プレイディア

登録日:2019/06/23 (日) 22:30:50
更新日:2022/01/24 Mon 00:48:45
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プレイディアはインタラクティブに進化する。




プレイディアとは、バンダイより発売された家庭用ゲーム機。バンダイ曰く「CD-ROMプレイヤー」。

【解説】


1994年9月23日発売。定価24,800円(消費税別)。バンダイ的には第二世代ハードのアルカディア以来のハード事業復帰だった。

当時のゲーム機市場が「32bitだぁぁぁ!」とか「3Dだぁぁぁ!」と騒いで次世代機を投入する最中、低年齢層を狙うプレイディアは性能路線とは無縁。
前世代の16bitどころか、更に逆走して8bitクラスのハードとして設計される事になった。
その結果、名誉と呼べる肩書なのかは不明だが、第五世代ハードでは唯一の8ビットのハードとなっている。

バンダイ的には「CD-ROMプレイヤー」との事で、公式見解的にはゲーム機ではない模様。
と言っても、一般的にはゲーム機として認識されている。「インタラクティブプレイヤー」と呼ばれる事も。
プレイディアの教育ゲーの多さから、セガのキッズコンピュータ・ピコのような「電子知育玩具」として分類する意見もある。

当時ブレイク中だった安達祐実をCMに採用し、「インタラクティブ」なる単語を持ち出したバンダイだったが、あまり注目されなかった。
元々一般的なゲーム層狙いではなかったハードではあるが、当時の子供にもハードコンセプトは分かりにくかったようで、発売後はすぐに売上不振に陥った。
後述するが、やがて子供向けハードなのにアイドル声優ソフトシリーズを展開するなど、ついには商売方針も迷走し始めた。
こうした迷走は何かしらの成果に繋がる事はなく、プレイディアは2年程度でその商品展開に幕を下ろしてしまったのだった。

商品展開時は評判に恵まれなかったハードだが、後年ではハードのコンセプトを再評価する声も一定数存在し、隠れた魅力はあったとは言える。


【本体】


本体は青基調の鮮やかなカラーに、黄色いPlaydiaのロゴが描かれた比較的シンプルな外観。
ボタンなどは全体的に丸みを帯びたデザインでカラーも明るく、子供を意識していたことがよく分かる外観となっている。

プレイディアは実はコントローラーが有名であり、当時としては画期的なワイヤレスの赤外線コントローラーを標準採用している。
本体のコントローラー格納用の窪みに赤外線受光部が存在し、そこでコントローラーの操作を感知する仕組み。
赤外線コントローラーは単4乾電池2本消費し、赤外線が届く範囲は上下左右角度15°以内で5メートル程度の距離とされる。

プレイディア専用のACアダプターが存在するが、専用ではないACアダプターを使用すると本体内部のヒューズが破損する危険性がある*1


【性能】


CPU 8 Bit マイクロコントローラ
RAM 256K SRAM
サウンド Bモードステレオ1チャンネル
Cモードステレオ2チャンネル

8ビットなので当然だが、第五世代ハードでは本体性能は一番貧弱。

プレイディアは本体性能が弱いが、その代わりに動画再生に強いことを売りにしている。
旭化成が独自開発したビデオプロセッサを搭載したことで、動きが滑らかなアニメーションの再生を可能にした。
カタログスペックでは秒間5コマ、7.5コマ、10コマの三種類の動画を表示可能。
しかし、ハード性能自体の貧弱さからゲーム内の画像などは粗い部分も見られた。

ソフトはCD-ROMだが、CD-ROMドライブに画像専用LSIを搭載しているので画面の切り替えに長けている。
実は当初は統一規格を目指していたことから「QIS(Quick Interactive System)企画専用ソフト」という専用CD-ROMだったりもする。
しかし、この独自規格には他に採用されることはなく、結局QIS=プレイディアになった。

公式的にはCD-ROMプレイヤーなだけあって、ちゃんと音楽用CD-ROMも再生可能。
ところが、再生時間やトラック番号は表示されないという仕様になっており、CD-ROMプレイヤーとしては評価が低い。


【ソフト展開】


キャラクター資産が強いバンダイらしく、発売されたゲームの多くはバンダイお得意の特撮やアニメ題材のキャラゲーだった。

しかし、プレイディアのゲームは再評価されていないどころか、後世ではゲームとして認識されているかすら怪しい節がある。
何故なら、「動画を流して選択肢を選ばせる形式のADV」「幼児向けの教育ゲーム」「アニメや動物のデータベース」がプレイディアソフトの殆どなのだから。
RPGとかレースゲーなどのある意味「普通なゲーム」が存在せず、プレイディアのソフトが当時注目される事も再評価される事もなかった。
実際問題、性能的に一般的なジャンルのゲームを作る事は出来ないようなハードだったのだが…(実際バンダイも作る気はなかった事は明白ではある)。

強いて挙げるなら『ドラゴンボールZ ~真サイヤ人絶滅計画 宇宙編~』が多少有名で、後年の『ドラゴンボールヒーローズ』でもソフトのネタが拾われた。
しかもこれも元をたどるとファミリーコンピュータ出身のゲームなので、プレイディア出身で知名度のあるゲームは殆どない。

子供向けながら声優ビジネスによる大人受けも視野に入れ、人気声優のファンディスクとも呼べる「エレメントボイスシリーズ」が展開された。
アイドル声優を売りにしたソフト展開は、後世ではPC-FXが展開したアイドル声優推しの商売戦略との類似点を指摘する声もある。
と言っても、あちらは最初からその方向のユーザー層狙いだが、こちらは一応小学生層ターゲットのはずなのだが…。

プレイディアにはサードパーティは参加していないためバンダイのみでソフト展開を行っており、最終的には全33タイトル排出された。


【余談】


  • プレイディアもとりあえず売れなかったハード特有の扱いとして黒歴史と勝手に認定されている風潮がある。
    だが、実際にプレイディア撤退後にバンダイ公式からプレイディアへの言及があった事は殆どない。

  • 現在のプレイディアの中古市場での価格は安い訳ではないが、レトロハードとしては新品未開封でも比較的安価な部類に入る。
    しかし、レトロゲーブームや年月の経過で安価なレトロハードでも中古価格は上昇傾向にあるとも言われており、未開封新品本体がプレミア価格の領域に入る前に入手しておくのも得策…かもしれない。








追記・修正はインタラクティブに進化してからお願いします。

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最終更新:2022年01月24日 00:48

*1 プレイディア未開封時の袋にも強く警告文が掲載されている。こちらの警告文では、誤って使った場合にはバンダイお客様相談センターへの相談を推奨している。