ドゥークー伯爵

登録日:2019/04/13 Sat 08:30:00
更新日:2024/03/21 Thu 18:42:05
所要時間:約 30 分で読めます






「わたしはどのジェダイよりも強い! ……あなたよりも……!」


【概要】

ドゥークー伯爵(Count Dooku)とは、SF映画『STAR WARS』シリーズのエピソードⅡ~Ⅲにて登場したキャラクター。
旧共和国末期を代表するジェダイマスターの一人であり、分離主義勢力および独立星系連合の指導者であり、シスの暗黒卿ダース・ティラナス(Darth Tyranus)であった人物である。

演じたのはイギリス映画界を代表する伝説の俳優、クリストファー・リーその人である。
日本語版の吹き替えは、これまた日本声優業界を代表する大御所、羽佐間道夫がメインで担当。

映画版と小説版などで描写にかなりブレのあるキャラクターだが、本稿では原則として映画版を基礎として解説し、ほかの媒体は補足として用いる。



【人物】

は元老院の腐敗ぶりはよく知っていたが、わたしと違い真実に気付いていなかった!」

旧共和国の末期に活躍したジェダイマスター。
エピソードⅡの時点で齢八十歳という高齢であった(つまりエピソードⅠでは七十歳、エピソードⅢでは八十三歳)。
種族は人間なので年齢の通りに老けこんでおり、退行した髪の毛も口からあごまでを覆うひげもすっかり白くなっている。眉だけはもともとの黒さが残っている。
年齢もあってか、劇中では普段は穏やかな好々爺としての顔を見せている。


しかし、ドゥークーは外面はともかくとして内面は確固たる理想を持った、誇り高い改革主義者でもあった。
ジェダイ時代の姿がほとんど描写されていないのだが、ジェダイ騎士団在籍中は評議会に対するもっとも強力な批判者であり、
すっかり腐敗堕落して半身不随に陥っていた銀河共和国や、それを愚直に守るばかりで硬直化し、さらには傲慢になってしまったジェダイ騎士団にも不満を抱き、常から改革を主張していた。
ヨーダの最後の直弟子であったという経歴や年齢、メイス・ウィンドゥすらもしのぐ実力、並ぶもののない知性・品性、外交交渉で遂げた数多くの実績など、非常に優れた人物でありながら、なぜか近年はジェダイ評議会にいなかったのも、この改革主義ゆえらしい*1


とは言うものの、彼の改革意識は実はジェダイにとっても共和国にとっても有益なものであった。
のちに彼が騎士団や共和国から離脱して彼らの腐敗・堕落を糾弾したとき、これに多くの人々が賛同の声を上げ、
分離主義に対するもっとも強力な反対者たち(=もっとも共和国を信奉する人たち)のあいだですらドゥークーの説得には道理があると認めざるを得なかったという。

対立しがちだったジェダイ勢でも、評議員のキ=アディ=ムンディや公文書館館長のジョカスタ・ヌーなど、彼を追慕するものは多かった。
彼らはEP2の中盤、すなわちドゥークーが騎士団を離れてから十年、分離主義を提唱して共和国に敵意を表明してから二年も経過した時期に、それでも彼への信頼や追慕の念を表明しており、ジェダイたちにとってのドゥークーへの信頼の篤さが垣間見える。



劇中のドゥークーはジェダイと共和国の「敵」、分離主義運動の旗頭としてしか登場しないが、
それでもグリーヴァス将軍ヌート・ガンレイ総督アサージ・ヴェントレスソーラ・バルクダージといった、有能だがクセが強くお互いの仲も悪いメンバーを相手にしながらも、おだやかかつ冷静な態度を崩さず静かに彼らを説得して束ねる、穏健なまとめ役としての様子が描かれている。

しかし彼はシスの暗黒卿ダース・シディアスの教えを受け、また自分からそれを受容した自覚的ダークジェダイであることも確かで、ときに非常に凶悪で嗜虐的な笑みを浮かべることもある。
独立星系連合についても、最初からシディアスの銀河圏支配の布石でしかなく、必要とあればその要人を暗殺することさえ辞さない。


そういった暗黒卿にふさわしい暗黒面とは裏腹に、ドゥークーは面倒見のいい性格でもあった。
優秀な訓練士(トレーナー)でもあり、グリーヴァスに直接剣術の稽古をつける、アサージに懸念を抱くシディアスに対して彼女のために弁護する、敵となった「孫弟子」のオビ=ワンについて仲間にしたいと考え続けるなどの一面もある。
カートゥーン版「クローン大戦」でグリーヴァスに稽古をつける場面では、厳しく鍛えつつも誉めるところは誉める、的確な指導をしている。
「突きがまともすぎる! もっと意表を突け! 何度も言ってるだろう。軸のブレに注意しろ! ……よろしい」
この作品は現在非正史(レジェンズ)枠ではあるが、ドゥークーがグリーヴァスに剣術を教えたというのは映画本編などでも語られている。

CG版「クローン・ウォーズ」では、弟子サヴァージ・オプレスの「自分には無理です、不可能だ!」という弱音に「できるできないは気持ちひとつ、決めつけてはならん!」と指導した。
ここはヨーダルーク・スカイウォーカーのやりとりに似ており、ドゥークーがヨーダの弟子ということが分かる。

ジェダイからすれば(そして、恐らくはシス転向後も)多くの凄腕を育て上げたまごうことのない偉大な指導者なのだが
彼のジェダイにおける直弟子クワイ=ガン・ジン、そしてジン以降の弟子筋が全員型破りで破天荒でおさまりがつかない困ったちゃんに育っているのは人徳なのだろうか?

EP2のジオノーシスの一件では生き残ったジェダイたちに降伏を勧告したり、断られると「残念だが」と本当に残念そうな顔で溜め息を吐いたり、ジャンゴ・フェットが討ち取られたのを見てショックを受けたり、オビ=ワンをできれば殺したくないと思い味方に付くよう説得したりと、意外と真っ当なところも残っていたりする。
戦争期に入ってからもオビ=ワンに対してはやたら好意的で、CG版「クローンウォーズ」でもアナキンよりずっと高く評価していた。
「さすがだのぅマスター・ケノービ! 敵ながらあっぱれよ。そなたの若い弟子はまだまだ甘いわ!」

また、EP3でアナキン・オビ=ワンとの決戦においては「この日を楽しみにしていた」本当に楽しそうな笑顔を見せていた。


ストーリー上は敵・悪役という立ち位置であり、時にはそれにふさわしく非道なふるまいもこなすものの、全体的に人のいいところが垣間見える人物である。
これは後付けではなく、最初に映画に登場したころからの特徴であった。


CG版「クローンウォーズ」でヨーダが見たとある幻想世界では、ドゥークーがシスになることもなく、中年のオビ=ワンとクワイ=ガンと仲良く談笑している光景が出現。

「マスターとはすばらしい冒険の旅をしましたよ。……行きましょう、マスター」

ヨーダもドゥークーの性格には違和感を覚えず*2、その理想ともいうべき光景に呑まれかけたので、ドゥークーの外面はむかしから穏やかだったこと、ドゥークーを弟子として本当に可愛がっていたことがうかがえる。


【能力】

「剣を渡すがいい。最高議長の前で恥をかきたいかね?」

優れたジェダイにしてシスである彼は、ライトセーバーの達人でもあった。
使用するライトセーバーは「カーブド=ヒルト・ライトセーバー」と呼ばれる独特なもので、柄が曲がっているのが最大の特徴。
この湾曲を利用して手首のスナップを利かせることで、変則的な軌道を描いての高い攻撃力や、鍔迫り合いにおける強力な瞬発力を発揮することができる。
この形状は若い頃から考案していたようだ。

ちなみに、シスになってからの光刃はシスとしての赤色だが、ジェダイ時代については緑色という資料と青色という資料があり、一定しない。
CGアニメ「Tales Of The Jedi」やオーディオドラマ「Dooku:JEDI LOST」のカバーイラストでは、青の説が採用されている。

フォームはもっぱら対ライトセーバー戦を想定したフォームⅡ「マカシ」を使用する。
当時剣舞の演目や、師が弟子を鍛えるための仮想シスを演じる程度しか使われていない中で、ジェダイ時代からこのフェンシングスタイルを極めた達人として知られていた。
なおグリーヴァスは「ジェダイの技はドゥークー伯爵からすべて教わっておる」と発言しており、他のフォームも一通り教導できる程度には習得している模様。


もちろんフォースの達人でもあり、加えてシスの暗黒卿となってからは暗黒面のフォースも用いて驚異的な強さを発揮する。
おそらく、長年培ったジェダイの知識とシディアスから教わったシスの知識を併用して昇華しているものと思われる*3
この強さは弟子たちはおろかヨーダも認めるほど。

特にライトセーバーとフォースを組み合わせた戦術が抜群にうまい風雲黙示録でも立派に通用しそうなぐらい。
劇中では、剣技で互角に渡り合える相手でも、剣技と同時にフォースの念力を使うことで不意を衝いて圧倒した場面が多い。

これらフォースの能力と剣術、経験を組み合わせた戦闘能力は年齢というハンデを完全にはねのけて高く*4、エピソードⅡではオビ=ワンとアナキンの師弟を立て続けに撃破し、そのままヨーダとの連戦になっても互角に渡り合ったほど。
エピソードⅢでも、さらに腕を上げたオビ=ワンとアナキンの連携を前に二対一にもかかわらず互角の激戦を繰り広げ、しかもオビ=ワンを失神させ一時戦闘不能に陥らせるほどだった。

カートゥーンアニメ「クローン大戦」ではすでに凄腕の暗殺者となっていたアサージ・ヴェントレスに二連続で圧勝し、CGアニメ「クローンウォーズ」ではフォースの申し子たるアナキンすら驚愕するほどのパワーや、アナキンを真っ向勝負で打ち負かすほどの高度な戦闘術を何度も披露。
戦争中盤、離反したアサージの奇襲を受けた際には、三対一・毒矢を受けて意識朦朧・謎の魔術で敵が見えない状態でありながら、アサージらの猛攻をはねのけ逆転してみせた。


交渉術にも長けており、ジェダイ時代は数々の難しい対立を解決してきたという。
これについては劇中でも独立星系連合を率いるのに発揮されており、彼がいるあいだは犬猿の仲のグリーヴァスとガンレイもおとなしくなるほどだった。


【来歴】

◆前歴

「忘れたか? きみの弟子なら彼はわたしの弟子だった!」

誕生は102BBY、惑星セレノーの支配者「伯爵」の家柄に生まれた。
幼少期にジェダイ騎士団に迎え入れられ、ジェダイ候補生時代は同期のサイフォ=ディアスらと共にテラ・シヌーベの受け持つクランで集団指導を受けたのち、ヨーダのパダワンとなり修行を重ねる。
なお、ヨーダがパダワンとして直接育てたのは彼が最後とのこと。
(レジェンズ設定ではサーム・セルリアンというマスターの弟子という設定もあった)

やがてジェダイナイト、ジェダイマスターと昇進していき、数多くの事件を解決する一方、クワイ=ガン・ジンを初めとする多くのジェダイも育成した。レジェンズ設定を含めるとほかにコマリ・ヴォサなどがいる。
ジェダイ最高評議会のメンバーだった時期もあり、のちにジェダイ評議会の長となるメイス・ウィンドゥとも友人となった。当時、メイスに勝てる剣士はヨーダとドゥークーだけだったという。
ちなみに、のちに達人と評されるクワイ=ガンでさえ、メイスには引き分けに持ち込むのがやっとだった。メイスに勝てたというのは本当にものすごいことなのである。
公文書館の館長を務めたジョカスタ・ヌーとは、友人である以上に愛情を結ぶ仲であった。

しかし前述の通り、銀河共和国の腐敗・堕落やジェダイの硬直化に対して異を唱え、改革を主張するようになる。が、彼の意見はジェダイ評議会は受け入れなかった。
のちのアソーカ・タノの冤罪事件やジェダイの顛末を振り返ると、その改革は必要なものだったのだが……


また、ジェダイ候補生時代の友人だったロリアン・ノッドに裏切られるという目にもあっている。
詳細はロリアンの項目に譲るが、この件でドゥークーは「友人といっても、心から信じるべき存在ではない」という思いに到ったという。
もっともこのロリアンの設定はレジェンズ分類のもので、現在、正史扱いではない(ロリアンの設定は再編の上サイフォ=ディアスに統合されている)。


◆分離主義運動の開始

「先ほどから申し上げているように、皆さんの支持があれば一万を超す星が、われわれの陣営に先を争ってなだれ込む」

やがて、自分の改革意識を受け入れない評議会や、腐敗堕落する一方の銀河共和国・元老院に失望したドゥークーは、七十歳にしてついにジェダイ騎士団を去ってしまう
これにより、ジェダイ騎士団を自らの意志で立ち去ったジェダイは二十人となった。「失われた二十人」と呼ばれ、ドゥークーはそのなかでももっとも偉大でもっとも痛手だったと評されている。
ちなみに、この離脱の時期についてはEP1と同じ32BBYの出来事であるため「エピソードⅠの少し前」と「エピソードⅠでクワイ=ガンが戦死したあと」という二つの説があったが、スピンオフ『Tales Of The Jedi』にてドゥークーの離脱は「クワイ=ガンの戦死直後」であったことが確定した。さらに言えばクワイ=ガンの葬儀が行われる直前であり、EP1と同時進行の出来事であった

それからのドゥークーは故郷の惑星セレノーに戻り、実家の伯爵の座と莫大な資産を手にした*5
しかしただでさえジェダイ評議会の固陋さや銀河共和国の腐敗に反発していたドゥークーは、いまさら辺境の資産家としておとなしくするつもりなぞなかった。そんなつもりがあったならジェダイ聖堂の奥で隠居していただろう。

ジェダイ騎士団の離脱から八年後、セレノーの支配者となった「ドゥークー伯爵」は突如、銀河共和国の放送をジャックし、共和国の腐敗・堕落を糾弾したうえで、銀河共和国からの離脱と独立を訴えた
この「分離主義運動」は、ドゥークーの名声や資産、思慮深さもさりながら、現実に共和国の不正・腐敗・硬直化に苦しめられて悩んでいた多くのひとびとの心を打ち、大量の星系や組織が加盟。
また、ドゥークーの組織に加盟しないながらも、共和国からも独立するという中立主義者も増えた。

いずれにしても、ドゥークーは銀河共和国の正義・正当性に対して正面から異議を突きつけた。
そして、それに賛同する多くの人々がいたのが、紛れもない事実である。


◆暗躍

「共和国の背信行為を、主はお許しにならん」

ところが、銀河のひとびとが知らない事実があった。
ドゥークーは、ジェダイから離脱する前よりシスの暗黒卿ダース・シディアスの接触を受けていたのである。
シディアスはジェダイに幻滅しきっていたドゥークーに目を付けて勧誘し、ドゥークーはそれに賛同したのである。
なお、シディアスは既に弟子としてダース・モールがいたにも関わらずドゥークーに接触しており、「二人の掟」に忠実な彼の思想を鑑みると、当初はシス・アプレンティス(弟子)ではなくあくまで手駒の一つとして、ジェダイ内部に潜ませたスパイを手に入れるのが目的だった可能性が浮上する。
プレイガス「シス二人だけで銀河支配は無理だって」

そんな中でモールとクワイ=ガンが同時に斃れた結果、愛弟子を失いジェダイへの絶望を決定的なものにしたドゥークーは空席となったシスの弟子の座に収まることとなり、これにより彼はシディアスから「ダース・ティラナス」の名前を戴いた。
時にドゥークーはジェダイに在籍したまま暗躍する裏切り行為に葛藤することもあったが、シディアスは「より大きな善に忠実なだけ」と丸め込んでいた。
もしもの話にはなるが、ナブー危機でモールが討たれなかった場合どうするつもりだったのかはシディアスのみぞ知るところである。


ドゥークーが行なった上述の「分離主義運動」も、基本的にはシディアスの策謀である。
一方、分離主義運動における演説は、清廉で高名なジェダイマスターとして共和国の表も裏も知り尽くしたドゥークーだからこそ為しえたことであり、また長いジェダイとしての知見も具えたドゥークーは、確かにシディアスにとってはこのうえないパートナーであった。
ただ一点、未来を託せないという点だけを除いては


また、シディアスは来たる銀河共和国の崩壊と再編のために、戦争を起こさせる準備を考えていた。
攻め込む側の用意は、もちろんドゥークーの分離主義運動である。
守る側の用意とは、銀河共和国の軍備である。かつ、来たるジェダイ絶滅も考慮に入れて、シディアスはクローントルーパー計画を利用することを考えていた。

そもそもクローントルーパー計画は、ドゥークー、クワイ=ガンとともにジェダイ評議会にて改革を主張していたジェダイマスター、サイフォ=ディアスが独自に温めていた計画だった。
サイフォ=ディアスはナブー危機の少し前、独断でクローン技術で知られる惑星カミーノに依頼し、クローン兵による軍団の製作を依頼していた。

正確には、当時EP1直前までサイフォ=ディアスは評議会の一員として、軍の必要性を訴えていたのだが、ヨーダやメイスを始めとする当時の評議会はこれを却下し、サイフォ=ディアスを除名してしまう。それでサイフォ=ディアスは見切りをつけて、独自に動いたという。
(なおこの点については、オビ=ワンものちに「評議会は間違った判断をしたわけですね」と評している)

ドゥークーはシディアスの指示を受け、かつての盟友だったサイフォ=ディアスを暗殺
彼の死後に「サイフォ=ディアス」の名でカミーノに顔を出し、クローントルーパーの製作を正式に依頼
さらに共和国やジェダイ聖堂の資料室に細工し、惑星カミーノの記録を完全に消去してしまった。

同時に「ティラナス」名義で、凄腕の賞金稼ぎとして名を馳せていたマンダロリアンの戦士ジャンゴ・フェットを雇い、彼の遺伝子をクローントルーパーのモデルとした*6
なお、ジャンゴとカミーノ側への認識のすり合わせのためか、近い時期にはカミーノ側に対しても「ティラナス」名義で連絡を取るようになったようだ。

そしてクローンにシディアスの対ジェダイ用計画、「オーダー66」を仕込むことにも成功する。
なお、この過程でカミーノの首脳部は「ティラナス卿」「オーダー66」の正体については相当知らされていたらしい。


ちなみに、ドゥークーの離反・ナブー危機・サイフォ=ディアス暗殺・フェット抜擢・クローントルーパーの用意・カミーノ隠蔽工作などは全部一年以内に起きたことである。
『Tales Of The Jedi』での描写から時系列を整理すると、

サイフォ=ディアスを始末・クローントルーパー計画開始

ナブー危機発生

カミーノ隠蔽

クワイ=ガン戦死

ドゥークー離反(シス襲名)

フェット抜擢
…となる。
移動した惑星だけでもセレノー・オバ=ダイア・ボグデンの月・カミーノ・コルサントを駆けまわったわけで*7、この老人活発すぎるだろう……

こうして、ドゥークーはジェダイを去ってからふたたび表舞台に立つまでの八年間、かつて所属しながらも離反した共和国の転覆のため、多くの手を打っていた。
そしてジェダイ騎士団はヨーダ、メイス・ウィンドウを初めとして、だれひとりとしてこの動きに気づけなかったのである。


◆ジオノーシスの戦い

ドゥークーは分離主義運動のため、より多くの星系や組織に参加を促していた。
このころには分離主義は単なる運動の域を超え、軍事的にも直接決起するようになっていた。
その軍隊創設のため、ドゥークーは巨大な財力を持つ銀河の組織にも召集をかけた。コマースギルド、テクノユニオン、銀行グループ、企業同盟、そして通商連合などに。
そのなかでも最大級の財力と軍事力を持つ通商連合の総督ヌート・ガンレイは、恨みのあるパドメ・アミダラ議員の暗殺を参加の条件として突きつけた。
ドゥークーはジャンゴ・フェットにそれを命じたのだが、暗殺は失敗したばかりか、それをきっかけとしてオビ=ワン・ケノービに惑星カミーノや惑星ジオノーシスに踏み込まれてしまう。
(といっても、ダース・ティラナスの計画としてはクローントルーパーなどはそろそろ気づいてもらわなければ困るくらいだったのだが)

幸い、オビ=ワンはまもなくドロイディカの小隊に捕えられ、救援にやってきたパドメ、アナキン・スカイウォーカーも捕縛に成功。
ガンレイ総督もドゥークーの計画に参加することを表明し、彼の計画はすべてうまくいった。

ちなみに、ドゥークーはここで捕らえたオビ=ワンに向けて、
「元老院はすでにダース・シディアスに支配されている」「ナブー危機の黒幕もシディアスだった」と明かし、その上で「きみも仲間となってほしい。いっしょに、暗黒卿を倒そう!」と訴えている。
オビ=ワンには強い口調で断られてしまうが、当時としてはかなり際どい真実を伝えてまで勧誘しているあたり、ドゥークーは孫弟子でもあるオビ=ワンのことがよほど気に入っていたらしい。断られた直後は悄然としていた。

捕らわれたオビ=ワンたち三人には(もちろんガンレイの意向もあって)ジオノーシスのアリーナで猛獣に処刑させることとなった。
猛獣たちが劣勢となるとドロイディカの中隊が投入されたが、その処刑の舞台にメイス・ウィンドゥ率いるジェダイの救援部隊二百人が飛び込んできた。
ジオノーシスのアリーナに、かつてない数の光刃が煌めいた。
が……

「パーティは終わりだ!」
「勇気は買うがね。愚かすぎるな、友よ。多勢に無勢だ」

このドゥークーの言葉通り、ジェダイは個々の能力では圧倒的だったものの、バトルドロイドの圧倒的な物量には叶わず大敗を喫してしまう。
二十人ほどに減り、しかも完全に包囲されたジェダイに対して、ドゥークーはバトルドロイドの動きを止めた。

「マスター・ウィンドゥ! きみらは勇敢だった。ジェダイの歴史に残る見事な戦いを見せてくれた!! だが……それも終わりだ。降伏しろ。命だけは、助けよう」

しかしこの勧告もメイスに拒絶されてしまう。

「では……残念だが友よ……」

哀しげな表情を見せながらも、ドゥークーはバトルドロイドに攻撃指令を出そうとした。

だが、そこにヨーダの率いるクローントルーパー二十万が乱入し、形勢は一気に逆転してしまう。
ダース・ティラナスとしてはあくまで「計画のうち」だったが、ドゥークー伯爵としてはガンレイたちとともに共和国の大軍団に驚いてみせた。
そして、ガンレイの総攻撃の意見も却下して退却を指示。
なお、このときドゥークーはジオノーシスの大公ポグル・ザ・レッサーから「究極兵器」の設計図を預かっている。
《あの設計図を見られたら我々はおしまいだ》
「では、設計図はわたしがコルサントに。主にお預けすれば、安全だ」



やがてガンレイら主要幹部が去ったあと、ドゥークーも自分用の船のデッキへと移動した。
そこにオビ=ワンとアナキンのコンビに追いつかれる。
オビ=ワンの制止を無視して一人で突撃してきたアナキンに対し、ドゥークーは当時だれも見たことのなかったフォースライトニングを放ちあっけなく倒してしまう。

「わたしの力は君等を遥かに凌いでおる。去れ。死にたいか」
「……試してみるさ……!」

続けてドゥークーは赤い光刃のライトセーバーを起動。慎重に戦おうとするオビ=ワンに八十歳の老人とは思えない剣術の冴えを見せる。
処刑場からの疲労もあって全力で力んでも防御が精一杯なオビ=ワンに対し、ドゥークーは湾曲した柄からのスナップを発揮。オビ=ワンの左腕左足を軽く打ち付けダウンさせてしまった。
倒れた孫弟子にとどめを刺そうとしたところに、フォースライトニングのダメージから立ち直ったアナキンに割って入られるが、

「勇敢な子だ。だがなにも学んでない……!」
「覚えが悪いんだ……!」

オビ=ワンのセーバーも受け取り二刀流で激しく斬りつけるアナキンに対して、ドゥークーは一刀流の剣術で正面から切り結ぶ。
一瞬の内に左のライトセーバーを破壊し、しばらく一刀同士で打ち合ったのち、アナキンの体が開いた隙を衝いて右腕を切断*8し、すかさずフォースで吹っ飛ばして失神させる。
しかし、一流のジェダイを二人立て続けに撃破した老シスもさすがに疲労は隠せず、溜め息を吐くのだが……

「マスター・ヨーダ!」
「ドゥークー伯爵」

ついにヨーダまでが戦場に到着し、グランドマスターとの一騎討ちになってしまう。
当初はフォースの念力や稲妻で戦おうとしたものの、決定打にはなりえない。

「まだまだ学ぶべきことは多い」
「……どうやらフォースの戦いでは決着がつきそうにありませんな、マスター。ライトセーバーで勝負を付けましょう」

ふたたび赤い光刃を起動したドゥークーと、数十年ぶりに緑色の光刃を起動させたヨーダがぶつかりあう。
「破壊の渦」とまで呼ばれるアクロバティックな猛攻をかけるヨーダだったが、ドゥークーも先刻よりもさらに激しくなった剣術で互角に渡り合ってみせた。

「腕を上げたのう、かつてのパダワンよ」
「まだまだ小手調べ……!」

ところが、ここでドゥークーは不意にフォースでクレーンを破壊し、倒れたままのオビ=ワン達に向けて倒した。
ヨーダはオビ=ワンたちを助けるために全力を使って落ちてくる重機を止め、ドゥークーはそのあいだに愛用の宇宙船に乗り込んでジオノーシスを脱出してしまう。


その後、ドゥークーは単身ひそかにコルサントに降り立つと、黒い布を来た老人――ダース・シディアスに、すべての計画が成功したと伝えるのだった。

「よい知らせです。戦争です」


◆クローン大戦・コルサント攻撃

クローン大戦のさなかは分離主義勢力、改め独立星系連合の指導者として活躍した。
共和国への攻撃を担うグリーヴァス将軍、バトルドロイドなど軍備を供給するヌート・ガンレイ総督、シスの道を学びたいと願う内弟子アサージ・ヴェントレス、銀河再編の情熱に燃える元ジェダイソーラ・バルク、二千年を生きる超生物の賞金稼ぎダージらを従えつつ、銀河共和国や暗黒街の親玉たちと互角に渡り合った。
独立星系連合も決して一枚岩ではなく、分離主義よりも己の利権のために争っている連中も多かったが、ドゥークーは彼らの態度をときになだめ、またさまざまな星や組織に連絡を取って粘り強く説得し、結果として多くの星系を味方に付けていた。

やがて戦争は大詰めを迎えていくが、ここでダース・シディアスはドゥークーに「パルパティーン最高議長を誘拐させる」という計画を命じた。
シディアスは「自分を餌としてアナキンとオビ=ワンをおびき寄せ、ドゥークーが二人を撃破し、アナキンは生け捕りにする」と説明していたらしい。

果たしてグリーヴァスは首尾よくパルパティーンを拉致し、旗艦プロヴィデンス級「インヴィジブルハンド」に運び込む。
やや遅れてオビ=ワンとアナキンも到着。ドゥークーも姿を現し、彼らとの戦いに臨んだ。

「この日を楽しみにしていた……!」
「このまえより僕の力は倍に増えていると知れ!」
「けっこう! 高慢の鼻を、へし折ってくれよう!」*9

前回の反省もあって、今度は完璧な連携で攻め立てるジェダイ二人だったが、百戦錬磨のドゥークーもライトセーバーの湾曲した柄を握って互角以上に渡り合う。
特にここで見せた剣術とフォース念力のコンビネーションは見事そのもので、正面のオビ=ワンをフォースの念力で持ち上げながら後ろのアナキンを蹴り飛ばし、そのまま念力でオビ=ワンを投げ飛ばすという驚異的な反撃を見せてオビ=ワンを破り、ついにアナキンとの一騎討ちに持ち込む。
そのまま優勢を保ち各個撃破の形で打ち破らん勢いだった。

「心に……恐れを感じるぞスカイウォーカー。せっかくの怒りも、憎しみも……利用しておらぬ!」

ところが、その言葉で逆上して怒りと憎しみのままに暗黒面のフォースを発揮したアナキンがすさまじい猛攻を展開。
彼の得意とするフォームⅤ「シエン」の、真髄というべき力強さと重さにドゥークーの剣の軸がブレた一瞬、アナキンのセーバーが急速に回転して、ドゥークーの両手首を切り落としてしまった
それは、まさにドゥークーが本来得意とした技のはずだった。


敗北し、驚愕したドゥークーの膝が崩れ落ちる。アナキンは宙を舞ったドゥークーのセーバーを左手に握って、青と赤の二本の光刃をドゥークーの喉元に突きつけた――

「いいぞアナキン! 見事だ!」
パルパティーンが喜びの声を上げた。――ダース・ティラナスの師匠である男が、笑いながら言い渡した。

「殺せ」

――痛みに震えていたドゥークーの顔が凍りついた。

「殺るのだ」

目を見開いたドゥークーが、年下の師父の顔と、光明面と暗黒面の境目で困惑する若いジェダイの顔を交互に見つめた。
この時ドゥークーは全てを理解した。この計画の本質は、アナキン・スカイウォーカーに「フォースの暗黒面の強さ」を実感させ体に理解させるだけでなく、「無辜の殺人」「冷静な殺人」を行わせることでジェダイの道を外れさせ、シスに転向させる切っ掛けとする事だったのだ。

かつて彼がシスに転向するにあたって殺したサイフォ=ディアスの立場に、いまドゥークーは立たされていたのだ。

「殺れ」

真実を理解したドゥークーは、両目をかっと見開いたまま、暗黒面の意識に苦悶するアナキン――自分の後任となるシス卿――がライトセーバーの光刃を交差させるのを最期まで見届けていた



ドゥークー伯爵、ダース・ティラナスの首が落ち、アナキンはダース・ヴェイダーへの道をまた一歩進むこととなった。


◆死後

「ドゥークー伯爵もいない今、お前に安全と言われても信用できぬ!」
「調子に乗るな総督。その細首ねじ切られたいのか!?」

ドゥークーの死により、独立星系連合の指導者の地位はグリーヴァス将軍に引き継がれ、また彼の死後はヌート・ガンレイに引き継がれることとなる。
しかし、元々思惑の異なる者同士が集まった烏合の集団に過ぎない独立星系連合は、まとめ役を失ったことで著しく弱体化し、最後は銀河帝国皇帝となったパルパティーン/ダース・シディアスが送り込んだダース・ヴェイダーにより壊滅させられることとなる。

一方、ドゥークーの死の直後からパルパティーンはこれまでの優しげな表情をかなぐり捨て、目玉を見開きシスとしての顔を本格的に見せるようになっていく。
アナキンもまた、無力化して抵抗もできないドゥークーを、自分の意志で理性的に殺害したことが精神的なショックとなり、いよいよジェダイの道を外れてシスの精神へと近づいていくこととなった。



そして、ドゥークーの死から二十年余りの歳月が経った後。
弱くなった古い弟子を贄として、より強い新しい弟子を迎え入れる」という劇は、もう一度繰り返されようとしていたのだが……


【各媒体】

◆CGアニメ「Tales Of The Jedi」

主要人物の一人として、全6話中3話に渡ってジェダイ時代のドゥークーが掘り下げられる。





◆CGアニメ「クローンウォーズ」

「ジェダイの護衛団全員を相手にするのはちと苦労だが……彼らも去った今! ……そなたひとりを打ち負かすことなどいと易い……!!」

出番は少なめだが、そのぶん活躍は冴える。
こちらでは、自分の資産を出来るだけ運ぶためだけに撤退命令に背いて残り続けるテクノユニオンの監督ワット・タンバーに対してギリギリまで諫める様子が描かれており、司令ドロイドが見限り爆撃に巻き込むことになっても残念そうな様子を見せている。
アサージに対しても、失敗したことを咎めるシディアスに対して彼女のために弁護するなど、やっぱり面倒見がいい。

とはいえ弟子の前では厳しい師匠の姿を貫き失敗したことへの罰や叱責は辞さない。
アサージ曰く相当なスパルタであったらしく、失敗が続いたグリーヴァスには不甲斐なさを咎めて、グリーヴァスお気に入りのアジトにジェダイをわざわざ誘き寄せる回(グリーヴァスの方もこれには「ジェダイを倒せというのに、貴方はドロイドしかくれない」と怒った)もあり、甘いだけではない。

もっとも、締めるべきところは締めて緩めるところは緩める指導方法は見事であり、良くも悪くも癖の強い二人もドゥークーには一目も二目も置いていた。
指導が厳しいというのも、どんな分野であれ「一流」を目指すのならば、人生観が覆るほどの激しい修業は必須だろう。半端に「配慮」するような生温い稽古では「そこそこ」までしか育たず、真の使い手は決して生まれないのだ。
そして、真のシスを目指すアサージにとっては、厳しい修業であってこそやりがいがあり、伸びたと思われる。
そもそもシスの修行自体が、相応に厳しいもののはずなのだから*10


ただ、展開が共和国サイドに重点を置いていたため、敵側の最高指導者ドゥークーが出てくることは少なく、ほとんどは冒頭の説明シーンかホログラム越しだったりもする。
例えば、プレ・ヴィズラのエピソードでは終始ホログラムか名前のみで、本人が出てきたことがない。


中盤、腕を上げたアサージが、シディアスにとって容認できない脅威と映ったため排除を命じられた時には、懸命にシディアスを諫めようとまでした。師に対して色を成して反論する彼の姿は意外でさえある。
「恐れ入ります、いまや欠かせぬ存在に……」「マスター…!!」「あれは誰よりも信頼できる……!!!」

普段超然としたシディアスが怒鳴りつけてまで命令したため、ついには屈することになったが、それもかなり忸怩たる様子であり、敵対関係となって表向きは冷徹一辺倒の態度を取りながらも、ところどころで辛そうな様子や悲しげに眉根を寄せる姿を見せている。
この件はよっぽどドゥークーに影を落としたらしく、のちに新たな弟子としたサヴァージ・オプレスにはシディアスに対する謀反まで打ち明けていた。
アサージを切り捨てさせられる前はそこまで考えていなかったはずである。もしそうなら、アサージを手放すことはせず、因果を含めて死を偽装させたはずだからだ。
ドゥークーにとってアサージを奪われたことは、シディアスへの忠誠心さえ揺らぐものであったのだ。

なお本作では、サヴァージに対してフォースの稽古をつけている様子が描かれている。「大戦」におけるグリーヴァスへの稽古と同様、厳しくも的確なものだった。
「生け捕りにしろ」と命じた相手をサヴァージが殺して連れて帰った時には「この愚か者の野獣がッ!!!」と見たことないぐらいの剣幕で怒ったが、それはそうだろう。
彼はアサージによるドゥークー暗殺の伏兵だったのだが、彼らを派遣したマザー・タルジンはアサージ本人の「準備不足」という意見も抑えて計画を急がせた。長くドゥークーの下に置いておくと、サヴァージが完全にドゥークーに心服することを警戒していたようだ。


本物のシスとしての実力の高さは相変わらずであり、アサージはどれだけ強力な戦力が一緒でも返り討ちに遭い続けた。
ダソミア討伐ではマザー・タルジンの呪術によって激しい苦痛に悶絶しながらもグリーヴァスに指示を出し、耐えきって見せた。
「緑の霧を追え」と命じているが、その霧は通信では見れていないはず*11なので、あれだけ苦しみながらフォースでの探知をしたようである。
何度かアナキンとも交戦しているが、毎回実力と実戦経験の差を見せつけて圧倒している。

シーズン1の12話「グンガンの将軍」にて、ひょんな経緯で宇宙海賊ホンドー・オナカーにアナキン・オビ=ワンと共に捕まった際は、アナキンからジョークで「おじいちゃん」扱いされて少し憤慨していた。確かに曾孫弟子だけど

「異様に縦長な頭部」「異様に険しい顔つき」と、クリストファー・リーの顔が全然再現されていないデザインなのも特徴的。


◆小説『ターキン』

「私は見識のある指導者に統治された銀河の実現を決意しているのだ。普遍的に適用される法がある世界――コア・ワールドだけでなく、アウター・リムまでも守る法でね」

EP3の五年後を舞台とした正史扱いの小説『ターキン』では、本編時間軸より過去の人物ながらも回想の形で登場。
時系列は、ドゥークーがジェダイ騎士団から離反して八年後、伯爵となって分離主義運動を始めていたが、まだジオノーシスの決戦には至っていなかった時期。
ウィルハフ・ターキンが支配していた惑星エリアドゥを独立星系連合に参加するよう説得していたが、ターキンには最後まで拒まれてしまう。
しかしドゥークーはなぜか「最後の最後にきみと私は、同じ屋根の下にいるような気がする」とターキンに親近感を抱いており、やがて戦争になっても出来る限り彼の故郷に戦火が及ばないように手配することを約束していた。
また上記のセリフで仄めかしているが、シディアスの持つ銀河帝国の企画を、ドゥークーもちゃんと理解していた模様。


◆カートゥーンアニメ「クローン大戦

非正史(レジェンズ)枠となってしまったが、クローン大戦を描いたカートゥーンアニメ『クローン大戦』にて、出番こそ少ないものの要所要所で登場。

アサージ・ヴェントレスを抜擢し、グリーヴァス将軍に剣術の稽古を付けるなどの内向きの統率をする様子や、もとジェダイの知識を活かして、ライトセーバーのクリスタルを採掘する寺院を襲撃させるなどの様子が描かれている。

特に、アサージに対しては圧倒的な実力を見せて軍門に下す、グリーヴァスにはライトセーバーの指導で圧倒するなどしており、当時の敵側戦力としては間違いなくシディアスに次ぐ地位にあった(アサージには二連続で勝利し、彼女をして「負けた。殺すがいい」とまで言わせている)。

なお、本作はいちおうレジェンズ枠に入っているが、CG版「クローン・ウォーズ」とは矛盾しない内容となっており、グリーヴァスの稽古は映画本編でも触れられているので、参考にはなる。


◆小説版『EP3』

(わたしは人間の帝国に仕えるのだ。
そう、わたしはわたしだけに出来るやり方で仕える。そうするために生を得たのだから)

いまは非正史(レジェンズ)枠となった小説版ではキャラが大きく異なる。
貴族としての出自と、フォースセンシティブの雄たるジェダイとしての立場の両方を自分の優越性の証とみなす、エリート思考や選民思想をひどくこじらせた人物である。

上記の貴族主義が転じて差別的な人間至上主義者とされ、グリーヴァスやガンレイたち非人間種族を心の底から軽蔑して「人間の帝国」を希求する、シディアスやモール、グリーヴァスとは違うベクトルで歪んでいる人物とされている。
端的に言えば、「思い上がりの強いエゴ老人」という扱い。
また実際に高い実力も備わっているので、一概に老害と言いきれないのもタチが悪い。

また、パダワン時代に経験した苦い出来事から「人は絶対に裏切る」「最初から他人を信用しなければ喪失の苦しみを味わわずに済む」と言う人間不信に近い心情も持っており、弟子であったクワイ=ガンにも事あるごとに「友情に対する警戒」を口酸っぱく説いていた。(当のクワイ=ガンがどう感じたかは不明だが、剣やフォースの腕はともかく、少なくとも人間不信の点は受け継がなかったようである。)

正史扱いの作品においては、かつての善性を捨てきれず、要所要所で人の好さが見え隠れする人物として描かれていたが、小説作品においては少なくともシスとなって以降はどこまでも利己的かつ冷徹。
その絶対的な実力と深謀遠慮ゆえに崇拝しているパルパティーンと、もと師匠として一目置くヨーダ(もっとも、「お前もこちら側に付けば良いのに」と言う侮蔑と哀れみ混じりの感情ではあるが)、既存のジェダイに対する反抗心や疑問と言う点で(愛情への理解という点で大きな隔たりがあるが)愛着を抱く弟子のクワイ=ガンを除けば、ほとんどの存在を拒絶し軽視している。

上記の価値観ゆえに、相対する敵に対しても貴族としての優美さや格式を求めるため、オビ=ワンのように礼節を備えたジェダイを好ましく思う反面、アナキンやモールが示すような未熟さや無鉄砲さを粗野と見なす。
アナキンの潜在能力の高さは認めてはいるものの、こういう評価基準ゆえに、どちらかと言えば彼のことを檻の中の獰猛な獣として嫌悪している。
ジェダイのことを単に嫌悪するでもなく、ある種の理想像を偏執的に求めているともいえる。

グリーヴァスを直々に指導したのも
「穢れた戦争という行為の実行を穢れた生物へと押し付ける上で、効率的に事を為すため」
「(自身の格たる貴族の証とも言える)ジェダイの象徴ライトセーバーを扱わせる上で、無様な剣士など見るに堪えない」
といった具合に、あくまで自分の面子と都合の為に体裁を整えた。という趣旨の行動である。


また、コルサント襲撃作戦については
『パルパティーンを餌としてアナキンとオビ=ワンをおびき寄せ、ドゥークーは適度に手加減してまともな勝負が成立している演技をしつつ、アナキンの敵愾心や闘争心を煽る。
そうして頃合いを見て、ドゥークーが本気を出してオビ=ワンをあっさり殺す。
そうすれば、アナキンは怒りと闘争心に任せてフォースの暗黒面の力を使うだろうから、そこでパルパティーン=シディアスが正体を明かしてアナキンをなだめ、彼をドゥークーに代わる弟子とする。
ドゥークーは年齢的にも体力的にも限界があるので、共和国の捕虜となるという体面で舞台を降りる。
その際、完璧な英雄となったアナキンに、ドゥークーへの理解を示しつつ彼を擁護させ、同時にジェダイの瑕疵を批判させてパルパティーンの支配を絶対的なものにする為の舵切りをさせる。
そうして人間による帝国が生まれた後、愚民の制圧はアナキンに押し付けて彼を働かせつつ、自分は帝国の重鎮としてのポストを皇帝パルパティーンに用意して貰って、悠々自適な余生を過ごす』
という計画だったとされる。

小説においてはドゥークーの出番はアニメ「クローンウォーズ」より遥かに控え目だったこともあって、今よりもさらに突出した存在として扱われていた。
そのこともあり、ドゥークーの自分の力量への自信はより強固。
EPⅢにおいては
「アナキンとオビ=ワンの相手なぞ赤子の手をひねるも同然。メイス・ウィンドゥがいて三対一にでもなれば、まあまともな勝負になるだろう」
と予測するほど。
ドゥークー自身はジェダイ有数の達人であるが、しょせんは自身が見下していた他の勢力やジェダイ達と同じく、従来の価値観が固着した頑迷なまでの過信でしかなかった。

実際ドゥークーも、戦闘が始まるやすぐさま二人の真の実力に気付き、見識を改め、善戦するものの内心焦燥に駆られる羽目になった。

全体的に、小説版EPⅢでは、「既に80歳を迎え、理想をひたすら追い求める人生に疲れてきた」「パルパティーンに対して、畏怖以上に絶対的な信頼を寄せている」点を強調されている。
屈強な戦士よりも貴族としての礼節を重んじ、過大なほどの自尊心や独善的な理想に縛られた人物として描写されており、映画本編や正史を描いた後発の作品とは方向性が大きく異なる。


ただし実力自体はやはりシス卿にふさわしいものがあり、まずは本気の高速回し蹴りとフォースプッシュの追撃でオビ=ワンを撃破。
怒りをトリガーに完全に戦闘モードに入ったアナキンに対しても、圧倒されながらも彼の精神状態を正確に洞察。
「完全に戦闘モードに入れば、怒りに任せて何をしでかすかわからない自分」に対してアナキンが不安と恐怖を抱いていること、してそれが一種の自制心となっていることを読み取った。
そこでドゥークーは「貴様からは恐怖を感じるぞ。恐れ知れずの英雄などと呼ばれているようだが、それは偽りだ」とわざと指摘。アナキンが内心で「ドラゴン」と呼んでいた「自分への不安と恐怖」を思い起こさせて勢いを自制させることに成功し、再び優位に渡り合う。

しかしそこでシディアスが介入。「怒りを解き放て、利用するんだ!!」と応援し、アナキンを再び戦闘モードに戻し、その枷を解き放ってしまう。
ドゥークーはシディアスがアナキンの才能を解放したことに驚愕し、自分が利用されたことを悟り始める……

一方、アナキンはこのドゥークー戦を通して「自分への不安と恐怖」を克服し、抑えていた自身の才能を引き出すようになる。
それこそがシディアスの狙うシス卿としての教育であったが、その「枷」を外したアナキンは暴走し、嬉々として殺戮を繰り返した挙句に道を踏み外し、愛する者たちを失って黒いサイボーグに成り果てる。
その段に至って、アナキンは生前にドゥークーが指摘した「ドラゴン」が自分にとって掛け替えのないものであったと悟る。
ドゥークーはアナキンを「激情に任せてフォースを行使することの天才だが、その時に何をしでかすか本人もわからず、恐怖している。その恐怖が彼をかろうじてジェダイに留めている」と分析した。それは実に正鵠を得たものであった。


◆その他のレジェンズ作品

ただ、ゲーム「ジャンゴ・フェット」ではそこまで傲慢なキャラ付はされておらず、かつてジェダイ時代の愛弟子だったコマリ・ヴォサの暗殺依頼を出し、ジャンゴ・フェットが達成するのを見守る一方、
そのコマリがジャンゴに敗れたのを見届けるとわざわざ割って入るように自らの手で殺害し*12、と思えば死んだ彼女のまぶたを手ずから閉じさせ、さりげなく「優秀な弟子であった、ただ少し不安定であったが」とフォローするような言葉を残すなど、映画本編のような情愛を見せている。

「うむ……きみの攻撃は……意表を突く」
「わたしは老齢がもたらす益を一度ならず口にしたが、それには好ましくない点もある。老いたものは自分のやり方に心地よくおさまってしまう。しかし、きみは……きみはまだわたしを驚かせる。まだ思いがけないものを秘めている」

レジェンズ時代の小説作品でも、場合によっては彼の人間性が描かれる場合もあった。
特に小説「暗黒の会合」では出番や描写が多く、ジェダイの少年だったころの思い出が描かれたり、
戦死したジェダイの遺品を見て感傷にふけったり、うっかりこぼしたワインを誰のせいにもできず拭き続けたり、
独断専行の果てに計画を潰しかけたアサージに笑顔でブチ切れる一方、彼女の思わぬ発言から、自分の老いの弊害を再発見しつつアサージの才能を認めて処刑を取り下げたり、
ジェダイに手放した息子を今さら取り戻そうとする「母親」に、「人の子」として心の底から怒ったり、
アナキンが嫌いなのは同じ年頃の自分と似すぎるがゆえの同族嫌悪だと語ったり、ヨーダに一度でいいから感情を出してほしいと願ったりと、
闇も光もあるドゥークーのいろいろな顔が見える。

「そう。わたしを感じるがいい。わたしの裏切りを! あなたは長いことわたしを教え、育て、信じてきた。だがお気に入りだったわたしは、あなたの大切なジェダイを一人ずつ殺している。わたしを憎むがいい、ヨーダ! そうしたいはずだ!!」


【余談】

◆演者との関係

演じたクリストファー・リーは、エピソードⅡ放映当時八十歳。エピソードⅢ放映当時は八十三歳になっていた。
これは奇しくもドゥークーの設定年齢と一致する。
加えて、クリストファー・リーはイギリス軍陸軍中佐の父親と、イタリア系名門貴族系の母親(祖先はなんとカール大帝にさかのぼる家系!)の血を引き、人格もあまりに紳士しすぎて新人は接し方に困ってしまう程の「名実共のエリート」である。
さらに剣術・馬術の達人であり、七か国語にも通じるという。
さまざまな経歴がドゥークーと似ており、ふたりはまさに「分身」のようなものだった。

また、クリストファー・リーは若い頃「ドラキュラ伯爵」で知られたが、そのライバル「ヴァン・ヘルシング博士」を演じたピーター・カッシングは、かつてエピソードⅣデス・スター司令官・大総督ウィルハフ・ターキンを熱演している。
残念ながら共演する場面はないが、「Ⅱ」でドゥークーが将来ターキンの勤務するデス・スターの設計図を預かったりしているほか、
正史扱いのスピンオフ小説「ターキン」ではドゥークーとターキンが直接面会していた過去が描かれた。


クリストファー・リーは上記の通りドゥークー役としてすべての素質を具えていたが、高齢のためさすがに飛び跳ねるような殺陣はできず、スタントマンが殺陣を行ない、そこにリーの頭を合成して映像作品としている。
しかし本人だけのアップシーンの殺陣は自分がこなしていたらしく、その剣裁きはさすが大ベテランの迫力がある。
エピソードⅡにて、オビ=ワンとの剣劇のさなかに見せた極悪の笑みは、かつての『ドラキュラ伯爵』を筆頭として長年悪役を演じてきたクリストファー・リーの真骨頂といえる。

また、ドゥークーの剣劇を演じたスタントマンはカイル・ローリング氏。
他にもCGキャラに代用されるアクターを担当しており、ブルーバックやグリーンバック対応の服を着用して、
グリーヴァス将軍やマグナガード、対メイス・ウィンドゥ戦のシディアスらの殺陣を演じ、あとからそれぞれのキャラクターを合成している。
本人もジオノーシスのモブジェダイとして顔出しで出演。


◆その他

  • 名前の由来
演者のクリストファー・リーいわく「ドゥークー」という名前の由来は「日本語の『毒』」らしい。
また「ダース・ティラナス」は古代ギリシャの僭主を意味する「タイラント」に由来する模様。

  • 年齢
ドゥークーの年齢だが、実は一番弟子のクワイ=ガンとはそんなに離れていない。
エピソードⅠの時点で、ドゥークーは七十歳、クワイ=ガンは六十近くで、年齢差は十歳ちょっとなのだ。
ドゥークーがクワイ=ガンをパダワンにしたのは二十代前半のころだったらしく、関係的にはオビ=ワンとアナキンのようなものだったのかも。
一方、師であるシディアスとは完全にドゥークーのほうが年上。年齢差はざっと十八歳。

  • 時系列
シディアスの弟子になった時系列が微妙にわかりづらい。
一説には「ダース・モールの弟子時代からシディアスと接触していた」とも「クワイ=ガンの死をきっかけとして共和国を離れた(=「Ⅰ」当時はジェダイ騎士団にいた)」とも言われ、よく分からない。
非正史のスピンオフ小説「ダース・プレイガス」では後者の説が取られていたが、後年の「Tales Of The Jedi」ではEPⅠ当時既に内通者だったが、正式にシス卿になったのはクワイ=ガンの死後として両方の説が採用された。

  • ドゥークーの死亡シーン
当初は「貴族の誇りも捨てて命乞いをするが、殺される」という脚本だったらしい。小説版ではそちらが採用されている。
しかしクリストファー・リーが「それはドゥークーのキャラクターではない」として反対し、驚愕しつつも真実を悟り、死を受け入れるという展開に変わったという。

  • ライトセーバー
フェンシングの様な剣技に合わせ、ドゥークーのライトセーバーは柄の湾曲した特徴的なものだが、アサージ・ヴェントレスも同じく曲がった柄のセーバーを用いている。
「クローン大戦」ではドゥークーが作って渡したものとされており、それ以前の彼女は通常の(柄の曲がっていない)ライトセーバー二本を使用していた。

  • 二刀流
弟子の内、コマリ・ヴォサ、アサージ・ヴェントレス、グリーヴァスの三人が二刀流である。
ドゥークー自身も二刀流を修めており、最終的にカットされたが「EP2」ではヨーダとの戦闘でアナキンのライトセーバーを拾いつつ二刀流で戦うシーンが撮影された。
尤も、別に「二刀流が本気で一本は手加減プレイ」ということではなく、「普段は愛用のセーバー一本で戦った方が強いが、必要となれば二刀流も出来る」ということだろう。
わざわざアナキンのセーバーを拾ったことからすると、シディアスのように二本携帯しているわけではない様子。

  • アナキンの父説?
上記の通り、その最期は「ルークがヴェイダーを殺すことを拒否する場面」と対照になっており、
その対応関係から「実はアナキンの父なのでは?」という噂が広まったりしたが、今のところ公式からの発表はない。

じつはヴェイダーは旧三部作当時(翻訳的には「アナーキン・スカイウォーカー」だったころ)には「サイボーグになる前は政治的な理想主義者だった。しかし理想と現実のギャップに悩むうち、暗黒面に落ちた」と説明されていた*13
ドゥークーは「高潔な理想主義者だったが、共和国や騎士団の現実に失望してシス卿に転向した」という設定であり、その意味では旧三部作当時のアナキンの継承者とも言えるかもしれない。
そう思うと「アナキンと似ているところがちらほらある」*14のも自然なことかもしれない。





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最終更新:2024年03月21日 18:42

*1 昔は最高評議会に在籍して主導していた時期があったようである。ただEP2までオビ=ワンと直接語り合ったことがなかったと本人も発言しており、EP1時点で評議会を離れて久しかったようだ。

*2 ヨーダが幻想と認識したのは「クワイ=ガンたちは過去に死んでおり、ドゥークーは現在敵である」という現状とのギャップであり、「ドゥークーはこんな性格ではない」という理由ではない。

*3 とあるコミックでは、シスに転向してからも「なんと皮肉なことだ、ヨーダの教えがいまも有用であろうとは」と回顧する場面がある。

*4 ヨーダとシディアスしかり、やたら元気なおじいちゃんが多いシリーズなので誤解しがちだが、フォースの使い手といえども肉体の衰えは能力の衰えに直結する。前後のエピソードを見ても、あのクワイ=ガンもオビ=ワンも加齢からくる衰えは隠せなかったほどで、ドゥークー自身も作中では戦闘後にため息をつく様子も多い。

*5 どうやって伯爵位を獲得したのか詳細は不明だが、レジェンズ小説「ダース・プレイガス」ではもとから襲名の権利があったことと、一族の同意を取り付けた旨の発言がある。

*6 ジャンゴの選定について、レジェンズ分類のゲームではドゥークーのジェダイ時代の弟子だが暴走して犯罪組織の女ボスになっていたダークジェダイ、コマリ・ヴォサの討伐を依頼したことが描かれた。

*7 シディアスですら基本的にはコルサントを離れていない。まあ彼は衆目を浴びる立場だからでもあるが……

*8 ちなみにこの腕を斬られるシーンはアナキンが腕を相当大きく開いており剣戟中の動きとしては少々不自然。ドゥークーがフォースで崩しを入れたのだろうか?

*9 この場面のドゥークーはセリフ通りにめちゃくちゃ明るい笑顔を浮かべている。

*10 レジェンズ小説でシスの修行が明かされているが、いずれも厳しいものばかりである。若きシディアスは最初にブリザード吹き荒ぶ惑星で裸に剥かれ、しかもプレイガスは「気持ちはわかるぞ、やめてほしいだけだろう。私もそうだった」と言い、ティラナスも後年「シスの修行と罰は思い出したくない」と回顧した。カノン小説ではターキン一族の修行を指して「シスの修行ぐらい意義がある」とも示されている。

*11 作中のホロカムでは、通信相手の姿は映るが、背景は映らない。そのため緑の霧は見えない。

*12 状況的に放っておいてもよかったはずである。殺す直前、ヴォサに居場所を明かされかけたが、ドゥークーはすぐ顔を出したから口封じの意図もない。

*13 EP4で「理想主義者だった君(ルーク)のお父上」というオビ=ワンのセリフや、小説「帝国の影」における「愚かな理想主義者だった頃の自分には戻りたくない」というベイダーのモノローグなど。

*14 「ジェダイからシスに転向」「一番弟子を失ったことが暗黒面に落ちる一因」「シディアスが後任の弟子を得るために命を利用される」など。上記の通り、あるレジェンズ小説ではドゥークーが「アナキンは若い頃の自分そっくり。だから同族嫌悪を抱いている」と語っている。