パンドン

登録日:2012/09/27 Thu 03:44:41
更新日:2024/04/10 Wed 18:19:50
所要時間:約 5 分で読めます






倒せ、火を吐く大怪獣


概要

パンドンとは、『ウルトラセブン』第48話及び最終話「史上最大の侵略(前・後編)」に登場した、『セブン』本編ラストを飾る怪獣である。


●目次



双頭怪獣 パンドン


別名:双頭怪獣
身長:40メートル
体重:1万5,000トン

ゴース星人が地球侵略のために連れてきた怪獣。
真っ赤な体色と身体から生えた無数の棘、鳥の頭を左右にくっつけたような奇妙な頭部が特徴。
怪獣図鑑等では確認しづらいが、頭部にはきちんと目がついている。
左右の嘴から高熱火炎を吐く
劇中では名前で呼ばれず、単に「怪獣」「モンスター」と呼ばれる。
その容姿から赤トンカツとか言われることも。

ゴース星人の箱型宇宙船の中から出現。
ウルトラ警備隊を火炎攻撃で苦しめ、現れたセブンと戦う。
既に疲労の為、満足にエメリウム光線も撃てないほど衰弱していたセブンに対して
アイスラッガーを叩き落とす、頭部を殴って悲鳴を上げさせるなど、終始優位に戦闘を進めた。

しかし、アンヌの乗るウルトラホーク三号の援護の隙に、セブンが落とされたアイスラッガーで反撃。左手・右足を切断されて倒された。


だが倒された筈のパンドンは斬られた左手・右足を残し何処かへと消えた……





改造パンドン


身長:40メートル 
体重:1万7000トン


ゴース星人に回収され地底基地の手術台に乗せられたパンドンが、斬られた左手と右足に銀色の義手/義足を取り付けて蘇生された姿。
何故か二本指のパンドンに五本指の義手を取り付けてある。

ウルトラ警備隊の作戦で爆砕したゴース星人の基地から出現。
アマギ隊員を救出した後のセブンと交戦した。

光線も放てないまでに疲弊していたセブンを肉弾戦で痛めつけ、
渾身の気力で放ったアイスラッガーをもやすやすとキャッチ。
(ほとんど確認できない目で取れるの?と突っ込んではいけない)

そのままトドメを刺す為に投げ返そうとするも、ウルトラ警備隊の総攻撃を浴び、投げそこなってしまう。
その間に体勢を整えたセブンにアイスラッガーを投げるもウルトラ念力によってアイスラッガーが空中で反転。

首を切断され、二、三歩動いたあと絶命した。

SFC版のゲームではこのあたりの細かい所も再現されている。



ウルトラマンタイガ』では

第21話「地球の友人」に登場。
通常のパンドンが本格登場したのは初登場以来である。
着ぐるみはマガパンドンの改造であり、マガ同様、双頭の瞳がはっきり確認できる容姿になっている。

元革命闘士のゴース星人によって我が子同然に育てられており、彼を親だと思っている。
その為、星人に冤罪を着せて暴行する田崎修から星人を救う為に現れ、修への憎しみから暴走し、そのままタイガと対戦。
危うくストリムブラスターで倒されかけるも、星人の呼びかけで正気を取り戻し、修の必死の説得によって発射は止められ、どうにか生き延び、事件は収束を迎えた

……と思われたが、直後に現れたウルトラマントレギアが放ったトレラテムノーで全身を網目状に切り刻まれ、悲痛な断末魔を上げながらバラバラになって爆死してしまった。
その後、星人と修の手によって小さな墓が作られ、そこに弔われた。
展開がアレ過ぎて流石に可哀想なので「赤トンカツの賽の目切り」「サイコロステーキ怪獣」なんて言わないように。



『セブンガーファイト』では

第6話「怪獣無法惑星」第7話「帰ってきた赤いあいつ」に改造パンドンが登場。
原作同様にゴース星人に改造されたという設定。ただし改造前のパンドンは未登場。

怪獣無法惑星でエレキングガゾートを倒したばかりの宇宙セブンガーを襲撃する。
当初は互角の格闘戦を繰り広げていたが、イカルス、ガンダー、ガラモンの加勢によってセブンガーを追い詰める。
だがそこへウルトラマンゼット ベータスマッシュが駆けつけ、彼が他の怪獣達を1人で引き受けた事で再びセブンガーとタイマンになる。
セブンガーから動力パイプを引っぺがして首締め攻撃を仕掛けるも、他の怪獣達を倒したゼットに引き離され、セブンガーとゼットのダブルパンチを受けて爆死した。



双頭合成獣 ネオパンドン



『ウルトラセブンEVOLUTION』、EPISODE3「ネバーランド」、EPISODE4「イノセント」に登場。

身長:60メートル
体重:6万4千トン

かつてウルトラセブンと戦ったパンドンの遺伝子を引き継いでいた強化パンドン。
パンドンと違い、頭と首が分かれた双頭の姿が特徴的。
口から吐く高熱火炎やアイスラッガーをキャッチするなど、パンドンの様にセブンを苦戦させた
(ちなみにこの時のセブンは体力は全快であるものの、以前のトラウマから動きが鈍く必要以上に慎重な戦い方をしてしまっている)。

今回パンドンを操っていたのは地球防衛軍の特殊部隊に所属していたスワ。(そして、その背後で暗躍するガルト星人)


山中から突如として現れ、セブンと交戦するが、身体から黄金の種子を蒔き散らして姿を消してしまう。
その後、スワに操られて再びセブンと交戦。

セブンを苦戦させるが、
色々ゴタゴタがあって「所持者の怒りや憎しみに応じてネオパンドンをパワーアップさせる」という
機能を持つコントローラーを持つものが誰もいなくなり大幅に動きが鈍ったところを、
エメリウム光線と、セブンの技では珍しいギロチン系の必殺技「ウルトラクロスアタッカー」の連続攻撃で倒された。
アイスラッガー使えるのにギロチン?とか思ってはいけない。

ちなみに小説版『ウルトラセブン EVOLUTION』ではアクション面の簡略化もあってか、黄金の種子を蒔き散らして姿を消した時点で出番終了。




双頭怪獣 キングパンドン



身長:63メートル
体重:6万8千トン

パンドンの同族に生体改造を施して強化した姿。
近年登場するパンドンは此方が主流である。
ネオパンドンと似た姿だが、手の爪が大きく鋭い、瞳がない、身体の棘は炎を思わせるような生え方をしている、などの違いがある。

キングの名は伊達ではなく、
二つの口から放つ火炎弾「双頭撃炎弾」、
青色とオレンジ色の2色の破壊光線「ダブルレイ・インパクト」
など気性も相まって高い戦闘能力を有している。


『超ウルトラ8兄弟』で初登場時には唯一撮影で使用できるパンドン系統のスーツだった。
そのため、『オーブ』にてマガパンドンのスーツが登場するまで、無印のパンドンの代役扱いとしてキングパンドンが度々登場することに。
そのためなのか、初登場時にはオリジナルの鳴き声*1だったものが、
『サーガ』以降は初代パンドンと同じ鳴き声に変更されている。




大決戦!超ウルトラ8兄弟』での活躍


黒い竜巻の中から出現し、横浜の街を破壊。山下埠頭でウルトラマンメビウスと戦闘。
メビウスの新技「ライトニングスラッシャー」と「メビュームシュート」の二段攻撃で倒された。
だがキングパンドンの真の役割はメビウスをおびき寄せる囮であり、直後、スーパーヒッポリト星人の「ヒッポリトタール」をくらいメビウスはブロンズ化してしまった。

その後、影法師の手によって他の怪獣軍団の残存エネルギーと融合させられ、ギガキマイラ尻尾になった。


大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』での活躍


ウルトラマンベリアルがギガバトルナイザーで操る怪獣軍団の一体として登場。
怪獣墓場でウルトラセブンを迎え撃ったが、最後はウルトラマンゼロに倒された。


ウルトラマン列伝』での活躍


ハイパーゼットンのスフィア細胞から強化された怪獣兵器の一体として登場。
セブンと闘うがアイスラッガーの一撃でトドメを刺された。


ウルトラマンギンガ』での活躍


第3話「双頭の火炎獣」にて初登場。
バルキー星人によって渡されたスパークドールズによって、放火魔スゴウ・ユウカがダークライブする。
強烈な火炎放射礼堂ヒカルがウルトライブしたケムール人を圧倒、棒立ちのギンガにも火炎放射を浴びせて膝をつかせるが、怒りのギンガセイバーを受けて敗れた。
翌話である「アイドルはラゴン」でもヒカルがウルトライブするが、相手のラゴンは幼馴染がダークライブしていたため手出しできず一方的にボコられていた。

スパークドールズ劇場では第3回から登場。
テンションの高く荒っぽい双子の姉と礼儀正しい双子の(でも怒ると怖い)の性格の違う頭で構成されており、
ブラックキング(SD)は「キャラが立っている」と評した。

姉は関西弁で話し、口癖は「燃やしたろか~?」。
レイを「イケメン」と評し、直後の『大怪獣ラッシュ ウルトラフロンティア』でも
バルタンバトラー・バレルに熱を上げているなどイケメン好きの描写がある。
声の担当は田中晶子。




火ノ魔王獣 マガパンドン



身長:40メートル
体重:1万5千トン

ウルトラマンオーブ』第4話「真夏の空に火の用心」に登場。

火属性を司る魔王獣
太平風土記に「災いの炎によって地上を焼き尽くす偽りの日輪『禍破呑』」と記述されていた。
そのためか、劇中人物にはマガパドンとも呼称されている。

封印していたウルトラ戦士はウルトラマンゼロ

映像作品に登場するパンドンとしては久しぶりに、姿が双頭から赤カツに戻った。
ただし初代まんまではなく、双頭の目がはっきりと確認でき、ネオやキングの双頭がマガクリスタルを中心に左右を向いてくっついたようなデザインになっている。
また、体表には表皮がひび割れた下からマグマが覗いているようなディテールが見られる。

全身が超高熱の火の玉で包まれており、そこから放つ熱波や全方位に放つ火炎弾「マガ火玉火炎弾」で攻撃する。
火の玉はその熱エネルギーで極めて強固なバリアとしても機能する。
本体も口から吐く高熱火炎「マガ火球」という攻撃手段を持ち、高い防御力まで併せ持っている。

火の玉状態で突如東京上空に現れ、熱波による気温の急上昇で多くの人々を苦しめる。その熱波はガイさんのアイスにも及んだ。
ウルトラマンオーブスペシウムゼペリオンにウルトラ水流を浴びせられるもその程度では全く火勢は衰えず、
巨大化させたスペリオン光輪やスカイタイプの力で高速移動分身しつつ全方位から放ったスペリオン光線すら無効化してしまった。

オーブが直接運ぶという捨て身の手段で一旦は宇宙に追放されるものの、
宇宙で行われたビートル隊による冷却弾攻撃も物ともせずに再び地球に飛来、マガ火玉火炎弾で街を破壊し始める。
SSPのナオミの言葉からヒントを得たオーブ・バーンマイトのストビュームバーストで爆風消化の要領で火の玉を消し飛ばされ、遂に本体を晒してオーブと直接交戦。

バーンマイトと互角以上のパワーを見せるがマガ火球を吐こうとしたところを口に拳を突っ込まれるという乱暴な方法で阻止されて放り投げられる。
直後にスペシウムゼペリオンに戻ったオーブのスペリオン光線を浴びながらもかなりの長時間耐えてオーブに迫るが、結局届かずに倒された。


この他、「劇場版 ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!」では、ジャグラス ジャグラーゼッパンドンに変身する際のバンク映像として、パンドンが登場。
赤カツでマガクリスタルもついていない、本来のパンドンとしての映像での登場は、セブン以来実に39年ぶりのこととなる。(厳密には「ウルトラマンになりたかった男」や「ウルトラスーパーファイト」に登場している)
このパンドンはおそらくマガパンドンの着ぐるみをデジタル処理で初代パンドンに近い色調にしたもの*2。原典と異なり目やクチバシが黄色いところや、下半身の模様にマガの名残がある。




余談


●実はパンドンには着ぐるみまで作られていながら没になったデザインがある。
それがこちら

二つに分かれた頭部が当時の技術では操作不能であった為、現在のデザインになったのである。
……もうお分かり頂けただろう。
ネオパンドン及びキングパンドンのデザインは技術的な理由で不可能であった当時のデザインをリファインして蘇らしたものである。
左右の頭部には目があり、本編では確認でしづらいがフィギィアでは確認でき、一部の漫画版では眼球がはっきりと分かるデザインのものもある。
なお空想科学読本においては最初からこのデザインで挿絵が描かれている。

●パンドンの名前の由来はパンドラの箱。
本来は「バンドン」という名前だったが誤植により「パンドン」となり訂正されずに公式名になった。元々の「バンドン」の由来はインドネシアのジャワ島西部にある都市(市)からだと思われる。

●ウルトラセブンの歌の中に「倒せ 火を吐く大怪獣」というフレーズがあるが、
ウルトラセブン本編中に登場するを吐く怪獣はパンドンのみである
さらに歌詞では「ウルトラビームでストライク!」とあるが、上述の通りアイスラッガーで倒されており、
最終的にセブン本編で火を吐く大怪獣をウルトラビーム≒エメリウム光線でストライクすることはなかった。
(ちなみに宇宙人で火を吐くキュラソ星人も登場しているが、こちらはセブンと戦っていない)
なお、ダンの中の人は後に火を吐く大怪獣に変身する悪役を演じている。

●決して弱い怪獣ではないのだが、対戦相手のセブンが大幅に弱体化していた状況だったため、
初代パンドンはラスボスとしては弱めでセブンが全力を出せれば苦戦せずに倒せたのでは?と言われることもある。
なお、SFC版のゲームでは改造パンドンもろともラスボスとして君臨しており、
最後の敵にふさわしい『凄まじく高い』戦闘能力を有している。
(対戦モードで操作すると、必殺技ゲージの関係から超弱体化するのは内緒)

●アイスラッガ-を受け止めた印象からか『ウルトラゾーン』の第11話のアイキャッチにクリスマスパーティーに参加したパンドンが手に持ったアイスラッガーでケーキを切ろうとしていた他、
ミニコーナー「怪獣ことわざ」の「早起きはパンドンの得」という絵では早起きしたパンドンがTVの「今日のラッキーアイテムはアイスラッガー」を見て喜んでいた。

●2018年にS.H.Figuartsで「パンドン 史上最大の侵略セット」として商品化。改造パンドンにできる手足の他、アイスラッガー持ち手首、「頭部世界観再現パーツ」(アイスラッガーに斬られた首)が付属するなど、その名の通り史上最大の侵略を再現するには十分なボリュームとなっている。(完全再現にはフィギュアーツのセブンが必要だが)




追記・修正は串カツを思い出しながらお願いします。

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最終更新:2024年04月10日 18:19

*1 エレキングの鳴き声とUキラーザウルスの悲鳴を掛け合わせたもの

*2 公開翌年のウルトラマンフェスティバルでマガパンドンの着ぐるみが展示されているので、本作の撮影時点では着ぐるみ自体は改造されていなかったと思われる。