黒死牟(鬼滅の刃)

登録日:2019/07/14 Sun 16:08:10
更新日:2024/03/16 Sat 16:26:34
所要時間:約 25 分で読めます


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これ程までに…研鑚し極められた肉体と技が…

この世から消えるのだ…嘆かわしいと思わぬか…



黒死牟(こくしぼう)とは『鬼滅の刃』の登場人物である。





◆プロフィール

身長:190cm
体重:93kg
趣味:囲碁
死地:無限城内


◆概要

鬼舞辻無惨直属の精鋭集団「十二鬼月」において最上位階級たる"上弦の壱"を預かる……すなわち十二鬼月最強の
98話にて無限城に上弦の鬼が集結した際に半天狗玉壺と共に初登場した。

普段は他の上弦同様無惨からの指令で産屋敷一族の居所および青い彼岸花の探索を行っており、また鬼として有望な人間を勧誘することもある模様。

◆外見

長い黒髪を後ろで束ね、紫の着物と黒の袴を着用した侍風の男。
腰に刀を提げ、その顔には見る者を恐怖させる禍々しい三対の眼が並び、額と首筋にかけて炎の様な痣が浮かぶ。
その異貌を以て放たれる威圧感によって獪岳は戦うことなく心を折られ、『霞柱』時透無一郎も「他の上弦とは比べものにならない」と評し戦意を喪失しかけた。

◆性格

一人称は(わたし)(まれに(おれ))。
侍然とした見た目に違わず、元々戦国時代の人間だった事もあって武人的な価値観の持ち主で、現在でも十二鬼月内の序列や従属関係を強く重んじる厳格な性格。
敵である鬼殺隊の柱に対してもその実力や研鑽を認めて賞賛する姿勢を示すため強さに対しては種族問わず真摯に評価する。

落ち着き払った古風な言動を取ると同時に、言葉を発する際には節々に「……」と間を置きながら喋る独特の口調で話すのが大きな特徴。
このせいで会話の間合いが妙に長く、おまけに丁寧な発声をするので相手にしてみればコミュニケーションには忍耐が必要。
加えて「死とはそれ即ち宿命」という死生観を持つ。

強さへの固執は強く、猗窩座同様老化による肉体の衰えを忌み嫌って「鬼になることで肉体と技の保存ができる」という理由で肉体的衰えのない鬼という種族を賛美。
弱者に対して辛辣で見どころのある強者を勧誘する辺りは猗窩座と似通っているが、見込みのある者が鬼になる前に死ぬ可能性については「死んだらそれまで」と特に気にせず、強者を同族にすることへの執着も薄く、猗窩座のようにしつこく勧誘する素振りはなかった。


公式ファンブック『鬼殺隊見聞録』によると無惨の彼に対する認識はビジネスパートナー。
傲岸不遜・唯我独尊の塊で、かつ部下を誰一人として信用していない筈の無惨が自分とほぼ対等の相手と見ている時点で既に異例の存在である。
黒死牟自身も無惨とは気が合い、無惨が鬼達に恐れられる原因の1つである「思考の読み取り」に関しても、主君に絶対の忠誠を誓う黒死牟にしてみれば感情を隠して取り繕う必要がないのでむしろ気が楽だと考えていたらしい。
上下関係を重視している事から無惨から与えられた血を「有り難き血」と形容する点でも主君に向ける崇敬の念が見える。

そして格上である童磨に対して猗窩座が拳を振るった際にはその左腕を斬り落として彼を諫め、軽薄に振舞う童磨にもまた釘を刺した辺りにもその思考がよく見える。
そんな中で格上の童磨と軋轢を起こす猗窩座に手を焼きつつも彼を気に入っており、入れ替わりの血戦を挑まれた時には本来であれば捕食していたところを喰わずに生かしておき、再び挑んでくることに期待を寄せていた。
その強さ故かなんなのか、血戦を挑まれる機会自体が極めて稀だったせいか、猗窩座が挑んできた時は嬉しかったらしい*3


◆戦闘能力


此方も抜かねば…無作法というもの…


十二鬼月が組織されて以降、一度も『上弦の壱』の座を明け渡さず頂点に立ち続ける怪物。
その外見と得物が示すように戦闘スタイルは刀を用いた剣術で、鬼よりも剣士としての形質が強く表れている。
ちなみに愛刀の名前は虚哭神去(きょこくかむさり)。刀身に無数の目玉が蠢く禍々しいデザインが強烈なインパクトを放つ。オマケに本気を出すと刀身が伸び、横から三本の刃が生える。
詳しくは後述。

しかし黒死牟最大の特徴は「月の呼吸」、つまり仇敵たる鬼殺隊と同様全集中の呼吸によって身体能力を強化した上でそれを行う事。
元より強靭な鬼の肉体性能を呼吸法で更に底上げすることによって、痣を発現させた『風柱』不死川実弥『岩柱』悲鳴嶼行冥の2人を同時に相手取り尚圧倒する程の絶大な戦闘能力を発揮する*4
他にも
  • 猗窩座に気取らせぬまま間合いに踏み込んでその腕を落とす
  • 至近距離から放たれた不意打ちの銃弾を全て刀で弾き飛ばす
といった具合にその強さと技能は他の追随を許さない。
剣術一辺倒というわけでなく体術にも精通しており、劇中では
  • 無一郎相手に無刀取りをカウンター気味に決める
  • 振り下ろされた刀を逆に踏みつけて地面に叩きつけて刀の破壊を狙う
などの離れ業を披露。単純な戦闘技能のみならず洞察力も極めて高く、初見の技「朧」に対してもその性質を即座に見抜き対応している。

再生能力や肉体強度も上弦らしく極めて高く、中でも頸の強度に至っては、痣を発現させた不死川の一撃でも刃が通らず、悲鳴嶼の鉄球の直撃にも耐えるほど。
厄介なことに攻撃に対しては基本避けるか刀で受けるかして対応するため、再生能力にかまけた油断も見られない。
挙句駄目押しと言わんばかりに「透き通る世界」をも習得しており、追い詰められた時の奥の手として全身から刀を生やして超高速の斬撃を放つ技能を持つ。

戦国の世から数百年を生き、十二鬼月の頂点に君臨する彼はまさに最凶の鬼。
ちなみに搦め手を主体にせず己の技術で真っ向勝負を仕掛けるというスタイルは猗窩座とも共通する。


流派/血鬼術

全集中 月の呼吸

黒死牟が使用することで初めて存在が明らかになった呼吸。呼吸音は「ホオオオ」
出自で述べたとおり「月の呼吸」自体は人間の頃に日の呼吸を基に自力で一から編み出したオリジナルの型だが、黒死牟はこれに血鬼術*5を組み合わせ、「刀を振るって膨大な斬撃の弾幕を飛ばす人外の剣技へと変貌させた。
血鬼術との併せ技だからか、はたまた黒死牟自身の練度故かとにかく技が多く、型の数は実に16(拾漆ノ型以降があるのかは不明)。ちなみにこれに次いで多いのは日の呼吸で、型12種+それらを連続して繋ぐ"13番目"となっている。

全体的に広範囲に致死となる攻撃が放たれる質・量をハイレベルで兼ね備えた物になっている事が特徴。
型の番号が増えるほど斬撃の密度・規模・攻撃範囲が増大するが、反面「剣術」という概念からかけ離れた血鬼術寄りの攻撃と化していく。
特に漆ノ型以降の技に顕著で、連打されると接近する事は疎か防御や回避すらも困難となる。

加えて振るわれる刀や放たれる全ての斬撃に沿って大きさや長さが常にランダムで変化する三日月状の刃が無数に形成されるという初見殺し的効果もある*6
その為あらゆる攻撃の軌道が非常に変幻自在且つ歪で、相応の実戦経験が無ければ対応する事は不可能。
そしてそれらの刃も触れれば人体を容易く切断するだけの威力を有する。
だがこの三日月は悲鳴嶼の武器で叩き割られている場面があり、一応は迎撃することも可能な模様。


血鬼術の絡まない純然たる月の呼吸がどのような型なのか、披露されなかった肆ノ型、拾壱・拾弍・拾参・拾伍ノ型の技名や動きは不明。*7
カラー版によると日輪刀の刀身はに染まる模様。


特殊技能

炭治郎や現代の柱達も操る肉体のリミッター解除能力。
黒死牟は鬼になったことで最大の欠点である寿命を乗り越え、常時発動の域に達している。

  • 透き通る世界
「無我の境地」「至高の領域」とも呼ばれる、痣と同じく炭治郎や現代の一部の柱、鬼が使う、相手の肉体を透視する特異な視野。
透視した筋肉の動きや肺の収縮、骨の向きなどから相手の動きを先読みして先手を取ったり、内臓の位置を知覚して弱点を見破ったりと非常に応用性が高い。


装備

  • 虚哭神去(きょこくかむさり)
鬼と化して以降から黒死牟が振るっている愛刀。
峰や鍔に無数の眼が浮かび、目釘部分が本物の眼になった、持ち主同様眼の存在が目立つ不気味な造形。
刀の名称が明らかになったのはファンブックから。

その特徴は黒死牟自身の血肉から形成されている為、変形能力と強い再生復元能力を備えている事。
その為剣士にとって致命となりうる武器の破壊などを気にする必要が無いという利点がある。
単純に刀身の総質量に応じて放つことの出来る斬撃の射程・数が増すようで、劇中では本気を出したことで刀身が伸び、更に刃側から1本、峰側から2本刀身が新たに生えた黒死牟の身の丈を軽く上回る規格外の大太刀と化した。
そしてそんな大太刀を軽々と振り回し攻撃速度は微塵も衰えないためハンデにはなり得ない。
一応極めて高純度の日輪刀と切り結べば灼け落ちてしまうという弱点はあるが、そもそもそうなる程の代物が滅多に存在しない上、再生する特性もあって実質的な弱点とはなりにくい。

またいざとなれば全身から虚哭神去の刀身を無数に生やし、ノーモーションかつ全方位に無数の斬撃を撒き散らすこともできる。


◆活躍

刀鍛冶の里編

妓夫太郎の敗北を受けて無惨が上弦の鬼を無限城に召集したため、鳴女の術によって馳せ参じる。
無惨の到着をいち早く察知し、主君からの「数百年かけても産屋敷一族の殲滅も青い彼岸花の発見もできないとかお前らいる意味あるの?(意訳)」という怒りを「返す言葉もない」と粛々と受け止めた。

無惨が去ってからは童磨に対して必要以上に攻撃を加える猗窩座の左腕を音も無く斬り落とし、「お前は度が過ぎる」と叱責。
それでもなお減らず口を叩き続ける童磨に苛立つ猗窩座を「気に喰わぬのなら入れ替わりの血戦を申し込め」(=正式な場で童磨を殺せ)と諭し、その異貌を露わにして念を押した。
それに対し「いつか必ずお前を殺す」と宣言した猗窩座に励む様に伝えると、音も無く姿を消し自ら無限城から退出した。
猗窩座を諫めはしたものの、彼も彼で上記の会話中では童磨をガン無視していた。


無限城決戦編

善逸と獪岳の同門対決において獪岳の回想という意外な場面で再登場。
獪岳の心を折って戦意を喪失させ、血を与えて鬼にした張本人であることが明かされた。
またその際に
  • 強い剣士であるほど鬼に変ずるには大量の無惨の血とそれに適応する長い時間が必要
  • 稀に血を与えられても鬼に変じない体質の者がいる
と語り、「私は丸三日かかった」との発言から彼自身もまた元鬼殺の剣士であることが確定した。

その後は無限城内の無数の柱が立つ部屋で鬼狩りを待ち構える。
猗窩座の気配が消えたことで彼の敗北を悟り、自身の期待に反して鬼を捨て人としての死を選んだ事に「さらなる高みへの道を自ら放棄するとは軟弱千万」と苛立ちを見せ、部屋の柱を数本斬り倒すなど珍しく感情を荒げる姿を見せた。


◆余談

  • 初登場時からそのビジュアルや設定、佇まいから「絶対に強いはず」「というか無惨様より強そう」「もうこいつがラスボスでよくね?」とある種の期待をもって見られていたが、本格的な活躍が始まるとその予想以上の強さに多くの読者を興奮と絶望の渦に巻き込んだ。

  • 自身を常に縁壱と比較してきた巌勝だが、戦闘技術においては

    ・月の呼吸という独自の呼吸法を生み出す
    ・後継者となれる才能の持ち主が出てこない
    ・修練を開始してから僅かな期間で痣を常態化させる
    ・透き通る世界にも辿り着く

    等、紛れもなく稀代の才覚の持ち主だった。

  • 本誌掲載時に初めて刀身が描かれた際(獪岳の回想時)のビジュアルは血走ったような紋様が刻まれていただけのシンプルな物だった。後の単行本収録時には現行のデザインに修正されている。

  • 巌勝の名は父親が「強く、いつも勝ち続けられるよう」と願い名付けられた。


(実に良き項目)

(詳細で分かりやすい)

(Wiki篭りが建てた項目なのだろう)

此方も追記・修正せねば…無作法というもの…

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最終更新:2024年03月16日 16:26

*1 呼吸に対応する刀身の色は紫

*2 鬼狩りから鬼を出すことは、構成人員のほとんどが鬼の被害者、ないしその縁者である隊内において極めて重い

*3 猗窩座をカウントしても、数百年でたった三度。他にも彼に血戦を挑んだ鬼が2人ほどいたようだが、彼等に関しては容赦なく食ったらしい

*4 加えてこの2人は強者たる柱の中でも更に上位の実力者である

*5 劇中で明言されているわけではないが、技の特性からして血鬼術である可能性は高い

*6 そもそも「全集中の呼吸」の技による炎や水流などは「使い手の技量でそう見える」だけなので、水の呼吸で本当に水が出たり、日・炎の呼吸で発火・炎上したりするようなことはない。故にこれも単なるエフェクトだろうと思われていたが、「マジで当たり判定がある」という恐ろしさは読者に強烈なインパクトを与えた。

*7 原作完結後に出たファンブックでもやはり言及されず。わざわざ欠番にしているとは考えにくいので、単に技が多すぎて全てをお披露目する尺と機会がなかったのかもしれない。ちなみに音(弍と参)・恋(肆)・炎(陸、漆、捌)・花(壱と参)も未使用の型は技名すら不明なまま。

*8 これにより図らずも彼の稀血を我慢して襲いかからなかったことが、禰豆子の無害さを一番証明していたことが発覚した。