キャプテン・マーベル(映画)

登録日:2019/03/22 (金) 20:20:00
更新日:2024/02/22 Thu 00:26:40
所要時間:約 16 分で読めます



◆キャプテン・マーベル





狙われる記憶

失われた過去

与えられたチカラ


私は、<私>なのか―――


彼女の<失われた>記憶が、世界を変える。




HIGHER

FURTHER

FASTER



概要


『キャプテン・マーベル(CAPTAIN MARVEL)』とは、19年製作の米映画。
MARVEL社のコミックヒーロー「キャプテン・マーベル」の実写映画化作品である。
MARVELコミックヒーロー映画化シリーズ、マーベル・シネマティック・ユニバースの映画通算第21作目にあたり、フェイズ3の第9弾。

MCUとしては初の女性ヒーロー主役の映画であるが、「女性らしさ」を強調せずに、主人公本来の力強さとタフネスを存分に描写しているのが特徴。
その一方で、抑圧されてきた主人公の不屈さを現して、日々抑圧されている女性やマイノリティへのエールとも言うべき作風となっている。
また、従来のヒーローのオリジンストーリーとは異なり、ある程度力を持ちつつ記憶を失った主人公が、見知らぬ地で自分のルーツを探り、改めて自分のアイデンティティを問うストーリーとなっている。

舞台は『アイアンマン』以前の1995年。
若き日のニック・フューリーが登場し、彼がキャプテン・マーベルとの出会いを通して「ヒーロー」の存在を知る、いわゆる『アベンジャーズ』のオリジンとも言うべき作品である。

監督は『ハーフネルソン』のアンナ・ボーデンとライアン・フレックのコンビが当たった。
なお、アンナ・ボーデンはMCUで初の女性監督となる。

主演のキャプテン・マーベルには、『ルーム』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したブリー・ラーソンが抜擢。
さらに、彼女の教官役として『シャーロック・ホームズ』でワトソン役を演じたジュード・ロウが出演している。
そして、フューリー役には現代編と同じくサミュエル・L・ジャクソンがCGによる「若返り」加工で熱演。現代とは一味違うフューリー像を見せた。

1ヶ月後に控えている『アベンジャーズ/エンドゲーム』に備え、最後のヒーローたるキャプテン・マーベルは如何なる活躍を見せるのか。
その雄姿を目に焼き付けよう。

なお、本作の公開を前にしてMARVELコミックの偉大な原作者の一人であるスタン・リーが逝去した。
これを受け、本編開始前に表示されるMARVEL STUDIOSロゴの演出がスタン・リーの歴代映画出演映像のみで構成された特別バージョンに変更。
同時に、「THANK YOU STAN」の追悼メッセージが表示された。



ストーリー


1995年。それは、地球人がまだヒーローを知らない時代。
そんな中で、銀河の果てで戦いに明け暮れている戦闘種族・クリー。
そして、銀河の秩序を守る特殊部隊スターフォースに一人の見習い女戦士がいた。
彼女の名はヴァース。惑星ハラに来るまでの記憶がなく、漠然とした不安を抱えたまま訓練を重ねてきた。
そんなヴァースも、上官の許可を得てついに実戦に参加することになる。
だが、それは敵のスクラル人の罠だった。スクラル人に拉致されたヴァースは頭の中を覗かれ、失われた記憶が蘇ってくる。
間一髪のところで宇宙船から脱出したヴァースは、辺境の惑星C-53へと墜落してしまう。
そのC-53こそ、銀河で重要な役割を持つことになる地球だった。
彼女はそこでスクラル人との追手に追われながら、秘密組織S.H.I.E.L.Dのエージェント、ニック・フューリーと出会い、彼の協力を得ることになる。
そして、ヴァースは自分の記憶に浮かんだ一人の女性の足跡を辿り、やがて自分が何者かを知ることとなる。
そこには、スクラル人とクリー人、その戦争を止めるための秘密が隠されているのだった…。




登場人物


主要人物


  • ヴァース/キャプテン・マーベル
演:ブリー・ラーソン/吹き替え:水樹奈々
クリーの軍隊スターフォースの見習い女性戦士。
かつてスクラルに襲われ重傷を負ったところをヨン・ロッグに助けられ、クリーに特殊能力と輸血を受けることで彼らの仲間となった。
直情型で行動を抑えきれない性格であり、司令官のヨン・ロッグからは「感情を抑え、自己を捨てろ」と諫められている。
クリー人になる以前の記憶を失っており、そのことが自身への不安に拍車をかけている。
そして、スクラル人に捕まり記憶を覗かれることで自分の過去の一端を知り、漂着先の地球で己の正体を探ることとなる。
あらゆる格闘術に精通しているだけでなく、体内に蓄えたエネルギーをビームとして放出するフォトンブラストが武器。
機械工学にも精通しており、通信機が故障した際には電話ボックスとゲームボーイの部品を使って通信を図っている。

  • ニコラス“ニック”・J・フューリー
演:サミュエル・L・ジャクソン/吹き替え:竹中直人
ご存じ、眼帯になる前のS.H.I.E.L.D.長官。95年当時は中堅のエージェント。本人曰く仲間からはフューリーと呼ばれているらしい。
不審者として通報を受けたヴァースを追ううちに、スクラル人との戦いの痕跡から半信半疑だった異星人の存在を知り、彼女の手助けをする。
ポケベルを使って「お袋に連絡する」とヴァースに偽って本部に彼女のことを通報する、エレベーター内でケラーがタロスの化けている偽物であることに気づいた際には挟み撃ちを提案するふりをして別の階に下ろす等、腹黒さは既に健在。
通報したせいでヴァース共々追われる身になって彼女から問い詰められた際には流石に謝り、促されてポケベルを預けていた。



クリー人


  • ヨン・ロッグ
演:ジュード・ロウ/吹き替え:森川智之
スターフォースの司令官で、ヴァースの教官。
ヴァースに戦士としての心得を叩き込み、感情を抑えることを徹底して教え込んできた。
打倒スクラル人に執念を燃やし、スプリーム・インテリジェンスに忠誠を誓っている。
吹き替え担当の森川氏はジュード・ロウの吹き替えを多く担当していると同時に、複数の作品に跨って登場したエヴェレット・ロス役を含めて
度々MCUに起用されてきたのだが、今回まさかのシリーズ通算四役目の登板となった。

  • ミン・エルヴァ
演:ジェンマ・チャン/吹き替え:日笠陽子
スターフォースの女戦士。狙撃のプロで、百発百中の腕前を誇る。
ヴァースに対しどこか冷たい。

  • コラス
演:ジャイモン・フンスー/吹き替え:乃村健次
スターフォースの戦士。二本の刀が武器。
冗談の通じない堅物な性格。
のちにロナンの配下になるが、この時はまだ身体を機械化されていない。

  • アット・ラス
演:アルゲニス・ペレス・ソト/吹き替え:日野聡
スターフォースの戦士。潜入捜査のプロで、ヴァースを慕っている。

  • ブロン・チャー
演:ルーン・タムティ/吹き替え:安元洋貴
スターフォースの戦士。大柄で、怪力が自慢。

  • ロナン・ジ・アキューザー
演:リー・ペイス/吹き替え:白熊寛嗣
後に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のメインヴィランとして登場する過激派クリー人の過去の姿。
エリート軍隊「アキューザーズ(告発者)」の司令官で、ダーク・アスター号の船長。
クリーに狂信的なまでに忠誠を誓っており、クリーに仇なす者には容赦ない攻撃を与える。

  • スプリーム・インテリジェンス
クリーを統べる最高指導者の人工知能。
決して真の姿を市民に明かさず、接触する人間の潜在意識内にある最も尊敬するイメージとして具現化される。
ヴァースの場合は夢に見た謎の女性の姿をして現れている。
戦士としてのヴァースの力を高く買っている一方、クリー人らしからぬ直情的な彼女を厳しく諫める。



地球人+α


  • マリア・ランボー
演:ラシャーナ・リンチ/吹き替え:花藤蓮
元空軍パイロットの女性。
ウェンディ・ローソン博士の墜落を目撃し、現在は引退し主婦業に専念している。

  • グース
プロジェクト・ペガサス研究所内で飼われていた猫。可愛い。元々の飼い主はローソン博士。
フューリーに可愛がられ、何故かヴァースたちに同行する。
タロスが何故か怯えており、クリー人の兵隊からも警戒されているが…?
名前の由来は『トップガン』の主人公マーベリックの相棒から。劇中では4匹の猫がグースを『演じて』いる。

  • フィル・コールソン
演:クラーク・グレッグ/吹き替え:村治学
新人S.H.I.E.L.D.エージェント。
まだ初々しく、現場には不慣れなようだ。
ケラー(タロス)の罠で指名手配されたフューリーを信じて彼らを見逃した。
フューリー曰く唯一自分を嫌っておらず、筋がいいとのこと。
フューリーと同様、CGによる若返り加工での出演。『アベンジャーズ』以来の映画復帰となり、『エンドゲーム』への登場も期待されたが、実際の本編には結局出演しなかった。
それについてはMCUのドラマシリーズを巡る様々な事情も強く影響しており、コールソンの映画への本格的な再登場が実現しなかった経緯は『エージェント・オブ・シールド』のシーズン6・7でも間接的に明かされている。

  • ケラー
演:ベン・メンデルソーン/吹き替え:関俊彦
フューリーの上官。
作中ではタロスの変装であり、本人は登場していない。
タロス役のベン・メンデルソーンが素顔で演じている。

  • モニカ・ランボー
演:アキラ・アクバル/吹き替え:須藤風花
マリアの娘。利発でお転婆真っ盛りの少女。
何故かヴァースを「おばさん」と呼び、彼女に懐く素振りを見せるが…。

  • ウェンディ・ローソン博士
演:アネット・ベニング/吹き替え:榊原良子
プロジェクト・ペガサスに関わる科学者。
ヴァースの夢の中で何度も登場し、彼女はローソンが自分のルーツに関係があるのではないかと疑った。
博士自身は6年前の戦闘機のテスト飛行中の事故で死亡している。果たして彼女が開発したものとは…?

  • スタン・リー
…まだ、出てるよ!そして、ありがとう!



スクラル人


  • タロス
演:ベン・メンデルソーン/吹き替え:関俊彦
スクラルの将軍。クリーの中では危険視されている軍人。
慇懃無礼な性格だが、どこか抜けていたり仲間との人情に篤い面もある。
デス・スター建造の指揮官ではないし、名前と吹き替え版の中の人からしてあのタロスとも関係ないはず。
ヴァースの隠された記憶の中の女性に執着しており、彼女の開発したライトスピード・エンジンの技術を探ろうとする。
ヴァースを追って地球に潜伏し、地球人に変装して彼女を捕らえようとするが…。

  • ノーレックス
演:マシュー・マー/吹き替え:後藤敦
タロスの部下。
科学の専門家だが、なぜか科学に疎い一面がある。




用語集


  • クリー
銀河で最大の軍事力を誇る巨大帝国。
治安維持を目的とした特殊部隊「スターフォース」と軍隊「アキューザーズ」の威力は凄まじく、数々の惑星を配下に置いてきた。
ドラマ『エージェント・オブ・シールド』や『インヒューマンズ』では、他の星の住民を改造して超能力者に仕立て上げていることが発覚している。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の頃には、他国と平和条約を結んだりと過激な面は鳴りを潜めるようになったが、それがロナンの離反の原因となった。

  • スクラル
クリーと遥か昔より戦争状態にある種族。トカゲのような干からびた緑色の肌が特徴。
DNAレベルで他人の姿をコピーする能力を持っており、数々の星に侵入しながら工作を行ってきた。

  • C-53
地球人の住む星。ミッドガルド、テラとも呼ばれる。
外宇宙に関して全くの無知であり、文明自体も大きく遅れており一部によると「クソ溜めのような星」。

  • ライトスピード・エンジン
ウェンディ・ローソン博士がプロジェクト・ペガサスで開発していた特殊エンジン。
星間飛行用の宇宙飛行を可能にするためのエンジンと思われる。



余談


キャプテン・マーベル役のブリー・ラーソン氏は『キングコング 髑髏島の巨神』でフューリー役の・L・ジャクソン氏と共演経験があり、公私共に仲が良い。
オファーを受けた際にはマーベルに対してサミュエル氏との共演を要求していたとか。








「本当ですか?目を焼かれても追記修正すると一歩も譲らなかったとは」
「ああ、それに関しては肯定も否定もしない」














































































「…これは悪夢だ」


「悪夢の方がまだマシよ」





演:クリス・エヴァンス/吹き替え:中村悠一
演:スカーレット・ヨハンソン/吹き替え:米倉涼子
演:マーク・ラファロ/吹き替え:宮内敦士
演:ドン・チードル/吹き替え:目黒光祐

ワカンダでのサノスとの戦いに敗北しながらも消滅を免れたアベンジャーズのメンバー達。
…彼らは今、地球で、いや全宇宙で起きた「異変」に絶望的な状態であった。
アメリカに帰還後、フューリーが残したポケベルをいつの間にか入手しており、それが送信し続けていた謎のメッセージを本部で解析していたが、
突如として送信が途絶えてしまう。
送信先を探ることを提案するナターシャの背後に、突如として「彼女」は現れた。


「フューリーはどこ?」


…そう、彼女こそが『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』最終盤で、消えゆくフューリーがこの宇宙規模の非常事態を打開するために呼んだ「切り札」だったのだ。










Captain Marvel will return in...


キャプテン・マーベルは帰ってくる











AVENGERS
ENDGAME







APRIL 26 '19

2019年4月26日



The journey will be end.


アベンジャーズが、終わる。




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最終更新:2024年02月22日 00:26