SCP-4711

登録日:2019/03/23 Sat 22:03:13
更新日:2024/02/06 Tue 05:07:56
所要時間:約 10 分で読めます




このザマじゃあ、「いい気分」になる客なんて一人もいないだろうよ。

SCP-4711は、シェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクトのひとつである。
オブジェクトクラスはSafe。

項目名は『The Inconvenience Store(インコンビニエンス・ストア)』。


概要

SCP-4711はマレーシアのとある町にあるセブン-イレブンである。

…えっ、セブン-イレブンをご存知でない?かしこまりました、セブン-イレブンの解説をしましょうか。

セブン-イレブン


登録日:2019/03/23 Sat 22:03:13
更新日:2024/02/06 Tue 05:07:56
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セブン-イレブンは、アメリカ発の日本資本コンビニエンスストア・チェーンである。

歴史

もともとはセブン-イレブンはアメリカで1927年にできた、保冷用氷の販売業者サウスランド・アイスカンパニーを前進とする。
昔はまだ家庭用冷蔵庫は普及してなかったので、保冷用氷の需要は高かったのである。

その販売を任されたジョン・ジェファーソン・グリーンは、1日16時間労働をしてそのサービスで評価を得た。
そんなある日、利用客から『日用品もあると便利なのに』と言われたことから日用品の取扱を開始。
この店は、外にトーテムポールを置いてたことから当初『トーテムストア』と呼ばれたが、
後に営業時間から『朝7時〜夜11時』ということで7-elevenとなる。が、1970年代には24時間営業になる。セブン要素とイレブン要素何処行った。

Thanks Heaven, Seven Eleven(セブン-イレブン いい気分)』がキャッチフレーズ。

日本での展開

そんなセブン-イレブンは日本に黒船のようにやってきて、日本の当時のナンバーワンコンビニエンスストア・チェーンKマートを上回るのだが、次第に快進撃を続ける日本に引き換え、本国で不振を重ねていき、アメリカ法人は経営破綻してしまう。

そのときセブン-イレブン・ジャパンはイトーヨーカ堂、デニーズと合併し資金があったため、アメリカ法人を買収し子会社化する。
以後、『アメリカ発祥なのに日本資本』のコンビニエンスストア・チェーンとなる。
前後してアジア、北欧地域にフランチャイズチェーンとして店舗数を伸ばす。日本を始めアジア地域ではセブン-イレブンがコンビニエンスストア店舗数一位の地域が多いが、韓国では旧韓国ファミリーマートのCUに圧倒され苦戦を強いられている
かつては沖縄も出店していなかったが2019年に進出し全国制覇達成。

出店地域でも目立つのが、タイ、台湾、香港だろう。
特にタイは日本に続きセブン-イレブン店舗数2位の国である。タイがアメリカを超えているのである。
ちなみにアメリカは韓国にも店舗数で負けてる。
また香港も2位のOK便利店に圧倒的店舗数の差をつけている。

これでも日本は総店舗数の⅓弱を占めている(2018年12月現在)。

セブンプレミアム

セブン-イレブンはプライベートブランド商品の開拓にも特に力を入れている小売業の一つである。
プライベートブランド商品の多い企業といえばイオン(トップバリュ)やビックカメラグループ(Tag Label by Amadana)が知られるが、セブン-イレブンもグループ企業のイトーヨーカ堂とともに精力的にプライベートブランド商品を出している。

トップバリュが価格追求で勢いを伸ばしてきたのに対して、セブンプレミアムは『プレミアム』という名称の通り、スタートが価値の追求にあったところがある。
これはイオンサイドのメインは旧ジャスコ、サティといったネイバーフッド型ショッピングセンターやスーパーにこそあったが、セブン&アイグループはセブン-イレブンこそがメインであるというところにあり、もともとコンビニは独自商品の開拓が多く顧客層にも受け入れやすいこともあり、価格重視のプライベートブランド商品よりも価値重視でナショナルブランド商品と張り合いやすいところもあるだろう。
またプライベートブランド商品のタブーとも言える大手ナショナルブランドメーカーとの協業を中心として開拓を続け、終いにゃ終いにゃダブルチョップ、メーカーロゴとのダブルチョップ、実に利口じゃありゃせんか?戦略利口じゃありゃせんか?セブンはもはや、プライベートブランド戦略の勝利者じゃけぇ…。

またオフィスに向けた法人営業として『セブン自販機』などのサービスを開始しているが、こちらはほとんどの商品がプライベートブランド商品でしめられており、大口顧客の獲得にも注力している。これらによって囲い込み戦略を成し遂げていると言えるだろう。
セブン-イレブン、イトーヨーカ堂各店で勢力を伸ばすセブンカフェの存在も大きい。

ライバルとの競争

セブン&アイグループは参加のアカチャンホンポやロフト、そごう・西武などと組んだウェブサイトomni7で店舗とネットのオムニチャネル化を推し進めている。
とはいえ取り扱いアイテム数ではAmazonや楽天に大きく水をあけられており、オムニチャネル化という部分を武器にできる段階ではまだない状況である。
この点を覆すためにセブン&アイグループはリアル店舗の多さとセブンプレミアム、そしてアスクル、ロハコと組んだ物流改革を軸においている。

またセブン&アイグループにとってはイオンも大きなライバルとなっている。
セブン-イレブンの海外展開は非常に大きい規模でありながらも、海外においてのスーパー、ネイバーフッド型ショッピングセンター事業ではイオンサイドに軍配が上がる。コンビニ以上にコト消費に寄与しやすいショッピングセンター事業は無視できるものではなく、イオンの牙城を崩せるのかが焦点である。
国内でもアリオを中心に郊外型ショッピングモールを展開し始めたが、イオンモールの影響力を超えるには至っていないのが現況である。

アピタ、ピアゴとファミマを運営するユニファミマも、パン・パシフィックインターナショナルホールディングス(ドン・キホーテの運営企業)と組み、コト消費の改革にのりだしている。
独自のQRコード決済『Famipay』が軌道に乗ったのに対し、7payは個人情報の漏洩などでトラブルを起こしサービス終了に追い込まれてしまった。

セブン-イレブンとセブン&アイグループはコト消費戦争とも言えるこの時代、セブンプレミアムとアリオでイオンやユニファミマに勝てるか。

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あらためて概要

ということで、セブン-イレブンを知らない人はいなくなったはずなのであらためて。
SCP-4711はさっきも述べたがマレーシアのとある町にあるセブン-イレブン。

しかし、外観こそよくあるセブン-イレブンだが、中にはいると上述のセブン-イレブンの解説とは裏腹に、客は「なんやこの店!」と不快感を訴えるようになる。
というのもだ。


入るとその客の欲しいものだけ非ィ科学的な現象が起きてなくなる


のである。
客の大半はさまざまな理由でその消失に気づかないが、監視カメラなどにはしっかりと「商品が消える」様子が写っているし、中にいる店員はちゃんと「○○がなくなった!」と気づく。
モンスターエナジーを求めて行けばレッドブルしか置かなくなり、カップヌードルシーフードを求めて行けばレギュラーとカレーしか置いておらず、赤いきつねを求めて行けば緑のたぬきだけが残り、あの美味なるきのこの山を求めて行けばたけのこの里とかいう無粋な二番煎じじみた菓子だけが残る。

更にトイレを利用しようとすればトイレが入り口の施錠がされるか損壊し、スラッシーマシンやソーダ・ファウンテンを利用しようとすれば的確に壊れ、レジは客にとって利用頻度の低い決済方法だけを受け付ける。もはやコンビニがコンビニエンスではない。

実験記録

①M&M's買ってくるわ

Dクラス一名、M&M'sを購入しにいくと職員に話してから入店。
しかし持たされた金を使うことなく退店した。

財団職員「なんで買うてこなかったんや?」
Dクラス「ピーナッツ味しかのうてな」

なお、このDクラスはピーナッツアレルギーである。

②嫌いなもん買ってこいよ

Dクラスに嫌いなものを質問

Dクラス「あたしLay'sのソルト&ヴィネガーのポテトチップスと、16ozのコカ・コーラ チェリーコークが嫌いなのよね」
財団職員「じゃそれ買ってきて。なかったら似たやつでええわ」

Dが入店したあと買ってきたのは、7-Selectブランドのソルト&ヴィネガーのポテトチップス1袋と、12ozのコカ・コーラ バニラ1缶であった。
なお7-selectは海外におけるセブンプレミアムみたいなやつである。
異常性はなかった。

③断食後の食事を買ってきな

Dクラスは24時間、水も食べ物も与えられなかった。腹ペコのDクラスはお金を渡されて入店。
…だがそのときに限って2日も賞味期限を過ぎた無脂肪乳しか手に入らず、スラッシーマシンもソーダ・ファウンテンも壊れてしまっていた!
これじゃラマダンもできやしねえ!(マレーシアはそこそこムスリみの深い地域である)

④トイレの鍵が!

調査チームA「トイレの鍵が閉まってる!一旦調査中止!」Aスタコラー
調査チームB「おっ開いてんじゃ^~ん」

ということがかつてあったため、おしっこが漏れちゃいそうなDクラスとトイレを事前に済ませてきたDクラスを用意。
しかし。

DクラスA「なんかドアの向こうから豚の鳴き声するんだけど」
財団職員「あん?しねえよ!いいからトイレ済ませろや!」
DクラスA「鍵も開かねえよ!」
財団職員「しょうがねえな、大の大人が漏らすとこ見たかねえしいったん出ろ」
A退出
DクラスB「おっ開いてんじゃ^~ん」

⑤最後に

ミームエージェントへの自然抵抗性が強いDクラスをひとり用意。
Dクラス「えっ今日はなんでも好きなもの買ってもいいのか」
財団職員「ああ......なんでも買え」

意気揚々と金を持ったDクラスが入店して6秒後のこと。

Dクラス「眼の前で商品が消えたんだ!」

余談

現在SCP-4711は財団によって経営されており、民間人の接触を少なくするため、
セブン-イレブンのマニュアルに従いつつ、異様に汚い店舗にしておいて寄り付きにくくしているらしい。

関連

チェーンストアに関するオブジェクト。

SCP-3008 - A Perfectly Normal, Regular Old IKEA (完全に普通の、ありきたりな古いイケア)

かつてイケアの店舗だった建物。正面入口から入るとイケアによく似た無限に広がる世界に繋がり、入った人はゴールが固定されていない迷路を化物に追われながらさまようことになる。
一応ゴールを見つければ脱出自体は可能。なんて良心的なSCPなんだ…。

SCP-1201-JP - 湖底の家電量販店

至って普通のヤマダ電機とそこで働く従業員。ただし店舗は湖底にある。ちゃんとテーマソングも流れてるよ。
普通の家電量販店なので買い物も出来る。びしょびしょの上に目を離すと消失するがな!
もちろん『目を離すと消失する』のはそれだけではないが……

SCP-2635-JP - 食べ過ぎると滅亡するマクドナルド・ポテト

マクドナルド社で販売されているマックフライポテト。このポテトが冷えると周囲の時間の流れを遅くする。ああ、揚げたてと冷めた時のあの違いってそういう...
どうやら宇宙観測をしていたところ、このポテトによって時間が停止した区域を発見したとのこと。マクドナルドのロゴマークとアルファ・ケンタウリ・3番街駅前支店という看板付きで。なんでだ。



※初版作成者より:セブン-イレブンの記述はCCの適用外とします。
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最終更新:2024年02月06日 05:07