床下機器(鉄道車両)

登録日:2019/07/13 Sat 23:16:31
更新日:2024/04/21 Sun 15:31:47
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この項目では、鉄道車両の搭載機器について大雑把に解説する。
「床下」機器じゃないものも混じっているが気にしないように。

◇床下機器 - それはメカマニア垂涎の世界

普段何気なく利用している鉄道。
しかしその床下、あるいは屋上には様々な機器が搭載され、鉄道車両が車両として機能を果たすべく稼働を続けている。
一般客の目には触れない以上、こんなものに興味をもつのは現場とマニアだけで十分だと言わんばかりのその無骨な見た目、
普段はあまり耳にしないような動作原理などが、
本項目の作成者のようなメカ好きの心をくすぐるのだ。
ここではそんな床下機器について解説していく。
多少でも興味があったら、向かいのホームに停車する車両の機器などを観察してみるのもいいだろう。

◇最初に - なぜ鉄道車両には床下機器が必要か

鉄道車両は輸送機器である。
人間や貨物を積載し輸送する機械。
その「輸送」を行うためには当然、自走能力、あるいは動力車に牽引されて走行を行う能力が必要とされる。
ただ単に鉄のレールの上を走るだけなら金属の車輪をつければいいのだが、
その鉄道車両が走行するレール、軌道は余程のことがない限り地形に沿って敷設されているので、カーブも勾配も存在する。
となると、カーブにおいてスピード超過で脱線しないために適切な速度域に調節するブレーキなどの機構や、あるいはカーブをクリアするための機構が必要になる。
また、積載物の積み下ろしを行う「駅」に停車させるために確実に減速し、停車するためにも「速度を調節し、あるいは車両を停止させる機構」が重要となってくる。
また加速するにしても、鉄軌道と鉄の車輪の組み合わせは摩擦力が想像以上に小さく(だからこそ省エネルギーで大量輸送ができるのだが)、空転しないように適切に制御しながら加速する機能も必要となる。
「走って、止まって」という当たり前すぎることを行うために様々な機器が必要となる。
さらに人間を乗せる旅客車の場合、上記の走行能力に加えて乗客が安全かつ快適に乗車できるような機構も重要となってくる。
レールのジョイントの衝撃が客室に直撃すればそれは相当な衝撃となるのでそれを抑える「サスペンション」が必要になるし、
駅に停車したら乗客が乗り降りできるようにドアを開閉する機構も必要となる。
夏の暑さや冬の寒さから乗客を守るために空調機器も必要。
夜間でも安全に利用できるように車内の照明も必要となってくる。
さらに最近は車内の表示機による情報表示やCM、あるいはWi-Fiサービスなども登場しており、これらを稼働させるための電源や通信機器も必要となっている。
長々と書いたが、要するに「当たり前のことを当たり前に行うためには様々な機器が必要」ということである。
で、その当たり前を支える各種の機器はどこに置くか?
客室に置いたら肝心の乗客が乗れないだろう。車両規格自体小さく外部に余裕が無いナローゲージ路線など余程切羽詰まってない限り、客室に当たり前を支える機器を置くなんてことはしない。
となると、究極的には「客室の外」に各種機器を積むということに行き着く。
そう、車両の床下、あるいは屋上である。
床下は台車のおかげで一定以上の地上高さが確保されているので、機器をある程度小型化すれば様々な機器を搭載できるスペースとなる。
さらに検査の際にはピットから直接アクセスできる。
メンテナンス性の点で見ても割と好都合なのだ。

少なくとも現時点の技術では、走行機器は床下(や屋上)に設置するのが最適解といえるのである。

◇種類 - 当たり前を支える裏方たち

さて、ここで本題に入ろう。
様々な床下機器やその役割、種類などを大雑把に解説していく。

◆集電装置

いきなり床下ですらない(場合が多い)ものを挙げるが気にするな。
電車や電気機関車といった電気車両の象徴ともいえる機器である。
役割は知っての通り、架線や第三軌条から電気を取り込み、車両にエネルギーを供給すること。

ここで理科の基礎を押さえている人は少し疑問を持つかもしれない。
「あれ?取り入れるのはいいけど出ていく方はどうするの?」、つまり電極の反対側はどこにあるのかってことに。
…実は、走行用のレールが架線や第三軌条の反対側の電極を兼ねている。要するに「架線から入って地上に出ていく」という回路が構成されているのだ。

○ポール

架空電車線方式では最も原始的な集電装置。
先端に滑車などのついた金属棒を架線に接触させ、電気を供給する。
昔の路面電車とかでよくあった方式。

構造としては簡潔の極みだが、所詮は棒の先という点で架線と接触しているだけであり、離線*1が多く、また低速域にしか対応できない、
終点で向きを変える必要があるなどの難点が多く、
今現在では滅多に使われない。

○ビューゲル

ポールから発展した集電装置。昔の路面電車でよくある、布団たたきのような形の集電装置である。
架線と接触する部分が点から線になったので離線は減ったが、やはり低速域でしか使えない方式である。

○Yゲル

ポールの先端をY型の金属パーツに交換したなんちゃってビューゲル。

○パンタグラフ

今の電車では最もメジャーな集電装置。
名称が製図に使うパンタグラフに似ていることからこの名がつけられた。
尤も今ではパンタグラフと言ったら電車の部品を指すほうが多いが。
構造こそポールやビューゲルに比べて複雑であるが、高速域でも離線しにくい。

日本では東洋電機製造や東芝が主に手がけている。
東洋電機製造ってなんだよ、と鉄道に詳しくない人は言うかもしれないが、まあ要するにいろんな鉄道向けの部品を作ってる会社だくらいに考えてくれ。
シーパラでおなじみの八景島の近くに工場がある。

ちなみに、パンタグラフが架線に接触する力はわずか5kgと言われている。
砂糖の袋や、小さな米袋の重量と同じくらいの力で架線にへばりついているのだ。
このため雪とかが積もると案外すぐに下がってしまうらしい。雪は大敵です。

菱形、シングルアーム型など様々な種類がある。

●菱形パンタグラフ
まず最初に思いつくのがこれだろう。
構造はパンタグラフの中でも簡単だが、重量と搭載スペースが増える。

●下枠交差型パンタグラフ
菱形パンタの下の枠を交差させることにより設置面積を小さくしたパンタグラフ。
交流機器や分散式冷房装置、二階建てなどで屋上スペースが限られる車両に多い。
ただし架線への追従性は若干悪いと言われている。

●シングルアームパンタグラフ
現代ではメジャーなパンタグラフ。
菱形パンタの半分を切り取ったような構造。
部品点数の削減と着雪対策として1990年代以降一挙に普及した。
構造が簡単で追従性も高いが、進行方向により空力特性が変わるという難点もある。
それでも簡素で軽量、安価なのは大きいのだろう。

●翼型パンタグラフ
新幹線500系に採用されたパンタグラフ。T
厳密には「パンタグラフ」ではないが、便宜上こう呼ばれる。
300km/hの速度域でも確実に架線に追従し、空気抵抗を抑えるために開発された集電装置。

●石津式パンタグラフ
岡山電気軌道が採用している集電装置。
少し小ぶりのパンタグラフの下に錘をぶら下げ、錘によりパンタグラフを上昇させる。
ちなみに考案者は当時の岡山電気軌道の社長。
低速域でしか使えないが、バネや空気圧アクチュエータなどが一切不要でメンテナンス性がいいという利点を持つ。

○余談
鉄道のイラストを描くときにパンタグラフは割と突っ込まれやすい要素の一つである。
あまり鉄道に詳しくない漫画家が電車を描いたりすると、

◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇

…と、「全車にパンタ2台搭載」という鉄ちゃん絶頂モノ…もとい狂気の沙汰としか思えない代物になったりする。
現実にはこんなのはありえない。
そもそもパンタグラフだってれっきとした空気抵抗の源であり、こんなにつけたらエネルギー効率や騒音の問題で楽しいことになる。
メンテナンス性?察しろ。
0系新幹線だってパンタは車両の片側、しかも2両に1つでしかない。これでも騒音やスパークで訴訟沙汰になった。
そう考えれば全車2パンタがどれだけ非現実的かわかるだろう。
普通はパンタグラフを積んだ車両は3~4両に1つくらいである。

ついでに言うと時代によって描くデザインも違っている。
1970年代なんかはまだギリギリポール集電が残っていたため、ポールを知らないと嘆く人も居たが、最近ではシングルアームが一般的にしたせいか、菱形を知らないと(ry


○集電靴/コレクターシュー

第三軌条方式の電車の集電装置。
東京メトロ銀座線丸ノ内線横浜市営地下鉄ブルーラインOsaka Metro御堂筋線などで採用されており、「あれ?この電車、パンタグラフどこにあんの?」と思った方もいるだろう。
何、思わなかった?思ってくれ。
じゃあこいつらはどこから電気食ってるの…といえば、走行用のレールの脇に設置された電源用の第三のレールから電気を得ている。
だから第三軌条。
ここに接触させるのがコレクターシュー。台車に設置されている。
基本的には600~750Vという(電車の電源としては)低電圧で、最高速度も大したことない地下鉄で用いられる方式である。
国鉄では碓氷峠新線開業前の信越本線横川~軽井沢間でも使用されており、これが日本初の採用例だった。
第三軌条で160km/hで爆走していたイギリス側でのユーロスター?あれはあの国なら仕方がないということで。

ちなみに、第三軌条の駅で立ちションをすると小便で感電死するという話が存在するが、小便は連続した小さな水滴でできており、電気が通る可能性は限りなくゼロに近い。
監察医を主人公にしたテレビドラマ「きらきらひかる」で同様の事件が描かれたことで広まった可能性が高い。

いずれにしても立ちションは勿論ダメ、物を落としてもむやみに線路に下りたりしないように。こわいでんきがながれています。


◆台車

車両が「走る」ための最重要な機器。
実質的に車両の走行のすべてを担う機器といえる。
外見通り枕バネ(サスペンション)、車輪、基礎ブレーキ、動力用のモーターなどが詰まった複雑な部品である。

○軸箱支持装置

車軸を支える機器。
とだけいえば簡単であるが、実際のところは鉄道車両の進化に合わせて様々な発展を遂げてきた部品でもある。

●イコライザー式
最も古くからあるものの一つ。
前後の車軸をイコライザーという、弓形の梁で接続するもの。
片方の軸に加わった衝撃は、イコライザーによりシーソーのようにもう片方の軸とで分散される。だからイコライザー。
バネ下重量、つまり車軸にかかる重量がクッソ増えるので現代では滅多に使われないが、その一方で劣悪な軌道条件にも対処できるのでアメリカでは未だに現役だとか。

●軸バネ式/軸箱守式/ペデスタル式
たこ坊主式とも。
軸箱守(軸箱の上下動を支えるためのガイド)の中に軸箱をPON☆と入れ、その上にぶっとい♂軸バネを取り付ける方式。
一昔前の東急電鉄や西武鉄道の電車で多用された。
構造は簡単だが軸箱守がすり減る上、所詮はバネ1本で支えているので高速走行するとふらつきやすいという難点がある。

●ウイングバネ式
旧国鉄の車両で多用された方式。
軸箱守の前後にコイルばねを取り付ける、軸バネ式の発展形。
安定性は高いがバネ下重量がちょっと大きい。

●円筒守式/シュリーレン式
ウイングバネ式の発展形。
軸箱守の代わりに、ウイングバネ式での左右の軸バネの中に円筒形の部品を入れる。
摺動部分(すり減る部分)は少なくなるが、特に円筒守の製造には高精度が求められる。
この円筒形の「軸箱守」をオイルダンパーに変えるとシュリーレン式になる。スイスのシュリーレン社が開発した方式。
国内では主に近畿日本鉄道で多用された。

●ミンデンドイツ式
軸箱の左右に板バネを伸ばし、軸箱を支持する。
新幹線や大手私鉄などで系譜を含めて多用された。
軸箱守が不要となるのですり減る部分を減らせるが、台車の長さが長くなるのが難点。

●Sミンデン式
ミンデンドイツ式の発展形。軸箱を支持する板バネを片側だけにしたもの。
これも大手私鉄で多用された。

●アルストムリンク式
軸箱の左右から伸びる小さなリンク機構で軸箱を支持する。
世界三大鉄道車両メーカーの一つであるアルストム社が開発したもの。
国内では小田急電鉄が主に採用。

●モノリンク式
アルストムリンク式の発展形。リンク機構を片側だけにしたもの。

●軸梁式
軸箱を片側に伸びるぶっとい♂梁で支えるもの。超シンプルな構造。
近年のJRグループの車両に多い。

●シェブロン式
軸箱を左右から張り出したゴムで支える。
摺動部分を完全に無くす事ができるが、低速でしか使えないため主に路面電車で使われる。

●仮台車
特定の形式がある訳ではないが、車両基地において本来使用する台車が修理中の時に使ったり新幹線車両や一部の私鉄車両など軌間が合わない車両の甲種輸送に使ったりする。
特に前者は本線上での高速走行を行わない前提であるため簡素な作りであることも多く、また適当な廃車発生品で賄われることもあり中にはとんでもない歴史を持つものまで。

○駆動装置

カルダン駆動において主電動機の回転力をギアボックスに伝達する機構。
なんでこんなものが必要なのかというと、カルダン駆動は詳細は省くが車軸から見ると電動機が「浮いている」状態になっている。
ということは車軸の変位を吸収したり、あるいは衝撃を緩和する機構が必要になる。
その機構が駆動装置である。

●中空軸平行カルダン駆動装置
吊り掛け駆動と違ってカルダン駆動は電動機とギアボックスの間に継ぎ手が入る。
しかし高出力の大型電動機を使いたい、或いは狭軌車両で継ぎ手を仕込む余裕が少ない、さてどうする?
そんなの簡単だ、軸を途中で「折り返せば」いいんだ。
というわけで、中空の回転軸を持つ電動機を用い、その端に板バネなどを用いた継ぎ手をつけることで、
回転力の伝達を「折り返す」という構造の駆動方式。

●TD駆動装置
板バネを組み合わせた駆動装置。Twin Discの略。
(あるいは開発元のToyo Denkiの頭文字という説も)
構造は簡単だが高速で独特の「ブーン」という騒音が出る。

●WN駆動装置
歯車とバネを組み合わせた駆動装置。米国ウェスティングハウス社とナタル社が開発した。
TD駆動と比べると複雑で重いが、変位量はTD駆動よりも大きく、また高負荷にも耐えられるので、
地下鉄車両や新幹線に多い。
高速で惰行すると独特の「ガー…」というバックラッシュ音と振動が出る。

◆制御装置

台車が「走る」ための装置なら、こちらは「制御する」ための装置。
ただ走るだけでは輸送機器としては成り立たない。必要なときに走って止まらなければならない。
電動機にかける電力や周波数を変えることで速度制御などを行う。

○抵抗制御


箱の中の様子*2

もっとも原始的な制御装置。電動機につないだ抵抗を抜き差しすることで速度を変える。
構造が簡単で信頼性が高く、発電ブレーキも簡単に実装できるが、
余剰の電気エネルギーは熱として捨てているので効率は悪い。
ただし抵抗をスイッチで抜き差しするだけなので極端な話、現場レベルでも修理や保守が可能である。
モハ(動力車)の床下に並ぶカゴ状の部品、あるいはブロアから四六時中ブオーンと音を出している部品。

○バーニア抵抗制御

抵抗制御の発展形。
細かい補助抵抗器を追加することにより、抵抗の変化の段階を細かくし、なめらかな加速を実現した。
高加速を行う車両や、電気機関車に採用されている。

○低圧タップ制御

交流電化でしか使えない方式。
架線の高圧電源を降圧するトランスの二次側(出力)に多数のタップ(出力端子)を設けておき、
タップを切り替えることで必要な電力を得る。

○サイリスタ位相制御

サイリスタという半導体素子を用い、整流の途中で通電をキャンセルすることにより実質的な電力を増減する制御方式。
その特性上交流電化でしか使えない。

○電機子チョッパ制御

抵抗制御に代わる省エネルギーな制御方法として開発されたもの。
電気工学に詳しい人になら、「PWM制御」といえば通じる。
電動機に加える電力をものすごい速度でON-OFFを繰り返し、ONの時間を増減することで実質的な電力を増減する。
省エネルギーなだけでなく加減速もなめらかなので、地下鉄でこぞって採用されたが、
制御回路が非常に複雑かつ高価なのでそれほど普及はしなかった。
動作時に「ブー」というブザーのような音がなるあれ。

ちなみに、電機子チョッパ制御自体の概念は割と古くからあるが、
半導体など存在しなかった当時は…
「接点の付いた軸を超高速回転させてON-OFFを繰り返す」という、脳筋もといチョッパ制御(物理)な方法だったとか…

○界磁チョッパ制御

界磁部分の電流だけをチョッパ制御する方法。電機子部分は抵抗制御なので、チョッパ制御用の半導体は小型で安価なもので済む。
一時期の私鉄電車で多用された。
ただし、使用するためには複巻電動機が必要になるため、これを嫌っていた国鉄・JRでは一切採用例が無い。

○界磁位相制御

界磁チョッパ制御の亜種。
電動発電機(後述)から供給される三相交流を位相制御して界磁に供給することにより、界磁チョッパ制御と同様に界磁制御を行う。
界磁チョッパより若干安価とされる。
近鉄、名鉄、京阪くらいしか採用例のない比較的マイナーな方式。

○界磁添加励磁制御

末期の国鉄車両で多用された方式。
界磁チョッパ制御と同じく、界磁の部分だけを半導体で制御するが、
こちらは界磁の電流を直接制御するのではなく、別電源からの電流を加えて制御するもの。だから界磁「添加」励磁制御。
抵抗制御の延長線なので信頼性が高く、直巻電動機が使用可能、さらに回生ブレーキも使える。
そのため私鉄では抵抗制御車からこの方式に改造した車両も存在した。

○VVVFインバータ制御

現在主流の制御装置。
直流電力を三相交流に変換し、周波数と電圧を変えることで交流電動機を駆動する。
構造は簡単だが制御が難しい交流電動機を電車の動力用として使えるようにした。
モハの床下にくっついている、カゴ状の冷却装置の付いた大型の機器がこれ。
というか大抵は「VVVF」とか「VVVFインバータ」とか書いてあるので識別は容易。
メーカーや使用する半導体、あるいは制御用プログラムにより、様々な動作音を発する。
半導体やプログラムの寿命から15年程度で更新を行うことが多く、更新の際は動作音が大きく変わるので判別が可能。
動作音の点で特に有名なのはドイツ・シーメンス社が開発したドレミファインバータこと「SIBAS32」だろう。

◆主電動機

電気車両が走行するための原動機。
大きく分けると直流電動機と交流電動機に分かれる。

○直流直巻電動機

直流電動機としては最もメジャーなもの。
電機子(回転する方のコイル)と界磁(電機子の周りにあるコイル)が直列になっているもの。
電車用として非常に適した特性を持つため長年に渡って使用されてきた。

○直流複巻電動機

界磁のコイルが電機子と直列になったものと、並列になったものが同居しているもの。
界磁チョッパ制御の車両に用いられる。

○直流分巻電動機

界磁のコイルが電機子と並列になっているもの。
営団地下鉄(現・東京メトロ)のチョッパ車に多く用いられた。

○交流誘導電動機

現在主流となっているもの。
構造としては電車用の中でも特にシンプルであり、
「界磁の中にただの金属塊の回転子が入ってる」でだいたい説明できる。
回る理屈は書くと長くなるので割愛。

○交流同期電動機

回転子の部分もコイルになっているタイプの交流同期電動機。
重量は増えるが、効率は誘導電動機よりも高いとされている。
TGVなどに用いられている。

○永久磁石同期電動機/PMSM

回転子の部分が永久磁石となっている同期電動機。でかいマブチモーター
次世代の電動機として普及が始まっている。
効率は高いが、磁極の位地に合わせて制御する必要があったりと一筋縄では行かないヤツ。

◆エンジン

気動車の場合の動力源となるエンジン。
黎明期にはガソリンエンジンも用いられたが、現在では燃費と安全性の面からほぼディーゼル一択である。

◆断流器

主回路の電流をON-OFFするための超大型スイッチ。
低速でノッチ(アクセルみたいなもんと思えばいい)を切ったときに「パコン」と音をたてることがあるあれ。
腕のいい運ちゃんはこの「パコン」が無いらしい。

◆補助電源装置

鉄道車両の各種機器を動作させるための電源装置。
なんでこんなものが必要なのかというと。
架線に流れているのは直流1500Vや交流20000V、新幹線であれば交流25000Vといった高電圧である。
比較的低圧の路面電車や第三軌条式地下鉄でも、600Vや750V。
こんな電力を、5Vや12Vで動く電子機器や、あるいは100Vや200Vで動く蛍光灯、扇風機、エアコン等に直接つないだら壊れてしまう。
だからこそ適当な電圧に下げる「電源装置」が必要なのだ。

○電動発電機/MG

超操縦メカではない。Motor Generator、略してMG。
「電動」発電機とだけ言えば意味不明かもしれないが、なんのことはない。
架線の600Vや1500Vで回る電動機で、200~440Vの発電機を動かすだけである。
重量が大きく、電気エネルギーを一旦回転力に変えるので効率が悪く、メンテナンスも複雑であるが、
その一方でフライホイール効果…つまり突然電源が止まってもしばらく勢いで回り続けているので、離線の懸念の多い環境では有利とも言われる。
実際JR東日本701系の初期型も、補助電源にMGを使っているわけで。
国鉄の初期の特急電車はボンネットと呼ばれる形状をしているが、これは踏切事故における乗務員保護のほか、騒音を出し大型であるMGを客席から一番遠い場所に置く必要があり、あの形状になったのだ。
なのでボンネットを開けると巨大なMGが鎮座している。
型番としては東芝製のものは「CLG-XXX」、日立製のものは「HG-XXX」とか付く。

○DC-DCコンバータ

架線の直流電力を200~440Vに降圧する電子機器。
身近な例で言えば、パソコンやゲーム機のACアダプタにもこいつの仲間が入っている(交流100Vを直流に整流し、DC-DCコンバータで所定の電圧に変えている)。
後付で冷房化した車両などに多い。

○静止型インバータ/SIV

現在主流の補助電源装置。
大雑把に言えばVVVFインバータの機能限定版、あるいは車で使うインバータのお化け。
ちなみに静止型インバータ、SIVというのは和製英語であり、海外ではAPU(外部動力装置)と言われる。
北陸新幹線のE7/W7系だと、SIVのある辺りにAPUとか書かれている。

○抵抗器

抵抗器。
何の変哲もない抵抗器。
電動発電機すらなかった時代は、抵抗を挟んで架線の600Vを直接電灯や扇風機につないでいた時代もあった。
現代ではこんなのは流石にない…と思ったか?
鉄道界のブリストル自動車こと近江鉄道のキメラ電車220形、あいつは架線の1500Vに抵抗を入れた上でクーラーに直接流している。

◆電動空気圧縮機

ドア開閉やブレーキなどに使う圧縮空気を作り出す部品。
これがなければ止まらないしドアも開かない。
電動機からの動力伝達方式により、ギア式・ベルト式・摩擦板式などがある。

○DH-25

ギア式の旧式コンプレッサー。現在では東武6050系などに付いている。
トクトクトク…と軽やかな音。

○D-3系列

私鉄の旧式電車で多く使われていたもの。D-3-F、D-3-Nなど様々な分類がある。
駆動用電動機の甲高い音と、コンプレッサーのトクトクトクという音が心地よい。

○AK-3

ではないしプロ野球でもない。
旧型国電で多用されたコンプレッサー。
配管だらけのフレームに覆われたタンク状の部品。
低音での「ウオォォォォン」という音が特徴的である。

○C-1000

国鉄の短編成車両で多く使われた、ベルト伝達式のコンプレッサー。
「シュシュシュシュ…」という音と振動は、好みの分かれるところかもしれない。

○C-2000M

同じく国鉄で多用された大容量コンプレッサー。
スーパーベルズの「MOTER MAN」の武蔵野線編で、イントロで鳴ってるあれ。
後継機として、駆動用電動機が交流電動機となったAC-2000Mもある。こちらは「ドゴン!ドルルルルル…」という全く別物の音。

○HB-2000

私鉄電車で多用された大型コンプレッサー。摩擦板式。
ガチムチ♂フレームで囲まれた特徴的な姿。

○C-2000L

C-2000Mの後継機。魚の骨のような形状の低騒音形。

○HS-20

HB-2000の後継機。フレームすらなく、電動機とコンプレッサーが露出したような形状。

○HS-10

HS-20の小型版。私鉄の短編成車両で時折使われる。

○HS-5

HS-10をさらに小型化したもの。東急系統の一部の車両でしか使われていない(と思われる)レア機。

○RWS-20

ナブテスコ製のスクリュー式コンプレッサー。
リショルムコンプレッサーとも呼ばれる奴。車が好きな人ならMAZDAやベンツのスーパーチャージャーみたいなやつ、と考えればいい。
E231系などにもこいつの系列品(JR東日本での社内呼称はC-1600S)が使われているようだ。

○AR-2

京急でおなじみのロリコン…じゃなくてロータリー式コンプレッサー。
あの「ウオオオオオーン」という音こそ京急!という人も多いのでは?

○余談

補助電源やコンプレッサーは、一台で一両分の電力や圧縮空気を賄っている…というわけではない。
というかそんなことやったら効率が悪いし機器も増えてメンテナンスが大変である。
これも大抵はパンタグラフと同じく、2~4両くらいで共有している。
大体の容量としては、
1~2両→補助電源60~75kVA、コンプレッサー容量1000L/分
3~4両→補助電源120~190kVA、コンプレッサー容量2000L/分
くらいが多い。
比較的小型の「75kVA」という数字でも、実は結構な高出力である。
そこらの電柱に付いている、家庭用電源向けのトランス。あれが50~75kVAの容量である。そう考えれば如何に最近の電車が電気を食うかわかるはず。単純な比較はできないが、家ひとつ分の電気を20mの車体2つが食ってると言えるのだ。
…なお、電車にクーラーなんぞなかった時代は補助電源のMGの容量は、4両で5kVAとかそんな程度のものすら当たり前だった。
冷房が付いたら一気にその10~20倍の容量の電源が必要になった。クーラーというやつは、それほど電気を食うのだ。あと重量もかさむのである。
例として、東武8000系は非冷房の時代は加速度は2.5km/h/sだったけど、クーラーを積んだら2.23km/h/sに下がっている。それほどの重量である。

営団日比谷線でかつて運用されていた3000系は、
  • 照明用の5kVA
  • ファンデリア用の2kVA
  • ATC用の0.3kVA
の合計3種のMGを搭載していたという。(メンテナンスが)恐ろしい…。
ただし後に照明とファンデリア用は9kVAを共用し、ATCは小型のSIVで給電するという方式に改められた。

◆ブレーキ関係装置

「走る」を制御するのとは対に位置する「止まる」に関連する装置。止まれない=事故に直結するため、昔から様々な種類が研究されている。
大別すると空気ブレーキと電気ブレーキの2種類があり、それをコントロールする仕組みも様々ある。

◇空気ブレーキ

コンプレッサーで発生させた圧縮空気を利用して制輪子を動かす。摩擦ブレーキを動かすための仕組みと言っても過言ではない。
原則としてエア漏れ=止まるに動くように設計されている。
空気ブレーキが作動すると圧縮空気の排気音が聞こえる。
  • 直通ブレーキ
タンクに貯めておいた圧縮空気を直接ブレーキ弁でコントロールする。もしもブレーキ管が壊れたり、空気が漏れたりするとブレーキが全く効かなくなるという危険性もはらんでいる。
このため、後述する自動空気ブレーキと併用することが連結運転を営業運転では行わない路面電車を除き義務化されている。

  • 自動空気ブレーキ
自動と付いているが、自車の位置を検知して自動でブレーキをかけるというものではない。
編成全体にブレーキ管を引き通し、管内は常に一定の気圧を保っておく。気圧を上げるとブレーキが緩み、気圧を下げるとブレーキが掛かる。
もしブレーキ管が破損したり、連結が外れたりしても自動でブレーキが作動するため、バックアップシステムとして装備されていることが多い。
短時間の間にブレーキ掛け・緩めを繰り返すとブレーキ管内に必要な空気圧を確保できずブレーキ力が落ちる、或いは全く効かなくなる込め不足という非常に危険な現象を招く。

  • 電磁自動空気ブレーキ
自動空気ブレーキにブレーキ弁と連動する電磁弁を各車両に設置し、ブレーキの応答性と制動力を確保したもの。

  • 電磁直通ブレーキ
電磁自動空気ブレーキの応用で、直通ブレーキにも電磁弁を設置したもの。基本的な仕組みは直通ブレーキのままであり、空気漏れ・ブレーキ管破損による暴走事故を防ぐため自動空気ブレーキとの併用が義務化されている。

◇電気ブレーキ

走行用のモーターを利用し、前進する運動エネルギーを電気エネルギーに変換して減速する。
減速時にモーターの音が下がるように聞こえれば、それは電気ブレーキが作動しているという意味である。
速度が落ちてくると発電量が減り、ブレーキ力が落ちるため低速域での停止は摩擦ブレーキが担う。最近では停止寸前まで電気ブレーキが作動する車両もある。
  • 発電ブレーキ
モーターで発電した電気を床下に設置した抵抗器に流し、熱エネルギーに変えて制動力を得る。仕組みはシンプルだが、熱に変えて捨ててしまうためエコとは言い難い。ローカル線向けの車両では回生ブレーキのバックアップシステムとして装備されていることがある。

  • 回生ブレーキ
モーターで発電した電気を架線に戻し、他列車が加速するためのエネルギーとする。ハイブリッドカーに付いているブレーキとほとんど同じ。近くに他の列車が居ないと発電した電気が行き場を失ってブレーキ力がガタ落ちする(回生失効)ため、ローカル線向けの車両ではバックアップシステムとして発電ブレーキを装備していることがある。
余談だが、回生失効はハイブリッドカーでも起きうる。アシスト用モーターを駆動するバッテリーの充電量が一杯の時にブレーキを踏んでもバッテリーはもう電気を受け入れられないし、停止寸前だと発電量そのものが少なくなるため摩擦ブレーキでの制動に切り替わる。

○電気指令式ブレーキ

ブレーキの指令を電気信号で送る装置。この方式は電気ブレーキと空気ブレーキの両方に使用できる。
電気信号でブレーキ指令を送るため、ブレーキの強さを数字で段階的に刻むことが出来る上、電気ブレーキと空気ブレーキの協調制御がやりやすいのが特徴。
デジタル式とアナログ式があり、デジタル式は信号線を3~4本用意し、2進法で信号を送る。アナログ式は信号線を1本とし、信号線を流れる電圧・電流を直接コントロールする。
日本では三菱電機が実用化第1号となり、大阪市交通局に納入された。

○補助ブレーキ

単体では列車を停止させることは出来ないが、ブレーキ力の不足を補う装置。気動車への搭載例が多い。
  • 排気ブレーキ
エンジンで走行する気動車に搭載されているブレーキで、排気管を閉じることで排気抵抗を増やしてエンジンブレーキの作用力を高める。

  • リターダ
プロペラシャフトに抵抗を与えて速度を抑制する補助ブレーキ。
流体式・電磁式・永久磁石式の3種類がある。

  • エンジンブレーキ
エンジン運転中に発生する損失をブレーキの補助に用いるもの。自動車のそれと同じ。

  • 空力ブレーキ
強い制動力が求められる非常ブレーキ作動時に車体から飛び出して空気抵抗を増加させて減速力をアシストする。
ネコミミ新幹線というあだ名で知られるJR東日本のFASTECH360S/Zに搭載されていたものが有名。

  • 電磁石ブレーキ
非常に珍しいタイプだが、これも電気ブレーキの一種。台車に装備された電磁石に電気を流すことで強力な磁力を発生させ、レールに吸い付く力を利用して制動力を確保する。
減速・停止させるためのブレーキと言うよりは、急勾配上で停止した場合の制動力の保持に用いられる例が多い。

◆連結器

複数の車両を接続するために欠かせない装置。単に連結器だけあれば連結できると言うほど簡単な代物ではない。
カプラーとも呼ばれる。

○自動連結器

鍵の手形をした連結器。ナックルを固定する錠を外した状態で車両同士を押し当てると「自動で」連結が完了するため自動連結器という名称がついた。
日本で主流のタイプは柴田式と呼ばれるが、これは開発者の名前からとったもの。
連結器に隙間ができるため、乗り心地という観点ではあまり優れない。ただし動力が1箇所に集中する機関車列車の場合、重量が徐々に機関車にかかるためこのタイプが有利。
主に機関車や貨車に搭載されているが、非常時の救援用にしか使わない事を前提に電車に搭載していることもある。

○密着自動連結器

自動連結器の改良型で、隙間を可能な限り小さくしたもの。
自動連結器と互換性があり、相互に連結可能。
主に気動車や客車に搭載されている。

○密着連結器

突起部と窪みで構成される連結器。その名前の通り隙間なく「密着」する連結器である。
単に差し込んだだけでは連結が外れてしまうため、連結器内部に「回り子」と呼ばれる部品があり、これが回転してロックされることで連結が固定される。
連結器が密着するため、空気配管を連結器に内蔵することが出来る。
主に電車に搭載されているが、乗り心地に優れるのと電車との部品共通化を目的に最近では気動車や客車への搭載例も出ている。

○半永久連結器・永久連結器

主に通常時切り離しを行わない固定編成の中間部に搭載される連結器。半永久連結器は密着連結器から回り子を取り除いたような構造で、連結の固定はボルトとナットで行う。
一方永久連結器はただの鉄の棒である。検査や整備などのために連結を解除する時は連結器そのものを外してしまう。

○中間連結器

密着連結器と自動連結器の間に(当然だが)互換性はない。
だけど何らかの理由でお互いを連結させないといけない時がある。車両故障・基地内での入換作業などなど…
そういった時に連結器のアダプターの役割を果たすのがこの中間連結器。密着連結器に差し込んで使用する。連結強度は正規の連結器に比べて小さく、使用中は70km/h以下でないと走行できない。
ナックルが動かないため、中間連結器同士・双頭連結器の自動連結器側とは連結できない。

○双頭連結器

日常的に密着連結器を搭載した車両と自動連結器を搭載する機関車が連結する場合、機関車にこのタイプの連結器を搭載することがある。その他電車を非電化区間へ乗り入れさせるための電源車であるマニ50 2186にも搭載されている。
ピンを外すことで連結器が首を振るようになり、向きを変えることで密着連結器と自動連結器を切り替えることが出来る。
自動連結器のナックルが動かないため、双頭連結器の自動連結器側同士・中間連結器との連結はできない。無理に連結しようとしたらよくて連結器破損、最悪の場合衝突事故に発展する。

○ジャンパ線

制御信号や補助電源からのサービス機器動作電力を送るための電気ケーブル。連結器の横に取り付けられているケーブルのこと。
車体に取り付けてあるジャンパ線受けはオス、ケーブルに付いているコネクタはメスである。
これと似た形状なのがエアホース。こちらはドアの開閉や空気ブレーキに使用する圧縮空気を供給している。

○電気連結器

連結器の下にぶら下がっている箱のような物体。
昔は車両を連結・解放する時、ジャンパケーブルをいちいち作業員が線路上に降りて手作業で接続・切り離していた。しかしこれは危険な上、連結にかかる時間も長い。そこで開発されたのが連結器が連結した時にセットで電気回路も連結できてしまう電気連結器である。
非連結状態では電気接点にカバーが掛かっているが、連結時にお互いカバーを開く棒が押し当てられることでカバーが開き、電気接点の接続が完了する。
1970年代後半の新車から本格的に普及し、京浜急行電鉄のように既存車種でも交換した事業者も存在する。
基本的に密着連結器と組み合わされるが、名鉄では密着自動連結器と電気連結器を組み合わせたM式と呼ばれる独自のものを採用している。電気接点の破損防止のため、先に密着自動連結器を連結させ、連結完了後にエアシリンダで電気連結器がせり出すようになっている。

○自動解結装置

電気連結器とセットで取り付けられている装置。乗務員室にあるスイッチを取り扱うだけで回路の開閉制御、解放レバーの遠隔操作が可能。

○補足:片渡りと両渡り

鉄道車両は床下の左右どちらかに制御回路を通している。制御回路は片方にしか無いのでそのままだと先頭車同士を連結させようとするとジャンパケーブルやジャンパ受けが逆転してしまう。
そのため先頭車同士を連結する場合は
  • 連結方向に合わせて回路の配置を変えて向きを固定する
  • どちらを向いても連結できるよう回路を両側に設置する
のどちらかを取り、連結方向を固定したものを片渡り、両方向兼用なのを片渡りと呼ぶ。

◆その他の機器類

以上の機器類の他、床下にはこんなものも取り付けられている。

○汚物処理装置

要するにトイレで出した物を処理するための機械。小型浄化槽や下水処理場と考えても差し支えはない。
循環式(使用した洗浄水に薬剤を混ぜて消毒し再利用する)、真空式(装置内を真空にしてモノを吸い取る)が主流。

○エアコン

エアコンと言えば屋根の上に乗っかっていることが多いが、重心を下げる必要のある新幹線や特急車両ではエアコンを床下に取り付けることがある。

○タンク

コンプレッサーが発生させた圧縮空気やトイレの洗浄水、食堂車で使う清浄水と排水、気動車であれば燃料を貯めておくためのタンク。
かつては食堂車の排水は線路へそのまま垂れ流していたが、新幹線では垂れ流すと危険なのでタンクに一時的に貯めておいて名古屋駅と岡山駅で排水し、それ以外の在来線の食堂車では車両基地で抜き取るようになっている。

○デッドウエイト

要するに錘。重ければ重いほど強力な牽引力を発揮できる機関車に搭載されていることが多い。まあ機関車の場合は車内に置いておくことが多いのだが。

○検測機器

主にレーザー照射によってレールの歪みやレールを留めるボルトの緩みを検知する。
ドクターイエローなどの検測専用車両は勿論私鉄を中心に営業用車両にも搭載されることがある。


電車の床下を眺めながら追記修正をお願いします。

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最終更新:2024年04月21日 15:31
添付ファイル

*1 集電装置が架線から離れてしまうこと

*2 2024/4/20近畿日本鉄道塩浜研修車庫にて編集者totomipeople撮影。