アルジュナ・オルタ

登録日:2019/07/12 Fri 03:57:38
更新日:2024/02/01 Thu 02:31:26
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※注意※



この先には『創世滅亡輪廻ユガ・クシェートラ』の重大なネタバレが含まれています。













愚かな戦争を、見た
疑問だけが、残った

……ああ。なぜ、できない?
本当は、誰も彼もが、分かっているだろうに

理由は明白だった。優れていない、正しくない、劣り間違えているものの全て
それを一語で表すならば―――

元凶は、悪だ。悪を切り捨てぬからこうなった

不出来は悪だ。不要は悪だ。不実は悪だ。不軌は悪だ
不寛容は悪だ。不信は悪だ。不義は悪だ。不忠は悪だ

虚勢は悪だ。欺瞞は悪だ。忘却は悪だ。無知は悪だ
頽廃は悪だ。嫉妬は悪だ。愚昧は悪だ。貪欲は悪だ

誰もが、それを理解していて
なぜ。それを、切り捨てることができない?

願った。他の世界では違うのかもしれないが、この世界での私は、願った
―――そうあれと

しかし、気付いたのだ。あの戦争の後に

同胞たちの血に塗れた大地が
卑劣が卑劣を呼ぶ愚かな報復の連鎖が

好敵手を撃ち殺した手に刻まれた感触が―――何よりも雄弁に、語っていた

世界は、自然に悪が正されるようにはできていないのだ、と

……だから、誰かがやらなくてはならない

……誰もやろうとしないのであれば
……それは、自分がやるしかないのでは

……なぜなら

……あの地で最も人に血を流させた者は
……邪悪な戦場を最も象徴する者は
……即ち、最も邪悪であった者は―――


望み求めたものは、正しき世界

当たり前の。何の変哲もない。口に出すことも憚られるような

赤子と神のみが願うことを許されるような

邪悪を糾し尽くし、そこに辿り着くために必要なもの

そのための力は。幸いにしてすぐそばにあった―――


アルジュナ・オルタとは、『Fate/Grand Order』の登場人物。


ILLUST:pako
CV.島﨑信長


概要

ロストベルトNo.4「創世滅亡輪廻ユガ・クシェートラ」における異聞帯の王。
授かりの英雄アルジュナインド神話の神性全てを取り込み、超統合神性となった姿
ストーリー中での名義は「神たるアルジュナ」
カルナは存在の主体となっているのはアルジュナの中の(クリシュナ)であるとし、アルジュナだがアルジュナではない反転者と考えている。

この異聞帯が剪定されるきっかけとなった正確な年代は不明*1


『神たるアルジュナ』に至るまで

その発端は、アルジュナがクルクシェートラの戦いで邪悪を憂いたことに始まる。

かの戦いで数多の邪悪を目にしたアルジュナは、「邪悪なき世界」の創造を求めた。
そのための力を求めた彼はインドの神性を吸収していき、やがてただ一柱の神となった。
ペペロンチーノの見立てによれば、まずクリシュナからヴィシュヌの力を吸収し、それを呼び水として数多の神性を地道に取り込んでいったのではないかとの事。
マテリアルでは『終末もたらす者』から滅びの権能を譲り受けたと書かれている。

インド異聞帯では「完璧なる神」として君臨しており、デウス・エクス・マキナに等しき「世界を輪廻させ続けるだけの概念」に成る寸前に至ってしまった。
その代償として、アルジュナの人間性はほぼ消え去っており、カルナを目の前にしてすら何も感じないほど機械的な存在になってしまっている。

インド異聞帯を統べる唯一の王にして絶対神となったアルジュナは、滅びの権能である宝具『帰滅を裁定せし廻剣(マハー・プララヤ)』により、独善的な創世と滅亡の輪廻を開始した。


創世滅亡輪廻

インドにおいて「ユガ」という概念がある。
これは、宇宙はクリタ・ユガ、トレーター・ユガ、ドヴァーパラ・ユガ、カリ・ユガの4つの時代のサイクルで創造と帰滅を繰り返しているというものである。

アルジュナはこのサイクルを自らの手によって引き起こし、カリ・ユガの後の創世において、
自らが「邪悪である」と判断したものを取り除いて新たな世界を始めることで、一切の邪悪を排除した完璧なる世界を創造しようと試みたのである。

しかし、その行いは世界を大きく傷つけるものであり、いずれ世界の方が耐えきれずに砕ける可能性が高く、
更に成功したとしても、「完全なる世界」とはそれ以上の可能性がない世界と同義のものであったため、アルジュナがそれを始めた時点でこの世界は剪定されることとなった。

が、異星の神の力によって世界は異聞帯として復活することとなった。
この異聞帯の歴史では神たるアルジュナによって数えきれないほどの周期の「ユガ」が繰り返されたことになっているため、
目に見える分かりやすい「邪悪」というものはほぼ存在しなくなっており、基本的には住民たちは幸福に暮らしている。
絶対神による運命の裁定という行為を蛇蝎の如く嫌悪しているペペロンチーノも、その一点だけは認めている。

しかし、元々は数百年単位で周期していたはずのユガは、
  • リンボがこの異聞帯に現れてアルジュナを唆したこと
  • 空想樹によってアルジュナの力が増幅したこと
の2つが相乗した結果、期間が超短縮され、わずか10日間でユガを繰り返すようになってしまった*2
元々、アルジュナが行っている世界創変に対する世界の抵抗により、この世界には「カリ」と呼ばれる悪魔が発生しており、周期が短くなり世界への負担も増大したことで、カリの数も爆発的に増大してしまっている。
このカリはユガの周期の終わりに近付くほど多く現れるため、カリ・ユガの時期ともなれば、大群が町を襲ってくる。

人間性を失い、機械的に完全な世界を目指すアルジュナにとっては、このカリに襲われて傷を負った人間も「不完全」な存在であり、死んだ者はもちろん、足を怪我したというだけでも排除の対象となる
そのため、カリの発生原因など知らない住人たちは、カリは神の試練であり、カリに食われるのは不出来で不信心な人間であるとして、カリに襲われることのないように必死に神へと祈っている。

そして多くの人間を排除した結果、この世界の文明は成長することなく止まってしまっている。
ホームズはこれを「洗練はされているかもしれないが発展はしていない世界」と称し、「本末転倒である」と評している。


顛末

神たるアルジュナは完全な世界を一刻も早く完成させるためにユガの周期を早めたつもりだったが、リンボが周期を早めさせたのはこの世界を迅速に滅ぼすためであり、
その結果、主人公たちが異聞帯に現れた頃には世界崩壊まであと数周期というところまで迫っていた。
そのため、ペペロンチーノは「この異聞帯は詰んでいる」として、早々に異聞帯を成長させることを諦めることになった。


その神としての絶対的な存在強度故にありとあらゆる攻撃が通じず、当初主人公たちは全く対抗できなかったが、
アシュヴァッターマンがガネーシャとラクシュミーを過去へと送り、2人が数千年に渡ってこの世界に存在していたのを見逃していたことで、自身の「完璧な神」という概念に楔を打ち込まれ、弱体化してしまう。
そして神として弱体化すると同時にアルジュナは人間性を取り戻し、カルナを認識。
人間性を取り戻してしまったアルジュナは、かつて怯えたカルナの目に耐えきれず、自身の完全性を疑ったことで更にその力を落としてしまう。


おまえはまた、その目で
私を……私の中の何かを、気付かせようというのか!

それは、罪だ。邪悪だ
私は……おまえを、この手で、断罪する!

カルナァァーーーー!!


オレが見ているものは、もはやおまえがオレの槍を無視することはないという事実のみ
不快な黙殺は消え、ようやくこの機が訪れた

神であろうがなかろうが関係はない
オレは常に、おまえを凌駕したいと思っているだけだ!

アルジュナ――――!!


そして、アシュヴァッターマンから借り受けたシヴァの力、ラーマから借り受けたヴィシュヌの力、そして自身に宿るスーリヤの力という三神の力を得たカルナとの決戦の末、アルジュナは敗北。
なぜ全ての神性の力を持つ自分が、三神の力を得ただけのカルナに負けるのか、不理解を叫ぶアルジュナにカルナは答える。
神とは人と共に在ってこその神。この世界の人を完全に切り捨て、人と共に在る事をしなかったアルジュナは神として不完全であったのだと。

そして勝利を宣言したカルナに対し、屈辱を感じたアルジュナは気付く。
そのような不完全な感情が自分の中に残っていたこと、「カルナへの執心」という、真っ先に消さねばならぬ不完全さを今の今まで消さなかった、否、消すことができなかったが故に、自分は敗れたのだと。
完璧な神へと至ろうとしたそのきっかけ、それ自体が完全な存在では持ち得ない“瑕”であったのだと。
それを悟ったアルジュナは敗北を認め、静かに消滅していった。


は……そうか。矛盾だ

私は自らの不完全性に気付かず、完全と信じた
そしてその完全を信じた事すらも不完全の種子だった

ああ、そもそもが矛盾していた私は、最初から

貴様が望む男にすら、なれてはいなかったのか――――


















―――そして


サーヴァント。バーサーカー、アルジュナ……

我が身は悪を滅ぼすためにあり、悪は全て裁かれるものなり……


サーヴァント:アルジュナ・オルタ


「創世滅亡輪廻ユガ・クシェートラ」配信の1週間後、期間限定サーヴァントとして実装。
クラスはバーサーカー

身長:177cm
体重:82kg
出典:マハーバーラタ
地域:インド
属性:秩序・善/悪


◆ステータス
筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
A A+ A A++ C EX


◆スキル
○クラス別スキル
狂化:EX
新しい時代を始めるため、全ての邪悪を断つことを決意した。
その代償として、人間性をほぼ失っている。
霊基が変化することにより、狂化も変動する。

〇保有スキル
神性:EX
特級の神性を有している。代償として、人間性が欠落する。

対邪悪(特殊):EX
終末をもたらす者より与えられた権能に等しい力。
あらゆる悪を抹殺する使命を背負っている。
……だがあまりに高潔なため、無垢な子供や聖人以外のほぼ全てに適用してしまう。

千里眼(超越):EX
人間としての限界を超えた千里眼。
魔眼とは違った意味で、視覚の究極とも言える。

魂の灯火:EX
アルジュナが辛うじて守り通した人間としての灯火(じんかく)。
マスターと共に強くなることで、その輝きは強くなる。

◆宝具
帰滅を裁定せし廻剣(マハー・プララヤ)
ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:100 最大補足:レンジ内全て


創世滅亡輪廻。善性なるものには生を、悪性たるものには裁きを。廻剣駆動。滅べ!

滅亡と創生はこれ表裏一体。万物は流転し、死は生へと裏返る。されど人の世に邪悪なるもの、不要なり

帰滅を裁定せし廻剣(マハー・プララヤ)

──人よ、生きるべし

アルジュナへ『対邪悪』と共にもう一つ与えられた力。
それがこの『帰滅を裁定せし廻剣』である。
悪を滅ぼすため、世界を終わらせるため、彼は全ての最後にこの剣を振るう定めである。
剣を振るえば、世界全てを消滅させる。
マハー・プララヤとは梵天が死ぬ際の宇宙すべてが帰滅することを指す……即ち、壊劫。

さすがに天下無双のアルジュナといえども、サーヴァントとして召喚された状態では、この剣の力を完全に発揮して、振るうことはできない。
だが凝縮・限定された破壊を発生させるという点では、『破壊神の手翳』と同じであり、アルジュナは使い心地をそれほど悪くないと感じているようだ。



召喚当初は人間性をほとんど見せず、本来は人間性をほぼ失った、完全なる破壊の徒として振る舞う。
『終末をもたらす者』から権能として対邪悪スキルと神性を授かっているが故の代償である。
しかし再臨することで人に近付いていき、第三再臨では人間性を取り戻す。
見た目も白の長髪だったのが、黒の短髪というアーチャーのアルジュナに近いものに変わる。
肉体的には退行しているらしいが、力は漲っているらしい。
カルナに言われた「人と共に在る神」となったためだろう。
イベントクエストでは、前述の人間性を取り戻した第三再臨の姿で登場する。

これは、神たるアルジュナの中にアルジュナのエゴイズムを司る人格が残っていたためで、
「今度こそカルナに勝ちたい」という願い。言い換えれば「欲望」こそが彼を人間に引き戻したのだという。

人間性を取り戻したアルジュナ・オルタの人格は、アーチャーのアルジュナよりやや素朴な青年である。
これは、アーチャーのアルジュナは、授かりの英雄としてマスターに相応しいサーヴァントであろうと気を張っている部分があるが、オルタにはそれが欠けているため。
アーチャーのアルジュナはオルタに英雄としての理想像を見出しているが、オルタはアルジュナに誇り高き英雄としての憧憬を抱いており、あちらこそ真のアルジュナであるとしている。

好きなものは特になし。それを絶ってこその自分であるためだという。
嫌いなものは言うまでもなく「悪」。
ただし、あらゆる神々を取り込んで暴走状態に近かった異聞帯とは違い、神々と関係が断たれ、単体として召喚されたアルジュナ・オルタはマスターに敵対する邪悪なもののみを許さないという。


ゲーム中の性能

「創世滅亡輪廻ユガ・クシェートラPU2召喚」で登場した、期間限定星5バーサーカー。
カード構成はBuster3枚、その他1枚ずつの典型的なバーサーカー。
クラススキル『狂化EX』により高いBuster性能を持つ他、スキル・クラススキル・宝具全てのランクがEXというとんでもないステータスを持つ。

  • 第1スキル「対邪悪(特殊)」:自己ATKをUp(3T)&&〔弱体状態(解除不能なものを除く)〕特攻状態を付与(3T)
  • 第2スキル「千里眼(超越)」:自身のBusterカードへのスター集中率をUp(3T)&NP増加(最大30)
  • 第3スキル「魂の灯火」:自身にガッツ状態を付与(1回・3T)&毎ターンHP回復状態を付与(3T)
  • 宝具『帰滅を裁定せし廻剣(マハー・プララヤ)』:敵全体のB耐性Down&強力なB全体攻撃

特筆すべきはまず、第1スキル『対邪悪(特殊)』。
攻撃力アップに加えて、「弱体状態を受けた敵」に対する特効状態を自分に付与する。
弱体状態はありとあらゆるデバフ・バステが対象となるため、エネミーが高い弱体耐性・無効を持たない限り誰でも特効対象にしてしまう
複数のデバフを重ねても倍率は変わらないものの、逆を言えば一つでも決まれば特ダメージが2倍近くまで跳ね上がるのだ。
宝具と併用するのも1つの手だが、バステ付与のコマンドコードを使えば「ダメージ前にデバフが付与される」関係上、NPが不足している状況でも特効対象を増やせる。

もう1つは、Buster限定であるが、バーサーカーの中でも珍しいクリティカル適正を持ち、
同じくバーサーカーの全体宝具持ちでは希少なNPチャージ*3を可能にする第2スキル『千里眼(超越)』である。
NPチャージ量はLv1で20%、Lv10で30%であり、それに加えて宝具にBuster耐性ダウンの効果があるため、宝具発動後にクリティカルで強力な追撃を行える。

第3スキルのガッツ+継続回復は打たれ弱いバーサーカーには微妙ではあるものの、クリティカル事故の保険にもなる上、ガッツの弱点である「復活後の低体力を狙われてすぐ落とされる」をある程度カバーしている意外と高性能なスキルでもある。

宝具は敵全体のBuster耐性を下げてから放たれるBuster全体攻撃。
「狂化EX」も相まって単体でも高威力だが、この宝具の真に恐るべきは耐性ダウンによって敵全員を『対邪悪(特殊)』の特効対象にしてしまう点。
元々『対邪悪(特殊)』自体が超凶悪な高倍率なので、これらが合わさった際の破壊力は全体攻撃宝具の中でも最強クラス。

総じてバーサーカーのクラス特性と超広範囲特効スキルにより、殆どの相手に対して安定した高火力を発揮する高性能Busterアタッカー。
とにかく弱体特効が極めて強力な上にBusterクリティカルを狙いやすい事も相まって、デバフ手段と十分なスター供給さえあれば
十数万程度のHPなら一撃で軽く吹き飛ばす。
更に礼装やイベ特効ボーナスにもよるが、マーリンの『英雄作成』等外部からのバフも盛り込めばダメージ半減レベルの特殊耐性=生半な敵フォーリナーすらクリティカルで容易くブチ抜く等、こと火力に関しては他に類を見ない規格外の性能を誇る。
運よく召喚出来れば、周回要員としても高難易度用アタッカーとしても非常に頼りになるだろう。

強力なサーヴァントではあるが、当然ながら決して無視出来ない弱点もいくつか抱えている。
主な注意点は以下の3つ。
  • 耐久力が低い
彼に限らずほぼ全てのバーサーカーに共通する弱点。
ガッツ+リジェネスキルこそ持っているが、クラス特有の脆さは変わらないため宝具→追撃のコンボを食らえばあっさり沈む。
  • Buster3枚構成の欠点
こちらも多くのバーサーカー共通だが、このカード構成は火力を出しやすい代わりにスターやNPゲージを稼ぐのが全体的に苦手。
特にアルジュナ・オルタは宝具とクリティカルを強みとしているため、これらを十全に発揮するには味方のサポートが必要不可欠となる。
  • デバフが利かない相手
ある意味最大の弱点。
彼の超高火力は弱体特効による所が大きいため、相手が高いデバフ耐性や弱体無効等を持っているとそれだけで強みが大きく削がれてしまう。特に本編では(2部4章での自分を含め)永続的に弱体無効を持っているボスもいるので注意。
一応耐性どまりの敵に対しては、デバフを高確率で付与できるキャスター等と組めばある程度カバー出来る。

考察:権能を与えた者の正体

アルジュナに滅びの権能を与えた『終末を齎す者』の正体には諸説あるが、
  • アルジュナ・オルタには馬耳のような部分と所々白い部分がある。
  • 宝具が剣である他、弓や馬を操って攻撃する点や目的がユガの最後に現れて『不出来なモノ/悪』を消し去り、ユガを廻す事。
  • 手始めにアルジュナは友であるクリシュナまたはその基になったヴィシュヌ神を取り込んだ。

などの特徴から、ヴィシュヌ神の10番目の化身(アヴァターラ)である『カルキ』であると推測される。*4
カルキは『汚物を破壊するもの』と言う異名を持ち、馬耳または馬頭の戦士の姿で描かれ、剣と弓矢を携えてこの世全ての悪を滅ぼし、人々をサティヤ・ユガに導くと言われている為である。ちなみに、未だ現れていない救世主だとされており、Fate的に言えば未来の英霊という事になる。

Fateシリーズにおいて、明確にその存在が明かされたのは『Fate/Extella』のカルナのサブストーリー『日輪の威光はここに』。
カルナ曰く、対峙したセファールを終末装置であるカルキに喩えつつ、カルキもここまでの威容は誇らまいと評している。*5

また、アルジュナ・オルタの姿が発表された当初の真名候補にも挙げられていた英雄でもある。
尚、同じく真名候補に挙がっていたクリシュナとも共通項が多く、古代インドの聖典『バガヴァッド・ギーダー』において、クリシュナはアルジュナに檄を飛ばす際にヴィシュヌ神としての正体を表し、自らを『自分は世界をいずれ破壊する存在で、世界を収斂する為に顕現した』と語っており、真名こそ外れたものの、実質的にこの2体の要素を併せ持った存在である為、ある意味間違いではなかったと言える。
作中でもクリシュナ(アルジュナの中に眠る『黒』の方)の要素が表に出た存在だと語られている。

カルキは10番目の化身だからヴィシュヌ神やクリシュナを最初に取り込んだら、彼から力を貰えないのではという指摘もあるものの、実はバガヴァッド・ギーダーに登場するヴィシュヌ神の姿は『ヴィシュヴァールーパ』(あらゆる形態をもつもの)と呼ばれており、アルジュナは彼の中にあらゆる生き物やブラフマーを始めとした神仙の姿を確認したとされる上に型月世界においてはクリシュナが最も強度の強い=ヴィシュヌに近い化身とされる為、彼経由でカルキの権能を授かったとも解釈でき、アルジュナ・オルタはヴィシュヌ神本体を含む全ての神々を取り込んだ事で実質的に『異聞帯におけるカルキ』になったと言えよう。また、世界を帰滅させるマハーカーラとしての側面を持つシヴァを取り込んだ事もあり、『黒き最後の神』という異名も的を射ていた事になる。

ちなみに、原典のインド神話において、カリ・ユガが始まるのはクリシュナがこの世を去る時だとされている。


余談

  • グランドガーチャー島﨑信長
中の人は例によって実装から30分足らずで宝具レベルを5にしていたりする。

  • “FGOが初出となるサーヴァントのオルタ版”はアルジュナが初
聖杯によってゼロから作られた存在だったり、ifの歴史を歩んだ者だったりと定義が多様化しつつあるオルタ化だが、アルジュナの場合本来持っていた側面が外的要因により表面化した結果反転したという、元祖にやや近い出自となっている。

アルジュナの中に眠る『黒』が存在の主体である為、ある意味で『黒化英霊』と表現してもなんらおかしくなかったりする。

  • トラウマボス
2部4章終盤で敵として登場する神たるアルジュナは1部6章の不夜ガウェイン以来のFGO史上最大級のトラウマとして名高い
常時攻撃力アップ・弱体無効・全ての攻撃に耐性を得るパッシブスキルを持ち、バーサーカーの打たれ弱さを克服しつつ、高火力の攻撃を連発してくる。しかも弱体無効を持つせいでエウリュアレでハメるどころかガンドすら効かない。
ここの攻撃力アップが高倍率なせいか相性有利のハズだったフォーリナーすら2発ないし1クリティカルで即死するという惨状が繰り広げられまくる(おまけにフォーリナーの大半はデバフ主力の長期戦向けなので実質的な相性が最悪)。

  • ノッブ繋がり
CV:信長の超統合神性である彼が実装されて間もないうちに、今度は全信長が統合してしまった。
そして両者のイラストを担当するpako氏、怒涛の仕事量。



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最終更新:2024年02月01日 02:31

*1 ??.11900?と表記されているが、作中の描写から推測するに単純な年代ではなくユガの回数を表していると思われる

*2 本来のユガは1単位が神々にとっての1200年=人間換算で43万2000年、それが10単位なので432万年周期で4つの時代が巡るとされる。

*3 高レアリティのバーサーカーの全体宝具持ちでは初であり、そもそも他の該当者が☆1のスパルタクスしかいなかった(モルガンは当時未実装)。尤も、ほぼ全てのクラスに攻撃優位を取れるバーサーカーの全体宝具持ちがNPチャージを持ってしまった場合は他クラスの全体宝具持ちの立場を無くしかねないので、実装が躊躇されてきたのも仕方ないが。

*4 作中の第五節でも『全神性…統合神力…抽出、凝縮、過程…完了。実行制御は…第十の…』と関与を仄めかしている。

*5 なんの因果か、ここで『吸収』や『終末』など2部4章を思わせるワードが登場していたりする。