坂本浩一

登録日:2019/04/07 Sun 15:19:45
更新日:2024/04/14 Sun 07:45:21
所要時間:約 7 分で読めます




坂本浩一は、日本アメリカ合衆国・ニュージーランドで活動するスタントマン、映画監督、プロデューサー。
スタントマンとしてはアルファスタント所属。


【概要】

出生地は日本・東京都足立区千住であるが、後にアメリカ国籍を取得した為、日系アメリカ人となっている。
高校卒業後に映画監督になるためにアメリカに渡り*1、現地のカレッジに入学。

カレッジ在学中、ジェフ・プルートと知り合い、プルートの個人アシスタントを経て「ジェフとコーイチ」として活動していたが、
坂本の知名度が上がるに連れてプルートとの関係が悪化、ある映画の撮影中に起きたトラブルが原因でプルートとの関係を解消するに至った*2

あの出来事が尾を引いていたのか、『パワーレンジャー』のスタッフが「ジェフとコーイチ」と会いたいと言っている話を知人から聞き、プルートと共に面接を受けるも、
同作でアクション監督に決まったプルートとのトラブルを避けたいとしてアシスタントの依頼を辞退しており、後に同作のアクション監督の依頼も同様の理由で辞退する意向であった。

しかし、プルートが降板した事が切っ掛けで*3第2シーズン終盤からアクション監督を担当*4し、『パワーレンジャー・ジオ』にて本格的に参加する事となった。

『パワーレンジャー・イン・スペース』からはローテーション監督となり、『パワーレンジャー・ロスト・ギャラクシー』以降は共同プロデューサーに名を連ねる。
『パワーレンジャー』の撮影地がニュージーランドに移った2002年より同国に移住し、『パワーレンジャー・ニンジャストーム』以降は共同製作総指揮、『パワーレンジャー・S.P.D.』からは製作総指揮となる。
2009年の『パワーレンジャー・RPM』でパワーレンジャーシリーズが2年休止となり、日本へ一時帰国。『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』で監督を務め、日本での特撮作品に初参加となった。
ちなみに『ウルトラマンオーブ 完全超全集』のインタビューによると『ウルトラマンオーブ』の頃は本編、『THE ORIGIN SAGA』『ウルトラファイトオーブ 親子の力、おかりします!』で3回もオファーをかけられていたらしく、円谷プロには重宝されている様子*5
その為、世界同時配信の大規模企画である歴代ウルトラマンの共演作品『ウルトラギャラクシーファイト』シリーズでは全編の監督を任されている。

『ウルトラ銀河伝説』の制作後、『パワーレンジャー』の制作で親交のあった塚田英明Pからのオファーで『仮面ライダーW』本編、劇場版Vシネマの監督を務め、
その後も『仮面ライダーフォーゼ』『獣電戦隊キョウリュウジャー』『ウルトラマンギンガS』『ウルトラマンジード』『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』のメイン監督を担当。
更に『宇宙刑事 NEXT GENERATION』『スペース・スクワッド』といった宇宙刑事シリーズ絡みのVシネマの監督も担当。
また『牙狼-GARO- MAKAISENKI』『牙狼-GARO- 闇を照らす者』ではセカンドユニット監督を担当した。

プロデューサー及び監督としては東映及び円谷の専属ではない為、何気にTV本編、劇場版、Vシネマでスーパー戦隊シリーズ」「仮面ライダーシリーズ」「メタルヒーローシリーズ」「ウルトラシリーズ」の全てで監督・メイン監督を担当した唯一の人物だったりする。
それ故に一年の中で東映と円谷を行き来する事すら珍しくないようなハードスケジュールをこなせるのは、業界でも有名な早撮り業(後述)があってこそと思われる。
この関係もあってコネクションも広く、交流の深い田口清隆監督の『魔進戦隊キラメイジャー』参加をアシストしたり、娘さんの誕生記念に岩田栄慶・長谷川眞優夫妻を『仮面ライダーセイバー』にゲスト出演させたりもしている。


【作風】

ワイヤーアクションを得意としており、機械でワイヤーを動かす米国式よりも香港風の手引きワイヤーを好む他、
小学生時代からジャッキー・チェンに強く憧れ、影響を受けた事からアクションを主軸とした作品作りを行っており、
坂本氏が監督を担当している特撮作品では変身ヒーローものであっても変身前の俳優に生身のアクションシーンがよく見られる。
ちなみに通常、特撮ではワイヤーを操演部が担当するが、坂本氏の担当作品ではアルファスタント等のアクションチームがワイヤー操作も担当している。

仮面ライダーシリーズやウルトラシリーズでは「とりあえず設定上使用可能な技、フォームやタイプチェンジを出したい」という希望もあるため、坂本監督がオールスター物を担当すると多くの技や形態が登場する場合が多く*6
その上で原典へのオマージュもふんだんに盛り込む事から、『仮面ライダージオウ』にて共演した半田健人氏は「ファイズという作品の良き理解者でいらっしゃいます!」とTwitterにて語っている*7

その他、キャラクターの背後でどでかい爆発の起こるオープンナパーム(通称:「坂本ナパーム」)も有名。
ウルトラシリーズで使用された際には一部から「爆炎が巨大すぎてウルトラマンの巨大感が感じられない」という批判的な意見もあるものの、インパクトが非常に高いため、後に他の監督によってアレンジ・オマージュされた例もある。
新しい技術も積極的・効果的に取り入れており、『ウルトラマンZ』第7話ではスーツアクターのアクションを足元から360°カメラで撮影して、建物は合成、カメラワークも後から決めるというやり方でウルトラマンの巨大感と激しい動きを表現している。

また派手なアクションに対して早撮りに定評があり、低予算かつ短期間で作品を仕上げている。
東映取締役である白倉伸一郎は『獣電戦隊キョウリュウジャーブレイブ』で一緒に仕事した際、その仕事ぶりに感心して今までの印象を改めたらしい。

そして坂本浩一を語るに外せない、女優の胸元や脚部を強調したカットやアクションも多用することも多く、視聴者から「エロ監督」というあだ名をもらっている。
実際、近年の特撮でショートパンツやホットパンツ着用の戦う女性キャラを見かけたらほぼ間違いなく氏が絡んでいると言っていい。

本人も出演したある番組では出演者の一人から「ちょっと女性の撮り方というか、これ絶対、なんかあるなっていうような…ちびっこに向けてないと思います。あれは」と突っ込まれてしまう。
ここまでならまだいい方だったが、女性の太ももの撮り方にこだわるカメラワークの特集が地上波を通じて全国に晒されるという珍事に陥ってしまった
その他、雑誌やパンフレットのキャストインタビューなどでも女好きな面は度々言及されており、演者側から見てもやっぱりエロ監督な模様。
幸い、監督本人の気質もあって演者との関係性は良好ではある(インタビューなどで言及される場合は、撮影時期が寒い時期であった事による衣装の不満などはあるが)。

ちなみに本人はエロ監督部分は認めつつも「『アメリカなどで評価されているセクシーな女性の魅力や強さ』を描きたいため」と一応言い訳……もとい説明している。
太ももで隠れがちだが、男性の場合は上半身裸になって生身アクションをする場合も非常に多い(例:戦闘中に服が破けたり、自分からTシャツを破いたり上半身裸で修行を始めたりなど)。
更にエロ監督という点を差し引いてもアクション要素は多く、キャストの力量に見合う形で派手な動きのある場面を取り入れる傾向がある。

一方で梶芽衣子主演の映画『女囚さそり』シリーズのファンを公言、度々リメイクしたいとも語っている。

この「派手で爽快なアクション」と「時折挟まれるエロ的なサービスシーン」という、「よくわかってる」と言える作風を、あるラジオパーソナリティは「わかりやすい、体育会系な作風」と評している。

そんな評価の監督であるが、意外なことに2002年には結婚している。
妻は『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』にてカミーラのスーツアクトレスを務めた梛野素子氏で、子供ももうけており、2022年に結婚20年目を迎えた。


【参加作品】

TVシリーズ


映画


オリジナルビデオ


ネット配信


その他




追記・修正は生身のアクションとエロを追求する人にお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 坂本浩一
  • 映画監督
  • スタントマン
  • プロデューサー
  • ウルトラシリーズ
  • スーパー戦隊シリーズ
  • 仮面ライダーシリーズ
  • 宇宙刑事
  • メタルヒーローシリーズ
  • パワーレンジャー
  • 東京都
  • 足フェチ
  • ワイヤーアクション
  • 監督
  • ワイヤー
  • スペース・スクワッド
  • 東京都
  • 日系アメリカ人
  • アメリカ合衆国
  • ニュージーランド
  • アルファスタント
  • 坂本ナパーム
  • エロ監督
  • 体育会系
  • 宇宙刑事シリーズ
  • 宇宙刑事 NEXT GENERATION
  • 早撮り

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月14日 07:45

*1 これは日本の大学に魅力を感じなかった事や、ロサンゼルスの短期滞在中にその土地柄に感銘を受けた事などが理由。

*2 後にプルートから謝罪を受けたものの、その影響で参加予定だった『Fist of the North Star 北斗の拳』を降板している。

*3 これはプルートが『パワーレンジャー』の劇場版『パワーレンジャー・映画版』の撮影中に20世紀フォックスの判断で解雇された事が大きい。

*4 『パワーレンジャー』の第78話においてワイヤースタッフとして現場に参加している他、戦闘員役としても出演している。

*5 なお、スケジュールの関係で『ウルトラファイトオーブ』のみの参加となっている。

*6 生身アクションが多いのはそれらに使う為のカット数やCG予算節約の為、と言う理由もあるとのこと。

*7 ちなみに坂本監督は仮面ライダーでは『アギト』と『555』の大ファンであり、『ジオウ』東映公式サイトによれば撮影現場でもニコニコだったとのこと。もっとも、この時の『ジオウ』は前半だったため、ファイズアーマーやアナザーファイズでのオマージュが中心で、レジェンドであるファイズの新撮シーンはクリムゾンスマッシュ中に歴史改変で変身が解除される……という場面であり、これが坂本監督の事実上の初ファイズだった事に対してファンから残念がる声もあるが。