Creepypasta(都市伝説)

登録日:2019/04/16 Tue 16:29:23
更新日:2024/03/09 Sat 21:31:43
所要時間:約 6 分で読めます





Creepypastaとは、英語圏のインターネットに流れる都市伝説や物語の総称である。
ネット上の創作怪談集とでも呼ぶべきものであり、基本的にはホラー・ゴア系な内容が主。
さらに現実味を加えて、実話という体裁を取るもの、読者に直接語りかけてくるようなものもある。
正確な起源は不明なものの、2000年代前半には既に発生していたらしい。
語源はクリームスパゲッティではなく、「creepy(気味が悪い)」と「copypasta(コピー&ペーストで広がる文章。
日本における「コピペ」と同じ意味)」の鞄語。

日本ではコトリバコくねくね八尺様、及びそれらが生まれた掲示板「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?(洒落怖)」あたりが和製Creepypastaに該当すると言えるだろう。
当wikiにたくさんの記事が存在するSCP Foundationも源流はこのジャンルとされる。



主なCreepypasta



スレンダーマン

ガリガリにやせ細った長身の男で、スーツ姿ののっぺらぼう。
背中から黒い触手を生やし、気に入った人間を追い回して連れ去るという。
アメリカでは、統合失調症と感応精神病の影響で実在を信じ込んだ少女2名による刺殺未遂事件まで発生している。
Minecraft』にはスレンダーマンを元ネタにしたエンダーマンという敵キャラが登場する。

このスレンダーマンは完全な創作物であり、創作者による著作権登録がされているため、勝手に商業利用したりすると叱られます。注意。

Herobrine

大人気サンドボックスゲームである『Minecraft』に登場する都市伝説
このゲームの基本スキンであるスティーブとほぼ同じ見た目をしており、目に当たる部分が白目になっていると言われいる。
ソロでしかプレイできない“シングルプレイ”のときに登場し、プレイヤーとほぼ同じ挙動をするらしい。
しかし、これらはホラージョークであり、実際にはMOBとして登場しない。
ただ公式側もこのネタを気に入っているらしいので画像や映像等で紛れ込んだりしているらしい。

Jeff the killer

少年ジェフはある日、弟と共に引越し先で不良に襲われた。
ジェフは連中を返り討ちにしたものの、暴行罪に問われ弟が身代わりに捕まってしまう。
ショックで落ち込んだジェフは両親に友人のパーティに連れて行かれる。
だが、そこへ乗り込んで来た不良たちに漂白剤を被せられ火達磨にされてしまう。
一命はとりとめたもののジェフの姿はすっかり変わり果て、その肌は真っ白になっていた。
しかし鏡で自分の顔を見た彼はむしろ見惚れ、両親と釈放された弟の前でニタニタ笑いながら口を裂き、まぶたを焼き切った。
弟が捕まった時から徐々に精神がおかしくなっていった彼は、遂に殺人鬼へと生まれ変わったのである。
そして両親を殺したジェフは「go to sleep」の言葉と共に弟すらも手にかけて……

……という創作怪談*1。というか、薬品を浴びて肌が白くなるというのは某アメコミヒーローのヴィランと同じ。
この話自体は知らなくても、「NNN臨時放送*2」の再現動画に出てくる、真っ白な顔でニタニタ笑っている怖い画像と言えば(ネット黎明期を生きた人なら)、ピンと来るのではないだろうか。あれがJeff the killerである。
国内外でも人気の高いキャラで、二次創作でイケメンに描かれたり、派生キャラとして弟が生きてたり、ジェフに同じ目に合わされ復讐鬼になった少女のキャラも登場したりしている。
お前はチャッキーか。

This Man

不特定多数の人間の夢に現れる謎の男。2006年頃から世界中の人々の夢に現れ始めたとされる。
This Manを研究するウェブサイトも作られ、「神が顕現した存在」や「企業が植え付けたイメージ」など、様々な説が唱えられている。
後に、イタリア人の専門家によるマーケティング戦略の一環だったと判明した(映画の宣伝だったらしい)。

ちなみに、漫画『地獄先生ぬ~べ~NEO』やドラマ『世にも奇妙な物語』ではこのThis Manがとあるエピソードで扱われた事がある。

sonic.exe

「I AM GOD.」

ソニック・ザ・ヘッジホッグの二次創作ゲームかつ都市伝説。
ある男が友人から貰ったディスクをプレイしたが、そこには凶暴な姿になりテイルス達やエッグマンを惨殺するソニックの姿があった。
恐怖を感じた男は電源を切ろうとするが、その背後にいたのは……

非常に多くの影響を及ぼした作品で、ソニック以外にもマリオ、ポケモン、カービィ、トイ・ストーリー、マイリトルポニーなどを題材にした、「exe(ゲーム)シリーズ」と呼ばれる派生作品が大量に作られている。
「ロックマンを題材にしたら紛らわしいことになるんじゃないか」としばしば話題になるが、ロックマンのexeゲームも実在する。
実際にゲームとして遊べるものも多いが、ウイルス紛いの挙動をするソフトもあるので注意されたし。

MOMO

大きなギョロ目と裂けて釣り上がった口が不気味な女。
彼女のSNSアカウントに連絡すると自宅に乗り込まれて食われてしまうという。
更にはこいつを悪用した「自殺教唆ゲーム」が存在するなんてウワサまで流れた(結論はガセ)。

このキャラの正体は妖怪「姑獲鳥」であり、造型クリエイターの相蘇敬介氏が制作した「怨念ガールズコレクション」の1つである(他に雪女や口裂け女もある)。
全身像を見ると、ちゃんと下半身が鳥の姿になっている。
要するに首をへし折ってくるアイツと同じ経緯だったのだ。
ただし、あちらと違い相蘇氏は許可を出しておらず、先の自殺教唆ゲームの件で謂れのない罵倒まで受けてしまったとか。
とんだ風評被害である。
現在ではキモカワ系キャラとして受け入れられており、たまに可愛く描かれたイラストも投稿されている。

Smile Dog

「Just spreading the word」

血塗れの人間の手を背景に邪悪な笑みを浮かべたハスキー犬の画像*3
掲示板やチェーンメールで広められ、見た者に悪夢や様々な症状を引き起こすと言われている所謂「呪いの画像」の類い。
「SMILE!! GOD LOVES YOU!」という題名のチェーンメールに添付されていたようだが、大本の画像自体は未だに発見されていない。

BEN Drowned

とある老人から貰った、「ゼルダの伝説 ムジュラの仮面」のカセットの話。
BENというセーブデータがあり、別のセーブデータを作って遊んでいた主人公はたまに「BEN」とNPCに呼ばれるのが気味悪くなりBENのセーブデータを消してしまう。
その後、紆余曲折を経てBENと思われる存在がぬけがらのエレジーのリンクの姿でゲーム内に現れ、幻覚やPC経由のCleverbot*4によって現実にも干渉してくるようになり……
主人公の近所でベンという少年の事故があったらしく、BENと思われる存在が現れたタイミングなどから彼が溺死(Drowned)したと主人公は推測している。
同じゲーム内の出来事というだけあって親和性が高いためか、これを題材とした「exeシリーズ」のゲームも存在する。

NES Godzilla Creepypasta

「still the best 1973」

語り手が懐かしのファミコンソフト『ゴジラ:モンスター・オブ・モンスターズ』*5を遊んでいると、突如画面がバグってゲゾラが奇怪な姿に歪み、本来いないはずのチタノザウルスやビオランテが登場する。
始めは没データが表れたのかと考える語り手だが、発売当時は企画すらないはずのオルガスペースゴジラまで現れた。
やがて血まみれのミイラのような怪物「赤」が語り手の恋人の死を嘲り、途中で自機に追加された「ソロモン」はデモで謎めいた発言をするなど、ただのゲームではないことが明かされていき……

……という話。
ゴジラのゲームにそんな悪魔みたいなのが混ざりこんでくる理由が日本人にはピンと来ないが、
海外では『ゴジラ(1984)』の没案『ゴジラの復活』に登場する怪獣「バガン」の情報が微妙に間違って伝わり、「『ゴジラVSザ・デビル』という没映画がある」という都市伝説になっているという背景がある。
話に出てくる「赤」も、水中形態や飛行形態を持つところなどがバガンと共通している。

呪いのタイピングゲーム「Mr.Mix」

「Mr.Mix」とは1990年代に発売されたという設定の実在しないタイピングゲーム。
表示される食材の名称を正確に入力することでMr.Mixの料理を完成させていくという内容。
内容だけ聞くと普通のタイピングゲームと思うだろうが、これには異常な点がいくつもある。
まず、難易度がおかしい。
このゲームにはレベルがあり、一つのレベルをクリアするごとに上のレベルに挑んでいく。
レベルにおける制限時間は共通して1分。
レベル1は10単語と簡単なのだが、加速度的に難易度が上がっていき、レベル5になると実に500単語を入力しなければならず、実質的にクリア不可能になる。
更にBGMも人間の叫び声を思わせるおぞましいもので、おまけにレベルが上がるごとにどんどん音量が上がっていき最終的にはスピーカーが壊れるほどになる。
これだけでも不気味なのだが、とあるハッカーがソフト解析によってクリア不可能なレベル5をクリアしたところ、異常事態が起きた。
パソコンの容量が一杯になるほどのファイルが書き込まれ、更にそれを削除しようとするとパソコンがクラッシュしてしまった。
ファイルは画像ファイルであり、そこには歪んだ人間の顔や引き裂かれた人といったグロ画像が映っていた。
このハッカーは程なくして失踪してしまった。
数年後、女児を誘拐しようとした男が逮捕されたのだが、その男は失踪したハッカーだった。
警察の取り調べに対して、男は「私はMr.Mixだ」と繰り返すだけだった……
という都市伝説。

検証するにはソフト解析ができるほどの知識が必要であり、検証は困難……かと思いきや、検証を行った有志がいる。
検証によると、レベル4をクリアしたらまたレベル4に戻ってしまったという。
つまり、レベル4の時点でクリア不可能であり、それ以上のレベルが存在しないらしい。
よって、「クリア不可能なレベル5がある」という部分からそもそもガセだったのだ。
また、そもそもその検証に使われたソフト「Mr.Mix」は都市伝説を元に近年製作されたものであり、「1990年に発売されたタイピングゲーム」というのが完全に嘘だった。
YouTubeには「レベル5をクリアしたら怪奇現象が起こった」というプレイ動画が上がっているが、これはこの噂を基にしたフェイク動画と見られている。
実際、最後の部分のグロ画像はネットで拾えるものばかりである。



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最終更新:2024年03月09日 21:31

*1 なお、この話そのものには元ネタの動画があったようで、現在主流の話は派生作品に近いとのこと

*2 深夜にTVをつけると人名を列挙したテロップが流れ、「明日の犠牲者はこの方です」と表示されて終わる、という怪談で、和製Creepypastaの一種

*3 もう1パターンとして顔の皮を剥いだような赤い顔に裂けた口で邪悪な笑みを浮かべているパターンも存在する

*4 人工知能を利用した1人チャットができるBOT

*5 1988年に発売された、ゴジラの海外版ゲーム