極主夫道

登録日:2019/05/24 (fri) 22:14:25
更新日:2024/03/07 Thu 00:19:13
所要時間:約 ? 分で読めます




元・最凶ヤクザが選んだのは、主夫としての道だった――。

「極主夫道」とは、おおのこうすけ氏の漫画作品。
2018年2月より新潮社のWEB漫画サイト「くらげバンチ」にて連載が始まり、その後pixivコミックでも2018年4月に連載を開始した。

概要

引退した元ヤクザの主人公「龍(たつ)」の専業主夫としての日常を描いたコメディ作品。
任侠漫画に登場してもおかしくない強面の元ヤクザが料理や掃除といった家事全般に全力で打ち込むギャップが持ち味であり、
妻の美久(みく)や近所の人々、果ては現役のヤクザまでもを巻き込むシュールな展開とツッコミ不在のまま進む投げっぱなしボケが受け、くらげバンチにおいて最速で100万PVを突破した。
敢えてオチを弱めに描き余韻を持たせる構成が特徴。

2020年に玉木宏主演でテレビドラマ化が発表され、読売テレビ制作・日本テレビ系列で同年10月から12月まで放送。
2022年6月にはドラマの続編となる映画版『極主夫道 ザ・シネマ』がソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給で公開されており、公開を記念したスペシャルドラマも「金曜ロードショー」で放送された。
ドラマ版はナレーションが回ごとに異なり、著名な俳優やアニメ版の声優が担当した。

更に2020年10月にはアニメ化が発表され、2021年春からNetflixで配信開始した。
2023年からはシーズン2も制作・配信が行われている。

登場人物

CVはアニメ版、演者はテレビドラマ版を優先して表記し、それ以外については()書きで補足する。

・龍(たつ)
CV:津田健次郎
演:玉木宏/津田健次郎(実写PV・アニメおまけ版)
主人公。
かつては振崎組(しんざきぐみ)に属し、一晩に抗争相手の組事務所を10箇所も潰したという「不死身の龍」と恐れられた伝説の武闘派ヤクザ。
美久との結婚を機に「暴力では大切なものは守れない」として裏社会から足を洗い、それ以降は専業主夫業に勤しんでいる。
背中に目立つ龍の刺青、傷跡の残る強面にグラサン、そして黒いスーツといういかにもなヤクザの装いでありながら、その上から柴犬がプリントされたエプロンを羽織る姿は一度見たら忘れられない。

専業主夫だけあって家事スキルは極めて高く、炊事・掃除・洗濯・針仕事・買い物・DIY・家庭菜園の世話、更にはご近所付き合いに至るまでほぼ完璧にこなす。
ハンバーグやコロッケ・杏仁豆腐・薬膳料理・自家製のカヌレやジャム等、料理のレパートリーは異常に広く、また手製の小物や服をフリーマーケットに出品した事もあった。エアロビ、ヨガ、華道なども習い、単純な家事能力に留まらずその女子力は未だ上昇を続けている。
婦人会を初めとする近所の人々とは仲が良いものの、ヤクザ時代の感覚が未だ抜け切っていない(小麦粉を『白い粉』と表現する、ワンボックスカーに試乗して『人一人簡単に積める』と感想を述べるなど)ため、
その容貌もあって無意識に初対面の人を威圧してしまいがちなのが玉に瑕。
ただしこれでも美久曰く「最初に出会った頃よりマシになった」とのこと。

単行本1巻発売の際に公開されたPVでは津田健次郎氏が声を担当し、その後、2019年12月に公開された実写PVでも引き続き津田氏が出演。氏の容貌もあって完璧なまでの原作再現度を誇る。
テレビドラマでは玉木宏氏が演じているが、こちらも再現度はかなり高めである。

・美久(みく)
CV:伊藤静坂本真綾(実写PV)
演:川口春奈
龍の妻。デザイン会社に勤めるキャリアウーマン。
基本的には常識人で、ヤクザ時代の感覚が抜けていない夫の言動に対して周囲の人にフォローし、時としてバイオレンスに突っ込む。
詳細は不明なものの重傷を負った龍を担いで介抱したのが出会いらしく、超武闘派ヤクザである龍と結婚して彼を更正させるきっかけを作った。
龍の事は「タっちゃん」と呼んでおり、夫婦仲は大変良好。龍がゴキブリに襲われた際には「一生」という単語を無意識に使うあたり、彼を深く愛している事がうかがえる。
家事に関しては(時に家事以外も)凄まじく大雑把で壊滅的であり、完全に龍に依存している。時折手伝いを申し出ることもあるが、その散々な腕前を知る龍にはそれとなく断られるのが常。

また「クライムキャッチポリキュア☆」「俺の妹はどうかしてるぜ!!」といったアニメが好きなオタクの一面を持ち、グッズやステージショーを前にすると子供のようにはしゃぐ。

実写版PVでは後ろ姿だけの登場。
テレビドラマ版ではオリジナル設定として、龍と出会う前に授かった小学生の連れ子・向日葵(演:白鳥玉季)がいる。

飲むと笑い上戸に。

・雅(まさ)
CV:興津和幸/鈴村健一(単行本2巻発売記念PV)
演:志尊淳
ヤクザ時代の龍の舎弟。龍を「兄貴」、美久を「姐さん」と呼ぶ。
振崎組が解散した後も龍を慕い、再会当初は彼を極道の道に引き戻そうとするが、逆に龍の影響で主夫の道を歩み始める。
身内に対しては基本的に人が良いものの、常日頃から勢い任せの考え無しで金欠、生活力にも欠けるなどヤクザというより人懐こいチンピラ感が強い。掛け合いでは語学力の乏しさが目立つ。
生活の自堕落さは龍によって僅かながら改善されて行く。

・銀(ぎん)
CV:M・A・O/梶裕貴(実写スペシャルミニドラマ)
演:マシロ
龍と美久の飼い猫。
猫らしく自由気ままな性格で、他人の家の軒先でも糞をしようとするなど中々に図々しい。
単行本には彼視点のストーリーが書き下ろしとして収録されている。
テレビドラマ版の演者は勿論ペットモデル。

・義母
演:YOU
美久の母親。家庭力にそれなりに長けるごく一般的な主婦といった趣だが、夫と娘という家事暴走特急を御する事に関しては龍を凌ぐ。
龍とは完全に打ち解けている。

・義父
CV:日野聡
演:正名僕蔵
美久の父親。
妻に比べて控えめな性格で、美久に龍を紹介された当初は腰を抜かしてしまった(娘が結婚相手として元ヤクザを連れてきたら当然な気はするが)ことを気にしており、
以来義理の息子となった龍と打ち解ける接点を設けようとしている。
息子とキャッチボールをするのが夢だったらしい。
家事の腕前は壊滅的で、それが遺伝した娘と台所に立とうものなら色々な意味で恐ろしい光景が展開される。

・虎二郎(とらじろう)
CV:細谷佳正
演:滝藤賢一
かつて「剛拳の虎」と恐れられ、「不死身の龍」と双璧を成すと言われた元武闘派ヤクザ。
刑務所に服役中、龍に自身が属していた組を壊滅させられたことから行き場を無くし、出所後はワゴン車でクレープ屋を営んでいた。エプロン姿のまあ似合わないこと。
なおクレープ屋の道を選んだだけあって、本人もフルーツケーキなど甘い物が好きなようである。

そういった経緯ゆえに龍を恨んでおり、彼と再会した際は…?

・虎春(こはる)
虎二郎の妹。
世界的な大手ドーナツチェーン「ラブリードーナツ」の移動販売をしており、その蓄積されたノウハウと接客術で一時は虎のクレープ屋の客を全て吸い取ってしまっていた。少なくとも兄よりはエプロン姿が似合っている。
家族を捨てて極道入りした兄を恨んでいるように思われたが、内心ではずっと兄の事を気にかけていた。
彼女にとってドーナツは幼い頃に兄妹で食べた思い出の味だったのだ。
龍と虎の争い(というか意地の張り合い)を通じて美久と親しくなり、性格が良いこともあり最近は少し歳の離れた友人といった関係を築いている。

・酉井 雲雀(とりい ひばり)
CV:田中敦子
演:稲森いずみ
亡き酉井組(とりいぐみ)組長の元妻。
その器量から組の内外から一目置かれていた女傑で、龍からも「姐さん」と敬称を使われているほど。
酉井組は組長が亡くなった後に解散し、現在は彼女がスーパーのパートで生計を立て、残った組員たちの面倒を見ているという。
いかにもなヤクザの女房というべき容姿と口調であるにも関わらず、派手な着物の上からエプロンを羽織って不慣れな品出しやレジ打ちに精を出す姿は、龍とはまた別のインパクトを醸し出す。

ドラマ版では「江口雲雀」と名字が変更され、振崎組の組長夫人という設定となった。
かつての龍と雅が所属していたために二人からは「姐さん」と呼ばれている。

・組長
CV:大塚芳忠
演:竹中直人
振崎組の元組長。龍からは今も「オヤジ」と呼ばれている。
現在こそ引退して堅気になったとはいえ、かつて一つの組を納めていただけの威厳は今なお衰えていない。
が、超がつくほどの愛犬家であり、ジャックラッセルのピンキーちゃんにはデレデレ。
テレビドラマ版では「江口菊次郎」の名前が設定された。

・国己(くにみ)
CV:福島潤
檜会(ひのきかい)の若頭である困り眉のヤクザ。重度の花粉症。
一応現役のヤクザなのだが、バーゲン品の手袋とマフラーの暖かさに母親を思い出して泣き崩れたり、町内会の夏祭りに参加するため会費をきちんと納めたりと妙に庶民的な感覚の持ち主。
龍にはたびたび窓ガラスを割られてキレたりしながらも、同じ町のご近所さんとして、何だかんだで悪くない関係を築いている。

・黒い鉄砲玉
主に台所に潜み、全国の主婦・主夫を恐怖に陥れる例のアイツ
一時は龍に死を覚悟させた。



追記・修正は主夫の道を極めてからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • くらげバンチ
  • 漫画
  • pixivコミック
  • ヤクザ
  • 元ヤクザ
  • 専業主夫
  • おおのこうすけ
  • 極主夫道
  • 21年春アニメ
  • Netflix
  • 読売テレビ
  • アニメ
  • 実写化
  • 新潮社
  • 21年秋アニメ
  • ドラマ
  • 愛すべきバカ達
  • 日曜ドラマ
  • 20年秋ドラマ
  • ソニー・ピクチャーズ

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月07日 00:19