悪魔城ドラキュラ黙示録

登録日:2019/06/23 Sun 14:25:12
更新日:2024/03/20 Wed 20:33:19
所要時間:約 11 分で読めます




1999年3月にコナミから発売したアクションゲームで、悪魔城ドラキュラシリーズの一作。
対応機種はNINTENDO64


概要

悪魔城ドラキュラシリーズ初の3Dアクションゲーム。
従来の2Dアクションとは異なる3Dの立体空間を利用した表現やシステムを工夫して作られた意欲作。
スーパーマリオ64」や「ゼルダの伝説 時のオカリナ」のように広大な3Dの世界を冒険できる。


リリース当時は癖があり難易度の高いゲーム内容や従来ファンの
悪魔城ドラキュラは2Dである』という固定観念や『無理矢理3Dにしなくても…』といった3D慣れしていない忌避感から
敬遠されて売れなかったということから一時はクソゲー、駄作扱いされていた。

しかし、時が経ち後発の3D悪魔城シリーズがどれも癖があり良作とは言えないゲーム内容ばかりだったことから
逆に本作の2Dアクションのドラキュラをオーソドックスに3D化させていた無駄のないシンプルなゲーム性や
ホラー映画ばりの硬派な雰囲気やストーリーが相対的に評価され、現在では理想的な3D悪魔城ドラキュラ作品として再評価を受けている。
特に本作の主人公の一人が一部のファンから根強い人気を誇っているのも理由の一つ。


リリースされた同年の12月には企画段階で没になったキャラクターをメイン主人公に据えた『黙示録外伝・レジェンドオブコーネル』が発売され、
無印版で問題だったカメラワークの改善や新要素を追加したディレクターズカットも収録されているので非常にお得で文句ない良作として昇華されている。
(ただし、逆に無印版から削られたり悪化した要素もあるので注意。どちらをプレイしても価値あり)


ストーリーの内容的には正史の年表には含まれないパラレルな外伝的なものであるが、
現在は後発の作品等で色々な世界観や設定が出来上がっていることから
黙示録外伝を含めて正史の一つとしてリメイクできるんじゃないの? という声も一部で挙がっている。


※以下、無印版と黙示録外伝を併せた解説になります。


本作独自のシステム


本作には時間の概念が存在し、昼夜が変わると周りの明るさや空模様がちゃんと変化するようになっている。
時間帯によってイベントが発生したり特殊な扉を開けられるといった要素もあり、専用のアイテムで時間を進めることもできる。


本作に登場する吸血鬼タイプの敵キャラに血を吸われたりすると『半吸血鬼化』というステータス異常に陥り、
夜の12時までに治療しなければ完全な吸血鬼となってゲームオーバーになるという、ある意味ドラキュラらしい要素もある。


登場人物


●ラインハルト・シュナイダー
本作の主人公の一人。ベルモンド家の流れを組むヴァンパイアハンター。
筋肉モリモリマッチョマンな風貌とは裏腹に信仰心に篤く礼儀正しい真面目な漢。
メイン武器は先祖伝来の聖なる鞭。

詳細はこちらも参照。


●キャリー・ヴェルナンデス
本作の主人公の一人で魔法使いヴェルナンデスの末裔の少女。何と12歳!!
可愛らしい姿とは裏腹に幼女離れしたメンタルの持ち主。ファンからは現在でもかなり根強い人気を誇っている。
メイン武器はチャージ攻撃が可能な上にホーミングもするエネボール。

詳細はこちらも参照。


●コーネル
上記の二人より8年前が舞台の黙示録外伝のメイン主人公を務める人狼の青年。
さらわれた妹を助けるために悪魔城に挑む。
メイン武器は真空波の手刀。さらに特殊アクションとして人狼の力を解放して変身し、パワーアップも可能。

詳細はこちらも参照。


●ヘンリー・オルドレー
東方正教会から派遣された兵士。黙示録外伝にて追加されたキャラクター。
ラインハルトやキャリーが悪魔城を攻略する裏でさらわれた子供達を救出するために活躍する。
メイン武器はリボルバー拳銃。

詳細はこちらも参照。


●チャーリー・ビンセント
自称、最強(笑)のヴァンパイアハンターと豪語するオッサン。
吸血鬼研究の権威として知られているらしいが、勝手に人の家(しかも敵地)のベッドで呑気に眠っていたりと抜けたことをしている。
一応、十字架や聖水で武装しており悪魔城の最上階までやって来れるので実力自体はあるようだ。


●ローゼ
悪魔城内のバラ園で薔薇の世話をしているヴァンパイアの女性。
信仰心がとても強かったこととまだヴァンパイア化してから日が浅いので理性を保ったままでいる。
ラインハルト編のキーマンとなる人物。


●マルス
悪魔城にさらわれてきた8歳の少年。4歳年上のお姉さんであるキャリーにプロポーズをするというマセガキ。
記憶喪失に陥っているらしいがストーリーが進むと言動にキナ臭さが出てくるようになる。


●エイダ
外伝のコーネル編に登場するさらわれたコーネルの妹。

詳細はこちらも参照。


●オルテガ
外伝のコーネル編に登場するコーネルのライバルのライカンスロープ。

詳細はこちらも参照。


●レノン
悪魔城に出没する悪魔のセールスマン。見た目はまんまジャン・レノ。
落としてしまった契約書の巻物を拾ってくれた主人公達を相手に商売を行う。

貴重な回復アイテムなどを売ってくれるので金さえあればかなり重宝する存在。

ジルドレ
ドラキュラ伯爵の部下の幹部を務める上級吸血鬼。赤いタキシードを着た執事のような奴。
無印版ではさらっと名前が出てくるだけで、外伝でも他の幹部より影が薄い等と不遇な存在。

一応、子供をさらうという設定は史実のジルドレを再現していると言える。


●アクトリーセ
永遠の若さと美貌のために悪魔に魂を売り渡した魔女。氷系の魔法を使いこなす。
自分のためなら我が子さえも犠牲にすることを躊躇わない外道。


死神
毎度おなじみ、ドラキュラ伯爵の腹心を務めるデス様。
今作では背中に黒い翼を生やしているという堕天使のような姿が特徴的。


●ドラキュラ伯爵
ご存じ、悪魔城シリーズのラスボス。
本作では子供ばかりを悪魔城にさらうという奇妙なことをしでかす。
決してショタコンという訳ではない、と思う。


登場サブウェポン


無印版では同じサブウェポンを拾い続けても意味は無かったが、外伝では二回までパワーアップをするようになり性能が強化されていく。


●ナイフ
一直線にナイフを高速で投擲する。パワーアップすると炎を纏うようになる。
メイン武器が遠くまで飛んでいくキャリーとヘンリーにとっては必要ない。

●斧
放物線を描く斧を投げる。ダメージが高め。
パワーアップすると地面に落下した際に雷が発生して追加ダメージを与える。

●聖水
地面にビンを投げつけ、炎を撒き散らす。足止めや追加ダメージが大きいので便利。
空中戦には全く役立たない。パワーアップすると炎が大きくなって色も変わる。


●十字架
敵をホーミングするブーメランとして投げつける。
消費が激しいので乱用は禁物。


登場ステージ



●濃霧の湖
黙示録外伝で追加された最初のステージ。
幽霊船に乗り込み、さらに湖上の橋へと移っていく。

最初のステージということもあって基本的なアクション等を覚えられるように配慮されている。
…が、ボスのサーペントは最初のボスのくせに本作屈指の強敵という初見殺しとなっている。


●沈黙の森
無印版では最初のステージ。外伝では第二ステージとなった。
序盤のステージながら巨大なボスがいきなり現れたり、高低差のあるジャンプアクションを駆使して移動したりと難易度が高い。
慣れないプレイヤーはここで躓いて本作をクソゲー呼ばわりするとか。

黙示録外伝では幾分か難易度が下がり、風の音などの環境音のみだった無印版からBGMが追加された。


●城壁
城門を開くために左右の塔を昇っていく。
トラップだらけのステージで慣れないと墜落死は必至。

無印版と外伝でBGMが微妙に違う。


●悪魔城別邸
城壁を抜けた先にそびえる辺境領主・オルドレーの館。主人公、ヘンリーの実家。
他のステージに比べてアクションよりも探索要素の面が強く、色々なアイテムを探して道を切り開いていく。

様々な重要イベントが発生する上、下級の吸血鬼のザコ敵が多く登場したり、
悪魔のセールスマン・レノンとの買い物が行えるようになったりと本作独自の要素が多々初登場する印象的なステージである。

終盤のガーデンキーパーとの追いかけっこは本作のトラウマ要素の一つ。


●地下坑道・地下水路
ラインハルト、キャリーの場合は地下から悪魔城の内部へと侵入を図り、それぞれ担当ステージが異なる。

カメラワークに癖がある都合上、足場が悪かったりして毒の水路に落ちて溺れ死ぬのは誰もが通る道。

無印版ではボスが出ないが、黙示録外伝では最後に追加ボスの巨大アルケニーやメディウサが待ち受ける。


●悪魔城外壁
黙示録外伝にのみ登場するステージ。コーネルの場合はラインハルト、キャリーとは逆に城の外側や屋根を伝って内部へと侵入を図っていく。

ザコ敵は登場こそしないがトラップだらけであり、しかも外壁ということから足場も悪く墜落死する危険が高い。

ボスのハーピーは変身のパワーアップで瞬殺すべし。


●悪魔城中心部
ラインハルト、キャリーが地下から侵入を図った悪魔城の本殿。
別邸と同じく探索がメインのステージで全ステージ中、一番長くボスも複数登場する山場。

吸血鬼たちもウジャウジャしており、黙示録外伝ではゾンビまでも出てくる始末。

悪名高いトラウマミッション、マジカルニトロの運搬は本作最大の難関にしてトラウマ要素である。

ラインハルトとキャリーで次に進む塔のステージのルートが分岐している。


●美術塔
別ルートで悪魔城内に侵入したコーネルの専用ステージ。
昼夜によって通行できない扉がいくつもあり、時間を進めるアイテムを使いまくらないといけない面倒なステージ。
トロッコによるトラップやシャンデリアを避けながらの高所綱渡りなどがちと手間取る。

BGMはメガドライブのバンパイアキラーより出展の「The Sinking Old Sanctuary」でかなりの名曲。


●遺跡塔
美術塔を抜けた先にある、ピラミッド内部のような場所。
こちらもコーネルの専用ステージでアスレチックの他にも謎解きをしないとクリアできない。

なお、コーネルは下記のラインハルト、キャリーにおける塔のステージを全て切り抜けていくようになっている。


●決闘塔
ラインハルト専用のステージ。
いくつかのポイントで獣人タイプの中ボスたちとデスマッチを繰り広げる。

黙示録外伝では構造が変わり、全体的に長くなっている他、アスレチック要素が増した。


●科学塔
キャリー専用のステージ。
時代的には19世紀中期の時代であるためか、ベルトコンベアなどメカニカルなトラップや要素が満載。(マシンガンはやりすぎか?)

無印版ではボスがいなかったが、黙示録外伝では防衛システム的な制御クリスタルが侵入者を排除しようと立ち塞がる。


●処刑塔
ラインハルト専用のステージ。
溶岩が満ち溢れ、ギロチンなどのトラップが満載の危険なステージ。

一区画を昇っていくだけだった無印版とは違い、黙示録外伝ではいくつもの区画を切り抜けていくようになりステージが長くなった。


●魔法塔
キャリー専用のステージ。
暗闇の中に浮かぶ氷の足場が印象的な幻想的な風景が特徴的だが消える足場が連続で続いており、もたもたしていると墜落死してしまうかなり難易度の高いステージ。

黙示録外伝では攻撃で妨害するトラップが増えた代わりに消える足場が少なくなり、動く足場が配置されて全体的に難易度が下がった。


●時計塔
シリーズではお馴染みのステージだが突入前に前ステージの塔の頂上で主人公毎に因縁のある中ボスと戦うことになる。
ラインハルトは死神、キャリーはアクトリーセ、コーネルはオルテガとそれぞれボスが異なる。
また、この塔の頂上で最後の戦いも繰り広げられる。

歯車に巻き込まれたり挟まれて即死したりとラスト前の最後の難関に相応しいトラップが満載のステージ。

黙示録外伝ではさらにトラップが増え、ステージも長くなって難易度が上がった。


●悪魔城天守
長い冒険の果てに辿り着いた、悪魔城の主・ドラキュラ伯爵が待ち受けるクライマックスステージ。

これまでの冒険結果によっては途中に二体の中ボスが乱入してくる。特に二体目はエンディング分岐に関わる。

黙示録外伝のラスボスはシリーズ屈指の強さを誇り、ハドソンのプレイヤーキラーとタメを張るとも言われている。
逆に無印版のラスボスは時系列の割にあっけない…。


登場する印象的な敵キャラ


吸血鬼ゾンビ
ある意味、本作を象徴するザコ敵。ゾンビは外伝以降に登場。
悪魔城ドラキュラシリーズではドラキュラ以外の吸血鬼はほとんど登場しないのだが、本作では下級の吸血鬼たちがわんさか登場する。
種類も元は村人や執事、メイドなどバリエーションに溢れており、生存者に化けて襲ってきたりと狡猾な連中。

バイオハザードのゾンビのごとく抱きついて吸血をしてくるという設定に相応しくもシリーズでは非常に珍しい攻撃方法を行う。


●スケルトン系
骨を投げつけてくるシリーズでお馴染みのザコ敵で、不死身なレッドスケルトンの他にも
自爆をしてくるブルースケルトンやバイクに乗って(!?)ヒャッハーしてくるスケルトンも登場する。

最序盤の中ボス、巨大スケルトンは初見殺しとして多くのプレイヤーを葬った。


●リザードマン系
人型のトカゲのような姿をしたザコ敵たちで盾や剣で武装している。
他にも炎や毒を吐いたりと攻撃手段は多彩。

とあるステージには敵キャラではない奴も出てくるが、だからといって虐めたりしないようにしましょう。


●ガーデンキーパー
別邸の迷路庭園にて登場するフランケンモンスターのような敵キャラ。みんなのトラウマ。
普段は庭師として働いているがこちらを見つけると手にするチェーンソーを振り回してどこまでも追いかけてくる。
その攻撃力はまさに凶悪で、足止めをしてくるスタチュードッグに捕まり、振り払う間に追いつかれて斬り殺されるのは初見ではよくあること。

こいつから逃げ回るミッションは恐怖の一言に尽き、おまけに不死身で倒せないというから凶悪。


没キャラ


●コーラー
開発当初、黙示録にてラインハルト、キャリー、コーネルに続いて主人公の1人となる予定だったキャラクター。資料画像では頭にシルクハットのようなものをかぶり、右手部分がチェーンソーとなっていて、左手にリボルバー拳銃を持っている。設定上は人造人間でそれ故に吸血鬼化しないというものだったらしいが、バックストーリーは一切明かされていないため、どのような経緯でドラキュラ伯爵と戦うことになったのかは不明である(当時のゲーム雑誌のキャラクター紹介によると、悲しい運命に導かれているらしいとのことだが…)。なお、データ自体は上述のガーデンキーパーに変更かつ流用された模様。


●コーラー2
黙示録の敵キャラで、女性型かつ最新型の人造人間(正式名称は不明のため、便宜上この場ではコーラー2とする)。旧型であるコーラーの前に立ちふさがるという設定だったらしい。まるでターミネーター3とか言ってはいけない。黙示録の方が先である。


●大サソリ
黙示録のプロモーションビデオに登場していた敵キャラ。ラインハルトからクロス攻撃を受けていた。


●魔女
黙示録のプロモーションビデオに登場していた敵キャラ。浮遊した巨大な頭蓋骨の上に乗っていて、相手を即死させる魔法を使うという設定だったらしい。キャリーからエネボール攻撃を受けていた。


すぐに子供扱いする……私はこの項目を追記・修正するためにやってきたの!

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最終更新:2024年03月20日 20:33