鯨肉

登録日:2011/11/14(月) 00:00:57
更新日:2024/02/15 Thu 00:51:38
所要時間:約 14 分で読めます





鯨肉とは、文字通り鯨の肉。

古代から近代にかけての日本では、
獣肉を避ける傾向(大陸と比べて食用に適する哺乳類が少ない、仏教思想の延長で殺生を好まない文化が形成される等の理由)があった。
だが、鯨はその漢字や古名(いさな:勇魚)から判る通り「魚」と見なされたのでタブー視されず、古くから食べられていた。
その歴史は旧く、縄文時代の貝塚からも鯨の骨が見つかっている程である。さすがの海洋民族と云うべきだろう。

現在では信じられないが、アメリカもかつては捕鯨をしていた歴史がある。あのペリーが日本に開国を迫ったのも、捕鯨海域を広める為だった。
ただ、肉も少しは食べていたが、その用途は主に「鯨油」だったようだ。「~ガロンの鯨」と言う感じの呼び方をしていた。
現在、日本の捕鯨を非難するアメリカ人も、一昔前は鯨を虐殺しまくって油を絞り取って残りはポイ棄てという、
とんでもなく不経済かつ残酷の限りを尽くしていた。

日本は肉も骨も余す所なく使っていたのは当然、神社にもお祀りしているのに……。


戦後の日本では、ロシアの捕鯨船から安く鯨肉を買えたので、当時の日本人にとっては貴重な蛋白源となっていた。
ただ、余りにも安かったのと、冷凍技術がイマイチだったため、味の評価も高くなく、牛肉の缶詰と偽装して鯨の肉が使われていたという事件もあった。
それでも、戦後の日本人を鯨が支えてきてくれたのは事実である。
また、現在は冷凍技術も発達しているので、捕鯨さえOKなら当時とは比べ物にならないほど美味しい鯨が食べられるのだ。

アメリカは捕鯨を禁止しているが、アラスカの先住民族イヌイット達には捕鯨の許可を出している(理由は「伝統だからね」。だったら伝統的に食ってる日本の味方しろよ……)。

ちなみに漫画美味しんぼ』の13巻には、捕鯨問題や反捕鯨団体の本質を描いたエピソード『激闘鯨合戦』が収録されている。



■主な鯨の部位

部位によって味わいは違うが、魚と獣、二つを合わせたような味がする。臭気は殆どなく、淡泊な味わいである。

◆赤肉(赤身)
一般的な部位。背中の筋肉質な部位から取られ、栄養価は他の肉類と大差なく様々な料理に使える。

◆畝(うね)
縞模様がある腹の部位。皮というより脂肪層に当たり、主に後述の「さらしくじら」等に加工される。

◆須ノ子(すのこ)
赤身より脂が乗った、畝の内側の肉。主にベーコンとなるのはこの部位。

◆尾羽毛(おばけ)
尾びれの事。曰く「絶品」。
刺身によし、さらしくじらによし。

◆尾身
尾の付け根。霜降りで鯨の最高級部位とまで言われている。

◆皮鯨
脂肪層がついた黒い皮。鯨肉自体が貴重になった今では最も広く出回っているかもしれない。

◆猛(たけり)
ち〇こ

◆金巣(きんそう)
きんのたま。

◆雛(ひな)
クリトリス。



■主な鯨料理

◆ベーコン

脂の多い須ノ子に畝をつけた肉「畝須」を燻製にする。戦後間もなくは、豚肉のベーコンより一般的であった。
独特の香りがあるので好き嫌いは別れる。
だが、ベーコンならば美味いだろう。


◆竜田揚げ

出た~!とか思う人もいるであろう、鯨料理の定番。臭み消しの生姜を入れた醤油で味付けし、衣をつけて揚げる。
給食の定番だったので、馴染み深い中年の方やご老人もいる筈である。
こちらも独特の香りがあるので、嫌いな子もいた。


◆ハリハリ鍋

大阪名物、鯨鍋。
「コロ」と呼ばれる鯨の脂身をまず出汁に入れてから、鯨の身を入れる。そして大量の水菜を添えて頂きます。食い倒れまっしぐら!
「はりはり」は水菜の触感から来ている。


◆鯨かやき

脂っこい皮鯨を、脂物との相性がいいナス等と一緒に醤油ベースで煮込んだ汁物。
絶品。


◆さらしくじら

薄切りにした尾羽毛や畝に熱湯をかけて余分な脂肪分を落とし、冷水でしめた逸品。酢味噌で食べると……もう何もいりません!



現在では殆ど見かけないが、「サエズリ」と呼ばれる鯨の舌を入れる事もある。
フワフワして美味。


◆刺身

今や高級品。
獣肉だが、魚の刺身のような風味がして不思議な味わい。尾の刺身は至高。


◆大和煮

醤油・砂糖・生姜で甘辛く似たもの。大体は缶詰。赤肉が主流だが須の子を使ったものもあるとか。
味が濃いのでご飯やお酒と一緒に。



具は鯨の皮鯨。茄子と一緒に入れると美味。





※追記募集


戦後の日本を支えてくれて、鯨さんありがとう。


でも一番美味しいのはベーコンだよね?

そうに決まってる。


戦後、超がつくほど反捕鯨派だった外国人が、とあるきっかけで鯨の供養塔を見て日本人の「余すところなく食べ、且つ感謝する」という精神に感動。
捕鯨反対と言わなくなったというエピソードがある。


因みに鯨の脂肪は殆ど皮の下にある、赤身は油が無い為低カロリー。

次いでに鯨の脂肪だが、これはワックスエステルと言い、人間には消化・吸収が出来ない。



……皮鯨を食べ過ぎると放屁と共に、油が吹き出てきてしまうので注意!






追記、修正は、鯨肉のベーコンを食べながらお願いします( ^ω^)

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最終更新:2024年02月15日 00:51