惑星O-50

登録日:2019/03/08 Fri 14:50:02
更新日:2024/04/15 Mon 09:20:08
所要時間:約 7 分で読めます






惑星O-50(オーフィフティ)はウルトラシリーズに登場する架空の惑星。



【概要】

銀河の彼方の秘境とされている惑星。
吹雪に閉ざされた1万メートル級の高山が聳え立ち、その山頂「戦士の頂」に辿り着いた者は「オーブの光」によって資質を見極められ、光の戦士の力を授けられるという。
立ち位置的にはM78星雲・光の国宇宙警備隊に近いか。

神秘的な惑星ではあるが住人が暮らしていることや、挫折した挑戦者が移住していることが判明している。


オーブの光

CV:櫻井孝宏
「戦士の頂」の頂上に浮かぶリング状の光。作品によっては「光の環」、「光の意思」などとも呼称される。
自らの許にたどり着いたものの資質を見定め、資格ありと認めた者にはウルトラマンの力(またはそれに類する怪獣の力)とそれを扱うためのアイテムを与える。
ロッソブルには歴代ウルトラマンの力を宿したクリスタルを与えたことから、他の宇宙の戦士とも関連があると思われる。

ただ、新人に対して失敗すれば宇宙全体から知恵が失われる重大任務、実体化させなければ倒すことが不可能に近い怪獣の討伐など、高難度のミッションを下し*1、力は与えるが使い方は説明しない点などからブラック企業・スパルタと視聴者からネタにされている。
何千年かけても、ウルトラマンの力を次世代に譲渡しても、ミッションを与えられた戦士の力でターゲットを撃破すればクリアになるという、割と微妙な優しさもあるが、難易度が高すぎてどっこいである。

邪悪ではないものの、その在り方はいうなれば「非情な善人」というべき合理的なものに近い。
そのためかこの光が落とす「影」の方も無視できない力を持っており、後にダークリングがここから生成されている。

宇宙の危機に際しては力を授けたウルトラマンにミッションを下しているが、
一方で、平時での授けた力の用途については完全に本人任せにしている模様。

ちなみに櫻井氏はオーブリングの音声を担当している他、ウルフェスなどのショーで全ての始まりである光の巨人・初代ウルトラマンを演じている。
ウルトラマンの力を与える謎の存在にぴったりな人選ではないだろうか。作中の所業と声優が声優だけにO-50ウルトラシリーズのラスボスだの黒幕だの疑われまくっているが

製作陣も性格が悪いと認識しており『ウルトラマンZ完全超全集 ストレイジBOX』付属の『ジャグラス ジャグラー クロニクル写真集』内の田口監督と青柳氏の対談では、
「ジャグラーの子が意志継いで輪に喧嘩売りにいったらウルトラマンにさせられそう」
「そういう性格悪いとこある」
といったやり取りがなされている。


【登場】

ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA
戦士の頂に辿り着いた二人の青年・ジャグラス ジャグラーガイのうち、ガイを選びオーブカリバーを授け、ウルトラマンオーブ(オリジン・ザ・ファースト)への変身能力を与えると共に、宇宙悪魔ベゼルブの討伐というミッションを与えた。
ガイがミッションを達成し帰還すると、オリジン・ザ・ファーストからオーブオリジンにパワーアップさせ、
オーブカリバーのエレメントを集めるよう新たなミッションを下す。


・ウルトラマンオーブ クロニクル〈年代記〉(エピソード10構想)
エレメント集めが終了してからしばらくの間は指示は出さずに沈黙していた。
犠牲を出しつつもジャグラーによる宇宙監獄乗っ取り事件を解決し帰還したガイに、魔王獣の討伐ミッションを下し、
魔王獣に唯一対抗しうるアイテム「オーブリング」を授けた。
同時に、オーブの光の影からダークリングが誕生し、ジャグラーの邪心を認め彼の手に渡り、TV本編の物語に繋がっていく。


・ウルトラマンオーブ THE CHRONICLE
最終話に登場。
魔王獣の討伐や、その後の様々な事件を乗り越え帰還したガイの前に「オーブの光」が姿を見せ、新たなウルトラマンの誕生を知らせる。
これまでの光のメッセージと異なり流暢に喋っている。
1300年前に地球に落ちた妖奇星や、運命を背負った兄弟・能力・敵(グルジオボーン、他)について教えようとするが、
ガイの自分語りに頻繁に遮られていた*2

そうか、ウルトラマンオーブの戦いは人との……
仲間との絆を守るための戦いだった
その戦いの経験があるからこそ
かけがえのない仲間たちがウルトラマンの力になることを
誰よりも理解しているのだな

最後に 湊ウシオ 湊アサヒ 愛染マコトと言った、彼らを支える周りの人々についても教え*3
仲間との絆を振り返るガイに同意すると、立ち去る彼を見送った。


ウルトラマンR/B
直接は登場しないが、ルーゴサイトを倒すために地球を訪れた、先代ロッソ・ブル、美剣サキ(グルジオ)の三名がO-50出身だったことが判明している。
THE CHRONICLEで色々語っていたが、全部知っていたな?


蒼い瞳の少女は灰色と名乗った
三兄妹に力を授けた場面とルーゴサイトとの戦いに送り出す経緯が描かれている。
宇宙ギャングから逃げる際に巻き込まれたO-50の住人フラウを救うために自分を犠牲にしようとした姿を認め、ジャイロとクリスタルを授けた。
ルーゴサイトが暴走した際に三兄妹にミッションを下し、惑星を住人ごと囮にし三機のジャイロで実体化させるように指示を与えたが、
目の前の命を見捨てることはできないとブルが命令に背き住人の救助に向かったため失敗し、三名はルーゴサイトごと別宇宙に飛ばされ命を落とす結果となった。

フラウが戦士の頂に挑戦し、生きて戻ってきた者は一人もいなかったと述べていることから、後述のボイスドラマよりは過去と思われる。


ウルトラマンタイガ
ウルトラマンフーマの出身地が、惑星O-50とされている。
トライスクワッドボイスドラマ第9回では戦士の頂にて「自分だけが英雄になりたい」という欲に駆られた挑戦者同士での潰し合いが起こっていることや、その周辺では原住民達による、詐欺行為や山賊行為が当たり前の様になっていることが分かった。戦士を生み出す聖地がそれでいいのか…

第3回では宇宙人連合によって戦士の頂が襲撃されたことが触れられておりEXPO THE LIVEで詳細が描かれた。
邪魔なウルトラマンを生み出す惑星という理由で惑星侵略連合のターゲットとなり迎撃戦に貢献したことで修行に来ていたタイガがガイからO-50の英雄の称号を送られている。
稀ではあるがタイガ以前にも外部のウルトラマンが修行に訪れたことも何度かあったようでU40のジョーニアスも戦士の頂を修行場と認識している。


ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ
ガイ「ここが一番落ち着くな
ガイが命の洗濯のために帰還するがダークネス軍団の襲撃を受ける。


ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀
グリージョ(アサヒ)が修行の一環として訪問。「殺風景な星」と評していた。
ここで一足先に修行を行っていたフーマと対面する。
ちなみにChapter1ではルーゴサイトが登場しており、セブン21およびジャスティスともに「どちらかだけではルーゴサイトには勝てなかった」と評している。
歴戦のウルトラ戦士5人でようやく勝てる相手に対策があったとはいえ若手3人だけで挑ませるのはいくらなんでも酷すぎないか輪っかよ


・ジャの道は蛇
グルジオライデンの正体がO-50から力を授かった女戦士サジタリだったことが判明。
怪獣の力を与えるのではなく、変身者の心の歪みが力を変質させ怪獣にしていることが示唆される。


DARKNESS HEELS~THE LIVE~
惑星テリオが研究のために、正義の名の元に住人を根絶すべく、光の力を宿す将軍率いる部隊を差し向けている。
またヒュース・アーディ所長によって復活させられた面子の内、ダークザギと、元々惑星O-50に因縁を持っていたジャグラス ジャグラーが流れ着く。

本作では、住人全員が光の属性を持つため犯罪がほとんど起こらず治安はいいが、それ故に格差を是正することが難しい格差社会が問題の星となっている。近年では戦士の頂の挑戦者が増え治安が荒れ始めている。
王家が存在し政府が設立されているのだが、政府の人間は自分達を光に選ばれた高貴な存在と奢り、侵略者が地上で民を襲っていても“より崇高なもの”の護りを固めるために平気で見捨てる。


【O-50所縁の戦士】

ガイ
ご存知ウルトラマンオーブに変身するさすらいの風来坊。
O-50の民としての名前は「ガイ」としか呼ばれておらず、「クレナイ」という苗字は地球の夕陽を見て名乗り出した名前である。
様々なミッションを言い渡され、数多の世界の太古の世界から遥か未来までを飛び回り既にオーブとしては数千年も戦っているベテラン戦士。
ちなみにオーブニカの吹き方はマシュー爺さんというO-50の住民に教えてもらったそう。
上述の通り、帰省した際に戦士の頂で「ここが一番落ち着くな」と言っており、それなりの故郷愛はある模様。

ジャグラス ジャグラー
ガイと共にオーブの光を受け継ぐべく修行を積んだ親友だが、心の闇を見透かされて光の戦士になれなかった闇の紳士。
ガイを追って様々な世界を渡り歩き、彼もまた数千年生きている。
闇に堕ちてはいるものの、光を捨てきれないのか所々で正義のためにも戦うツンデレ。

グリージョ、ロッソ、ブル
惑星サンジャ出身の孤児の三兄妹。宇宙ギャングの報復でO-50まで逃げ延び、自分たちを犠牲に一般人を救おうとした姿を認められ力を授かった。
グリージョはウルトラ戦士ではなく、怪獣グルジオと一体化して戦う。
ルーゴサイトを討伐した際に別宇宙に飛ばされ、任務の中でロッソとブルは戦死。
二人の兄を失った事でグリージョは絶望と失望の中である意味ジャグラーよりも深い闇に堕ちた。
地球では美剣サキと名乗っており、10代後半の少女のような姿をしているが実年齢は1300歳以上であり、歴史上の偉人達とも交流があった模様。
後に三人の力は地球のとある三兄妹にそれぞれ受け継がれる事となる。

フーマ
O-50出身のウルトラマン。O-50から光を授かり変身能力を授かっているが先輩達のように別の惑星から来訪したわけでなく正真正銘O-50出身。
しかし、父親がかつて戦士の頂の試練に敗れ挫折した事からその息子であるため「負け犬の子」と呼ばれ蔑まれており、本人もそのせいでグレて戦士の頂に挑戦しようとする異星人相手に詐欺師まがいの事をしていた。
その後、戦士の頂を夢見る異形の怪物ゲルグとの出会いで足を洗い、それ以降は街で何でも屋を開業し真面目に働いていた。
現在は別宇宙の戦士である、M78星雲・光の国のウルトラマン「タイガ」、U40のウルトラマン「タイタス」と共にトライスクワッドを結成している。

サジタリ
星間連盟の元特殊部隊隊員。
連盟に裏切られた復讐のためウルトラマンの力を求め戦士の頂に挑戦するが、自身の心の歪みが力を変質させグルジオに変身した。


【余談】

名称はオーブがウルトラシリーズ50周年記念作だったことに由来すると思われる。

この星が属する宇宙の住人は描写されている限りみな民族衣装のような服装を着ている。
ただし、上述の三人は皆地球に来た際に地球の服に着替えでおり、偶然か全員黒い服を好んで着用している。

なお、様々な次元の宇宙にウルトラ戦士を派遣してはいるもののO-50自体がどの次元の宇宙にあるのかは未だに謎に包まれている
(『ウルトラマンオーブ』本編の世界はあくまでガイが訪れた数多の次元の内の一つに過ぎない)。



追記・修正は戦士の頂を踏破したらお願いします。

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最終更新:2024年04月15日 09:20

*1 前者は先輩ウルトラマンの協力があって解決できたが、後者は先延ばしに終わったあげく当人たちは殉職した。

*2 オーブの光自身も乗っかって歴代ウルトラマンなど横道に逸れた話をしていたが。

*3 もっとも愛染は敵だったことが後に判明するが