超大型ミサイル(宇宙戦艦ヤマト)

登録日:2019/05/17 Fri 13:19:00
更新日:2023/08/09 Wed 15:34:57
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「超大型ミサイル、発射秒読み始め。目標……ヤマト」



【概要】

超大型ミサイルとは、『宇宙戦艦ヤマト』に登場するガミラス軍の兵器である。
ヤマトシリーズ恒例のド直球なネーミングの兵器の第一号であるが、その魅せ方で陳腐になっていない。
劇場版においてはヤマトの最初の敵であり、シリーズごとの見せ場であるヤマト発進のシーンを大いに盛り上げた功労者である。

形は一言で言うならば、タルトの上に卵を立てたような独特の形状をしており、一般的なミサイルの形とは大きく異なる。
しかし問題はその大きさであり、なんと全長約一キロという、文字通りの超大型ミサイルなのである。

その破壊力も伊達ではなく、着弾すると大気圏内であれば水爆のような巨大なキノコ雲が立ち上り、冥王星宙域の戦闘では破片が当たっただけでヤマトの装甲板を破っている。

ただし巨大なだけに迎撃は難しくなく、ヤマトの主砲斉射で狙い撃てるほか、対空ミサイルの網にも簡単に引っかかっている。
また、ミサイル自体の強度もたいしたことはなく、バルスレーザーの掃射でも撃墜させられていた。

作中では試射をかねてヤマトに発射されており、冥王星前線基地にも最近配備されたようである。
恐らくは間近に迫った地球上陸に備えて、地球の防衛拠点をピンポイント破壊することを狙っていたと思われる。
(遊星爆弾は慣性移動させただけの小惑星にすぎず、無差別爆撃はともかくピンポイント攻撃には不向き)
実際その誘導性能は高く、冥王星から坊の岬沖の大和に正確に向かった上に、発進したヤマトに対してもそのまま追尾して直撃コースに乗っていた。

もしもヤマトがいなければ地球防衛軍は超大型ミサイルの雨あられで最後の抵抗力もそぎ落とされて虚しくガミラスの上陸を許していたことは想像に難くない。

ちなみに巡航速度もとんでもなく速く、冥王星基地から発射からワープなしで1日足らずで地球に到達している。

【作中にて】

TV版と劇場版では最初のシチュエーションが異なっており、TV版では高速十字空母が先に撃沈され、劇場版ではヤマトの初発進とかぶっている。

  • TV版
第三話にて登場。
前話で不審な地球拠点の攻撃に向かった高速十字空母が、突如現れた地球の戦艦ヤマトに撃沈されてしまったことにうろたえる冥王星基地司令シュルツ。

「こ、こんなバカなことが!」

「なにをうろたえている?」

「デスラー総統!?」

「ヤマトなどにうろたえるな! 奴らがどうきばったところで、太陽系から外に出られるはずがないのだ」

「お願いがあります。超大型ミサイルの試射をかねて、ヤマトを攻撃させてください」

「ミサイルの標的か……よかろう、やってみろ」

こうして総統の許可を得たシュルツは、さっそく超大型ミサイルの発射準備にとりかかる。
冥王星の地表に備えられた発射口のシャッターが開き、その威容を表す超大型ミサイル。
秒読みの後にミサイルは膨大な煙と炎の尾を引いて冥王星の空から、地球のヤマトを目がけて飛び立っていく。

一方そのころ、地球ではいよいよヤマトの発進に迫った式典が行われていたが、地球のレーダーに接近してくる巨大物体が映る。
超大型ミサイルの接近と、その目標がヤマトであることを知る地球防衛軍。だが、ヤマトは波動エンジンの始動ができなくては飛び立てない。
しかし、沖田艦長の冷静な指揮の下でついに波動エンジンは始動。ヤマトはかつて無念を飲んだ坊の岬の海底から飛び立っていく。

ついに間近に迫った超大型ミサイル。肉眼でもその巨体が目視できるようになったとき、ヤマトの主砲が大きく旋回し、砲身が鎌首をもたげていく。

「ショックガン動力連動」

「側的完了」

「自動追尾装置完了」

「誤差修正右一度、上下角三度」

「目標、ヤマトの軸線に乗りました!」

舷側を見せ、すべての主砲の照準を超大型ミサイルに向けるヤマト。超大型ミサイルはヤマトへ向けて一直線に突っ込んで来る。
もはや激突は不可避。その瞬間、沖田の力強い号令が飛んだ。

「発射ぁ!」

「発射!」

古代の指が復唱に次いでトリガーを押し、ヤマトの全砲門からショックカノンが放たれて超大型ミサイルに突き刺さった。
ヤマトへの命中寸前で大爆発し、巨大な爆炎のキノコ雲が立ち上る。

ヤマトの姿は完全に爆炎に飲まれてしまい、地球防衛軍本部では人々がモニターを呆然と見守っていた。

「ヤマトは……?」

もしや溶けて蒸発してしまったのではと絶望の空気が流れ始める中、爆炎の中から艦影が現れた。ヤマトは生きていたのだ!
翼を広げ、宇宙へと飛び立っていくヤマト。今ここに、前人未到の14万8000光年のかなたへの旅が始まったのである。


その後、超大型ミサイルは7話の冥王星基地攻略戦の序盤の艦隊戦で使用される。
この頃には量産配備も完了しているようで、ガミラス艦隊を突破したヤマトに対して連射され、画面を埋め尽くす圧迫感でヤマトに迫った。
しかしヤマトも一度破った相手に対しては冷静に対処し、迎撃ミサイルの網で大半を撃墜、残ったものに対してもパルスレーザーで撃墜した。
しかし至近距離で撃墜したものの破片がヤマトに命中し、いくばくかの損害を与えた上に、超大型ミサイルに気を取られていたヤマトはまんまと反射衛星砲の射程におびきよせられてしまった。


その後のシリーズには登場していないが、ガルマン・ガミラスには恒星間攻撃が可能なミサイルや地上発射も可能な惑星破壊ミサイルが配備されており、兵器のコンセプトは受け継がれているようである。


  • 実写版
地球側の名称は惑星間弾道弾。
こちらではなんと波動砲のテスト相手として使用されている。浮遊大陸涙目である。

  • YAMATO2520
初代のシーンをオマージュしたと思える超ド級エクシードミサイルがYAMATOの発進阻止のために放たれる。
しかしYAMATOはギリギリのところで脱出に成功し、YAMATO攻撃に向かっていた味方のセイレーン軍だけを吹き飛ばすことになってしまった。
退避勧告も出されずに巻き込まれてしまったパッカード中尉が哀れ。
ついでにこのミサイル準備が地球軍に戦争準備と誤解され、戦争再開の引き金となってしまった。
つくづくやることなすこと裏目に出るリキヤード少佐には同情を禁じ得ない。

名称が「惑星間弾道弾」に変更され、諸元が全長1511.5m、直径947mに設定された。
やはり高速空母改めポルメリア級に続いてヤマト発進時にピンポイント攻撃が可能な本兵器が使われるも迎撃されている。
また既に実戦配備されているらしく、冥王星基地には複数設置されている……のだが、6話でヤマトの冥王星基地攻撃で味方艦の爆発炎上により誘爆、基地崩壊を招いている。
その後15話では属州惑星オルタリアの反乱に対し、親衛隊のギムレーが大々的に使用。
ガミラス国家をBGMにいくつもの弾道弾がズラリと整列して降り注ぐ光景はある意味必見。
しかしピンポイント攻撃するわけでも無いのだから遊星爆弾で良かったのでは

心配するな。巨大ミサイルを雨のように降らせて、嫌でも追記修正させてやるわ。

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最終更新:2023年08月09日 15:34