アナザー響鬼(仮面ライダージオウ)

登録日:2019/05/06 Mon 00:25:15
更新日:2024/03/18 Mon 16:03:45
所要時間:約 5 分で読めます





hiBiKi

2019


"鬼"の不始末は"鬼"がつけるッス。


アナザー響鬼とは、『仮面ライダージオウ』に登場する怪人「アナザーライダー」の1体。

身長:222.0cm
体重:156.0kg
特色/力:鬼の力
変身者:2019年の鼓屋ツトム
契約したタイムジャッカー:ウール
モチーフ:仮面ライダー響鬼
デザイン:出渕裕
登場話:第33話、第34話
※身長・体重は、仮面ライダー響鬼 通常形態と全く同じ。


概要

第33話、第34話に登場したアナザーライダー。
変身者は、ヒビキの元で弟子として修業していた鼓屋(つづみや)ツトムという青年。
実はソウゴの小学生時代の同級生で、卒業アルバムの将来の夢にも「鬼になる!」と大きな字でしっかり書いていた。
を目指すきっかけも、尊敬するヒビキに対する憧れによるもの。
なお、当時のソウゴは将来の夢に矢張り「王様になる」と書いており、ゲイツやツクヨミはその浮きっぷりに若干引き気味だった。
まあ、将来の夢に「王様」や「鬼」と書いている生徒を見たら無理もないが……。

後に怪獣についての研究所に就職したとかしてないとか。

だが、2019年時のツトムは何故か鬼になるための修行を辞めてしまっている様子で、劇中ではゲームセンターでゲームに興じていた。*1
そんな中、ソウゴ達の手に残りのライドウォッチが渡ることを阻もうと企むウールがツトムに接触し、
仮面ライダー響鬼の力を基に生成したと思われる「アナザー響鬼ウォッチ」を無理矢理ツトムに埋め込むことで変身させた。

変身者であるツトムの意識はあまり感じられず、ほぼアナザーウォッチに意思を乗っ取られている暴走型の個体の模様。
アナザーブレイドアナザーアギトの時と同様、響鬼ライドウォッチを狙うウールの手駒として、同級生であるソウゴと戦うことになる。

第34話において、ツトムが上述の「ヒビキ」だと思い込んでいたのは、実はヒビキの弟子である桐矢京介で、
彼が「響鬼」を名乗っていたことから京介こそが響鬼であると信じ込んでおり、何も知らぬまま彼の弟子となったことが判明。
恐らく、ツトムが鬼の修行を放棄してしまったのも京介が本物の響鬼でないことを知ってショックを受けたのが原因だと思われる。
しかし、かつて京介がヒビキに強い憧れを抱いていたのと同じように、ツトムも京介に対し「自分の師匠=響鬼」として尊敬の念を抱いていたのは間違いないということが語られている。
京介自身はアナザー響鬼がツトムの変貌した姿であることを承知しており、ツトムを守るために戦闘に乱入してアナザー響鬼を庇うという行動に出ていた。

容姿

その名の通り仮面ライダー響鬼をモチーフにしており、魔化魍になった響鬼」とでも言うべき容姿を持つ。
だが、『響鬼』に登場する仮面ライダーは「鬼」と呼ばれるだけあって、元々怪物寄りの異形の姿をしていることから、
  • 「あまり違和感や歪さがない」
  • 「普通に鬼の戦士にいそう」
  • 「ぱっと見強化形態のような違和感の無さ」
と視聴者間で言われており、見た目のイメージから『劇場版 仮面ライダー響鬼と7人の戦鬼』に登場した火焔大将に似ているという意見も見られる。

頭部には大きな金色の2本角が生え、後頭部には乱れた黒い頭髪が生えている。
顔面には、アナザーライダー共通のデザインとして鋭い牙を有する口や高い鼻、薄っすらと見える瞳が確認できる等、オリジナルの響鬼には無い所謂「顔」があるのが特徴。
口と牙が備わったことから、響鬼の異名「平成のアマゾンの要素がより際立ったようにも見える。
口の中をよく見てみると、小さなもう1つの口(アナザーエグゼイドのものに似た厚い唇を持つ)があるのが分かり、
これはオリジナルの響鬼が「鬼幻術 鬼火」を吐く時だけに見せる、普段は隠れている口を表したものと思われる。
または、もう1つの口が見える構造から「響鬼を模倣した鬼の面を鬼になりそこなった人間(=ツトム)が被っている」という見方もある。

胴体はオリジナルの響鬼と同じく筋肉質な体格をしているが、首の周りには羽衣、腰には焦げ茶色の腰巻と黄色い帯を身につけており、全体的に布の面積が多くなっている。
両肩には響鬼の変身アイテム「変身音叉 音角」を想起させる大きな鬼の顔をした肩鎧(鬼瓦)を装備している。
羽衣や腰巻の要素は雷神・風神や仁王像、肩の鬼の顔は悪の鬼である仮面ライダー歌舞鬼がモチーフになっていると思われる。

胸部分は金色のディティールが入った鎧のような見た目で、背中には音撃棒に似た金棒を収納しており、戦闘時はそこから引き抜いて使用。
胸の中央には縦書きで「HIBIKI(響鬼)」、背中にも同じく縦書きで「2019」の文字が描かれている。
文字はいずれも梵字を思わせる見た目となっている。

腰には響鬼のベルト「装備帯」をモチーフにしたベルトを巻いているが、バックルの色が反転している程度の差があるのみで、形状そのものはオリジナルの響鬼のものと殆ど変わらない。


出渕氏によるとデザインコンセプトは「なまはげ」
その他風神やバリ島のお面などもデザインに取り入れたという。


能力

固有能力は「鬼の力を操ること」。
『響鬼』に登場する音撃戦士(鬼)達は「鬼石」を仕込んだ音撃武器を使用し、鬼石によって増幅された清めの音による「音撃」を操ることで魔化魍を退治していた。
アナザー響鬼も「音撃棒 烈火」を模した伸縮自在の2本の金棒を所持しており、それに炎を纏わせることで敵と戦う。
だが、この金棒には他の鬼達の音撃武器とは異なり鬼石が付いておらず、それ故に清めの力を持っていないと思われ、ただ破壊しか齎さない歪んだ力と化している。
この鬼石の有無がアナザー響鬼として一番象徴的な部分だが、これは響鬼のアナザーライダーであるという以外にも、
  • ツトム自身がまともに鬼の修行を続けていなかったこと
  • 鬼の何たるかをツトムは理解していないこと。
が影響しているとも考えられる。


歴史改変の影響

「ブレイド編」「アギト編」同様、「時空の歪み」が発生している影響によって、響鬼の活躍していた2005年の時代には特に目立った改変は起きていない。
結果的に魔化魍の存在も消滅しておらず、2019年においても鬼達がその対処に当たっている模様。

しかし魔化魍は自然に密かに出現するという、ヘルヘイムのような自然現象に近い存在のため、仮に歴史改変が起きた場合は完全に消滅するのか不明。

オリジナルの響鬼であるヒビキ=日高仁志も歴史改変は受けていないが、公式サイトの説明によれば既に音撃戦士を引退していることが示唆されている。*2


劇中での活躍

第33話「2005:いわえ!ひびけ!とどろけ!」

概要にある通り、ゲームセンターで接触してきたウールによってアナザー響鬼に変貌してしまう。
その後、響鬼ライドウォッチ入手のために手掛かりを探していたソウゴとゲイツを襲撃し、2人と交戦する。
ジオウはクウガアーマー、ゲイツはウィザードアーマーを装着してアナザー響鬼と戦うが、そこへ突如トドロキが登場。ジオウとゲイツに上記のセリフを告げ、2人の前で仮面ライダー轟鬼に変身してアナザー響鬼と戦闘する。
流石にいまだに現役の音撃戦士として活躍する轟鬼と、鬼の修行を辞めたアナザー響鬼とでは実力に差があり、押されていった末に轟鬼の「音撃斬・雷電激震」を喰らう。
だが、そこへ「響鬼」を名乗る桐矢京介が何らかの目的で轟鬼を妨害したことで、その隙に乗じて逃走する。

その後、京介を響鬼だと考えているウールの指示によって再び出現し、京介をおびき寄せようと目論む。
しかし、そこへ駆け付けたソウゴとゲイツと再戦することになり、エグゼイドアーマーに変身したジオウとゲイツリバイブ剛烈の必殺技による連帯攻撃を受ける。
しぶとく持ち堪えようとするが、ジオウⅡとゲイツリバイブ疾風の連携には流石に敵わず、「トゥワイズタイムブレーク」と「百烈タイムバースト」を同時に叩きこまれて倒され、変身が解除された。
変身が解除された時点で元のツトムの意識が戻っていたが、体内のアナザー響鬼ウォッチはジオウⅡとゲイツリバイブの必殺技を喰らったにもかかわらず何故か破壊されておらず、ウールが再起動したことで再び意識を乗っ取られてしまう。
ソウゴを一蹴してゲイツに襲いかかるが、そこに変身体となった京介が乱入し、あろうことか何とゲイツに襲い掛かった。

第34話「2019:ヘイセイのオニ、レイワのオニ」

乱入してきた京介変身体を変身解除に追い込むが、元のツトムの意識が京介の呼び掛けに反応したことで動きを止め、ウールに連れられて撤退した。
その後、ゲイツやジオウⅡと再戦するが再び京介が乱入する形でアナザー響鬼を庇ってしまい、またしても逃げられてしまう。

ソウゴ達が京介から事情を聞き終えた頃、今度は工場に出現し、そこへ京介やソウゴ達が駆け付ける。
京介は「かつての自分に迷いがあったこと」や「弟子入りを志願してきたツトムを渋々弟子にしたこと」、
そして「自分を慕ってくれるツトムのおかげで一人前の鬼になれたこと」を告げると、京介の想いに応えるかのように響鬼ライドウォッチが出現。
響鬼ライドウォッチを使用して京介が変身した仮面ライダー響鬼やジオウトリニティとの戦闘になり、
響鬼の音撃鼓で動きを封じられ、最後は音撃と「トリニティタイムブレークバーストエクスプロージョン」を喰らって倒された。

アナザー響鬼ウォッチが破壊されたことで、ツトムは正気に戻ると共に京介と和解し、再び彼の弟子に志願するのであった。
そして響鬼ライドウォッチも京介の手からソウゴ達に継承された。

第43話「2019:ツクヨミ・コンフィデンシャル」

アナザージオウⅡ率いるアナザーライダー軍団の1体として現れ、飛流の屋敷までやって来たソウゴ達を迎え撃つ。
アナザー龍騎、アナザー電王、アナザーゴーストと共にグランドジオウと戦うが、グランドジオウが繰り出したキングギリギリスラッシュを喰らってまとめて倒された。
尚、アナザー響鬼は爆散する直前に華麗なバク転を披露している。


余談

  • 「響鬼編」は前編である第33話が平成最後の放送回(4月28日)、後編である第34話が令和最初の放送回(5月5日)だったことから、結果的にアナザー響鬼は「元号が変わった」という見方をすれば、「平成最後」かつ「令和最初」のライダー怪人となった。
    「響鬼編」が「継承」「世代交代」をテーマにしていたこともあってか、「平成」から「令和」へと元号が移り変わる様子を象徴する怪人と言えるだろう。

  • 変身者であるツトムの名前は、原典『響鬼』に登場した津村(つむら)(つとむ)に由来すると思われる。努も「鬼の修行をやめた者」であることから、設定的にも的確なモデルと言える。

  • 仮面ライダーディケイド』における「響鬼の世界」には、リ・イマジネーション響鬼が変貌した魔化魍牛鬼が登場しており、ある意味「アナザー響鬼のルーツ」と言える存在。
    また、ファンの間では「アナザー響鬼は牛鬼に似た姿」「牛鬼のスーツを改造した姿」とも予想されていた。
    どちらにしても、「妖怪(魔化魍)としての鬼」と言える存在であることは共通している。*3

  • 仁王像をイメージさせるデザインについて、「響鬼が寺で太鼓の修行をするシーンからの連想」「仏教における羅刹や夜叉などから連想した」という意見が見られる。
    また、仏教では悪鬼羅刹も人々を災いから守る守護神とされており、異形でありながら人々の為に力を使う音撃戦士(鬼)の在り方に重なる。



追記・修正は、タイムジャッカーと契約してアナザー響鬼になってからお願いします。

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最終更新:2024年03月18日 16:03

*1 ちなみにツトムが遊んでいたのはアーケード版「鉄拳7」で、使用キャラは「ジャック-7」。ナムコ繋がりだろうか?

*2 後に「現代の日高仁志はどうなったのか」という視聴者からの質問に対し、白倉氏は「現代の日高仁志は現役を引退した後、旅に出ている」と答えている。ただし、あくまで白倉氏の個人的見解であり公式設定というわけではない。

*3 ちなみに轟鬼は本記事冒頭の台詞を述べてアナザー響鬼と戦っていたことから、「鬼が変化した魔化魍」と思っていた模様。「鬼」は日本妖怪の代表格と言っても過言ではなく、(リマジではあるが)牛鬼の存在を考慮すると「ライダーと怪人のルーツは同じである」という要素はここで拾われた形になる。