ダブルスロット(ニンテンドーDS)

登録日:2019/06/24 (月) 23:59:00
更新日:2023/11/17 Fri 01:00:43
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ダブルスロットとは、ニンテンドーDSに付いている2箇所のカートリッジスロット、および連動機能の通称。


●目次

【概要】

ニンテンドーDSシリーズのうち、初代とLiteでは、前世代のゲームボーイアドバンス(GBA)との互換性を持っており、ニンテンドーDSだけでなく、GBAのソフトでも遊ぶことができる。

そのためどちらのゲームカセットも挿せるよう、本体背面上部にはニンテンドーDS専用ソフトのカートリッジスロットが、本体下部にはGBA専用スロットが存在している。
このように二つのスロットが設置された設計を「ダブルスロット」という。

ダブルスロットならではの特徴として、同時に2つのカートリッジを挿すことができる。
これを活かし、GBAソフトとDSソフトでデータのやり取りをするソフトが多数登場した。

本来、ゲーム機は世代が変わると通信方式が変わり、データのやり取りが物理的にできなくなってしまう。
そこを解消したダブルスロットはまさに画期的なシステムであり、GBAとDSに跨ってシリーズを展開していたソフトは、ダブルスロットによって前作とのデータ連動・引き継ぎができることを前面にプッシュした。

有名な例としてはやはり『ポケットモンスター』シリーズ。
ゲームボーイ→GBAと移行した『ルビー・サファイア』では、前世代のポケモンが引き継げない「互換切り」が発生したが、GBAからDSに移行した『ダイヤモンド・パール』では、ダブルスロットのおかげででは互換切りとならずに済んでいる。

GBAスロットはGBAのカセットを挿す以外にも、DSソフトの機能拡張に重宝された。
例えば『甲虫王者ムシキング スーパーコレクション』ではGBAスロットに挿して使うカードリーダーが付属しており、アーケードゲームのムシキングで入手したカードをスキャンすることができる。


こうして好評を得ていたダブルスロットだったが、ニンテンドーDSi以降は新機能の追加と引き換えにGBAスロットが廃止に。
それに伴って、ダブルスロットを利用するDSソフトもDSiシリーズでは遊ぶことができない。
そのため、現状GBAカセットを遊ぶことができる最後のハードがDSLiteであり、あらゆる機能に優れたDSiが登場した後もLiteは一定の支持を集め続けた。
これもやはり『ポケットモンスター』シリーズの存在が特に大きく、『ルビー・サファイア』以降の各作品のプレイ環境を手元に揃えると、ポケモンの転送は最大6世代先まで繋がるため、あえてDSやDSLiteを維持し続けるポケモンユーザーも多かった。

【主なダブルスロット対応ソフト】

◇GBAソフトとの連動要素を持つソフト

  • ポケモンダッシュ
DSロンチタイトルのポケモン作品で、いきなりダブルスロット連動が試みられたゲーム。
ポケモンダッシュ起動時、GBAスロットに第三世代作品の『ルビー・サファイア』『エメラルド』『ファイアレッド・リーフグリーン』のいずれかが挿入されている場合、それに応じて遊べるコースが増える。
カートリッジ内の手持ちポケモンをコースに登場させられるため、連動でのコースバリエーションの数は豊富。


  • さわるメイド イン ワリオ
GBA作品の前作『まわるメイド イン ワリオ』でダブルスロットを行うと、ごちゃルームの「おたから」の一つとして「こちら★モナピザ」のPVを入手できる。
「さわる」において本楽曲が聴ける機会はここのみ。また、公式サイト等でダブルスロットに関する言及も無かったため、そもそもこの特典の存在に気付く人は多くなかったとか。

GBAスロットにGBA本編2作の「夢の泉デラックス」「鏡の大迷宮」どちらかを差し込んでドロシアソウルを撃破することでワドルドゥボールの解禁を早めることが出来る。
GBAソフトを持っていない・タッチから始めた人も他の全てのボールでエンディングを見ればワドルドゥボールを解禁出来る。所謂早期入手である。

  • ロックマンエグゼ5 DS ツインリーダーズ
  • 流星のロックマン ペガサス/レオ/ドラゴン
  • 流星のロックマン2 ベルセルク×シノビ・ベルセルク×ダイナソー
エグゼ5DSはGBA版のシリーズ作品を挿してダブルスロットを行う事で、特別なイベントが発生する。フォルテクロスの姿もこの方法での解放。
加えて、メーカーの垣根を越えて『新・ボクらの太陽 逆襲のサバタ』のダブルスロットでロックマンの特別な姿を解放できる。

流星の「1」では星河スバルが『エグゼ』のロックマンと交流したり、「2」では大人になった光熱斗についてスバル達が知るイベントが発生。
『流星のロックマン3 ブラックエース/レッドジョーカー』では搭載されなかったが、『2』までのダブルスロット限定アイテムはパスワードで入手可能。
『3』で搭載されなかったのはDSiの影響とみるのが一般的*1

前世代ハードとの縦マルチによる2バーションで発売された本作だが、GBA版の『赤の救助隊』と連動可能。
ところが、本作の初期版には赤の救助隊以外の一部GBAソフトとダブルスロット状態にしてゲームを遊ぶと、GBAソフト側のデータが消えてしまうという凶悪なバグがある。
発売から間もなく修正版との交換対応が行われた上に、初期版は店頭から回収される事態になった。

  • コロッケ!DS 天空の勇者たち
GBA時代から多数ゲームの出てたコロッケ!のゲーム最終作。
第1作『コロッケ!』から『コロッケ!Great』までのGBAタイトル5作品をダブルスロットする事で、それぞれの作品でのストーリーで重要な役割を担ったゲストキャラが隠しキャラとして使用可能となる。
声優陣の台詞も新規アフレコされておりかなり気合いが入っているが、逆に言えばパスワードでのアンロックなどの入手法は存在しないため、
5人全員揃えるのは財布との要相談といったところか。

GBAスロットにGBA版本編を差し込めば、第三世代作品からポケモンを連れてくることが出来る(ただし逆は無理)
他にもアイテムの入手や、『ダイヤモンド・パール』『プラチナ』では全国図鑑入手後に出現する野生ポケモンを変化させられる。
ダブルスロットを利用したポケモン配布も行われた。

なお、『ポケットモンスター』シリーズは第五世代『ブラック・ホワイト』『ブラック2・ホワイト2』もDSで発売されているが、流石にこの時代になるとダブルスロットのないDSi、もしくは後継の3DSへの移行が始まっているのもあり、連動機能は搭載されていない。

  • ボクらの太陽 Django&Sabata
ボクタイのGBA版ではカセットに「太陽センサー」が搭載されていたが、ダブルスロットすることでこれを作中で使用できる。
GBA時代に特殊仕様カートリッジを採用していたが故に、ダブルスロットが活用された例。

GBA版の全作品が対象。ダブルスロットを行うことで、特別な強化パーツが手に入る。
ただし『第2次(ファミコンミニ版)』は『GC』のクラブニンテンドー会員限定キャンペーンで抽選で配布されたため、現在でも入手困難。

◇周辺機器を利用するソフト(DSiシリーズ、3DSシリーズでもプレイ可)

  • メトロイドプライム ピンボール
GBAスロットに『DS振動カートリッジ』を挿し込んでおく事で振動機能を追加できる。
当初はGBAソフトと同じ大きさの物のみ存在していたが、小型化したDS Liteのためにサイズを切り詰めたDS Lite振動カートリッジも後に登場した。
カートリッジは「メトロイドプライム ピンボール」に同梱されている以外では任天堂公式サイトでのオンライン販売でしか買えなかった(現在は販売終了)と妙に入手ハードルが高い一方で対応ソフトは約30と豊富。

  • アルカノイドDS
  • SPACE INVADERS EXTREME
GBAスロットに『パドルコントローラDS』という専用のパドルコントローラを使って遊べる。

  • 甲虫王者ムシキング スーパーコレクション
甲虫王者ムシキング5周年を祝って製作された、アーケード版の移植的ソフト。
2007年までのアーケード用のカードを専用カードスキャナーで使用可能であり、現時点で2007年までのムシキングを合法的に遊ぶ数少ない手段。
同名アーケードゲームのDS版で、上記のムシキングと同様、同梱のカードリーダーにてアーケード版のカードをスキャンして遊べる。
本作のカードリーダーは「オシャレまほうカードリーダー」と呼称されているが、実はムシキングの物と同一であり使いまわす事ができる。

  • ワンタメ ミュージックチャンネル Dokodemo Style
上記2作品と同様、アーケード版のカードをカードリーダーでスキャンできる。
本作はカプコンのゲームなので、セガのゲームである上記タイトル用のカードリーダーは非対応。

◇周辺機器を利用するソフト(DSiシリーズ、3DSシリーズではプレイ不可)

  • カードであそぶ! はじめてのDS
言葉遊びを目的とした低年齢層向けのゲームで、46枚のかるたカードを専用カードリーダーでスキャンして遊ぶ。
現在の時点で最後のダブルスロット必須のDSゲームソフトの肩書を持っていたりする。

  • ニンテンドーDSブラウザー
DSでブラウザ観覧が可能となるソフトだが、DSの性能ではブラウザ観覧はキツい面がある。
それを何とかするため、足りないワークエリアを補うGBAカートリッジ型のメモリー拡張カートリッジが同梱されており、それを使う。
当然DSブラウザーはDSiシリーズでは使えないが、あちらは『ニンテンドーDSiブラウザー』があるので特に問題がない。







追記・修正はダブルスロットで遊んでからお願いします。

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最終更新:2023年11月17日 01:00

*1 『流星』の完結作品だから『エグゼ』要素であるダブルスロット連動は排除されたとする見方もあるようだが、『4』の構想があったとする話も出ているので、何とも言えない所ではある。