うずまきボルト

登録日:2019/06/07 (金) 02:11:29
更新日:2024/04/22 Mon 22:53:21
所要時間:約 10 分で読めるんだってばさ




うずまきボルトとは、漫画BORUTO‐ボルト‐』の主人公。


◆プロフィール

所属:木ノ葉隠れ
階級:下忍
誕生日:3月27日(うちはサスケの誕生日の数字と逆)
星座:おひつじ座
身長:145cm(12歳)→163cm(16歳)
好きな食べ物:ハンバーガーフライドポテトコーラ、激辛料理
嫌いな食べ物:薄味の料理全般
趣味:ゲームRPG)、カードゲーム
CV:菊池こころ(THELAST)→三瓶由布子


◆概要

木ノ葉隠れの里に所属する忍者
猿飛木ノ葉丸が率いる第七班の班員で、チームメイトはうちはサラダとミツキ。

前作『NARUTO‐ナルト‐』の主人公うずまきナルト日向ヒナタの間に生まれた息子で、妹にうずまきヒマワリがいる。

ナルトの血を色濃く継いでおり、金髪碧眼で頬には2本のヒゲのような模様があるなど、外見は良く似ているが、目の青色はこちらの方が鮮やか。
アニメ版では特にどこか父方の祖父:波風ミナトを思わせるような爽やかな美男子の印象を強く感じさせるよう描かれているようにも見える。
頭頂部にヘタのような短い毛があるのが特徴。
表が黒、裏がマゼンタのジャケットを羽織っており、首には綱手からナルトに授けた首飾りのようなものを身に着けているが、捩れたものとなっている。
ちなみに小説によるとお気に入りのパンツの色は蛍光ピンク

口癖は「~だってばさ」。


◆性格

いたずら好きだが家族・仲間思いな性格。年齢もあってかやや厨二病的な側面もある。アニメでもテレビのヒーローや神秘的な生き物など、珍しいものに興味を持つタチの模様。
周囲に愛されて育ったせいかコミュニケーション能力が高く、誰とでもすぐ仲良くなれるが、身内を傷つけられると攻撃的になる。
普段はクールぶって斜に構えているが、根はナルト譲りの熱い心の持ち主で、アカデミー編では事件を通して仲間達との友情を深めていっている。
母親のヒナタと妹のヒマワリを特に大切に思っており、その分火影の仕事が忙しく家を空けがちなナルトには反発気味。
ナルトと比較されるのを嫌っており、火影の事も大嫌い。
七代目火影として多忙な父に構ってもらいたい一心からか、悪戯三昧の日々を送っている。

大筒木一族との遭遇を経て、父や仲間たちの思いを理解した後は「火影を超える忍になる」ことを己の忍道と定めている。


◆能力

祖父の波風ミナトから隔世遺伝でもしたのか、家庭環境が幸いしたのか、忍者としての才能は同じ年代の頃の父親や母親と違ってかなり高く、忍者学校(アカデミー)の学生の時点で中忍クラスと評価されている。
ナルトとは違い頭脳も明晰で、本来は答えを盗み出す試験問題の内容を自力で解き100点を取るなど、問題児ではあるが知識の方の成績も良い。大した奴だ…。
反面、根っからの天才肌の為か人に教えるのが下手。

まだ父のように術や物事の本質を把握していない部分が目立つが、飲み込みが早く、早い段階で影分身などの術を習得。
ただし人柱力ではないためチャクラ量は平均的であり、ナルトのように多重影分身の術は使えない。
性質変化も風遁、雷遁、さらに最近は水遁を扱えるようになった模様。
螺旋丸も木ノ葉丸の指導により、数日ですぐ会得した。
またその際、祖父にも不可能だった螺旋丸に性質変化を加える事に成功している。

忍者学校(アカデミー)に入学するまでは、父親のナルトが仕事で忙しかった事もあり、主にヒナタの指導を受けていた為か、白眼や八卦掌回転といった日向一族特有の術は使えないが、柔拳のような体術を使用しており、ところどころ戦闘スタイルに柔拳の構えのような部分も見られている。
能力や使う術とは違い、目立たない部分ではあるが、少なからず柔拳のような体術を使うという点では日向一族の血を継いでいることがわかる。

反面、要領の良さ故に挫折を知らないせいか、努力することをダサイと感じ修行を嫌う悪癖があり、みっともなかろうが足掻くことなく諦めがちな傾向がみられる。
はたけカカシうちはサスケといった先達からは、その伸びの良さが欠点と指摘されている。
中忍試験後は反省し、新術会得が必要になった際には先達に教えを乞い修行に励んでいる。

総評すると、ナルトがチャクラ量に任せたパワータイプだったのに対し、ボルトは手数の多さを活かしたテクニックタイプである。
そういった面では、師匠であるサスケに近いのかもしれない。

実は本人も知らぬ間に白眼の亜種である「淨眼」を開眼している。
また、大筒木モモシキの撃破後は右手に「(カーマ)」の印が浮かんでおり、モモシキにはそれに対して警告されている。
それが青年ボルトとどう関係があるかはまだ謎である。

モモシキ曰く「大筒木の力を強く受け継いでいる」とのこと。
父はアシュラの転生者+六道仙人の力を持ち、母はハムラ直系の子孫という意味で、血脈・力の双方で大筒木に強く繋がりを持っているのは確かである。

第二部では里を離れサスケの教導を受けていた影響で、戦闘スタイルが一変。
体術と剣術を基本としたスピード重視の接近戦を主体に、独自改良した螺旋丸や性質変化を織り込んで戦うという、いわばサスケのスタイルにナルトを混ぜ込んだような立ち回り方を見せている。
この他祖父の代名詞だった時空間忍術に加え、肉体の変質に伴い大筒木一族の持つチャクラ消去や飛行能力も発現するなど、少年期とはケタ違いの力を備えている。


◆使用術

残像を作り出すだけの分身の術と違い、自分の「実体」を作り出す術。
本来は上忍級の高等忍術だが、ボルトは忍者学校(アカデミー)入学前に既に習得していた。
チャクラ量に関しては突出して多くはなく、同じ歳で1000人まで分身できたナルトとは違い分身可能な最大人数は3人。
後に修行によって4人に増えた。ただし、本体から遠く離れられないという欠点がある。

掌で圧縮・乱回転させたチャクラの塊を対象に叩き込む超高等忍術。
担当上忍の猿飛木ノ葉丸に頼み込み数日の修行で会得した。なお、ナルトと違い影分身に頼った修行をしなかったため、最初から一人で使える。

  • 消える螺旋丸
雷の性質変化を加えたことで原理は不明だが投擲できるようになった上、見えなくなる特性が付加された。そのまま相手に着弾することで完全な不意打ちになる。
性質変化が加えられたのは、ボルトが意図したものではなく、あくまでも偶然のため、生成した段階では非常に小さかった事もあり、最初は術者であるボルト自身も未完成と思い込んでいた。
だが、写輪眼を持つサスケにははっきり見えており、後に鬼と化したモモシキに放たせることで不意を打ち、ナルトを含む五影を救った。
なお性質変化は無意識に加えていたもので、雷遁としての特性はない。

  • 超うずまき螺旋丸
うずまき親子の合体技。
ボルトの消える螺旋丸にナルトが自分のチャクラを加えることで超大玉サイズまで巨大化させた。
劇中では直接叩きつけたが、実はベースがボルトの術なので、投げつけると一瞬で収束して視界から消える特性がそのまま。
ノベライズではモモシキが迎撃で放ったコピー螺旋丸を巻き込んで収束、そのまま炸裂した。
TVアニメ版では巨大化後に一度見えなくなったことでモモシキを不意打ちした。

  • 風遁・螺旋丸
アニメ殻始動編で、殻の内陣・ディーパとの敗北により実力不足を痛感したボルトが、カカシに修行をつけてもらい会得した新たな螺旋丸。
元々ナルト以外完成させることが出来なかった非常に難しい術だが、ボルト本人は風遁が得意だったため、ナルトの性質変化のコツを又聞きで伝えただけで僅か1日で使えるようになった。
消える螺旋丸と同じく投擲できるが、実力者相手には力不足で満足のいく威力には仕上がらなかった。

  • 圧縮螺旋丸
チャクラを圧縮し密度を限界まで高めた螺旋丸。
大玉螺旋丸は自身のチャクラ量から現実的ではなく、風遁・螺旋丸は威力不足で自分に出来る範囲の向上策を考えた結果の次の手。
かつて苦戦したショジョジの風遁・風伯盾を正面から突破して一撃で倒し、ボルトたちの世代では誰一人崩すこともできなかったディーパはサラダが事前に与えたヒビも加わり右腕を破壊しかけた事で初めて明確に焦り、称賛と共に誰にも見せたことがないという全身に鎧を纏った姿を引き出した。
欠点として、発動した腕への反動が大きいため、カカシには迂闊に使用しないよう釘を刺された。

  • 超圧縮螺旋丸
絶体絶命の状態で、ボルトの圧縮螺旋丸に仙術チャクラを上乗せしてくれたミツキとサラダに手を添えられながら放った第七班の合体技。
圧縮螺旋丸すら防ぎきったディーパの鎧を木っ端微塵に粉砕し、下忍3人で殻の内陣を撃破する大金星を上げた。
ただし欠点である反動はさらに大きくなり、第七班総出で衝撃を緩和したものの、ミツキは右腕が吹っ飛び(人造人間であることが幸いし後に再生)、術者であるボルトもしばらく包帯を巻くことになった。

  • 風遁・烈風掌
風遁系では基本忍術とされている術でチャクラを変質させて風を生み出し、突風へと変化させる。
ボルトはかつての長門などと異なり、掌底の要領で放つ遠当ての技としても使用している。

  • ボルトストリーム
影分身を発射台に風遁・烈風掌で本体をロケットのように飛ばし、雷遁を纏わせた武器や本体の殴打で攻撃する術。
ナルトの「分身体当たり」に近いが、風遁を用いる点が異なる。
父:ナルトの得意とする「影分身との連携攻撃」、母方の生家:日向一族秘伝の「掌底を軸とした体術“柔拳”の動き」、父方の祖父:ミナトの得意とした「超高速体術戦闘」とボルトのルーツを表す要素が見受けられながらも、そのいずれとも同じではないという点ではある意味ボルトを象徴する技とも取れるかもしれない。
タイムスリップ編では第一部時代のナルトと連携で放つ「ナルトストリーム」という派生技も登場した。

  • 「雷」・三連
うちは流手裏剣術。
雷遁を纏わせた三枚の手裏剣を同時に放つ。
サスケに教えてもらった。

  • 水遁・波濤(はとう)
口から大量の水を放出して攻撃する。

  • 雷遁・迅雷箭(じんらいせん)
掌から発生させた雷遁を前方に放ち攻撃する術。波濤で水浸しにしたところに追撃で放つことが多い。

  • おいろけの術
变化の術でいやらしい姿の女性に変わる術。
護衛先のテントウに「変化の術を見せて欲しい」と言われた際に使用し、更に影分身の術と組み合わせて「ハーレムの術」までテントウに披露し、彼を驚かせた。
ちなみに、この術を見たサラダは、赤面しながらも「こんな術開発したやつぶっとばす!」と言っている。
何気に変化の術としては結構高等な部類。

  • ハーレムの術
おいろけの術に影分身を組み合わせ大人数で畳み掛けることにより、効果が倍増する。

離れた場所から動物や人やものを呼び寄せる、いわば召喚魔法のような術。
アニメ版「BORUTO」のミツキ奪還編にて龍池洞の奥地に住む大蛇ガラガと一時的に口寄せ契約を結んだ。

  • 淨眼
右目にのみ開眼している謎の瞳術。白目の部分が黒く染まる以外は転生眼に近い。大筒木一族の瞳術であるらしく、大筒木ウラシキが言及している。
洞察力も増すだけでなく経絡系を見切るなど、白眼に連なる瞳術であることがうかがえる。その能力は、判明している限りでは、「異界のチャクラを見る」ことに特化している。また、経絡系の看破も異界の存在に限られる模様。
アニメでは第1話の時点で既に開眼していたが、この時は異界のチャクラの識別しかできなかった。第8話で大筒木トネリのチャクラを受け取ったことで瞳力が強化され、経絡系などの識別が可能になっている(ボルトが存在を自覚したのもこのタイミング)。
少年期の時点では開眼したことは自覚しているものの任意制御は出来ず、識別対象のチャクラが近くにあるなど一定の条件下で自動的に開眼状態になる。霧隠れでのかぐらとの共闘などで確認できるため、精神状態やチャクラの状態に左右されると思われるが詳細は不明。

  • (カーマ)
大筒木モモシキの撃破後に右手に浮かんだ刻印。
通常は菱形だが、活性状態になると右腕全体に紋様が広がる。
身体能力や術を強化し、輪廻眼餓鬼道の「封術吸印」のように術を吸収することができる。
ただし、あくまでチャクラを吸い取る能力であるため、吸収可能なのはチャクラ由来のものに限られ「実体のある物質をチャクラで操作する」術には効果がない。青年期には(カーマ)からチャクラを引き出すことも可能になっている。
その正体は大筒木モモシキによって刻まれた彼の存在のバックアップ。
完全に解凍されればボルトはモモシキに肉体を乗っ取られ消滅することになる。

  • 螺旋丸「渦彦」
第二部で身に着けた新術。
星のチャクラを混ぜ込み、ヒットした相手に「終わらない回転」を付与する。
喰らった相手は平衡感覚を失って行動できなくなり、これを解除するには死ぬか、術者であるボルトが解くしかない。

  • 飛雷神の術
祖父・ミナトの代名詞である時空間忍術。
ボルト自身は「じいちゃんみたく器用じゃねえ」と零しており、実際にミナトや扉間のような戦闘中の移動には使用していないが、一方で先達がなしえなかった「空間的に隔てられた場所への転送」を実現している(先達についてはそうする機会がなかっただけとも考えられるが)。

  • 雷遁・紫電
カカシが編み出した雷遁の術。
刀を媒介にすることでサスケの「千鳥刀」を再現する形で使用している。


◆劇中での活躍

◇第一部・少年篇

殻を破り、真の忍へ

忍者学校を卒業し下忍になってからも、平和な世の中と自身の要領の良さが災いして挫折を知る機会がないまま育ったボルト。
それゆえにナルトへの不信は高まり、ヒマワリの誕生日をすっぽかされたことでついに怒り心頭に発する中、サスケに出会う。
「父と同じくらい強いというサスケに師事すれば、いずれ父を超えられるのではないか」と考えたボルトは、早速弟子入りを志願するが、出された課題は「螺旋丸の会得」。
木ノ葉丸に頼み込んで慣れない修行に精を出しつつ、わずか数日で課題をクリアする。しかし、出来上がった螺旋丸は標準よりも小さく、そのことを揶揄されたと思い込んだボルトは遠野カタスケから科学忍具「忍籠手」を借り、他人のチャクラによる螺旋丸を改めて披露するというズルをしてしまう。サスケは瞳術を使わずともこのことに気付いていたが、自力で課題をクリアしていたこともありあえて見過ごし弟子入りを許可した。

そして中忍試験。チームメイトであるサラダとミツキが第一の試験で活躍する中、何も成せていない自身に焦ったボルトは、第二の試験で再び忍籠手を使用してしまう。
周囲からの期待や称賛に浮かれて忍の本分を見失ったまま、第三の試験でも続けて忍籠手の力を使用するが、自身の能力から逸脱した術を使いすぎたせいでボロが出てしまい、真相を見抜いたナルトに失格を言い渡され、額当ても剥奪されてしまう。
直後、大筒木モモシキ・大筒木キンシキが会場を襲撃し、ナルトは皆を庇って拉致され、それを阻止しようとしたヒナタも負傷する事態に。ここにきてサスケに現実を突きつけられ、「父たち先人をダセぇと馬鹿にしてきた自分自身が、一番ダセぇことをしている」ことを痛感する。
そして、父を助け今度こそ親子として向き合うべく、サスケから借りた額当てとナルトが少年時代に使い古した上着を身に着け、サスケや他の五影と共に異空間へと乗り込む。
当然戦力としては最弱ではあったが、サスケのサポートもあってモモシキと渡り合い、最後はナルトから託されたチャクラで放った螺旋丸でモモシキを撃破することに成功した。

事件後、不正行為を働いたことを謝罪したボルトは心を入れ替えるが、火影を目指すサラダとは異なり「サスケのような火影を支えられる忍」を目標とするようになった。
しかし、その右掌には謎の紋様が現れ、以降の彼の人生を大きく変えることになる。


「殻」の脅威、大筒木の影

試験を経て心機一転し、木ノ葉の忍として任務をこなしつつも友人たちと語らい騒ぎ、平穏な日々を送っていたボルトだが、木ノ葉丸に率いられて向かった「墜落した飛行船の調査」の任務に向かった際、仮面を着けた謎の忍者の襲撃を受ける。
祖父・ミナトが編み出し、その師・弟子筋の他に使い手のいない螺旋丸を使いこなし、蝦蟇の口寄せを操る仮面の忍に圧倒され、全滅の危機に陥るが、トドメに放たれた火遁をボルトの掌に浮かぶ謎の紋様が吸収し、これを見た仮面の忍は撤退。

その後、墜落現場で追ってらしき何者かと戦っていた謎の少年・カワキと遭遇。
昏倒したカワキをひとまず里に連れ帰り、監視も兼ねて火影であるナルトの下、すなわちボルトの住むうずまき家で保護観察することが決まった。当初はカワキの方が心を閉ざし攻撃的だったため衝突してばかりだったが、ヒマワリの花瓶を割ってしまった一件を経て徐々に打ち解ける。
この中で、ボルトは自身の右手、カワキの左手に刻まれている紋様が「楔」という名称であり、特殊な力を持っていることを知らされた。

それから程なくして、サスケが以前から調査を進めていた謎の組織「殻」の刺客・デルタが襲来。
この時はどうにかナルトによって撃退されたものの、それからすぐに首魁であるジゲンが直接現れ、カワキを守っていたナルトを時空間忍術でどこかに連れ去ってしまった。
この事態を前に、カワキの発案を受けたボルトは互いの「楔」を共鳴させることでジゲンの時空間への道を開き、サラダ、ミツキと共に殴り込む。
そこで待ち構えていた「殻」の内陣・ボロと対峙、再生能力と溶遁、さらにウイルスまでも使いこなす相手に大苦戦を強いられるも、カワキの助言でボロの体内の「核」を破壊し再生能力を封じることに成功。

それでもボロは暴走・肥大化した肉体で襲い掛かって来るが、その瞬間ボルトの肉体を何者かが乗っ取り、大玉螺旋丸の一撃でボロを消し去った。
ナルトを救出して帰還すると、シカマルから「殻」のメンバーである科学者・三途アマドが亡命してきていることを知らされる。
そしてアマドの証言により、「楔」の正体が大筒木一族のバックアップであり、それを刻まれた者は「器」となること、完全に解凍されれば大本の大筒木に成り代わられ「器」は消滅することを教えられる。
つまりカワキの左手のそれが大筒木イッシキのバックアップであるように、ボルトの右手のそれはかつて倒した大筒木モモシキのバックアップ。何も手を打たねばいずれモモシキに乗っ取られ消滅する、タイムリミットが課されていたことをようやく知ることになった。

しかしその事実を受け止める間もなく、仮面の忍こと果心居士の離反により「器」のジゲンを失い、不完全なまま転生を強いられたイッシキが襲来。
里を攻撃しカワキの居場所を探り出そうとするイッシキをナルト、サスケと共に迎撃するが、このままでは里が危ないと理解し突っ込んだボルトは自ら「楔」を解放、遠く離れた別の場所へ移動。
直後に駆け付けたナルト、サスケと協力しイッシキに立ち向かうボルトだったが、「殻」の計画に大筒木と化しつつある自分が必要=イッシキはボルトを殺すことができないという予測から身を挺した妨害を一蹴され、逆に無力化されてしまう。

イッシキはその後重粒子モードを発動したナルトによって命を削り切られ、イッシキの術で引き寄せられたカワキも影分身の術を用いた引っ掛けで最後の時間稼ぎに成功。
かくして死闘を切り抜けた―――と思ったのも束の間、消耗したボルトをモモシキの意識が完全に乗っ取り、同じく大筒木の性質を持ったカワキを生け贄に神樹を生やすべく襲い掛かった。
サスケの助太刀でどうにか状況は拮抗し、「楔」の吸収を介してチャクラを回復させればボルトの意識が戻ると判明。カワキが自分に火遁を放って焼身自殺を図るという捨て身の脅迫に出たことで、やむなくモモシキが吸収能力を使用、チャクラが回復したことで読み通り目を覚ましたボルト。

「楔」を共鳴させて時空間の扉を開き、今度こそ無事に里へと帰還した。

しかし、イッシキ亡き後はその信奉者であるコード達の襲撃を受けるようになり、カワキ共々その身柄を狙われるようになる。
これに加えて「楔」の中に潜むモモシキも徐々に力を取り戻し始め、内外から存在を脅かされ始めたボルトだったが、最終的にそれはモモシキに完全に乗っ取られ敵対するという最悪の形で実現。
里や仲間に刃を向けるくらいならば、と「木ノ葉の忍者」として死を選んだボルトは、カワキに己を介錯させることでモモシキを道連れに自害を図る。

だが、器を失い消えることを恐れたモモシキの介入により、解凍されていなかった残りのデータ全てを欠損部分の補填に費やすという形で間一髪命拾い。
同時にモモシキがボルトを乗っ取り転生することも叶わなくなったが、これは同時に「楔」が完全解凍された=肉体的には完全に大筒木一族と化しているという現実の訪れでもあった。
それでも自分は自分だと胸を張るボルトだが、モモシキ自身は未だ健在であること、そして「ボルトを乗っ取りモモシキとして転生する」ことはできなくとも「ボルトの体を乗っ取り掌握する」ことは出来るという実情に危機感を募らせたカワキに「大筒木」として命を狙われる。
追い打ちをかけるように、「ボルトが火影の息子でも何でもない、ただのよそものだったら殺せたのに」というカワキの感情交じりの願望を読み取る形で発動したエイダの「全能」により、人々の記憶の中での立場がカワキと入れ替えられてしまう。

これにより、本来カワキが置かれていた「火影を殺した反逆者」という立場に自分が追い込まれてしまい、かつてモモシキが予言した「全てを失う」時を迎えることになった。
……のだが、「全能」の影響を逃れたサラダの懇願を受けて「自分の記憶よりも娘を信じる」ことを決めたサスケの介入で命拾い。
生きる気力を折ろうとするモモシキの恫喝にも、

「人の往生際を語れる立場かよてめェ…」

「笑わせンじゃあねェぞコラ」

「出る幕がねェのはてめェだ…!!」

「一生引っ込んでろ死に損ないが!!」

と「往生際の悪さ」をブーメラン発言で投げ返して一蹴。
さらに密かに接触してきたエイダから前後の事情を知らされ、改めてボルトは「木ノ葉隠れの忍」としてこの現状に立ち向かう決意を固める。

「オレには父ちゃんの……七代目火影うずまきナルトの血が流れている」

「母ちゃんの…日向の血もな…じいちゃんだって四代目の火影だ…」

「そして何より 木ノ葉の火の意志を継ぐ…」

「忍者だ」


◆第二部・青年篇

里抜けから3年に渡り、サスケの修行を受ける一方、身柄を狙う(「全能」により本来のターゲットだったカワキからすり替わっている)コードと暗闘を繰り広げつつ大筒木や十尾について独自に調査を続けていた。
その中で業を煮やしたコードが木ノ葉を襲撃したことを知ると躊躇なく現れ、かつてとはけた違いの戦闘力でコードを一蹴。

調査の中で十尾がコードの「爪痕」で分裂した影響により、独自の意志を持つ個体群に分裂を始めていること、それぞれが目的をもって動き出していることを警告するもコードは聞く耳を持たなかったため、差し向けられた「爪アカ」を振り切り「飛雷神の術」で撤収する(この時カワキも襲撃してきたが、優先度が低いのか全く意に介していない)。

3年の間修行していたのは事実だが、持ち前の天才肌によりサスケの教導を短期間でモノにしたボルトは、その後は教えられたことを熟練させる作業に専念。
しかしその中で居場所を突き止めたコードの襲撃を受け、これを庇ったサスケが「爪アカ」に囚われてしまい、目的に「師の救出」を加えた上で果心居士と結託、神樹の引き起こす事象に対処するため暗躍を開始した。
この過程でサスケのつけていたマントと刀を受け継いでいる。
「全能」の影響を受けなかったサラダとスミレにも現状を共有したが、カワキが追って来たためひとまずその場を退散。

飛行しながら逃走している中、いのの「心伝心の術」で連絡を取って来たシカマルから「お前は本当は『うずまきボルト』じゃないのか」と尋ねられ、さらに追手が来ていることを知らされ停止。
忍ばせていた蛇をマーカーとして追って来たミツキと対峙する。


◆主な人間関係

父親。
火影の仕事が忙しく家を空けがちなナルトには反発気味。
ナルトの方も反抗期真っ盛りの息子にどう接すれば良いものか分からず、父親として悩みを抱えている。
これはナルトが実の両親と親子として過ごせた時間がほとんど得られなかったことも大きく関係していると思われる。
とはいえ本心から嫌っての振る舞いではなく、構って欲しいという想いの裏返しと妹に寂しい想いをさせたくないという心遣い故。忍として場数を踏むことで父の思いをある程度理解できるようになっている。

母親。
ナルトとは逆にヒナタとの母子関係は良好。
普段が温厚なせいか怒らせると怖いらしく、ボルトもヒナタの言いつけには素直に従っている。
うずまき家のヒエラルキーの頂点。

  • うずまきヒマワリ
妹。ボルトがうずまき一族の特徴が強く出たのに対し、日向の特徴を強く表出している。
ヒマワリに対してシスコン気味な部分が目立っており、ナルトと揉める原因は大体ヒマワリ関連。
また、映画特典の『ナルトが火影になった日』で、怒りで白眼に開眼したヒマワリにボコボコにされてから、ボルトは妹を本気で怒らせないようにすることを誓っている。
ちなみにアニメ版では若年にも関わらず白眼を自在に使えるようになり、また不完全ながらチャクラコントロールも身に着けるなど、才能はある意味兄以上。

父方の祖父。
ボルトが誕生した時点で既に故人だった事から直接的な面識はないが、戦闘時のスタイルや、やや厨二病的な性格など共通点も多く、ミナトからの隔世遺伝なんじゃないか?と一部の読者からは考察されている。

  • 日向ヒアシ
母方の祖父。
ヒアシからは溺愛されているがボルトの方は若干苦手意識を持っている。

  • 日向ハナビ
叔母。
父親と同じく甥であるボルトや、姪のヒマワリを溺愛している。
ボルトにとってはヒアシと同じく苦手意識があるものの、事実を教えつつフォローを欠かせない良き相談相手。
血縁上は叔母だが、年代が近いため「ハナビ姉ちゃん」と呼んでいる。

幼馴染で第七班のチームメイト。
優等生な彼女からは「男って…ほんっ…と、バカだね」と醒めた目で見られているものの、同時に「……でもさぁ…あいつ 私と同じとこもあんだよね……」と親近感を持たれており、何かと気にかけられている。
ナルトを火影として尊敬している事からボルトと口喧嘩は絶えないが、瞬時の合図で意図を読み取り、互いの才能もあって見事な連携を見せている。

  • ミツキ
音隠れの里から来た転校生で第七班のチームメイト。
何故かボルトを「僕の太陽」と呼び執着している。
後に彼の素性を知るが、「彼のことを知っているつもりで何も知らなかった」ことを反省しており、ボルトと過ごす内にミツキ自身も影響され、甘くなった事を自覚する場面がある。

第七班の担当上忍。
木ノ葉丸とは長い付き合いらしくプライベートでは「木ノ葉丸の兄ちゃん」と呼んで慕っている。
先代で言うナルトとイルカの関係に近く、木ノ葉丸も常にボルトを気にかけている。ボルトに茶化されて幼少時代の口癖が出る場面も多々あるが…。
ちなみに酒が入ると隠している過保護さが浮き彫りになっていた。

師匠。淨眼や「楔」の力を知る数少ない内の一人。
ボルトのことは、いずれはナルトを超える忍者になると見込んでいる。曰く「ナルトよりウスラトンカチ」とのこと。
里抜け後は本格的に師事しており、青年篇での戦闘スタイルは彼を踏襲した「刀と忍術を用いた高速での接近戦」となっている。

忍者学校(アカデミー)の担任。
成績優秀だが悪戯好きなボルトには毎度手を焼かされていたが、彼を信頼して微力ながらゴースト事件解決に協力していた。

  • 奈良シカダイ
忍者学校(アカデミー)時代からの同期で親友。
幼馴染でもあり基本的にボルトは何かトラブルが起こると他の誰よりも先にまずシカダイに相談するほど信頼を寄せている。
ゴースト事件も彼との調査が中心となっており、事件解決に貢献している。
忍者になった後も互いに協力する事が多く、見事な連携を見せている。

同期で忍者学校(アカデミー)のクラスメイト。
忍者学校(アカデミー)では学級委員長を務めていたため卒業後もボルトからは「委員長」とあだ名感覚で呼ばれている。
アニメではゴースト事件後に自分を救ってくれたボルトに対して好意を寄せるようになっており、漫画版ではサラダに対して「わたしは好きだけどなぁ…ボルトくんのこと」と、牽制とも取れるような発言をしている。

  • 遠野カタスケ
木ノ葉隠れの里の科学技術班の班長。
ゲーム好きという共通の趣味を持つことから以前からボルトと親しくしており、ボルトの頼みで新作ゲームやチートデータを提供していた。
中忍試験の件もあってボルトからは一時的に嫌われていたが、科学忍具の使用実験を手伝っていく内にボルトが科学忍具のより良い面や、カタスケの真意を理解したことで和解した。

  • ガラガ
龍地洞に住んでいる赤い鱗の大蛇。
牙に強力なを持ち、ガラガが口から吐く体液を浴びると相手は石化してしまう。
龍地洞の支配者である白蛇仙人も手を焼くほど凶暴な性格で、かつては口寄せ契約を結んでいたが、相棒だったその忍者に裏切られ右目を失った。
アニメ版「BORUTO」のミツキ奪還編で「ミツキを取り戻せなければそのときはボルトを食い殺す」という約束でボルトと一時的に口寄せ契約を結んだ。
一連の事件の解決後は口寄せ契約を解除している。

先代土影。アニメ版では孫・コヅチを盗賊騒ぎで失った経験から人造人間「ツクラレ」を密かに開発していた。
この計画の最中に木ノ葉を訪れた彼と遭遇しており、岩隠れでのツクラレとの暗闘ではボルトとの対話を経てもう一度「己を拾う」ことができた。
結果的にサラダ、ミツキ、岩の下忍のセッキと共に彼の臨終を看取ることになったが、彼との対話の中で受けた「世界で一番堅いイシ」の薫陶をしっかりと受け継ぎ、里に帰還した後に「心の石」を見つけ出した。
なおボルトはこのエピソードの次に来た親子の日編で、仕事が忙しすぎて結局朝帰りになってしまったナルトに対して「言い訳していいわけあるかよ」とオオノキ流の言い回しで咎めた。

  • 雷門エレキ
同期の下忍・デンキの父親で雷門カンパニーの社長。
ボルトから見れば友人の父親でしかないが、アニメ版のタイムスリップ編でボルトが過去の木ノ葉に飛ばされた際、当時のナルトにボヤいていた「人やものを大量に運ぶ乗り物」の話を当時中忍だった彼がたまたま聞きつけていた。
元の時代に帰る前に過去でボルト達が関わった面子は全てサスケの幻術で記憶を消されているがエレキだけ見落としており、この時の話をもとに雷車が開発されている。

謎の組織「殻」に「器」と呼ばれ狙われている謎の少年。ボルトと同じ「楔」を左の掌に持つ。
漫画版では当初折り合いが悪かったが後に和解し、ナルト救出のため共闘を決めている。
ただ、数年後を描いた第1話冒頭では明らかに敵対しており、「楔」を制御可能になっている模様。

大筒木カグヤと同じ大筒木一族の男。
劇場版「BORUTO -NARUTO THE MOVIE-」のラスボス。
幾多の戦いの末、作中最強クラスにまで成長したナルトとサスケ(+新五影)を同時に相手取り優位に戦うほどの実力者だったが、ボルトとナルトの親子による「超うずまき螺旋丸」の直撃を受け消滅した。
が、漫画版でボルトの体内にモモシキの意識体が入り込んでいることが判明。「殻」の一員・ボロとの戦いにおいてモモシキが目覚め、ボロを撃破した。


◆余談

  • 名前は単純に新たな主人公として「ナルト」と響きの似た言葉が選ばれているようにも見えるが、ナルトの戦友でありヒナタの従兄である「ネジ」と掛けた名前とのこと。*1
    さらに「ナルト」のように「うずまき」の要素もあるという、秀逸な名前と言える。




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最終更新:2024年04月22日 22:53

*1 当初からよく言われていたが作者も明言している