獅子目言彦

登録日:2012/11/01 Thu 09:32:08
更新日:2023/11/28 Tue 00:40:24
所要時間:約 2 分で読めます





このジープは新車のようだな…

新しい!!!


獅子目(ししめ) 言彦(いいひこ)とは、漫画めだかボックス』に出てくる、口癖が「新しい」で笑い方が「げっげっげっ」の新しい登場人物。


概要

不知火の里に今なお生きる、御伽噺の「英雄」にして里の「闇」。
ボスとしてのテーマは「勝てない敵」。

頭に角を生やしたり数メートルの巨体だったり化け物のような新しい外見だが、安心院さん曰く「人外が初めて勝てなかった人間
……人間なのである。こんなのでも。

はるか古代の人間でありながら、不知火の里にて生き続けている。
これは、不知火の里が源流である半纏の「希少種を保存したい」本能を受け継いでいるため。
里の誰かが言彦の存在バックアップ(本体ではない)となり、「自分であること」を消した上で言彦となる……ということを繰り返して生き続けている。

人のつながりの中にのみ存在する、一種の情報生命体、あるいは「御伽噺」「伝説」そのものといえる。

半袖も20歳になったら言彦を継ぐことが決まっている。
そのためか、言彦も半袖を傷つけることばかりは避け、里にいる限りは外に出ることもない。

「次元の違う」強さを持ち、単純な物理現象を引き起こす「異常」(アブノーマル)や「過負荷(マイナス)」などのスキルは一切通用しない
しかし、前述の在り方から「言葉は通じる」ので、言葉によって関係性を操る「言葉遣い」(スタイル)は通用する。
…というか、スタイルはそのために鶴喰梟が発明した技術である。

人物

かつての英雄ながらも、今は見る影もなく落ちぶれ、「新しい」楽しみを探して暴れまわるだけの、傲慢で強欲な怪物と化している。
とにかく「新しい」ことにしか興味がなく、娯楽を求める暴君たる彼の姿はボケ老人幼児退行しているようにすら見える。

やたら「!」を多用する。
「言彦」の名の通りというべきか、諺や慣用句を捩ったような煽り方をするのも特徴。

彼の言動は、身内からも
「やれやれ…また言彦の遊びが始まりましたね」
「(いつもの思い込みか?)」
などと持て余され気味の扱いを受ける程。


活躍

新しい章の不知火不知編で初登場。

不知火半袖が自身の故郷である不知火の里の闇を話そうとした時、不知火帯が連れてというか振り回されて(物理)来る形で黒神めだか達と対峙する。

その見た目通り化け物じみた能力を持ち
と正にやりたい放題。
途中十三組の十三人の「表の六人(フロントシックス)」にでんじほうなどの奇襲を受けるも、攻撃どころか「マッサージ」と認識するほど余裕綽々。
不知火半纏の運転するステルス装甲車に轢かれた際には流石に吹っ飛んだが。


その後も、不知火半袖を「檻迎」していた鶴喰梟を踏み殺すなど引き続き暴れまわる。
言彦に対抗するために彼が作ったスタイルの数々だが、梟は「怒った人間に言葉は通じない」という当たり前すぎることを見落としていたのだ。

能力

・『主人公』
安心院さんに言わせれば、めだかちゃんと同類の
理屈じゃなく勝者であると決めつけられた主人公体質の人間(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)」。

この体質の人間は千年に一人程度いるらしい。
それを人為的に生み出すという試みが、箱庭学園で行われていたフラスコ計画の原型にして本懐である。

・不可逆の破壊者(デストロイヤー)
上記の通りダメージを回復させない能力を持っている。
ただし、作中でめだかは負傷は治らずとも普通に動けているほか、男二人も人吉瞳の手によって意識を回復させている。
そのためこれは形ある傷にしか効果がないと思われる。

言彦自身が倒された際には破壊の不可逆性が失われており、「それじゃあまるでスタイル」との指摘がある。
言うなれば「諺使い」だろうか?

孤独な暴君の強さの根源こそは他人とのつながりだった、というまさかのオチである。


過去

元は五千年前に存在した人物。
「土地を守り民の盾になり、悪を正し弱きを助け、仲間と共にあり女を愛し、戦い続けた五千年前の御伽噺の英雄」だったと言われる。
しかし、その後守るべき土地も女も失って「生きること」だけが目的となり、それを邪魔する者を挫く暴君となってしまった。
四千年前には「勇気ある少年」を、三千年前には「優しき策略家」を、二千年前には「老獪な魔女」を、千年前には「二刀流の義賊」を打ち倒してきた。
ちなみに五千年前当時は、安心院さんを少なく見積もっても一億回以上負かしたらしい。

最期

めだかとの対決で一度は敗れるが、半袖に憑依して新たなる言彦へと生まれ変わる形で復活。
しかし善吉の機転で憑依された半袖の意思が覚醒し、半袖が言彦の能力を使って自分自身を「破壊」することで受け継がれた存在としての「言彦」は完全に消滅した。

直後に元の体の言彦は復活したが、本人曰く「残響」とのこと。
外見や口調こそ今までと同じ言彦だが、立ち居振る舞いは今までの言彦とはまるで違う極めておとなしい人物となっている。


台詞

「げっげっげっげっげっげっげっげっげっげっ!!!」
「あ!!!新しいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」


「新しい。」
「この『かゆみ』新しいぞ!驚いた 下界ではまさか」

「がここまで目を瞪る進化を見せておるとは!」

「だが!されど!いかに大きく育とうと!」
「蚊は平手で!叩き潰すものと相場が決まっておる!」

「むう!?五体が破裂しておらんとはどういうことだ…」
「ははーん さてはこやつ人間だな?」
「蚊のフリをして儂を謀り手加減を誘うとはなんたる策略家だ」
「新しい!この言彦恐れ入った」


「準備完了 たまたま輪ゴムを持っててよかった」
「貴様と戦うにふさわしい武器だ げっげっげ」


「儂はこの自動車という機械を見るたび微笑ましい気持ちになる」
「合理性や機能だけを追求しない」
「人間のお茶目な側面を感じるからのう」

「だって移動手段に乗り物を作るって!」
「げげげげ!遊び心に勝ちすぎだろう!」
「どう考えても走った方が速いのに!」


(眼鏡を弄りながら)
「ういーん がしゃん ういーん がしゃん ういーん がしゃん」

「がしゃん!完成だ」
「名付けて『眼鏡ンサック』!」
「さあ どこからでもかかってくるがよい!」


「ぐ ぐううううう」

「ぐうぐう」

「はっ!」
「あまりの気持ち良さにぐうぐう寝てしまった 言彦の不覚!」
「足踏みマッサージに針治療に低周波治療!」
「なまっておった儂の身体をほぐしてくれるとは新しくも親切な奴らよ!!」

「だが生憎だな!そのような機嫌取りが儂は一番嫌いなのだ!」
「こびへつらいおって!どうして正面から戦いを挑まんのだ情けない!!」


余談

一見なんの繋がりもないような理不尽な能力と強さだが、「物語」と「人間」という「関係性」に注目すると彼のテーマが見えてくる。
要するに彼は、めだか達にとっての「物語」であると同時に、めだかボックスという「物語」にとっての「読者」のなのだ。

物語の登場人物がどんなに完全で完璧で完成された人間だろうと世界を『なかったことにする』能力を持っていようと1京2858兆0519億6763万3865個のスキルがあろうと読者には何の影響も与えられるはずもない。
故に彼にはスキルも攻撃も通じない。

逆に読者が破り捨てたページや塗り潰した文章は、物語の内側で何をやっても直らない。
故に彼は不可逆の破壊者である。

しかし、物語が唯一読者に干渉する手段は、「言葉」が読者に与える感動である。
故に、彼を倒すのは共感と言葉の力である「言葉遣い(スタイル)」であり、読者の視点にあるだったのだろう。








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最終更新:2023年11月28日 00:40