香霖堂(東方project)

登録日:2019/05/06 Mon 11:42:30
更新日:2020/12/23 Wed 16:20:35
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「昼も夜も無く人間も妖怪も無い、そういう場所だ」


香霖堂 (こうりんどう)とは、東方Projectに登場する建造物の名称である。
東方Project作品の一つとしての『東方香霖堂』については該当項目を参照の事。

●目次

【概要】

人間の里から魔法の森へ入る入口付近にぽつんと建っている、アジア風の外観をした店舗兼住宅。店主は森近霖之助
『求聞史紀』阿求によると、 (里の人間にとっての) 危険度は"低"で、遭遇する妖怪は"様々"との事。
幻想郷では唯一の外の世界から流入した道具---“外来品”を商品として扱っている。
その他にも妖怪の道具や冥界の道具、魔法の道具など商品のジャンルは幅広い。
一応は人間用の品物も並んでいるため里から訪れた人間が買い物をする事も不可能ではない。
しかし劣悪な立地条件と店主の性格によってあまり客が訪れないのが現状である。



【香霖堂という建物】

魔法の森のすぐ近くに建っているため、店内は昼なお薄暗い。
店内には数多くの"商品"がひしめいており、そのうちの少なからぬ物が店主の裁量一つで"非売品"となっている。
複数作品の描写より建物は結構な大きさがあるようで、商品等を保管しておくための蔵が存在する事が明らかになっている。
元々人間と妖怪の中間くらいのハーフである霖之助は、人間と妖怪のどちらの客も訪れやすいようにとの考えを持ってこの場所に店を開いている。
ただし魔法の森には人間も普通の妖怪もほとんど訪れないため、結果的には香霖堂に訪れる者はあまり多くないようだ。


魔理沙が物心ついた時には既に店を開いてからかなりの年月が経っていたとの事で、建物には相当な年季が入っている。
しかし霖之助は外来品が絡まない限りは出不精なので、屋根の雪下ろしのような建物の維持・管理作業すらも極力自分ではやりたがらない。
建物の裏には見事な白い花を咲かせる桜が植わっている。
霖之助はこの桜を"人を集める事で妖力を増していく妖怪桜"だと思っているが、花見をする事自体はやぶさかではないようだ。


店名の由来は(コウ)つまり(コウ)”=神社と、霖之助がかつて勤めていた”霧雨”道具店と現在の住所である魔法の”森”を合わせた”霖”からなる。
これを聞いた魔理沙は霧雨 (人間) と森 (妖怪) 、そして神社 (境界の中心) を意味する屋号をつけた霖之助に対して「幻想郷の中心のつもりなのか?」と推測した。


ちなみに『求聞史紀』によると『香霖堂目録』なる霖之助が著した書物があるとの事。
内容は不明だが、タイトルから察するに商品リストか『香霖堂』で霖之助が書いている日記だろうか。


ゲームでは『深秘録』『憑依華』の対戦ステージの一つとして登場している。



【外来品目録】

・ストーブ
『香霖堂』一期第1話より登場する、香霖堂を代表する道具の一つ。
霖之助は同作の一期第11話の数年前に入手し、その当初は商品にする予定だったようだ。
だが試しに使ってみた所厳しい冬を快適に過ごせるといたく気に入りストーブをそのまま非売品にしてしまう。
ちなみにストーブを仕入れる前は暖房器具としてミニ八卦炉を使っていた。
燃料の種類は不明。
同作ではストーブの燃料を切らしたためにに燃料を工面して貰うエピソードがあり、同話では別のストーブに入っていた燃料や、それに似た液体を自分のストーブに移して使っているという旨の記述がある。
しかし二期第4話ではストーブにをくべているとあり、両エピソードの時系列がかなり開いている事を考慮するとストーブが代替わりしたか霖之助の能力で色々な種類の燃料を使えるように魔改造したかの二つの可能性が考えられる。
ストーブの存在によって香霖堂は冬場でも暖かく、暖を取るために霊夢や魔理沙がわざわざ寒い冬道を通ってやって来る事も多い。


・外来本
『香霖堂』一期第1話より登場。
第1話では『非ノイマン型計算機の未来』というPC関連の本が登場。
当初霖之助は1巻から12巻までを所有していたが、霊夢が本読み妖怪から強奪した本が偶然残りの13~15巻だったために目の色を変えてこれらを求めた。
そのため衣類の修繕代などのツケとして彼女から譲り受けた。
『儚月抄』第3話ではお嬢様の指示でロケットの資料を探しに来た咲夜アポロ計画関連の雑誌を複数冊販売した。
また『香霖堂』二期第5話では外の世界から流れ着いた推理小説を楽しんでいる。


・たくさんの音楽を蓄え、そして奏でる道具
『香霖堂』一期第11話に登場。
見た目は”オルゴールより遥かに小さい無機質で白い箱”と描写されており、その特徴から正体はウォークマンと推測される。
この道具を耳に当てた霖之助は精神だけが結界を飛び越えて外の世界に現れる幻覚を見てしまうが、済んでの所で紫の目に留まり事なきを得た。
その後この道具は"ストーブの燃料代"という名目で紫が引き取っていった。


・あらゆる物を操作出来る道具
『香霖堂』一期第12話に登場。
プラスチック製で様々なボタンが付いた、手に乗るくらいの大きさの灰色の小箱。
この道具の用途だけを知った霖之助は幻想郷の安全を脅かしうる”神の道具”として不気味に感じ、外来品フリークの彼には珍しく木槌で破壊しようとしている。
だがこの行為は木槌を振り下ろした所で紫の手に (文字通り) 阻まれ、彼女に”今月分の代金”として回収された。
実はこの道具は携帯ゲーム機で、画面がモノクロという点から香霖堂にあった物は初代ゲームボーイとみられる。
このエピソードで紫は「今はねぇ、この小窓が二つ付いているのが流行っているのよ」と魔理沙を通して霖之助に伝えているが、同話が発表されたのは2005年のため現在ではさらに新しいハードが幻想入りしているかも知れない。


・パーソナルコンピュータ
『香霖堂』一期第16話より登場。
使用者の命令のもと膨大な情報を集めてくる性質から、霖之助は「外の世界の式神」と表現している。
ただし香霖堂にはよく入荷する割に欲しがる人が少なく、それでいて場所を取るという三重苦のため霖之助はあまり拾い集めようとしない。
とは言え外の世界に強い憧れを持つ霖之助は、ゆくゆくはコンピュータを使いこなせるようになるという目標を抱いている。


コーラ
『香霖堂』一期第16話に登場。
瓶に入った拾い物の飲み物で、霖之助は特に意に介することもなく飲んでいた。
ただ炭酸が抜けていたのか薬のような味がしてあまり美味しくなかったとの事。
それでも瓶の形は面白みがあるとして気に入っている。
ちなみに何気なく店主自身が飲んでいたが一応売り物らしい。
この行動には霊夢や魔理沙も露骨に難色を示し、彼の体調を気遣っていた。


・写真機 (デジタルカメラ)
『香霖堂』一期第19話より登場。
天狗の写真機と酷似している事から霊夢と魔理沙が興味を抱いた。
しかし電池切れにより幻想郷では写真撮影が出来ないため『求聞史紀』では阿求に「ガラクタ」と切り捨てられている。


・水煙草
『文花帖』より登場。
喫煙者である霖之助が愛用する置き煙草の一種。
元々は商品にする予定だったが、外来品に詳しい妖怪に使い方を教わった所気に入って非売品にした。
一ヶ所で長い時間をかけて味わう使い方が彼のライフスタイルに適していたようだ。
『香霖堂』二期第5話ではごく少量ながらシガレットを手に入れている事が判明した。
シガレットは使い捨てのためなかなか幻想入りしない事から霖之助は自身の楽しみとして確保していたが、疫病神の力によって一日に何本も消費してしまった。


携帯電話
・テレビジョン (テレビ)
・浄水器
『求聞史紀』にて言及。鈴奈庵経由で阿求も外来品について多少知識はあるはずだが、同作では弾幕の一つだの霊気入れだのと頓珍漢な用途を記している。
ただ外来品は外との交流を持たないほとんどの幻想郷の住人にとってはそれだけ馴染みが薄いという事を端的に伝えているとも言える。
『香霖堂』二期第1話では初めて香霖堂を訪れた菫子が折り畳まないタイプのガラケーやブラウン管のテレビを物珍しげに眺めていた。
その後『文花真報』では菫子から譲り受けたと思しきスマホが店頭に並んでおり、作中の1コラムを使ってタブレットについて宣伝を行っている。


道路標識
自転車
ラジカセ
・MDプレイヤー
・カセットテープレコーダー
『香霖堂』二期第1話に登場。
いずれも菫子が初めて香霖堂を訪れた際に目にした物。
幻想郷には場違いな外の世界の道具、それも菫子が生まれる前に流通していたようなロートルが多数並んでいた事に驚いていた。
その後、霖之助がレコーダーの値段を菫子のスマホ数台分と語った事にもう一度驚いていた。


・VRゴーグル
『文花真報』『香霖堂』二期第6話に登場。
文は疲れた眼球を休めるための目隠しと見做している。
『香霖堂』ではこの道具について霖之助は明晰夢を見るための道具だと語っており、幻想郷に現れなくなった菫子を探すために魔理沙が着用した物のめぼしい効果は得られなかった。


・相棒
『文花真報』にて言及された、小型犬に似た硬いぬいぐるみ。
特命係ではないものを指す。
元ネタは恐らくソニー製の電子ペットロボットと思われる。


【その他に取り扱う道具】

・ティーカップ
『香霖堂』一期第4・5話に登場。
霊夢愛用のティーカップを破損した事で咲夜とレミリアが買い求めに来た。ごめんね。
また、霖之助お気に入りの二組のティーカップの片割れは魔理沙によって無残な姿になっていた。すまん。


・草薙の剣 (天叢雲剣)
『香霖堂』一期第7話、第9話に登場した、刀身が錆び付いたぼろぼろの剣。
元々はミニ八卦炉の修理代として魔理沙から譲り受けた大量の鉄くずに紛れていた。
しかし霖之助の能力を用いた鑑定の結果、彼はこの剣を”天下を取る程度”の力があるとされる草薙の剣その物だと認識して一人悦に浸っていた。
緋々色金という稀少な金属で出来ているこの剣を、霖之助は魔理沙の名前を取って”霧雨の剣”と名付けて保管している。


・最初から底の無い柄杓
『香霖堂』一期第10話に登場。
霖之助が無縁塚で拾ってきた珍品の一つ。村紗 水蜜との関連は不明。


・人魂灯
『香霖堂』一期第10話より登場。
霖之助が無縁塚で拾ってきた珍品の一つだが、実は妖夢が紛失した冥界の道具である。
この道具に火を灯しておくとそのへんの幽霊が大挙して集まってくる。
本来は幽々子の所有物で、人魂灯をなくした妖夢は彼女のお叱りを受けて落とし物を探した末に香霖堂に足を運んだ。
幽々子は人魂灯の所在が判っているのかどこに人魂灯があっても火を灯す事が可能なため、わざわざ妖夢に人魂灯を探させたのもお仕置きの一環のようだ。
二人のやり取りのだしに使われた霖之助は人魂灯を”売る”代価として妖夢に店周辺の雪かきと屋根の雪下ろしをさせた。人生の勉強である。
なおこのエピソードより後の話である筈の第21話でも人魂灯が店内にあり、霖之助は複数この道具を所有しているとみられる。


・鳥居が刻まれた隕鉄
『香霖堂』一期第18話に登場。
霖之助が咲夜に語った縁起物の一つだが詳細不明。


・河童の五色甲羅
『香霖堂』一期第18話に登場。
霖之助がお嬢様の指示で月に行くための縁起物を求める咲夜に売りつけた品物。
霖之助曰くかさばる上に売れる見込みが無い不良在庫だったようだが、”月と(すっぽん)のことわざを独自に解釈した霖之助の理論を聞いた咲夜は話の真意を察した上で敢えてこれを購入した。
このエピソードで咲夜は"月へ行くための願掛けにスッポンの甲羅を使う"という皮肉ともとれる行動の意図を主人のレミリアよりは紅魔館内の識者に伝えようとしている節がみられる。
『外來韋編』2巻のクロスレビュー以来不仲説が出ている両者だが、少なくとも仕事の面では上手く付き合えているようだ。
なお、甲羅その物は出所が怪しい事もあって本物との関連は不明。


・三陵鏡 (プリズム)
『香霖堂』一期第19話に登場。
霖之助が立体の写真の可能性を示すために持ち出した”風に色を塗る”道具。
これ自体は貴重品ではない物の商品として店に置いていたが、これを気に入った魔理沙は代金を支払わずに持ち帰った。
一応、持っていく際に霖之助には一方的ながら声をかけている。


渾天儀(こんてんぎ)
『香霖堂』一期第22話に登場。
紫が発明した、妖怪の妖怪による妖怪の為の天球儀。
古びた品物ではあるが数学に滅法強い紫の著作だけあって彗星の周期や北極星に当たる星の変遷まで記されている。
ここに描かれた星座はいずれも日本の妖怪を象った物で、例を挙げると天の川はの酒を地上に流し込む鬼神の河でありオリオン座の三つ星は伊吹童子の調和と有限、そして無限の三つの力を表現しているらしい。
渾天儀自体は登場しない物の妖怪の星座は『茨歌仙』第25話の河童主催の天体ショーにて言及されている。
そして伊吹童子座はやはり萃香のイメージだった


・三百年前の小皿
『香霖堂』一期第23話に登場。
流行病に中てられた霊夢が霖之助に要求した骨董品。
実用目的で作られたが粗悪な出来のために使用されなかったという。
化けて出ないだろうか……


・千年以上前の壺の破片
『香霖堂』一期第23話に登場。
流行病に中てられた霊夢が霖之助から受け取った骨董品。
霖之助の能力をして“名前は無い”というが、元々は何かを封印していた壺の破片だったようだ。
さしもの霖之助もこれを商品やコレクションにする気はなく、霊夢の意図を訝しみながらもあっさり提供した。
これを使って霊夢は病気の祟り神としての神格を持つ神・伴 善男(とものよしお)と交信して病気を鎮めた。


・源頼政の弓
『求聞口授』にて言及。
平安時代の武将が大妖怪を討伐するのに使ったとされる由緒正しき逸品。
……なのだが阿求曰く香霖堂の物は贋作との事。
何で店に置いてるんだろう。



「おっと、この記事に目を付けるとはお目が高い。これはなんとアニヲタWikiの品で、なかなか閲覧出来る物じゃないよ?追記・修正もそれ相応だけど」

「しくしく……」




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最終更新:2020年12月23日 16:20