サイトスタイル

登録日:2019/03/08 (金) 21:11:24
更新日:2024/04/10 Wed 22:04:05
所要時間:約 5 分で読めます






そうだな あえてなづけるならば

……サイトスタイル!



サイトスタイルとは『バトルネットワーク ロックマンエグゼ2』のみ登場するスタイルチェンジ


概要

発現条件はフォルテを除く全てのV3ナビをSランクで倒し、秋原町の公園にいる女の子と会話後一定数バトルをこなすこと。
ちなみに戦闘回数が足りていれば最後のV3ナビをSランクで倒した直後でも発現する(あらかじめ女の子と一回でも話しておけばフラグは立つ)。
サイトスタイルは一度しか発現せず、別のスタイルで上書きしたり、トレードすると二度と手に入らない。

強敵との戦いが続きロックマン熱斗のフルシンクロの状態が長く保たれたため、
ロックマンの潜在意識が取り除かれたはずのサイトバッチを再び取り込んでしまった状態。シンクロ率が200%に到達している。
いわば、ロックマンの持つ潜在能力をスタイルチェンジによって限界まで引き出した姿とも言える。

属性はないため、他のスタイルチェンジと違ってノーマルスタイルと同じネーミングである。


メリット
バスターのアタック2倍
スーパーアーマー
ファーストバリア
←+Bでシールド
フォルダにナビチップを8枚まで投入可能
カスタム画面が最初からフルオープン

デメリット
バスターのラピッドが1になる
HP半減
ADDができない


まさに全てのスタイルの特徴を併せ持つ最強のスタイルチェンジ。
多くの小学生は「すべての強い部分を併せ持つ万能系」に憧れるものだが、そのハートをがっちりつかんでくれる。
デメリットはそれだけ見ればキツめだが、それを上回るメリットの数々である。

激しいパワーに体の方がそこまで持たないことによるHP半減があるため、確かに必要以上のダメージを受けるのはキツイ。
裏を返せば最大HPが半減した状態で攻撃を素受けするため、「すべての攻撃が事実上弱点として扱われる」と考えることもできるが、いずれにせよキツイ。
このHP半減は絶対に帳消しにできないため、「やられる前にやれ」を強いられる。そしてそれを実現可能なスペックだと気づくのである。
「HPが減る」こと自体を過剰に嫌がるゲームプレイヤーも少なくないで、このジレンマを感じさせる良質なスタイルと言えよう。

ラスボスと裏ボスの協力タッグ「ダークメシア」ともども、当時のプレイヤーの「かっこよくて強い」意識をわしづかみにした。


対戦環境ではまずこれ一択。最強というのは伊達じゃない。
カスタムスタイルに比べてすら初手が3枚増えるし、HP1000すらたやすく削り切れるような攻撃手段がエグゼ2にはうじゃうじゃしている。
即死が飛び交うので「やられる前にやる」ためにも「やられないように防御する」ためにも初手の枚数がとても重要になる。
初手3枚に比べれば、HPが500くらい減ったところで痛くもかゆくもない。

どれだけ構築を大幅に縛ったルールでもサイトスタイル一択になるため、逆に言うと「相手がサイトスタイルを使う」ことを前提にしたフォルダも成り立つ。
威力100×9の「ゲートマジック*1」、威力800+必中の「ヘビースタンプ」、防御手段無視かつHP500程度ならたやすく削り切れる「ポイズンファラオ」など。

このように2の対戦環境を大きく定義する存在だった。
というよりサイトスタイルを縛ったところでまずカスタムゲーになるだけなのでますます味気なくなるだけである。
一応オオアカツナミとかガイアソードを使いたいって時には別のスタイルを使うわけだが、属性限定チップがあんまり強いわけじゃないのが困りもの。

ちなみに外見もチャージショットもノーマルスタイルがベースだが、ノーマルスタイルとはまったくの別物扱い。
そのためノーマル限定の「パラディンソード」系のチップは使うことができない。
シークレットチップの枠を3つも埋めてるのに使い物にならないこれらのチップはハズレ扱いされていた。特にファイターソード。*があるとはいえ…



エグゼ3以降の作品にはサイトスタイルは登場しないものの、「サイトバッチ」が同等の効果を持つ存在としてナンバリング作品に以後も登場している。
様々な長所と「HPマイナス」の短所を併せ持つが、インフレした隠しボス・SPラスボスや通信対戦では必然的に長期戦になりやすく、この部分をどうにかできないと採用は難しい。

6のファルザー版ではサイトバッチ軸のフォルダがある。
アンインストールが存在する環境の関係でそれを食らった後でも建て直せ、しかもアンインストール効果を受けない効果を付与可能なサイトバッチはかなり強い、という理屈。


公式イラストでは薄緑色に発光し、頭や体のライン部分にデータが巡っているようなテクスチャが特徴的。後のフルシンクロ状態のようにロックマンを囲う光輪などもある。
……と、公式関連イラストはなかなか特徴があってかっこいいのだが、
なぜかゲーム本編のサイトスタイルはノーマルスタイルより若干明るい程度でかなり地味。当時のGBAの液晶はもちろん、撮影環境によっても色が同じに見えてしまうレベル。
ぶっちゃけ後のフルシンクロ状態や善状態ロックマンの方がよっぽどそれっぽくてかっこいいのだが、
これは3から4に移行するにあたってドット絵を全体的に小さくしたことで容量を節約できるようになったことなどが関係しているのだろう。


エグゼ2ではスタイルを2つ保存することができるが、サイトスタイルは一度しか発現しない。
そのため片方は絶対にサイトスタイルで保存することになる。



鷹岬諒版


フォルテ!!!

おれは最強(おまえ)を超える!!!


漫画版ではフォルテとの初戦後、ロックマンを助けたシャドーマンから手渡された地図に記された裏インターネットのダークサンクチュアリにある神殿にて、
審判の間という部屋でファラオマンが守護していた「王家の秘宝」と呼ばれる幻の強化パーツによるスタイルチェンジとして登場。

この部屋は現在の文明以前に存在していた超高度先史文明のものであり、ファラオマン曰く、生者がこの部屋を訪れるのは20537年ぶりとのこと。
作中では裏インターネットも(プロトの反乱の設定はあるが、ギガフリーズ等の立場も曖昧であるため、ゲーム版と同じかは実は不明)この文明の産物であるかもしれないと推測されている。

作中人物のセリフを纏めると

「王家の秘宝」:スタイルチェンジを促す神秘の光
「究極のスタイルチェンジ」:フルシンクロをはるかに越えるパーフェクトシンクロを成し得るものが体得する力
「サイトスタイル」:究極のスタイルチェンジにロックマンが(脳内で響いた「saito」という言葉を受けて)こう名付けた

である様子(基本的には「伝説の力」と表現されるが、「伝統の力」と表記されている場面もある)。
その力ゆえ、ゴスペルに狙われたこともあった。

要するに流星のロックマン2におけるトライブに近いものとも言える。
そのため、本作のサイトスタイルは全メディア展開で一番目立つ活躍をしながら、原作とは明らかに扱いが異なるという珍しい立場である。
後述するようにゴスペルがサイトスタイルの力を奪おうとする、という展開もこの設定ゆえである。

ちなみにL.o.Nの古代アトランピア文明がおおよそ3000年前、流星のムー大陸が媒体にもよるが1万2千年前であるため、
2万年以上前の文明の遺産というだけでも結構凄い(なお、漫画本編では「ムー大陸」「アトランティス」「オーパーツ」の話題が出ている)。


デザインは特徴こそ公式イラストと同等のものだが、漫画版では変化が顕著。
より目つきが鋭くなり、頭部からはオーラのようなものが出ていたりしている。
さらに性格・口調も大幅に変化し、一人称が「オレ」になりワイルドな性格に変貌する。ぶっちゃけ邪気眼系の厨二病っぽい
戦闘方法はチップはほとんど使わず接近戦では格闘、遠距離戦では掌からエネルギー弾を放って戦う。



劇中での活躍


上述したように審判の間で最強の四戦士との戦いの最中、サイトスタイルに覚醒した。
ちなみにこの秘宝についてはフォルテもその存在を認知していたが、自身と戦う強者のために手を出さずにしておいたそうだ。


この時点ではサイトスタイルへのスタイルチェンジは自由に行うことができず、
メイルやロールたちにサイトスタイルを説明する際にはどうしても見たいという彼らのためにイメージだけでも伝えたいとハリボテを用意していた。
ちなみにこのハリボテサイトスタイルは公式イラスト版サイトスタイルに近い。

続く炎山ブルースとの戦いでもスタイルチェンジできずにいて(ちなみにこのときに起きたのが卵の殻ネタ)、先のハリボテを晒して無言でぶっ飛ばされたりしていたが、
風吹アラシエアーマンの襲撃の際に(PETが破損したこともあり)シンクロ率が上昇しパーフェクトシンクロしたことで、
サイトスタイルへとスタイルチェンジし、エアーマンを一撃で撃破した。

しかし、大きすぎる破壊衝動からロックマンは暴走。
ブルースをも圧倒したうえで、インターネット上に逃走、想定される被害の大きさから、
ネットポリス最大のサイバー兵器「ハイパーメガランチャー」によるデリートが決定される。

ツンデレな炎山はケイ・ユウキの援護の元、サイトスタイルのエネルギーを消耗させることでロックマンを正気に戻す作戦を決行。
ホーリーパネル+ドリームオーラ3という鉄壁の布陣をも最終的に打ち破るほどの強大さを見せるが、
正気に戻りかけたところでロックマンがハイパーメガランチャーの一撃からブルースを守るために全エネルギーを使用したため、元の状態に戻った。

サイトスタイルを狙ったクィーン・オーシャン号でのゴスペル戦でも再び暴走してしまうが、
ブルースの決死の行動もありついにコントロールに成功。
ゴスペルを屠ったフォルテと戦い辛くも勝利を果たす。


やった……やったぞ……

おれは……フォルテに勝った……!!!


最強を超えたんだ!!!!


しかし、フォルテは倒しきれておらず、なんとゲットアビリティプログラムによりフォルテ・サイトスタイルに覚醒
逆にサイトスタイルのロックマンをフルボッコにし、アースブレイカーの一撃でサイトスタイルの変身を解除させてしまう。

ダメージによりパーフェクトシンクロどころかフルシンクロすら解けてしまった状態だったが、
熱斗を信じ続けるロックマンと気絶から目覚めた熱斗で再びパーフェクトシンクロを行う。
すでに大ダメージにより完全なサイトスタイルになる与力すらなかったが、唯一使えた右腕の人差し指一本にエネルギーを集中させ、
オーラの消えるハイパーアースブレイカーを放つ瞬間を狙って攻撃したことで、ついにフォルテに完全勝利を果たした。


しかし、その後の名人&パンク戦にてサイトスタイルへのスタイルチェンジの際にわずかだが隙が生じることが発覚。
この瞬間はサイトスタイルでもノーマルスタイルでもない完全な無防備の状態となってしまうため、
パンクのマッドローラーの一撃で敗北してしまった(これに関しては今回の件でうまく調整したようだが)。

続いて闇のメタモルフォーゼを果たした火野ケンイチフレイムマン戦でスタイルチェンジを果たすが、
闇の力で強化されたフレイムマンを倒しきれず、さらにサイトスタイルが消えてしまい大ピンチに陥ってしまった。
これはサイトのエネルギーは闇の力の前では急激に消滅してしまうため。

闇の勢力との戦いではサイトスタイルだけでは勝てないことを知った熱斗は、
サイトスタイルを手に入れ、コントロールするまでにかなり苦労したため、相当悔しがっていた。

その後、デンサンシティでナビが実体化する事件が発生。現実世界でパーフェクトシンクロを行えるようになる。
西古レイフラッシュマンとの戦いでは夢の中でひらめいた方法として、かつてフォルテを倒した状態=サイトの力を右腕一点に集めた状態となり、
フラッシュマンの攻撃をサイトの力を集中させた右手でガードし、さらにソードに集中させることでフラッシュマンを一撃で撃破した。

オフィシャルセンターでのデザートマンとの戦いではサイトの力を使おうとするものの、
仲間を犠牲にしかねない状況で熱斗とロックマンは本気で戦えないと判断した炎山とブルースがそれを妨害したため、サイトスタイルは使用しなかった。

闇の力を受け付けない結界内でのセレナードとの戦いではサイトスタイルのままフルパワーで戦うが、
セレナードには手も足も出ず、事実上の手加減をされた状態で惨敗してしまった*2

最後の出番はダークロイドが通る闇の穴(ブルースですら腕が消滅するようなもの)を通るためにスタイルチェンジ。
サイトスタイルの力で強引に闇の世界に突入した。こちらも越えた段階でサイトスタイルが解除されている。

ちなみにこれはロックマンDSの指示によりロックマンの憎しみのエネルギーを限界以上まで引き出すために、
シェードマンがロックマンと光熱斗をフルシンクロの状態で連れてくるための罠であった様子。


以後、闇の力との戦いが終わった後は電脳獣との決戦となり、
当初は不安定と言えど獣化が使えるようになったこともあり、サイトスタイルは役目を終えることとなった。
これは相性を抜きにしても本作の電脳獣は原作やアニメ版と比べるのもおこがましいほどのパワーを持っており、獣化ロックマンもそれ相応の力を持っているため。
(ロックマンと熱斗の成長を考慮しても)匹敵、ないし上回るのは作中ではおそらくフォルテクロスロックマンだけだと思われる。
ただし、サイトスタイルで身に着けたフィンガーキャノンや特殊形態のエネルギーを一点に集めて攻撃するスタイルは受け継がれている。

その後、『鷹岬 ロックマンワークス SSR』新作描き下ろし「フォルテ 再会の刻」にて再登場。
ブルースのムラマサスタイルと共に新たな奥の手を見せることに。




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最終更新:2024年04月10日 22:04

*1 HP1000が相手だとアタック+20以上が必要だがそれすら不要になる

*2 なお、この後、セレナードから与えられた「絆の力=ソウルユニゾン」の影響かロックマンの潜在プログラムが急激に変化しているが、後述するように引き続きサイトスタイル使用は可能。