ファイト・クラブ(映画)

登録日:2019/05/12 Sun 22:32:17
更新日:2024/03/27 Wed 21:05:00
所要時間:約 5 分で読めます





ファイト・クラブにようこそ


ルールその1
ファイト・クラブについて口にするな。


ルールその2
絶対に、ファイト・クラブについて口にするな。


ルールその3
降参を告げたり、大怪我や戦意喪失はそこでファイト終了。


ルールその4
1対1で戦う。


ルールその5
1組ずつやる。


ルールその6
シャツと靴は脱げ。


ルールその7
決着が着くまでファイトをやめることはできない。


ルールその8
初めてこのクラブに来た者は、必ず勝負する。



『ファイト・クラブ』とは1999年公開のアメリカ映画。
アメリカの小説家チャック・パラニュークの同名小説の映画化作品。
監督は『セブン』でお馴染みのデヴィッド・フィンチャー、配給は20世紀フォックス映画。
日本での映倫区分はPG12指定。


■概要

ごく普通のサラリーマンがタイラー・ダーデンという男に出会い、人生を変えていく物語。
公開時の興収こそ散々であったが、現代社会に生きる男たちが抱く疑念や不満を全てぶつけた物語が後に人気を博し、それに共感したファンによるカルト的人気を誇るようになる。
特にブラピが演じるマッチョハンサム、タイラーの人気はかなりのもの。
また、どこかゆったりとしたペースのある主人公の独白や、随所に挟まれるサブリミナルも本作を語る上で外せないだろう。主に男性器的な意味で。


■あらすじ

『僕』は自動車会社に勤め、上司にこき使われて国中を飛び回るごく普通のサラリーマン。
北欧家具やブランドものの衣服、職人の手作りで作られた食器などを偏執的に買い揃え、物質的には何一つ不自由のない生活を送っていた。
だが、何故だか心だけは一向に満たされず、不眠症を患うようになる。

しばらくして、『僕』は出張から帰ると、自室がガス爆発により吹き飛んだことを知る。大金をかけて集めた調度品や家具を全て失い悲嘆に暮れる彼は、飛行機内で知り合った男タイラー・ダーデンに連絡する。
バーで落ち合って会話していると、彼は自由と生気に満ちた、自分とは正反対な人物であることに気付く。
夜も更けて僕がタイラーの家に泊まらせてもらおうと頼むと、彼もある頼みをしてきた。


「オレを力いっぱい殴ってくれ。」


『僕』は困惑しつつも殴ってやると、彼も嬉しそうに殴り返してくる。
こうして『僕』とタイラーの最初のファイトが始まった。
恨みも憎しみも無い純粋な殴り合いの中で、『僕』は不思議と清々しさを感じていた。
それを機に、二人はよくバーの裏で殴り合いをするようになった。
それに興味を持った酔っぱらい達も参加し、男達はバーの地下に場所を移して殴り合いを続けるようになる。
痛みの中で生の実感を得る場、ファイト・クラブの始まりである。


■登場人物

日本語吹き替え版は映像ソフト版/フジテレビ『ゴールデンシアター』版の順に記載。
『僕』
演:エドワード・ノートン
吹き替え:平田広明森川智之

主人公。自動車会社に勤務する平凡で冴えない青年。
劇中では一切名前が明かされないが、エンドロールにおいては"Narrator"と表記されている。*1*2
嫌な上司に顎で使われ、好きでもない仕事に時間を取られて人生を浪費する生活にかなり参っているらしく、酷い不眠症に悩まされている。
精神科医に紹介されて、重病患者たちの自助グループに参加して涙を流すことに一時期ハマッていた。
ひょんな事からタイラーと出会って彼の家に転がり込み、共にファイト・クラブを創設する。
序盤では、文字通り社会の歯車といった感じの男だったが、タイラーに影響されて徐々に人が変わっていく。
タイラーの家で見つけた“臓器が一人称で喋っている本”を読んでからは自らを「僕はジャックの◯◯」と例えるのが(モノローグ内での)口癖となる。例:「僕はジャックの冷や汗です」
自分を殴るプロフェッショナル。
緑色の怪物に変身したりはしない。


タイラー・ダーデン
演:ブラッド・ピット
吹き替え:山寺宏一堀内賢雄

『僕』と飛行機内で知り合った石鹸の行商人。
ハンサムで強くて賢くて女にモテる、『僕』とは正反対な人間。
現代の物質主義と、それに支配された人々を嫌悪しており、そのような世の中で生きている実感を味わうためにファイト・クラブを立ち上げる。
家主も分からない廃屋に住んで、普通なら人が眠る時間帯に仕事をしている。
映画館やレストランにも勤めているが、社会への反抗としてか、痩身クリニックから盗んだ脂肪で石鹸を作ったり、ファミリー映画にポルノを一コマ挟んで上映したり、料理に[削除済]や[編集済]をこっそり仕込んだりするのが趣味なアウトロー。
何故か爆薬に対する造詣が深い。
男なら誰もが惚れ……憧れる引き締まった筋肉と、最後まで貫き通す強い信念が非常に人気。


マーラ・シンガー
演:ヘレナ・ボナム=カーター
吹き替え:高乃麗/勝生真沙子

『僕』が入り浸っていた自助グループに突如現れたメンヘラ女。
平然と盗みを働くインモラルな女で、これまた『僕』とは正反対な人間。
どう見ても健康であるにもかかわらず、ふてぶてしく居座り続ける彼女のせいで『僕』の不眠症が再発したため、『僕』からは嫌われている。
『僕』がファイト・クラブに入ってからは会うこともなくなったが、ひょんな事からタイラーと知り合って肉体関係を持つこととなる。
なぜだか『僕』とは会話が噛み合わないことが多い。
並外れた技を持ち、良心を持たない魔女ではない。


ロバート・ポールセン
演:ミート・ローフ
吹き替え:玄田哲章塩屋浩三

睾丸癌患者の集いで『僕』と出会った、女のおっぱいを持つ男。通称「ボブ」。
元は有名なウェイト・リフターだったらしいが、強いドーピング剤を服用し続けたために癌を発症して睾丸を切除。
妻子には逃げられて、ホルモン異常で胸が膨らんでしまっている。
後にファイト・クラブに入ったらしく、『僕』との再会を喜ぶ。
彼の名前はロバート・ポールセン。


エンジェル・フェイス
演:ジャレッド・レト
吹き替え:川島得愛/堀川仁

ファイト・クラブに入ったファッキンブロンドな若者。本名不明。
諸事情あって鬱憤が溜まっていた『僕』にファイトで腹いせにボコボコにされる。
ピエロ姿の異常者じゃない。吸血鬼と化した医者でもない。お先真っ暗なジャンキーでもない。


リチャード・チェスラー
演:ザック・グルニエ
吹き替え:神谷和/宝亀克寿

『僕』の上司。
ただの嫌なヤツにも見えるが、なんと自社が販売する車のブレーキに関する重大な欠陥を隠蔽するなど、実はかなり悪どい男。
それをネタにして脅迫してきた『僕』をクビにしようとするが、『僕』の壮絶な一人芝居に敗北を喫し、要求の在宅勤務を許す。


レイモンド・K・ヘッセル
演:ジョン・B・キム
吹き替え:根本泰彦/佐久田修

ごくごく普通のコンビニ店員。
仕事中に見知らぬ男、タイラーに銃を突き付けられ、店から引き摺り出される。彼にかつての夢を問いただされ、獣医になることを目指していたことを告白。
夢を叶えるために行動を起こしていなければ殺すと脅され、そのまま解放される。
次の日の朝飯はきっと死ぬほど美味しかっただろう。



■余談

  • 偶然にも、本作におけるタイラーの主張は同じくブラッド・ピットが演じた『12モンキーズ』のジェフリー・ゴインズのものと類似している。

  • 何の脈絡もなく臨戦態勢の男性器が一瞬大写しになるシーンが2度ある。



ルールその8:初めてアニヲタwiki(仮)に来たものは、必ず追記・修正する。



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最終更新:2024年03月27日 21:05

*1 便宜上、『ジャック』とする場合もある。

*2 英語の『Jack』には「あいつ」や「兄ちゃん」といった、知らない男性への呼びかけに使われる意味合いもある。