天木錬

登録日:2019/05/16 (木) 04:10:50
更新日:2024/03/20 Wed 19:14:05
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俺はつるむのが嫌いなんだ。付いてこれない奴は置いていくぞ。


出典:盾の勇者の成り上がりSeason 3、6話「強さの矛先」、キネマシトラス、Shield Hero S3 Project 、
2023年10月6日~12月22日まで放送、©AnekoYusagi_Seira Minami/KADOKAWA/Shield Hero S3 Project

概要

『天木錬』とは『盾の勇者の成り上がり』の主要人物でありの勇者。
および外伝作品『槍の勇者のやり直し』『真・槍の勇者のやり直し』の主要人物の一人。


VRMMOがある近未来の日本から召喚された16歳。高校生。

四聖勇者の中では北村元康と双璧を成すほどの美少年であり、本作の登場人物の中でもトップクラスの美形。
顔の造形は女装が似合いそうな中性系であり、切れ長の瞳と白い肌を持つ。身長もまだ16歳なので165㎝程度と小柄。
VRMMOでやっていた影響で剣道の心得が少しあり、カナヅチのため泳げない。


性格はクールで疑い深く、保身的というか自己防衛本能が人一倍強い。そしてコミュ障。
四聖勇者の中でも一番まともな性格と正義感を持ち、常識度は召喚時には盾の次、本編終盤では勇者の中で一番の常識人だった。
正義感は勇者に選ばれる程度には強いが樹ほどではなく、正義感を燃やして暴走する元康・樹とは違い、そこまで暴走する事はない。
疑い深い性格なのでメルロマルク王族の企みにもそうそう引っ掛からないが、故に一度信じた情報が完全に間違っているとなかなか正せない。
元の世界でVRMMOをプレイしていた分、召喚された世界がゲーム『ブレイブスターオンライン』だという思い込みが勇者の中で一番強い。
そのため上記の疑り深い性格も手伝って「この世界はゲーム」という情報と食い違う情報を仕入れても素直に信じる事が出来ない。

責任感と自己防衛本能が強いため、自分が悪いと思えばそれを素直に認め反省する……のだが。
強すぎる自己防衛本能というのが厄介なもので、一度でも錬に危害――敵対をしてしまうと、防衛本能が暴走して和解するのが困難になる。
その際には相手の言い分が正しくて、自分に非があると分かっていてもそれを認めようとはしようとせず、
それどころか売り言葉に買い言葉で非道な言葉まで言い始めてしまう。


クールで一人でいる事を好んでいるが、早い話がコミュ障である。
それは人付き合いだけではなく、ゲーム内でのプレイ方針、そして異世界での戦闘方法にコミュ障っぷりを発揮している。
とはいえ面倒見が良いのは間違いなく、後輩に対してしっかりと育成指導はしたりしている。育成方針に問題があっただけで。
また、中二病のケがあり、フィロリアルのクロちゃん(ブラックサンダー)に同族として気に入られている。



元いた世界では巷を騒がせる殺人事件に下校中運悪く遭遇。
一緒にいた幼なじみを守ろうと犯人と取っ組み合いをしたまでは良かったが、その時に刺されたらしく気付いたら召喚されていた。
召喚された世界の事をwikiを見るまでもないくらいやり込んだ『ブレイブスターオンライン』の中だと思い込む。

そんな中、岩谷尚文にマルティへの強姦疑惑が持ち上がる。
錬からすれば会って間もなく短い時間で知った彼の情報はお調子者である事くらい。
尚文が苦手なタイプの知り合いに似ていたのであまり関わろうとしなかったし、
さらに彼はゲーム最弱職である『盾』になり焦っており、何故か知らないが国は盾の扱いがひどく悪い。
このような状況下で切羽詰まった尚文が強姦行為を働いても可笑しくないだろうと考え、マルティのいう事を信じた。


その後はゲーム知識を頼りに一人でレベル上げ、大物ボスに挑むときだけ仲間を連れていくというプレイをしていた。
ある日東の村の傍の山にいたガエリオンというドラゴンを退治しに行き、退治したものの死体を放置、それが腐敗した結果、疫病が発生し東の村に幾人もの死者を出すことになる。
その疫病は尚文によって治療されたため事なきを得たが、錬の評価は落ちていった。
ただこれは錬だけのせいではなく、ぶっちゃけ村の連中の自業自得である。
というのも当初錬はドラゴンの死体を武器に吸収させることで死体を片付けようとしたのだが、仲間がそれに待ったをかける。
仲間たちは「他の冒険者に素材を恵んでやる為に放置しよう」と告げる。
東の村もドラゴンの素材目当てに冒険者が来ることで村が活性化すると考え、ドラゴンの死体放置を承諾。ドラゴンの死体の管理は東の村と冒険者が請け負った
しかし東の村の管理が杜撰だったため疫病が発生し死者が続出。
事件解決後は全て剣の勇者のせいと告げて自分達が管理しなかったことは黙っていたせいで、
盾の勇者の評判が上がり剣の勇者の評価が落ちた……というのが事の真相であった。

この事を知った本編の錬は青い顔をして村に助けに行こうとしたが、
外伝の錬はその話を聞いた時は尚文とガチで敵対していたため「死体の処理は管轄外」と言って罪の意識を感じている素振りは見せていない。


この疫病事件はほぼ冤罪で評価が落ちたようなものだが、それ以外にも評価が落ちるようなこともしている。
これは元康とも同罪なのだが、彼らはレベル上げが趣味みたいなものなので暇があれば魔物を狩りまくっている。
これは「この世界がゲームだから魔物はリポップする」と思い込んでいるせいだが、
実際にはゲームではないので魔物も生態系に含まれており、必要以上の駆逐は生態系に変化を与える事になってしまう。

また悪い意味でプライドが高い面もあり、書籍版で勇者の指南役になったエクレールと試合をすることになった際、
純粋な剣の技量を計るため尚文からスキル使用禁止と言われたのにもかかわらず、自身が負けそうになった際スキルを使用して倒している。
さらにそのことを非難されると「実戦でスキル禁止など通用しない」「尚文が勝手に決めたルール」などとあまりにも見苦しい言い訳ばかり行う。
このとき尚文と対立していた元康や樹でさえ、尚文の擁護に回り錬を非難するほどであった。

web版ではエクレールとの試合そのものがなく、コミカライズ版ではエクレールと試合をするところまでは同じで、
禁止されたスキルを使ってしまうが負けたくないという気持ちから無意識に使ってしまったようであり、
しかも試合前にルール提示を行ったのは女王に変更となったが故に屁理屈や減らず口も鶴の一声で完封されてしまい、不承不承負けを認めている。



そして中盤、尚文以外の勇者はゲーム知識頼りに「素材が美味しく、そんなに強くない」はずの『霊亀』を復活させに行く。これが黒幕の罠だと気付かずに。
案の定フルボッコにされた末に錬の仲間たちは全員死亡。
生来の自己防衛本能で「自分は悪くない」と思い込もうとしている時にマルティことヴィッチに誑かされ、一緒に行動する事になる。
……が、ヴィッチにとって錬は利用しにくい性格なため、聖武器以外の装備も金も全部盗まれて捨てられてしまう。
信じようと思った人物に裏切られたためカースシリーズ『強欲』が発動。
『強欲』に支配された錬は金目の物を盗もうとする盗賊に転落し、錬の中にあった『強くなりたい』という小さな欲まで前面に出るようになった。
錬が発動したカースシリーズは尚文のように『強欲』が強すぎて発動したわけではなく、カースシリーズの本来の目的である自殺防止機能として発動した。


その後は強欲、さらには暴食のカースに支配されたまま尚文とエクレールと戦い敗北、正気に戻った錬は憑き物が落ちたかのように落ち着いた性格になり、尚文たちと行動を共にすることになる。


自分と向き合ってくれたエクレール=セーアエットに惚れた一方で、
自分が殺したガエリオンの養女であるウィンディアには義父殺しの罪の意識を感じている。


錬のモデルは作者曰く2人(うち一人は有名なキャラ)。有名なキャラというのはVRMMOとかアニメのCV的にキリト/桐ヶ谷和人だろう。
もう一人の方は作者も言及はしないので不明だが、錬の名前からして『ウィザーズ・ブレイン』の主人公の一人・天樹錬だと思われる。

剣の勇者の仲間たち

彼のパーティは前衛が二人、後衛が二人の非常にバランスの取れたパーティ。
仲間に戦い方を教えた後は別々で行動し自分は一人でレベル上げ、大物ボスに挑むときだけ仲間を連れていくという所謂後輩育成プレイをしていた。
その影響か、誰と組んでも安定して戦えるメリットはあるものの、剣の勇者にこだわる必要性がないというデメリットもある。
まあ本人たちが素直に慕っているので問題なかったのだが。
最初はマルド(通称『燻製』)もいたが、堅物の錬では利用しにくいとみて脱退、樹のパーティーに鞍替えしている。
  • ウェルト
  • バクター
  • テルシア
  • ファリー
剣の勇者のパーティメンバー。
錬の事を(少々妄信的ではあるが)尊敬しており、素直に付き従っている。
勇者パーティの仲間の中ではまともなほうであり、カルミラ島で尚文と一時的に組んだ時は、尚文の味方をしなかったことを謝罪している。
霊亀騒動で全員死亡してしまった。というか勇者の仲間で死亡したのは剣の勇者の仲間たちだけである。

とは言え、召喚2日目に「未来の英雄」として国に選ばれた12人の内、5人(ヴィッチ+マルド+樹の仲間3人。漫画版では女2ことレスティもデフォでいるので6人)までが、
web版ではクーデターに荷担した国賊、書籍版では波の尖兵に取り入って世界の敵に成り下がった事を思えば、
「勇者の仲間」として逝けた彼らはまだ幸せだったのかも知れない……。

槍の勇者のやり直しでもあまりいい扱いとは言い難く、
シルトヴェルト編ではゼルトブルに行った後は消息不明(錬がタクトに捕まったことを考えると他の仲間は全員消された可能性が高い)
メルロマルク編では本編とほとんど同じ流れなので四霊に殺されたと思われ、
フォーブレイ編に至っては国の企みを暴かれた際に王の命令でやむなく敵対する羽目になった挙句、元康に皆殺しにされてしまった。
ゼルトブル後編では生存こそしたものの勇者たちの仲間として復帰することはなかった……。


槍の勇者のやり直し

尚文側につく元康、国側につく樹と本編と違う事をする勇者の中で、唯一本編通り中立の位置を保っている。
ただし元康の干渉で国が露骨に尚文の妨害をするため、かなり尚文側に寄っているが。
また各ループの中で尚文はサディナ、樹はリーシアとほぼ必ず結ばれる運命の相手と出会う中、錬にはそう言う相手はいない。
エクレール・ウィンディアと恋仲になるどころか、恋心を抱く事すらない。
というのも負い目から恋に発展したので、その負い目が生じないループではこの二人を見てもなんとも思わないのだ。
それどころかクロちゃん(ブラックサンダー)と出会って中二病を発症して以降、独り身街道まっしぐらである……。

  • チュートリアル編
ループ能力を調べる一環で元康に殺害される。理不尽な……。

  • シルトヴェルト編
元康の行動もあってメルロマルク王族に疑問を持ち、ゼルトブルに亡命する。
その後は樹が死んでループしてしまったので出番はなし。

  • メルロマルク編
同じく王族への不信感からゼルトブルに亡命していたが、三勇教の事件が解決したことでメルロマルクに戻って来る。
尚文たちとは仲が悪くはなかったのだが、カルミラ島でのイベントの際にコミュ障っぷりを発揮。
我慢の限界に達したウィンディアに義父を殺された恨みも込めてボコボコにされる。
生命の危機レベルでボコボコにされたため防衛本能が働き修復不可能なレベルで尚文たちと敵対する事に。
そして四霊を復活させてしまい大惨事を引き起こしてしまう。
そのため、この次のループで元康に八つ当たり同然に樹もろとも殺害された。

漫画版では勇者会議で強化方法が共有できず尚文たちの関係が悪化するものの、その後も普通に話はできていた。
しかし、ゼルトブルへ拠点を移動した際に偵察の依頼を受けて奴隷狩りたちへルーモ種の事を報告してしまい、その結果ルーモ種は悲惨な目に遭ってしまったことを知りショックを受ける。
その事をウィンディアに責め立てられ、さらに彼女がかつて自分が殺したドラゴンの義娘であることを知り、
ますます精神的に思い詰めるようになってしまい、四霊を復活させようとするきっかけになってしまった。

こちらではカルミラ島でパーティ交換を行うイベントがないのでウィンディアにボコボコにされる展開は無くなったこともあり、
「親共々殺しておけばよかった」と冷血なセリフを吐くほどの防衛本能は発動しなかった。
しかし、四霊の惨状に錬は罪悪感に完全に押し潰されてしまい、カースシリーズが発現。
自殺もできない状況の中、尚文たちの仲間を襲い、あえてウィンディアに引導を渡されることで自らの命を絶ってしまいループすることに。

  • フォーブレイ編
常に他の三勇者と共に行動している。
その影響か、タクトの仲間にサクラが怪我をさせられたと聞いて殴り込もうとしたり、実践慣れしていないイミアを気遣ったりするなど仲間思いな面も出てきた。
エクレールも一緒に行動していたが、最初の世界のような出来事は起こらなかったためフラグは立っていない。

  • 帰還編
元康が本来の世界での役割を錬に押し付けた結果、決闘相手を錬が務める事に。
しかし錬は奴隷所持ぐらいで決闘騒ぎを起こすような人物ではないので、
かなり無理やりな理由で尚文と戦う事になり、四勇者はみんな「なんで闘うんだろう?」と思いながら決闘へ。


伝説の剣

錬が召喚時から持っている剣。
火力は最火力の弓に次ぐレベルで高威力のスキルを覚えるが、その反面防御力も弓よりまし程度しかない。
また近・中・遠全てのスキル(剣なので近距離が多めだが)を覚える事ができるオールラウンダー。
同じくオールラウンダーな槍と比べると防御が紙なので単体行動には不安が残り、仲間との協力が不可欠。
単独行動が基本の錬がパーティを組んでいるのも仲間にデコイ役をさせるためである。

魔法適正は『水』と『援護』。カナヅチなのに水魔法に適性があるのは何の皮肉だろうか。
勇者専用魔法はマジックエンチャントで、自分や相手の魔法を剣に付与し、その魔法の効果を持ったまま攻撃できる、いわゆる魔法剣。
ただし唱えた魔法のランクを上回る魔法は受けきれない(ツヴァイトに対してドライファ級の魔法は付与できない、といった感じ)が、
リベレイション級までいけば、ほぼ全ての魔法は受けることが出来るとも言える。

また錬自身の資質の問題もあって集団戦に難がある。
錬は集中力があるため目の前の事に意識が捕らわれる傾向にあり、戦闘にもなると目の前の敵しか見えなくなる。
おかげでタイマンなら強さを発揮できるのだが、集団戦ともなると味方の行動を錬が見る事が出来なくなるので非常に危険。
おまけに敵の攻撃に当たるとヤバいので錬は常に動き回らざるを得ず、
そうすると味方の射線上にも平気で飛び出してくるため後方担当は冷や冷やしながら援護をしなくてはならない。
したがって錬とパーティを組んだ者はこの欠点を克服するところから始めなくてはいけない。



追記・修正はカナヅチの人がお願いします。

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最終更新:2024年03月20日 19:14