明日のナージャ

登録日:2019/04/25 (木) 07:34:16
更新日:2024/04/04 Thu 14:00:44
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『明日のナージャ』は、2003年に朝日放送(ABC)・テレビ朝日系で放送された、東映アニメーション制作のアニメ。全50話。

概要

放送当時(2003年)から約100年前の時代、20世紀初頭のヨーロッパとエジプトを舞台に、主人公のナージャの母親探しの旅を物語の縦糸に据え、双子の少年フランシスとキースとの恋愛劇を横糸として絡めた意欲作として制作された。
作中でナージャが関わるエピソードの多くは貴族と平民、資産家と貧乏人などの社会的な身分格差に関わるものである。

しかし…

同じ放送時間帯で昨年までに放送されていたおジャ魔女どれみシリーズ、そして本作の一年後にスタートしたプリキュアシリーズと比べると印象が薄く、「どれみの次はプリキュアじゃないの?」「その間に違う作品ってあったかしら?」とまで言われてしまう始末。

というのも、この作品、「どれみ」「プリキュア」と違って、魔法などの特殊能力の類は全くといっていいほど登場せず、内容は歌と踊りと人間ドラマがメイン。
どちらかというと世界名作劇場に近い作風であり、絵柄がマイルドで内容もシリアスであるため、グッズ売り上げ・視聴率ともに大きな苦戦を強いられるなど、放送当時の評価は芳しくなかった(プリキュアのスタッフもこの事について言及している)。

が、ひとたび海外へプロモートされると、もともと海外を舞台にした作品ということもあって現地の視聴者には感情移入しやすかったらしく、様々な国に輸出されて広まって行き、かつての不遇が嘘のような大人気作品になってしまったらしい。
本作の劇中音楽は、2008年度にJASRAC国際賞を獲得するという快挙を成し遂げている。

数字的には伸び悩んだ本作であるが、あくまでも売れ線的な内容ではなかったというだけであり、放送当時に楽しんで観ていた視聴者の存在を忘れてはならない。
実際、2017年には続編にあたる小説が発刊されている。
本作を未だに愛してやまないファンが決して少なくないことの証明とといえるだろう。

本作の不遇っぷりはネット上で昔から散々ネタにされてきたため、「実際に観た事はないが名前だけなら知っている」という者は多いと思われるが、内容的には決して悪くない、というか「隠れた名作」であることを理解してもらいたい。
また、番組のOPを歌っていたのは本田美奈子だということも理解してもらいたい。

なお、これは余談になるが、本作が放送された03年は、「爆竜戦隊アバレンジャー」→「仮面ライダー555」→「明日のナージャ」…と、何かしら重かったり暗い要素、そして後述にもある強烈なキャラクターを含んだ番組が三作も立て続けに放送されることになったため、当時を回顧して「あの頃のニチアサはヤバかった」と評する者もいる。

あらすじ

イギリスの首都、ロンドン近郊のアップルフィールド孤児院で育った少女ナージャは、13歳の誕生日を迎えようとする頃に亡くなったと思われていた母親が実は生きていることを知らされ、母が初めての舞踏会で身に着けたドレスと母の日記帳を譲り受ける。孤児院を飛び出したナージャは、踊り子として旅芸人のダンデライオン一座に加わる。旅の途中でナージャはそのブローチを付け狙う2人組の探偵ロッソとビアンコ、ナージャが「星の瞳のナイト」と名付けたハーコート侯爵家の令息フランシス、そして世間を騒がせている仮面の怪盗黒バラと遭遇するのであった。

登場人物

ナージャ・アップルフィールド

CV.小清水亜美
本作品の主人公。アップルフィールド孤児院で育った、12歳(作中で13歳の誕生日を迎える)の少女。本名は『ナージャ・プレミンジャー』。
赤ん坊の頃に生き別れた母親を探すために、母縁の品々であるピンク色の宝石の銀指輪が仕込んだ赤と金のハート型のブローチ・ドレス・日記帳を持って旅を続ける。天真爛漫かつ行動的な性格で、人を疑うことを知らない純粋な心の持ち主。
ちなみに余談だが、彼女の名前である「ナージャ」は「希望」を意味するロシア語「ナディエージダ」に由来している。

キース・ハーコート(怪盗黒バラ)

CV.斎賀みつき
ナージャの前にたびたび姿を現す仮面の怪盗。
あくどい方法で金儲けをする貴族や金持ちから金を盗み、貧しい人々に与える、いわゆる義賊。

ローズマリー

CV.宍戸留美
ナージャと同じアップルフィールド孤児院で育った女の子。メイドとして惨めな生活を送りながらプリンセスになることを夢見ている。
しかし、ナージャが自分の思い描くプリンセス(貴族の娘)であることを知ってからは、歪んだ嫉妬心から性格が豹変してしまい、願いを叶えるためなら周りの人が不幸になっても厭わない性悪な悪女へとなってしまう。
同じ年に放送された『爆竜戦隊アバレンジャー』の仲代壬琴、『仮面ライダー555』の草加雅人と合わせて、『2003年ニチアサ三悪人』とも称する声もある。



追記・修正は生き別れの母親を探して旅をしながらお願いします。

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最終更新:2024年04月04日 14:00