不正投球

登録日:2019/05/11 (土曜日) 19:52:25
更新日:2023/08/27 Sun 23:11:52
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不正投球(illegal pitch)とは、読んで字のごとくルール上禁止されている投球方法、またはそれを伴った上で行う投球である。
本項では野球の投手における不正投球、特にボールに細工を施す反則行為について記述する。
なお、下記の記述は基本的に公認野球規則に準ずる。


定義

野球の投手は以下の行為を禁止されており、これに抵触すると不正投球と見なされる。

1.投手板を囲む18フィートの円い場所の中で、投球する手を口または唇につけた後にボールに触れるか、投手板に触れているときに投球する手を口または唇につける。
 それらを行った場合、ボールまたは投手板に触れる前に、投球する手の指をきれいに拭かなければならない。
2.ボールに唾やワセリンなどの異物をつける。
3.ボールをグラブ、身体、着衣で摩擦する。
4.方法に関わらず、ボールに傷をつける。
5. 2.~4.を行ったボールを投球する。

ただし、素手でボールを摩擦することと、天候が寒い日に投手が手に息を吹きかけること*1は例外として認められる。

ちなみに2.は唾ならスピットボール,泥ならマッドボール、3.ならシャインボール、4.ならエメリーボールと言われる。
また、唾に限らずボールに異物を塗り付けての、ひいてはボールに細工を施す不正投球全般を、広くスピットボールと呼ぶことが多い。


不正投球の歴史

元々アメリカのメジャーリーグにおいて不正投球は『不正』ではなく、むしろ種々の変化球と同様に当時の選手達の創意工夫が生んだ「英知の結晶」であった。
しかし1920年8月16日に、レイモンド・チャップマンという選手が頭部死球により死亡する事故が起こり*2、その一因が泥まみれのボール、すなわちマッドボールが投じられたことにあるとして*3、以来これらスピットボールは不正投球としてルールで明確に禁止され、
同時に試合中に汚れたボールの交換など、不正投球への対策が徹底されるようになっていった。
当時の投手のうちスピットボールを持ち球としていた17人はこの後も特例として投げ続けることが許可されていたものの、彼らの引退後も不正投球そのものが根絶されたわけではない。
というか現代に至るまで根絶はされておらず、むしろ使い手はバレていない選手も含めて多数いる。『いると思われる』ではなく、『いる』のである。


そんなに効果があるの?

ある。
実感したいなら誰かとキャッチボールをする際に実行してみる、あるいはしてもらえばいい。
ボールに唾などの異物や小さな傷を少し付けたりするだけで、投げたボールはビックリするほどよく曲がったり、
踊りながら進むなど、野球漫画の魔球のごとき非常識な軌道を描くようになる。
そもそも変化球とは、投球時にボールにスピンを加えたり逆に加えなかったりすることでボールにかかる空気抵抗を調整し、それにより軌道を変化させることで投げるものであるが、
異物や傷を付けたりすることで生まれる空気抵抗の変化≒軌道の変化は、投球方法で付けられるそれでは到底実現不可能、かつ予測困難なものになってしまう。
また、あえて投げるフリを見せつけることで打者に不正投球を過剰に警戒させ、思考を攪乱,狭窄させるなどの駆け引きに使われることも多い*4
一方で投手からすれば制球が困難となり、打者の頭部に向かうような危険球を投じるリスクも高まってしまう
先述のチャップマンの事故はまさにこのために起こったとされている。


違反時の処置

投手が不正投球を行ったかどうかの判断は審判に一任されており、同時に審判には検証のために任意で『選手の』身体検査を行う権利が与えられている。
そして審判によって不正投球が認められた場合、以下の処置が行われる。

  • 投球が四死球もしくはインプレーとならなかった場合:問答無用でボール。
  • 投球がインプレーとなった場合:攻撃側の監督に、そのプレー結果を受け入れるかどうかの選択権を与え、それに沿ってプレーを続行する。
 受け入れなかった場合は、走者がいればボーク,いなければボール*5

いずれの場合も球審はただちにボールを交換させ、投手に警告を発する。
この警告を無視して投手が再び不正投球を行い、かつ再びそれがバレた場合、その選手は自動的に退場処分+向こう何試合かの出場停止となる。


時効

不正投球の検証,罰則適用は、いずれも既に結果が成立した投球を遡って行うことはできない。
例えば審判が「あれ、アイツさっきのイニングで不正投球した?」と疑い、その後明確な証拠物件や投手自身の自白が出てきても、その投手には警告も罰則適用も一切行われない
それどころか強行すれば不当逮捕、権利濫用に抵触し、最悪の場合審判の方が責任を問われかねないのである。


何で一発退場じゃないの?甘くね?

反則行為が露見しても一発退場とならないのは、『偶然』異物や傷がついたかもしれない可能性を否定できない、要は一発だけなら誤射かもしれないからである。
野球はしばしば激しいプレーを伴うため、その中でボールに異物や傷がつくのは『ごく自然なこと』であり、露見後即一発退場では冤罪の温床となりかねない上、円滑な試合進行も妨げられてしまう。
あんな硬いバットでぶっ叩けば傷の1つや2つならできたっておかしくないというのはわかるだろう。
もっとも、偶然だろうが『偶然』だろうがそのようなボールでの投球ができる限り行われないよう、現代野球では少しでも汚れたり傷がつけば即ボールは交換されるが。


不正投球に対する球界のスタンス

日本球界において不正投球は「ゲームの公平性を脅かす卑劣な行為」と見なす考えが支配的であり、「ボールに傷をつけて投げている」という疑惑がかかったブライアン・ウォーレン投手のように疑惑がかかっただけで非難をあびることがしばしばである。

しかし、本場アメリカでは厳しい罰則規定こそあるものの、余程あからさまでない限りはほぼ警告止まりである。
むしろ歴史的経緯からか「バレなければ技術の範疇」「見抜けなかった時点でそいつの負け」くらいに考えられており、
先述のウォーレン投手の例なら決定的な証拠が挙がっていない以上、彼への非難はたとえクロであっても「負け犬の遠吠え」の域を出ず、シロだったならば「卑劣な誹謗中傷」以外の何物でもないのである。
この辺りの日米の意識差は国民性にも起因すると思われる。
アメリカの場合は先述の通り元々合法であったこと、貧富の差が激しいが故に「生き残って稼ぐためには何でもやる」って位にハングリー精神に溢れた選手が少なくないことが寛容な土壌を作り、
日本の場合は元々野球は旧制第一高等学校*6のエリート達の部活動から普及した経緯故、国民が無意識のうちに高尚、高潔なあり方を求めているのかもしれない。

また、MLBの公式球は非常に滑りやすいものであり、それらをしっかりと投げるためにワセリンや松ヤニなどを塗ることが事実上黙認されている*7。このため「不正投球させるくらいなら滑りやすいボールを何とかしろ、メジャー球製造業者のローリングス社とMLB機構の癒着を何とかしろ」という主張も度々見受けられる。
ツルツル滑るボールを投げてデッドボールを食らうくらいなら、しっかり投げてくれということだろう。
実際、首に松ヤニと思われるものを塗りたくった上でボールに付着させていたマイケル・ピネダは10試合の出場禁止処分を食らったが、
論調としては「あんなバレやすい方法を取るのが悪い(=松ヤニを使うのが悪いわけではない、首が異様なまでにテカテカ光っており明らかに何かが塗ってあった。おまけに何度も首を触っており怪しすぎた。」といったものであった。
サイ・ヤング賞投手であるジャスティン・バーランダーやクレイトン・カーショウも帽子やスパイクにどう見ても松ヤニな物体が付着しているのをカメラに抜かれているが、特に処分は受けていない。
2019年ならばメジャー挑戦した菊池雄星が、帽子のつばの裏側に怪しい物質が付着していることが話題となったが、その際のニューヨークのマスコミの反応は「使うのは構わないけどちゃんと隠せよ」といったものであった。
対戦相手のニューヨーク・ヤンキースの選手も問題視しておらず、むしろ同情的であった。滑って頭にこられたら困るしね。

とはいえ先述の通り危険球のリスクを意図的に高める行為には違いないため、アメリカ球界でも根絶を目指してもっと徹底的に取り締まるべきという意見は存在はする。


不正投球の手段色々

広義のスピットボールが禁止されて以降、スピッター達はあの手この手で相手チームの選手やスタッフ、審判、更には観客らとの化かし合いを演じてきた。
以下はその一例である。
無論、ここに挙げた例は謂わば「タネの公開された手品」であり、いかにバレることなくこれらを完遂するか、あるいはこの上を行く手法を開発,実用化できるかが現役スピッター達の腕の見せ所(?)といえる。

  • 最初に掌へ唾を吐きかけてストックし、それを隠すために指をあからさまに舐めて拭く。
 手段としてはおそらく序の口。シンプルだがそれ故にバレないようにする難易度は高いと思われる。

  • 帽子、ユニフォーム、グラブ、肌などにワセリンや紙やすり等を仕込む。
 これも多分まだ序の口。身体検査を受ければ即バレするので、疑いすら向けられないようにするのが肝要だろう。

  • ベルトのツク棒*8の先端を針状に尖らせ、これで傷をつける。
 あって当然の部品に細工をする逆転の発想。

  • 味方野手に細工をしてもらったボールを受け取り、投げる。
 細工をするのは何も投手だけではない。上記のような仕込みは捕手や他の野手が行うことすらある。


著名なスピットボーラー

現在のところ、日本のプロ野球においては著名と言えるほどのスピッターはいない(単にバレた選手がいないだけの可能性もあるが)。
が、メジャーリーグにおいては現在進行形でちらほら見られる。
現役時代から既に常習者と見なされていた者から引退後に自伝などでぶっちゃけて初めて発覚する者まで様々におり、以下にその中でも著名な選手達を列挙する。


  • カール・メイズ(Carl William Mays)
490試合(うち先発324),3021.1イニング登板、208勝126敗31セーブ、862奪三振、823四死球、防御率2.92、WHIP 1.21
最多勝1回、ワールドシリーズ制覇4回

1910年代~20年代にレッドソックス、ヤンキースなどで活躍した右腕投手にして、チャップマンに『死』球を与え、スピットボールが不正投球になる一因を作ってしまった投手その人
成績自体は非凡なのに基本的にチャップマンを死に追いやった汚名ばかり付き纏う不遇な選手だが、チャップマンの死後も「アイツの方から球に向かっていった」などのぐう畜発言をして謝罪を拒否していたので残当ではある*9
ちなみにレッドソックス時代はベーブ・ルースと共に先発ローテに名を連ね、ヤンキース移籍の翌年にルースも移籍してきて再びチームメイトになったりと、何かとルースに縁がある。


  • バーリー・グライムズ(Burleigh Arland Grimes)
616試合(うち先発497),4180イニング登板、270勝212敗18セーブ、1512奪三振、1396四死球、防御率3.53、WHIP 1.37
最多勝2回、最多奪三振1回、ワールドシリーズ制覇1回
アメリカ野球殿堂入り

1920年のルール改定後もスピットボールの使用を許可された17人の1人にして、最も引退が遅かった「史上最後のスピットボーラー」
合法スピットボールを武器に19シーズンで7球団を渡り歩いた渡り鳥でもある。
登板前には髭を剃らなかったことから「Stubblebeard(無精髭男)」とも呼ばれていたが、これはゲン担ぎのためとも唾液の出やすくなるお薬の副作用で剃刀負けしやすくなっていたからとも言われている。


  • プリーチャー・ロー(Elwin Charles “Preacher” Roe)
333試合(うち先発261),1914.1イニング登板、127勝84敗10セーブ、956奪三振、521四死球、防御率3.43、WHIP 1.26
オールスターゲーム選抜4回

1930年代から50年代までに活躍した左腕投手。
お世辞にも速球派とは言い難い投手ながら、緩急を巧みに使い分ける投球術で戦後のドジャースの投手陣の柱として活躍した。
同時に現役時代からスピッターとして知られながらも、引退までただの1度もシッポを掴ませなかったプロ中のプロでもある。
なお引退後には雑誌のインタビューで「(長く現役を続けられた秘訣は)清らかな生活とスピットボール」と悪びれもせず答え、「技術継承」と称して投げ方も詳細に説明しているなど、器がデカい(?)面を見せている。
ちなみに高校で数学の教鞭を執った経験もあるインテリでもある。


  • ホワイティ・フォード(Edward Charles “Whitey” Ford)
498試合(うち先発438),3170.1イニング登板、236勝106敗10セーブ、1956奪三振、1058四死球(うち敬遠44)、防御率2.75、WHIP 1.22
最多勝3回、最優秀防御率2回、サイ・ヤング賞1回、ワールドシリーズMVP1回、ベーブ・ルース賞1回、オールスターゲーム選抜8回、ワールドシリーズ制覇6回
永久欠番指定(16番、ヤンキース)、アメリカ野球殿堂入り

1950年代~60年代の第3期ヤンキース黄金時代を支えた伝説的な左腕投手。ヤンキース一筋18年で積み上げた通算236勝は現在も球団記録である。
178㎝弱の小兵ながら、大きく曲がるカーブと抜群の制球力を武器として上記の華々しい功績をあげてきたが、同時に現役時代からスピッターとして知られていた。
本人も現役時代から暗に疑惑を肯定しており、あまつさえ1963年のワールドシリーズでの敗因を「(ボールに付けた)傷が浅かった」からと述べている辺り、WSでも投げていた模様。


  • ゲイロード・ペリー(Gaylord Jackson Perry)
777試合(うち先発690),5350.1イニング登板、314勝265敗11セーブ、3534奪三振、1651四死球(うち敬遠164)、防御率3.11、WHIP 1.18
最多勝3回、サイ・ヤング賞2回、ノーヒットノーラン1回、オールスターゲーム選抜5回
永久欠番指定(36番、ジャイアンツ)、アメリカ野球殿堂入り*10

1960年代から80年代に活躍した右腕投手であり、同時に史上最高の誉れも高い伝説的なスピットボーラー
本人によるとメジャー3年目の1964年にチームメイトから教わり、以来スピッターと言えばペリー、ペリーと言えばスピッターと言えるほどの誰もが認める達人となった。
ペリーの登板時には相手チームのメンバーや審判は勿論、観客やズームアップしたテレビカメラまでが、今日こそは暴いてやるぞと言わんばかりに彼の一挙手一投足を注視するなど妙な緊張感が漂っていた*11とされるが、
彼が不正投球で処罰されたのは22年間の現役生活でたった1度きり、しかもその内容も、

審判「あっ!お前今スピットボール投げただろ!」
ペリー「投げてませ~ん。証拠はあるんですか~?ほらほら身体検査してみろよ~。」
審判「あんな非常識な軌道の変化球、細工なしに投げれるか!退場!!!」

という、状況証拠だけで決めつけられた『冤罪』事件であり、決定的な証拠を押さえられたことはただの1度もない
ネタエピソードにも事欠かない人物であり、
  • 現役時代にワセリンの製造会社に「We smooth babies’backsides,not baseballs.*12」という、ツッコミどころ満載のキャッチコピーを売り込みに行く。
  • 「怪しい」と感じた審判の手でボディチェックを受けるも、手の中から「こんなところには隠さないよ。まだまだ甘いね。」と書かれた紙切れが出てくる。
  • 300勝達成当時の監督に「お前は(300勝達成時に使っていた)歯磨き粉と一緒に殿堂入りするべきだな」と弄られる。
  • 引退後には「Me and the Spitter(スピットボールと俺)」という自伝で、現役時代のスピッターぶりをぶっちゃけまくる
  • そのくせ現役時代に行った講演では「不正投球なんて卑劣な真似は一切しておりません(キリッ)」と、いけしゃあしゃあと嘯く*13
  • 引退後にはワセリンの製造メーカーを起業する。
などなど、挙げればキリがない。
ちなみにジム・ペリー(James Evan Perry)という3歳上のメジャーリーガーの兄がおり、ジムもまた通算215勝,最多勝2回,サイ・ヤング賞1回の1流投手である。
合計529勝は兄弟メジャーリーガーとして歴代2位の大記録*14、かつ兄弟でのサイ・ヤング賞受賞は史上唯一である。


  • リック・ハニカット(Frederick Wayne Honeycutt)
797試合(うち先発268),2160イニング登板、109勝143敗38セーブ、1038奪三振、788四死球(うち敬遠81)、防御率3.72、WHIP 1.31
最優秀防御率1回、オールスターゲーム選抜2回、ワールドシリーズ制覇1回

1970年代~90年代に活躍した左腕投手。
1977年には同年創設されたばかりのシアトル・マリナーズでデビューし、1980年にはオールスター出場も果たしている
……が、同年9月30日の試合で親指に画鋲を仕込んでエメリーボールを投げていたところ、何気なく汗を拭った際に画鋲で額を引っ掻いて流血してしまったせいでバレてしまったドジッ子。
現行犯なだけに言い訳の余地もなくお縄となり、退場処分+罰金250ドル+10試合の出場停止と相成った。
処分後は「小学校時代に校長室に呼び出された時以来、ずっと上手くやってきたんだけどなあ」と、何とも親近感の湧く供述をしている。
なお現在はドジャースの投手コーチをしており、マエケンやダルビッシュにも指導した経験がある。


架空のスピットボーラー

ここでは侍ジャイアンツの大回転魔球など『ルールを正しく運用すると反則扱いになる投球』ではなく、ボールそのものに何かの細工をする行為についてのみ取り上げるものとする。


いわゆる御曹司で、嫌味な性格の持ち主。何が何でも主人公を倒そうとした結果、ボールにガムを付けるという行為に手を染めた。
この件は父親を激怒させ後継者の座を失うこととなったが、後に改心し主人公の味方となった。
バレないための工夫などはなされておらず、不正投球としては稚拙である。


  • 星飛雄馬(巨人の星)
消える魔球こと大リーグボール2号が該当。
詳しい手順は当該項目を参照いただくとして、魔球の行程の中に『意図的に砂をボールにまぶす』というものがあり、これが故意だと発覚すれば不正投球と認定されると思われる。
ただし、砂をまぶすのはボールが消える(ように見える)ための工夫であり、ボールの軌道そのものは飛雄馬が自力でやったものである。


ひみつ道具の使用がルール上で認められている野球が題材だが、逆に言えばそれ以外は反則である。
ボボ太はブタ型ロボットであり、鼻からボールを発射するという形で投球する。左右どちらの穴から出るかわからず、投球フォームがないので球種が読めないのが特徴。
鼻クソがついてボールが変化球になるため、これもスピットボールに該当する。


  • スコット・ウィリアムズ(ONE_OUTS)
軌道の読めないナックルボールを切り札とする外国人投手。
彼の所属する神戸ブルーマーズは球団ぐるみで不正行為を行っており、ナックルボールもその一つ。
具体的な描写はないが、渡久地東亜の推測では『ボールに水分を注射して重心をずらしているのだろう』とのこと。
このボールには2つの弱点があり、1つは高見のようにボールの回転すら見える程の極めて動体視力の優れた相手には使えないこと。
スコットの投げるボールは回転している→ナックルじゃないのに異常に変化する→不正を行っている!という風に気付かれてしまうため。
そしてもう1つの弱点はボール自体に細工をしている為、ボールを交換するまでピッチャーを含め逆に普通のボールを投げられない事。
この点を渡久地に突かれたバッテリーは、大観衆の前で極めて不自然なプレー*15を晒してしまうことに。


プロペラ団傘下組織であるインチキ宗教団体『フラッペ教団』の教祖。
元々はプロ野球選手を目指していた投手で、七色の変化球を投げられる実力者だったが、スピットボールに手を染めた事で球界を追放された。付いたあだ名は「スピットボールの服部」
スプーン曲げで信者を騙して金儲けをしていたが、主人公とのスプーン曲げ対決で敗北し、改心して仲間に加わる。投手として活躍するが、もちろんゲーム中はスピットボールを使わないのでご安心を。
その後文才を発揮してプロの小説家に。


  • 土方十四郎(3年Z組 銀八先生)
銀魂の公式スピンオフ小説より。
差し入れのスクランブルエッグのせいでほぼ全員の腹がスクランブルしてしまった野球部の代理でZ組が交流試合に出た時に、
ボールにマヨネーズを塗りたくって滑りを良くした「マヨネボール」を一回表のトップバッターの時点で指摘され、退場こそ免れたが禁止された。
「後半までマヨネボールで無失点」というあまりにも無理があり過ぎるZ組の作戦は早々に破綻したものの、その後なんだかんだで好投を続けて無事に唯一の野球部の生き残りのピッチャー野茂茂野まで繋げている。



追記・修正はスピットボールでストライクを取ってからお願いします。

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最終更新:2023年08月27日 23:11

*1 厳密には両チームの監督の合意を受けて試合前に審判が許可するという体なので、本来は禁止。

*2 チャップマンは当時のスター選手の1人であったこと、死亡事故当時彼の妻はチャップマンの第1子を妊娠中であったことも、この事故の悲劇性を高めている。

*3 それに加えて当時はボールの値段やらリーグの予算やらの問題で、本当にボロボロになるまでボールが交換されなかった。これによってマッドボールを投げやすくなったのは言うまでもない。おまけに傷をつけてもプレイでできたのかわざとつけたのかわかりにくい。

*4 実際、スピッターの多くは「投げるフリだけでもかなり効果がある」と、その有用性を語っている。

*5 ただし、打者が安打、失策、四死球、その他で一塁に達し、かつ他の全走者が次塁に達するまでアウトにならなかったときには、反則とは関係なくプレーは続けられる。

*6 現在の東京大学教養学部の前身

*7 勿論限度はある。ロージンの粉だってボールに山盛り振りかけると流石にアウトだし。

*8 バックル部に付いた穴に通すための棒状の金具

*9 チャップマンの方は意識を失う寸前まで「カールには気にするなと伝えてくれ」とメイズを気遣うぐう聖ぶりを発揮しているのとは対照的である。

*10 これだけの実績なのに選出されたのは3回目の審査な辺り、審査した記者も若干思うとこがあったのだろう。

*11 観客の場合はエンタメ要素として楽しんでいた節があるらしい

*12 ざっと訳すと「ワセリンは赤ちゃんの背中をスベスベにします。野球のボールに塗るものじゃありません。」

*13 おそらくはグラウンド外での駆け引きの一環と思われるが。

*14 1位はナックルボーラ―として有名なフィル&ジョーのニークロ兄弟の539勝。

*15 あからさまな盗塁を見逃す、振り逃げに対してどう考えても間に合うのに1塁に球を投げない、等