抗鬱薬おじさん(東方project)

登録日:2019/03/18 Mon 21:23:30
更新日:2024/03/18 Mon 15:38:41
所要時間:約 3 分で読めます





いやあ、これなら世界の終わりも怖くない!


抗鬱薬おじさんとは、東方Projectのコミカライズ作品『東方鈴奈庵」第34・35話「誰がデマゴギーを広めるのか」に登場した人物に対する読者の通称である。

【概要】

乱れた長髪に無精髭を伸ばしているが、彫りの深い精悍な顔立ちを備えた男性。
黙っていればイケメンで通りそうだが、覇気のない表情でいつも汗をかいている。
人間の里に住むごく普通の人間ではあるが、真冬に一人で博麗神社に参拝している*1点からも彼が只者でないことが窺える。……単に年の瀬で妖怪もお休みしていただけかも知れないが。


ある年の暮れ*2,彼は博麗神社を訪れるととても神妙な様子で祈り出した。気が気でなかったのか、神社でお参りしているのにもかかわらず「神様、仏様」と他所様にまで祈りを捧げていた。
あまりにも切羽詰まった様子の男に、境内の雪かきをしていた霊夢が思わず声をかける。すると男は「弥勒の世になると世界は泥の海になり人間は一人も生き残れないというので助けて欲しい」と語った。
一通り話を聞いた霊夢は突拍子もないその内容に呆れるが、男はさらに世界の終わりが早ければ今年の末に訪れると告げた。そして、それが里で噂になっている事も。
この後霊夢は噂の出所を探るべく聞き取りを開始するが、作中この男性は事件の解決まで登場しない。


彼が真価 (?) を発揮するのは噂が収束してからだった。
命蓮寺が設置した新しい地蔵を拝んでいたマミゾウの耳に突然大声が聞こえた。



これは凄いぞ!ちょっと値が張るが……、今の世なら必須だぞ



そこには前回とはうって変わって活力に満ち溢れた、例の男性の姿があった。
男性の話に興味を抱いたマミゾウが話しかけると、彼は右手に持った物を見せた。



兎角同盟製薬㊙印 抗鬱薬



すると男は相変わらず顔中に汗を浮かべながら薬の効用をすらすらと紹介し出した。




最近世界の終わりが近いという噂で不安で眠れないし汗も止まらず目眩や頭痛に悩まされていたんだがそれらが一気に解消された

いやあ、これなら世界の終わりも怖くない!

同じ症状に悩まされていたら薬売りに聞いてみたら良いぜ



満面の笑みを浮かべて、汗まみれになりながらこう言った。……少なくとも一つ改善されてない症状がありませんか?
これには流石のマミゾウもドン引きして足早にその場を立ち去った。
考えようによっては化け狸の親分を撃退したとも捉えられなくもない。おじさん凄い。


これでこの男性の出番は以上である。


なお、去る『鈴奈庵』第23話の冒頭で守矢神社の宣伝をしていた早苗の前に集まっていた聴衆の中に抗鬱薬おじさんと思しき男性が一コマだけ登場している。台詞はおろか目元も確認できないが、特徴的な髪形と髭は抗鬱薬おじさんの物に酷似している。それにしても苦しい時の神頼みが大好きな男である。
???「神なんか当てにしちゃ駄目,当てにするから文句が出るわけでしょ」



【幻想の終末論】

元々この話の発端はあるチラシにある。


世界轉覆奇談(せかいひっくりかえるめずらしきはなし)という約150年前に実在したチラシはイタリアから伝わったとされる。
それは洪水や生物の大量死といった異常事態を経て2週間で人類が滅亡するという内容の代物だった。
要するにこのチラシの内容は事実からは程遠い”デマ”であった。


だが里で世界滅亡の噂が蔓延するのは好ましいものではなかった。
都市伝説異変が未だに収束していなかったからである。
人々の噂が現実の物になるというこの異変は、仕掛人黒幕が懲らしめられた後も変わらず影響力を維持していた。
つまり、終末論を多くの人間が信じてしまうとそれが実現して本当に世界が滅んでしまう可能性があったのだ。


作中では人里での終末論の流行を受けて、が文々。新聞の一面にこのチラシを転載してばらまいている。
それを知った霊夢は恐ろしい形相で文を問い詰めたが、文の真意は「このチラシは全くのデタラメでありこの様な悪意のある飛語に惑わされてはいけない」という警告をする事にあった。
文面の前置きからしてチラシを描いた者のような”自称預言者”に対する辛辣な批判をしている辺りが彼女らしい。


記事を読んだ小鈴もその内容を「最初はみんな驚くが、落ち着いてよく読めば冷静になれる良記事」と褒めている。
……その噂の出所が他ならぬ鈴奈庵のオカルト雑誌だったのだが。


この一件でおじさんを含め数人の人間や妖怪が活躍したが、その陰には終末論の台頭と収束によって人間や妖怪の活性化を目論んだ者の存在が示唆されている。



追記・修正か、Wiki籠りのこういう加筆好きはいつの時代も変わらないのう



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最終更新:2024年03月18日 15:38

*1 里と神社を結ぶ参道に妖怪が多発するため。一応博麗神社自体は里同様に人間が妖怪に襲われる事がないというルールがあるため安全

*2 その年は霊夢が言うように『深秘録』や『紺珠伝』の異変があったため、作中人物にとってもユーザーにとっても激動の年であったと言える