世界の秘密(リトルバスターズ!)

登録日:2012/06/16(土) 13:32:22
更新日:2023/11/30 Thu 20:12:48
所要時間:約 7 分で読めます




世界の秘密とはKeyのゲームリトルバスターズ!にて登場する単語である。



!-警告-!

この項目ではリトルバスターズ!本編に関する非常に重大なネタバレを取り扱っています。

作品未プレイの方や完全クリア前の方、ネタバレが嫌いな方はバックを推奨します。
























実は作中の舞台となっている世界は現実世界ではない。


そもそもリトルバスターズのメンバーは修学旅行のバス移動の際に事故に遭い崖から落下するも、事故発生時の真人と謙吾の咄嗟の行動によって奇跡的に理樹と鈴だけは助かる。
しかし、同じくバス内におり、大きな傷を負った中で恭介は思う。
「このままでは2人はみんながいない状況に絶望し、到底生きていくことは出来ない」と。


生死の境である暗闇の中でも二人を思う恭介の強い想いは波紋となって広がり、
同じように生死の境を彷徨っていたリトルバスターズの面々に届きその想いの波紋を意識を共有しあって、
理樹と鈴以外のリトバスメンバーが2人を強くするために1つの世界…虚構世界を作り上げる。


それこそが作中で語られた世界の秘密の真実である。


そのことを知らないのは理樹と鈴だけで、今いる世界を現実だと思って過ごしてきた。そして個別ルートでヒロインたちとの時を過ごし、段々と成長していくのである。
恋愛ゲーは周回プレイが基本であることを逆手に取ったこの設定は前作CLANNADでも見られたが、本作ではそれが更に強く意識された構成となっている。


実はタイトル画面やオープニングの時点でこの虚構世界についての伏線が張られていたりする。
まず、ニューゲーム選択時に現れる光がリトバスメンバーの想いの光である。


メンバーはみんな何らかの強い想いや悩みを抱えていて、その想いを広げあって1つの世界を構築していたとされる。
理樹が個別ルートでヒロインたちと行動を共にし想いを昇華させると、そのメンバーは虚構世界を支える人員から外れていくことになる。
リフレインクリア前に攻略済みのヒロインの個別ルートへ再び行けなくなっていることや、オープニングの光の数が徐々に減っていくのはその為。


基本的に世界の構築や流れはマスターである恭介を中心として動かされている。


マスターというだけあってその能力は絶大であり、世界のループは勿論のこと、謙吾との勝負の際に彼に古式みゆきの幻影を見せて動揺を誘ったり
鈴の個別ルートでは猫のレノンを使って理樹と鈴に強くなるためのミッションを次々と課していったり
闇の執行部や学校地下のダンジョンなど現実ではありえない物を存在させたりと様々な能力を見せていた。


ただ、佳奈多ルートでの会話を考えると、如何にマスターと言えども全てを思い通りに出来るわけではないとのこと。


そして彼の思惑通りに理樹と鈴は数々の困難を乗り越えて強くなっていくのだが、恭介が焦りすぎた故に2人が逃げ出してしまい、鈴の心に深い傷を負わせてしまう。
それを引きずったまま再開されるのが本編の最終章に当たるリフレインというわけである。


リフレイン時に残っているのは元祖リトバスメンバーのみであり、理樹と鈴は対象外のため実質3人であの膨大な世界を支えていたとされる。
リフレイン世界で恭介が弱り果てていたのも、
世界の構築・維持による身体的負担の重なりと自分のやったことは間違いだったのかという精神的負担の双方によるものであろう。


けど理樹は虚構世界の演出によるリトルバスターズメンバーの出会いを経て真人や謙語を再び引き入れ、
遂には嘗ての理樹の様に塞ぎ込んでしまった恭介すらも救って見せた。
(なお、真人や謙吾の時の異変が恭介の手によるものかはよくわかっていない。恭介曰く理樹の方が世界を動かし始めていると語っていたが…)


そして本編屈指の感動イベントである最後の野球を経た後に真人と謙吾も退場。
恭介1人ではとても世界を支えきれず、世界は崩壊を始め理樹は鈴と共に脱出し虚構世界は終わりを告げる。
個別ルートを進めている時から疑問を感じていたプレイヤーも、こういうことだったのかと納得しただろう。

なお、リフレイン終盤の鈴への後押しの場面もそうだが途中で恭介のことを心配しているなど、最後の方まで小毬も残っていたりする。
EX版以降では他のヒロイン達もひそかに残っている描写がある。ただし、世界を支えてはいないと思われる。
これは終わらせることを決意したと葉留佳が述べている様に、先に進もうとしているため。
なお、世界から切り離された来ヶ谷(後述)だけは残っていないことが確定。


本作での各ヒロインでの個別ルートでは、この虚構世界という設定を前提にした話になっていることも多い。
特に来ヶ谷やクドリャフカのルートは初見の人には理解不能な点も多かった筈。
EX版の追加ヒロインに至っては虚構世界であることが完全に前提となっており、一度リフレインをクリアするか最初の選択肢で世界の秘密を知っているかの問いに「はい」と答えると攻略可能になるのはこのため。



◆虚構世界内の登場人物について
基本的に明確な意思を持って世界に参加しているリトルバスターズのメンバー以外の人間は、虚構世界の演出の為に存在する云わば作り物に近い存在であるとされる。
ただしEX版においては矛盾しない形で設定が追加されているため、明確な意思を持って外部から参加している人間も少なからず存在している。
佳奈多は元々全て覚えていてループしていることも認識していたが、それ以外に世界に関わっている様な情報はなく、特殊なNPCの様な存在だったが、EX版では外部から参加していることが明言された。
追加キャラの沙耶(会話内容から憶測すると場合によってはあーちゃん先輩も)も外部から参加している。
逆に笹瀬川佐々美は攻略対象になったが、こちらはEX版以降でもNPC扱いである。彼女のルートは後日談であり、そちらでは本物。


杉並睦実神北小次郎といった個別ルートでそれなりに深く関わっていた人物たちも世界の演出の一つに過ぎない可能性があると考えるのは少々寂しいものではあるが…
(とはいえマッド鈴木バイオ田中、闇の執行部みたいな連中までもが現実の学校の方にもいると考えるのは怖すぎる)


◆虚構世界での記憶と現実帰還後について
虚構世界内での記憶の保持についてはキャラごとによって描写がまちまちである。
恭介、謙吾、真人の3人は少なくともループしても完全に記憶を保っている描写がリフレインの中で存在している。
理樹、鈴の2人についてはループすると前周での出来事の記憶を失うが、全てではなく強さや成長、強い後悔やトラウマなどはどことなく覚えている形で保持されている。

その他のヒロインについては人それぞれの描写となっている。
佳奈多ルートでの葉留佳の言葉によると、「忘れることを望むならすぐにでも忘れられるが、繰り返すのを楽しむには覚えている必要がある」とのこと。
例えば来ヶ谷や葉留佳は明確的にループしていることを覚えている*1
美魚もループを認識している様子があり、ほとんど覚えていると思われる。
逆にクドリャフカは忘れたいことが多かったためか、ほとんど忘れるらしく、個別ルートで色々と思い出している。
小毬もクドリャフカと同様だが、こちらは現実においても忘れていることが多いことが相まって少し不明瞭。



現実世界に帰還した後は全員が虚構世界での記憶は断片的なイメージでしか覚えていないような言及がされている。
しかしクドリャフカの母国に関する報告やはるかなの仲直り等を見るに、断片的とはいえ虚構世界での体験は現実でも強く影響しているのがわかる。
中にはリフレインクリア後に解放されるもう1つのEDでの来ヶ谷のように、虚構世界での出来事を完全に思い出しているかのような例もある。


◆その他の虚構世界について
基本的に本編は恭介を中心としたリトルバスターズメンバー達の想いで作られた虚構世界を舞台に話が進んでいくが
ある一定のルートでは恭介の作った世界とはまた違う虚構世界に迷い込むこともある。



  • 佐々美ルートでの虚構世界
本編の後日談的な扱いである佐々美ルートではまた違った世界を舞台に話が進んでいく。
この世界では佐々美が理樹の部屋以外の場所でだと黒猫の姿になってしまうという不思議な現象が起こり、その解決の為に理樹が行動していく。
ネタバレ込みで詳細を知りたい方はこちらを参照。



  • 来ヶ谷ルート後の世界
来ヶ谷の個別ルート後、彼女の理樹への想いが切り離されて構築されたとされる世界。
存在するのは「名前すら覚えてない誰かからの返事を待ち続ける来ヶ谷」ただ1人である。
佐々美ルート終盤の選択肢によっては、一瞬だけ理樹がこの世界に迷い込むことがある。更にリフレインクリア後にもう一度来ヶ谷ルートを攻略すると…


  • 沙耶がマスターの世界
通称スクレボエンドと呼ばれる、沙耶が世界のマスターである時風=恭介を倒し、代わりにマスターとなった後の世界。
恭介の立場が全て沙耶と入れ替わっており、リトルバスターズと共に昔からいたリーダーも沙耶となっているようである。
この世界ではオープニングのシーンが再現された後、沙耶が野球でではなく諜報活動を行おうと宣言して終了となっている。
筋肉エンドと同じ一種のギャグエンドではあるのだが、恭介の目的も合わせて考えると場合によってはかなりのバッドエンドと言えなくもない。
沙耶をマスターとしたこの世界がこのまま進行していったらどんな結末を迎えていたかはとても気になるところではあるが…








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最終更新:2023年11月30日 20:12

*1 ただし葉留佳に関しては個別に入ってしばらくした後のことは何度もループしているものの、恭介の心配りなのか忘れているため逆に戸惑っている