティグリスが出現!!!

予想外の事態に魔人も人間達も驚きを隠せないでいた。
困惑する柊に藤宮は語る。
藤宮「この星に住む者達には与えられた役割がある。あいつが現れたことにも何か理由があるはずだ」
現れるやいなやブリッツブロッツに戦いを挑んでいくティグリス。
想定外の敵の出現にブリッツブロッツも応戦する。
息を呑んでそれを見守るKCBと恵。何故ティグリスが現れたのかわからない田端に恵は呟く。

恵「大地に住む者です」
柊「どうしてお前がその怪獣と戦う?」
我夢「守りたいものがあるんだ。あいつにも」

地球怪獣VS宇宙怪獣の戦いを守る一同。
噛み付きや突進で果敢に挑んでいくが次第に魔人に押されていくティグリス。ついには角を折られ止めを刺されかかるが……
柊「怪獣がそうまでして……何を守る?」
そう言いながら柊はバズーカ砲で魔人の本来の目を狙い撃ちしティグリスを援護。同族を柊に殺されたティグリスと地底怪獣によって部下を殺された柊。
これまで憎しみあうことしかできなかった両者だが今見つめ合う両者の眼差しは何処か違うものになっていた。

戦場に駆けつけた我夢は藤宮にエスプレンダーを示しながら魔人を止めるため変身!

我夢「ガイアアアアアアア!!!」

ガイア出現の光の眩しさに思わず目を逸らす魔人。対峙した両者は一進一退の格闘戦を繰り広げる。
膠着した戦闘に決着をつけるためイチかバチかガイアはフォトンエッジを繰り出すがアグル同様コアに吸収され跳ね返されてしまう。
すぐさまバリアで防ぐが増幅された威力で反射された光線にバリアが耐え切れず直撃を食らってしまう。
倒れ伏したガイアに止めを刺すためにアグルの時と同じようにライフゲージを狙う魔人。
それを見ていたティグリスは咄嗟にガイアを庇うように魔人に突撃する。
不意を突かれて怒った魔人はティグリスに止めを刺すべくすれ違い様の手刀で喉を掻っ切り倒してしまう……

吉田「お前の努力は無駄にはしない!撃てぇー!!!!」
ティグリスの行動によって転じたチャンスを無駄にしない為にハーキュリーズが立ち上がるが光弾を喰らいスティンガーが機能停止してしまう。
再びピンチに陥るハーキュリーズ。だがそこへXIGバイソンで駆けつけた柊が援護に現れる。
バイソンの射撃で怯んでいる間に再起動したスティンガーはバイソンとの同時攻撃で魔人に猛攻を加える。

藤宮「立て!戦え!我夢!!」
柊「立ち上がれ、ガイア!!」

皆の決死の行動によって体制を立て直す時間を貰ったガイアは藤宮、柊、恵、KCB、XIG、そしてティグリスの見守る中再び立ち上がる。
立ち上がったガイアは逆転のクァンタムストリームを魔人が吸収しきれなくなるまで力の続く限り打ち続ける。
やがて許容量を超えて暴発寸前のような状態になった魔人のコアに向かってバイソン&スティンガーが一斉砲撃を行いコアを破壊。
コアを破壊され瀕死の状態になった魔人に対し、スプリームヴァージョンに変身したガイアのフォトンストリームが命中、魔人は大爆発を起こして敗れ去った。
その光景を見届けたティグリスは静かに息を引き取る……。

戦いの後、夕焼けに照らされ仁王立ちしたティグリスの亡骸を前に柊とXIGは同じ星に生きる「友」としての言葉を送るのだった。

柊「勇敢なる戦友に、敬礼!!!!」

そして……

恵「大地に住む者達よ……『その時』はもうすぐ訪れます」


【概要】


前回で宇宙怪獣の境遇がわかり彼らをどうするべきか一区切りがついた後に、では悪意を持った地球全体を脅かす敵が現れた時に地球の怪獣達はどうするのか?
その答えが描かれた回である。
人間と完全に分かり合うことこそ難しかった地球怪獣であったが星を守りたいと願う気持ちは怪獣達も同じであることが示された。
決戦!といった趣のある劇中で終盤(48、51話)の3回しか使われてないBGM「ファイナル・ミッション」が始めて使われた回でもある。


【登場人物】


・柊 博之
GUARD陸戦部隊の准将。
以前藤宮が覚醒させた地球怪獣・ゾンネルⅡとの戦闘で部下を失い虚しく死んでいく人々の姿を大勢見てきた為に地底貫通弾という凶行に及んでしまった。
恵曰く「優しいけれど 見ている世界が狭すぎる」
地球怪獣のことも破滅将来体と同様の危険な存在として強攻策に出ていたが
地球を守るために戦うティグリスの姿を見て、同じ星に住む者として考えを改め戦友と認める。
藤宮の変身したアグルとの共同戦線を行おうとしていたが光が足りず叶わずじまいに終わってしまった。
ハーキュリーズのピンチにはXIGバイソンで駆けつけるなど見た目に違わず武闘派である。
後の最終決戦でもゾンネルⅡを援護するために地上部隊を指揮してカイザードビシを撃退している。

・黒田恵
ミズノエノリュウの東京占領、地底貫通弾の事件の際に登場した風水師。
風水師というより風水はあくまで趣味でやっているとのことだがとてもそうとは思えないほど不思議な感でミズノエノリュウやティグリスの声を聴いたりしている。
自転車はスティンガーの犠牲になりました。
KCBと共にティグリスの戦いを見守りラストシーンではミズノエノリュウより「その時」が近いことを告げられる。

・KCBの皆さん
ニュースの撮影中に恵が紛れ込んだことで職務放棄。
ランチタイムだ!
リンブンと田端は恵にデレデレになってしまったいた。
ブリッツブロッツとティグリスの戦いを恵と共に見守りながら中継していた。

チームライトニング
お馴染み防衛隊のトップガンチーム。
ブリッツブロッツ相手に最初こそ善戦するものの全機撃墜されてしまい梶尾に至ってはリジェクトできずに機体が大破してしまった。
これまでアルゴナに捕まるようなことはあれど撃墜はされなかった梶尾機が落とされたことでブリッツブロッツの強さが際立っている。
梶尾は一命こそ取り留めたものの重症を負ってしまい次回まで療養中の身となってしまった(そのおかげで恋は進展したが)。

チームハーキュリーズ
お馴染み暑苦しい陸戦部隊。
ライトニング全滅後に最後の砦としてブリッツブロッツに立ち向かう。
ティグリスが命懸けで稼いだ時間を無駄にはしないとスティンガーが機能停止させられても諦めずに根性で再起動させて立ち向かい柊のバイソンとの連帯で見事ブリッツブロッツ撃破に貢献する。
ラストシーンでは我夢と柊に続いてティグリスに敬礼を送っていた。
今回もスティンガーは被害者を増やしていたが何故か現場とは全く違う場所に停めてある恵の自転車まで倒していた(ミカンも犠牲になりました)


【登場怪獣】


・地殻怪地底獣ティグリスⅡ
第38話にて、地底貫通弾の犠牲になったティグリスの同族。
劇中で始めて根源的破滅将来体相手に立ち上がった地球怪獣である。
地球を荒そうとするブリッツブロッツの前に「地球」を守るべく立ち向かう。
一歩及ばずブリッツブロッツにやられかけるも柊とガイアに助けられ、ピンチに陥ったガイアを救って致命傷を負い戦いを見届けたあと命の灯を消した。
柊のことを以前同族を殺した人間とわかっていたかは定かではないが、両者が見つめあうシーンは以前のように憎悪が入り混じったような物ではなく、同じ地球を守る戦友を見るような眼差しだった。

・破滅魔人ブリッツブロッツ
突如ワームホールから出現した鴉天狗のような姿をした白と黒が入り混じった体色が特徴の怪獣。劇中でも数少ない本来の意味での破滅招来体。
ブリッツブロッツという名前はGURADが命名した。
事前に人類の重要施設をターゲットとして襲撃し対ウルトラマン対策を立てているなどこれまで以上の強敵として描かれている。
同じ破滅魔人のゼブブが「主」と呼ぶ何者かのために直々に動く破滅将来体の中でも上位の存在だと思われる。
ファイターより速い飛行能力に加えて優れた格闘能力を持ち、手の甲の窪みから発射する赤い光弾で敵を攻撃する。
しかし最大の武器は十字架状の胸の中に隠されたウルトラマンの光線を吸収し増幅して跳ね返す赤いコアであり、
これでフォトンクラッシャーを増幅して打ち返しアグルを敗北させ、ガイア戦でもフォトンエッジを吸収・反射してピンチに陥れた。
顔の目に見える部分は実はデコイで模様の隙間に鳥の目に似たつぶらな瞳がある。
力も知性もある強敵でティグリスとXIGの援護がなければガイアも負けていた可能性が高い。

地帝大怪獣ミズノエノリュウ
地球怪獣の代表格。
恵に何かを伝えるかのように度々その声を響かせていた。
劇中終盤、恵の前にその姿を現し「その時」が近いことを伝え去っていった。





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