X・HERO

登録日:2019/6/27 (木) 00:47:16
更新日:2024/04/16 Tue 22:07:49
所要時間:約 5 分で読めます




X・HERO(エクストラ・ヒーロー)とは遊戯王オフィシャルカードゲームに存在するカード群の1つ。
アニメ・漫画では未登場のOCGオリジナルのカード群。

【概要】

現在登場しているのは全てリンクモンスター
おそらくリンクモンスターのHEROはすべてX・HEROにしたいのだろう。

時は第10期、新マスタールールによりEXデッキのモンスターを主軸としたデッキは大幅な弱体化を余儀なくされた。
E・HERO】をはじめとした【HERO】は影響の大きいデッキタイプの1つだった。

後に過去のカテゴリに所属した展開を補助するリンクモンスターが登場し、X・HEROもその1つ。
ある程度どのHEROカテゴリでも使えるリンク召喚条件と効果になっているのが特徴。

HEROシリーズとしては2019年現在最も新参者でE・HEROから数えて6番目になる。
特例かつ公式デュエルでは使用不可能なE☆HERO(エンターテイメント・ヒーロー)を含めば7番目。
現在X・HEROを名指しで指定するカードはないため、カテゴリ化はされていない。



【カード紹介】

現状4種類のみ。
全て《V・HERO ヴァイオン》から《D-HERO ディアボリックガイ》を墓地へ送ればリンク召喚が可能。

《E・HERO ソリッドマン》や《E・HERO リキッドマン》の効果を使ったり、《V・HERO ファリス》で《V・HERO インクリース》を出したりすることで素材を揃えられる。

ただし《X・HEROドレッドバスター》はリンク3なのでリンク2のX・HEROを経由する必要がある。

いずれも《E・HERO アブソルートZero》を素材にできるのが隠れたメリット。全体除去効果を能動的に発動できるのは要注目だろう。

X・HERO ワンダー・ドライバー
リンク・効果モンスター
リンク2/光属性/戦士族/攻1900
【リンクマーカー:上/下】
「HERO」モンスター2体
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードのリンク先となる自分フィールドに「HERO」モンスターが召喚・特殊召喚された場合、
自分の墓地の、「融合」魔法カード、「フュージョン」魔法カード、「チェンジ」速攻魔法カードの内、
いずれか1枚を対象として発動する。
そのカードを自分フィールドにセットする。
(2):このカードが戦闘または相手の効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。
手札から「HERO」モンスター1体を特殊召喚する。

「PREMIUM PACK 20」で過去の主人公を意識したリンクモンスターと一緒に登場した初のX・HERO。

(1)は墓地回収効果。リンク先に「HERO」を出すと「融合」「フュージョン」とある魔法カード、あるいは「チェンジ」と名のついた速攻魔法をフィールドにセットする。

つまり融合HEROの特殊召喚に使うカードをフィールドにセットして再利用できるということ。

発動条件としてリンク先にHEROを出す必要がある。まずEXモンスターゾーンにこいつを出し、その次に融合HEROをリンク先に出すことでその時に使った魔法をそのままセットする形になるだろう。
《D-HERO ディアボリックガイ》でも簡単にトリガーでき、他のリンクモンスターへ繋ぐことができるので相性はいい。

ただし強制的に発動するため、暴発して本命をセットし損ねることもある。モンスターを出す場所には気を付けたい。

通常の《融合》は手札消費が激しいため《ミラクル・フュージョン》のような墓地のモンスターを素材にでき、かつ1ターンに1度の発動制限のないものが狙い目だろう。

融合HEROを呼び出す魔法は大方対応しているが、《ダーク・コーリング》など「融合」でも「フュージョン」でもないものもあるので注意。

あくまでもセットなので《超融合》のような速攻魔法はそのターンには発動できない。
M・HERO」を出す「チェンジ」速攻魔法もセットしたターンに使えず、M・HEROの特殊召喚で条件を満たして、バトルフェイズ中の発動で追加攻撃ということはできない。
一応、相手ターンでも《M・HERO ダーク・ロウ》は強力なため、闇HEROを場に残しておくことでプレッシャーをかけられる。

また、この効果自体は相手ターンでも発動するので、相手ターン中に「「M・HERO」を出すことで魔法をセットしておき、自分のターンになってから発動ということはできる。

(2)の効果は戦闘は相手の効果で破壊され墓地へ送られたら手札からHEROを一体特殊召喚できる。
受動的な上に消耗が激しい効果で使い難いがレベルの制限がないため、上級HEROを出す事も可能。オマケのようなものだが一応覚えておきたい。

E・HERO エアーマン》を出して《E・HERO オネスティ・ネオス》をサーチすればそのターン中の攻撃は喰い止められる。

リンクマーカーの位置は真上と真下というのがネックだったが*1、2021年のルール変更で、この点はあまり気にならなくなった。

(1)の効果を使用したらさっさとリンク素材にして、《聖騎士の追想 イゾルデ》や他のX・HEROにしてしまうのがよい。

単純にアドバンテージを稼いでくれる訳ではないが、効果自体は魅力的なので、使い方次第では輝いてくれるだろう。


X・HERO ドレッドバスター
リンク・効果モンスター
リンク3/闇属性/戦士族/攻2500
【リンクマーカー:左下/下/右下】
「HERO」モンスター2体以上
(1):このカード及びこのカードのリンク先の「HERO」モンスターの攻撃力は、
自分の墓地の「HERO」モンスターの種類×100アップする。
(2):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、
その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

「LINK VRAINS PACK 2」で登場した海外で先行登場した2体目のX・HERO。通称はお注射ガイ
効果は打点増強と貫通でビートダウンを志向する【HERO】とは実際相性が良いのだが、HERO縛りでリンク3の割に性能が低い。

(1)は攻撃力上昇効果。条件が枚数ではなく種類を指定するので地味に厳しく、1体につきわずか100と効率も悪い。

(2)の効果は戦闘ダメージの貫通。あって困るものではないが、アドバンテージに結びつく類のものでなく、守備表示にならないリンクモンスターの登場で衰退気味であった。

噛み合わせはいいもののどちらも前時代的な効果であり、登場して2年目のリンクモンスターにもかかわらず「これ何年前のカード?」と言われてしまう羽目になった。

海外での情報が判明した時点で産廃確定的な扱いをされていた後、LVP2では「HERO」の新規リンクモンスターの枠で登場。枠潰しとして各地でヘイトと嘲笑を集めてしまう。
評価点はリンクマーカーが下向き3つであることと《V・HERO ヴァイオン》や《D-HERO ディアボリックガイ》などの優秀なHEROが再録されるきっかけを作ったぐらいしかなかった。

そんなボロボロの状態で来日した訳だが、2019年1月に「DARK NEOSTORM」が発売すると下記の《X・HERO クロスガイ》が登場。大幅に出しやすさが改善され、状況は一変した。

闇属性「HERO」ということで、《X・HERO クロスガイ》や《V・HERO ファリス》《フュージョン・デステニー》の「HERO」*2しか特殊召喚できなくなるデメリットを潜り抜けて出せる貴重な存在。

評価自体はされていた下向き3つのマーカーが優秀でそこそこ打点がある、という点を遂に活かせるようになった。

特に《フュージョン・デステニー》のデッキ融合により、先攻で妨害として使える《D-HERO ディストピアガイ》*3が出しやすくなったことで、効果発動の補助になるこいつの評価が急上昇した。さらには【HERO】回転力が大幅に向上し3000打点も狙えるようになった。《M・HERO ダーク・ロウ》をパンプアップしてやると非常にいやらしい。

現在では一定の地位を得て産廃卒業組の1人となっている。
弱いとされたカードでも他のカードとの組み合わせ次第で輝けることを示す具体例となった。


X・HERO クロスガイ
リンク・効果モンスター
リンク2/闇属性/戦士族/攻1600
【リンクマーカー:左下/右下】
戦士族モンスター2体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できず、
このカードの効果を発動するターン、自分は「HERO」モンスターしか特殊召喚できない。
(1):このカードがリンク召喚に成功した場合、
自分の墓地の「D-HERO」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
(2):自分フィールドの「D-HERO」モンスター1体をリリースして発動できる。
リリースしたモンスターとカード名が異なる「HERO」モンスター1体をデッキから手札に加える。

「DARK NEOSTORM」の「D-HERO」新規カードと一緒に登場した3体目。
効果が「D-HERO」を指定したものであり、名前にガイが入っていることから実質「D-HERO」と言っても差し支えない。

当然「D-HERO」ではないのでサポートは受けられないが、D-HEROは汎用性が高いため他のHEROと混合した構築で使う事も可能。
ただ効果を発動するターンはHEROしか特殊召喚できなくなる縛りのせいで実質【HERO】専用のカードである。

素材はHEROではなく戦士族と緩くなったように見えるが、効果の縛りの関係でHERO以外の戦士族は絡めるのが難しい。むしろ一部のE・HEROとE-HEROが使えないため実質素材縛りが厳しくなっている。

(1)はリンク召喚した時のD-HERO1体の蘇生。
生きた《強欲な壺》こと《D-HERO ディスクガイ》をはじめ、切り札である《D-HERO ドレッドガイ》など釣り上げたいモンスターは多い。
融合モンスターでも可能なので、《D-HERO ディストピアガイ》《D-HERO ドミネイトガイ》《D-HERO デストロイフェニックスガイ》となんでもござれ。

特殊召喚モンスターである《D-HERO Bloo-D》は無理だが、こればかりはさすがに仕方ないだろう。

また地味に効果を無効化してないので、《D-HERO ダイヤモンドガイ》や《D-HERO ドレッドガイ》などの効果を使ってからリンク素材にしてもいい。

(2)は「D-HERO」1体をリリースすることで好きな「HERO」1体をサーチする効果。(1)で蘇生した「D-HERO」をそのままリリースして発動できる。

リリースできるのは「D-HERO」だけだが、サーチするのは他の「HERO」でも構わない。《V・HERO ファリス》から繋いで《E-HERO アダスター・ゴールド》をサーチすれば簡単に《E-HERO マリシャス・ベイン》を出せる。

自身の素材になれ、効果使用後に他のX・HEROへ繋げられる《D-HERO ディアボリックガイ》とは相性が良い。

効果使用後は棒立ちになるので大体《X・HERO ドレッドバスター》の素材になる。

HEROしか特殊召喚できない縛りが中々にきつく、先攻で構えられるものは《M・HERO ダーク・ロウ》《D-HERO Bloo-D》《D-HERO ディストピアガイ》《D-HERO デストロイフェニックスガイ》辺りになる。

とはいえ、このカードにより「D-HERO」を採用したHEROデッキの展開力が驚異的に増した。
【HERO】に新たな可能性を生み出してくれたカードの1つだろう。

X・HERO ヘル・デバイサー
リンク・効果モンスター
リンク2/闇属性/悪魔族/攻1700
【リンクマーカー:左下/下】
「HERO」モンスター2体
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。
EXデッキの「HERO」融合モンスター1体を相手に見せ、
そのモンスターにカード名が記されている融合素材モンスターを2体までデッキから手札に加える(同名カードは1枚まで)。
この効果を発動するターン、自分は「HERO」モンスターしか特殊召喚できない。
(2):このカードのリンク先の悪魔族モンスターの攻撃力・守備力はそのレベル×100アップする。

LINK VRAINS PACK 3で登場した4体目。
現状X・HERO唯一の悪魔族である。
先立ってのパックで強化されたE-HEROを強く意識した見た目と種族、そして効果を持つ。

(1)は融合素材となっている「HERO」のサーチ効果。
融合HEROが名指し指定している融合素材ならばなんと2枚までサーチできる。

融合用のカードさえ用意できれば、アニメ産融合HEROを始め、漫画版の属性融合やOCGオリジナルの融合HEROなど、融合召喚を幅広くサポートできる。《ミラクル・フュージョン》をサーチする《E・HERO サンライザー》を融合召喚すれば2体の融合HEROを並べられる。

この(1)を使うと、場に1体・手札に2体のHEROが揃うので《V・HERO トリニティー》も出せる。

何気にサーチ効果は「2枚まで」なので《E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン》を見せて《E・HERO スパークマン》だけサーチ、と言う事も可能。
効果使用後はHEROしか特殊召喚できないので、スムーズに融合召喚に繋げるためにも《E・HERO ブレイズマン》や《V・HERO ヴァイオン》から《融合》をサーチしつつこのカードをリンク召喚したい。

(2)の効果はリンク先の悪魔族モンスターの強化。(1)の効果使用後のデメリットと合わせるとほぼE-HERO専用効果。
貫通ダメージを与えられる《E-HERO マリシャス・エッジ》や《E-HERO インフェルノ・ウィング》、攻撃を誘導する《E-HERO マリシャス・デビル》、自身の攻撃力以下のモンスターを破壊する《E-HERO マリシャス・ベイン》が主なサポート先。


追記・修正はドレッドバスターのシクを引いてハズレと嘆いて手放して、後で後悔した人にお願いします。


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最終更新:2024年04月16日 22:07

*1 新マスタールールの施行中は、効果そのものよりもリンク先が自分の方に1つしか向いていないのが問題で、EXデッキのモンスターの展開先が1つしか広がらず、メインモンスターゾーンに出すと一切広がらない。せっかくセットした魔法カードをうまく活用できないことも多々あった。

*2 《フュージョン・デステニー》の場合はさらに闇属性まで限定される

*3 攻撃力が元々の攻撃力から変化している時、元々の数値に戻すことで除去が撃てる。フリーチェーンで発動可能。