マオ(コードギアス)

登録日:2019/02/22 (金) 15:00:17
更新日:2024/03/14 Thu 22:19:48
所要時間:約 9 分で読めます





都合してもらえるよね?色々と



マオとは『コードギアス 反逆のルルーシュ』の登場人物。




プロフィール


生年月日:皇暦2001年1月1日
年齢:17歳
星座:山羊座
血液型:不明
CV:草尾毅


人物


突如ルルーシュの前に現れた謎の青年。
髪は銀色で長身細身。細いライン上のサングラスを掛け、ヘッドフォンを身に着けている。
人種的には中華連邦系に属するらしい。まあ一応「マオ」って中国語で「猫」のことであるし。
一人称は「僕」。

馴れ馴れしく、相手に絡みつくような口調が特徴で、時折歪んだ笑みを浮かべている。


その正体はギアスユーザー。
かつてC.C.と契約しギアス能力を発現した人間であり、ルルーシュの先輩とでもいうべき人物。
しかし後述する自身のギアスによって他人の存在を拒絶するようになっており、唯一ギアスが効かない存在であるC.C.を求め、彼女の現在の契約者であるルルーシュを邪魔者として扱い陥れようとする。

C.C.の前では他の人間相手とは違う無邪気な表情を見せるが、それが逆に不気味さを感じさせる。


所有するギアスは「自分から一定距離内にいる人間の思考を心の声として知覚する」という読心能力。
最大効果範囲は半径500mで、発動条件はこの「距離」だけ。
この範囲内にいれば相手との間に遮蔽物などがあっても関係なく心の声を聞ける。そのうえ人数制限や回数制限なども無く、範囲内に入れれば相手の心の声をいくらでも聞き続けられる。
普通に聞くだけなら相手がその時思っていることなどの表層意識程度しか分からないが、意識を集中させれば深層意識まで潜りこみ過去の記憶なども知覚出来る。
但し、特定の対象者に意識を集中している間は一時的に効果範囲が絞られる。

この能力を使えば相手の秘密を容易に知ることが出来、交渉事は勿論戦闘などにおいても相手の先手をとれるため、常に優位に立つことが出来る。
マオはこの能力を使って相手の思考を誘導し操る技術に長けており、話術で相手の動揺させたうえで手拍子などの音で刺激を与えて思考を乱し自分のペースに巻き込むのを常套手段としている。
普通の人間にとっても充分に脅威だが、理詰めタイプ、特にルルーシュのような常に自分の行動を計画し、
同時に客観的に観察しその欠点まで考える人間にとっては「自分の攻略法を常に提供し続ける」ということに等しく、正に天敵と云える。
C.C.も「ルルーシュでは、いやむしろ『ルルーシュだからこそ』絶対に勝てない相手」と評していた。


しかし、ギアスは使用する度にその力を増していく性質も持つ。
マオの場合、発動条件が緩いせいもあってか力が強まり過ぎ、かなり早い段階でギアスが暴走。
そのため能力発動のON/OFFが任意で切り替えられなくなり、常にギアスが発動した状態になっている。(両目には常にギアスマークが浮かんでいる)

つまり、暴走状態となって以降、マオは効果範囲である500m圏内に人間がいると否応なしにその心の声が聞こえてしまうようになっている。
しかも「声」として聞こえはするものの、実際はマオの頭の中に直接知覚されているものであるため耳を塞ごうと聞こえ続ける。

単純な雑音と違う、意思が乗った人間の声、それも範囲内にいる者全ての声が同時に頭の中に一定の音量で響き続ける……こんな状態ではまともに生活出来る筈が無い。

当然、契約当時幼かったマオもこの能力に苦しみ他人を遠ざけるようになり、同時にギアスが効かないC.C.に安らぎを見出し親友、恋人、母親…それら全てを兼ねた自分にとっての「唯一の他人」として、彼女の存在に強い依存と執着を抱くようになっていった。
しかし、ギアスによってまともな生活ができなくなったうえで、社会適応できない体質になったが故のC.C.を求めるだけのこの逃避とも云える情動は皮肉にもマオの心を一層弱くし、彼は完全にギアスに呑み込まれ、「自分の望みのためにギアスを使う」のではなく「ギアスに自分の望みを決められる」という生き方に徹するようになってしまった。

そのうえC.C.に捨てられてからもマオは極力他人を遠ざけていたため、青年となった本編時点でも彼の内面は幼少期からほとんど成長出来ておらず、人格も幼稚で独善的な歪みきったものとなってしまっている。
そのため、ギアスと話術で他人を追い詰めることは出来るものの、常にギアスに頼って優位性を得てきた弊害で相手の心理が掴めない(聞こえない)状況に陥るか、相手の思考によって錯乱させられると一気に余裕を失くしてしまいペースを乱され、思考と行動が癇癪を起した子供のような感情的で直線的なものとなってしまう。

つまり、彼にとってはギアスが唯一最大の武器であると同時に最大の弱点となっていると云える。
その代わり、彼の行動と願望の本質は「他人の心を知りたい」である為、C.C.に自分に対しては母親のような愛情を抱せる程にも、素の社交的能力そのものは高い。


ちなみに普段着けているヘッドフォンに繋いだレコーダーには昔の物と思しき「自分を呼ぶ優しいC.C.の声」が録音されており、これを大音量で聞くことで他の人間の心の声をなんとか誤魔化している。


作中ではギアスを得たルルーシュが初めて出会った自分以外のギアスユーザーであり、
「ギアスの暴走」というギアスに付きまとう危険、そしてその力に呑まれた者の末路をルルーシュと視聴者に教える役割を担う。



劇中の活躍


本編以前

中華連邦に生まれるが幼くして孤児となってしまう。
そして6歳の時、まだ読み書きはおろか善悪の区別もつかぬ子供だったマオは、嚮団を抜けブリタニアから中華連邦にやってきたC.C.と出会い、彼女と契約を結びギアスを得る。
発現したギアスに戸惑い、暴走してからはC.C.と共に人里離れた山奥での生活を送るようになった。
しかし、元々C.C.の目的は自分の身代わりとなるギアスユーザーを育てることであり、ギアスから逃避するマオでは力を制することは出来ないと判断し、同時に幼いマオに自分と同じ苦しみを味わわせることを躊躇したこともあって、暫くすると彼女はマオの前から姿を消してしまった。

事情も分からぬままC.C.に捨てられたマオだったが、自分にとっての唯一の安らぎである彼女の存在を諦めることは出来ず、再び彼女を手に入れようと行動を開始。
人々の中に出る苦しみに耐えながらギアスを使って集めた資金でC.C.を捜し、やがてその足跡を見出したエリア11へと来訪する。

小説版によれば、C.C.に捨てられる前は山奥から町へと移り住んだ時期もあったのだが、ギアスが原因でC.C.以外の人間とは馴染めず、むしろ町の人々を汚らわしいものと軽蔑していた。
そして、C.C.と2人だけで暮らす町にするためにギアスを利用して人々を唆し、巧妙な策で住人が次々と町を出て行くように仕向け、一部の住人がしぶとく町に残った時に至っては町の水道に毒を混入する等の凶行に走っていた。


皇暦2017年(『反逆のルルーシュ』)

本編中盤のナリタ攻防戦直後からアッシュフォード学園などに出没。
そうしてC.C.の現在の契約者であるルルーシュの情報を把握していき、ナリタで黒の騎士団に父を殺されたうえゼロの正体を知ってしまったシャーリーに目を付け、ナリタで彼女に接触。
シャーリーの罪悪感を利用して誘導しつつ、彼女を捜しに来たルルーシュと直接対面。
お遊びのチェスでルルーシュを完封したうえで自身の能力などを明かし、更には冷静な判断力を奪ったシャーリーを操ってルルーシュを撃たせようとする。(ちなみにこの悪趣味な演出はマオの悪ふざけでしかない)
しかしシャーリーは土壇場でルルーシュを撃つことを拒み、現場に駆け付けたC.C.の機転でマオはその場から退散させられた。


その後、ルルーシュの身の安全をネタにC.C.を閉園後のクロヴィスランドに呼び出したマオは彼女に自分の思いを伝える。
C.C.はそれを拒否し銃を向けるも非情になり切れなかったため引き金を引けず、そんな彼女に対しマオは逆に発砲。
彼女の手足を撃ち抜き動けなくし、用意していたチェーンソーで彼女を「コンパクト」にしトランクに詰め込んで準備しておいたオーストラリアの静かな別荘に連れ出そうとする。
いくら彼女が不死と知っているとはいえ、この時の笑顔で最愛の相手を撃ち抜き 解体 しようとする様子は最早完全に狂人である。

だがその直前で園内モニターをハッキングし通信を入れてきたルルーシュから、彼が「C.C.の本当の名前」を知っていることを告げられる。

自分も知らない最愛の人の名をルルーシュが知っていることに激しく動揺したマオはルルーシュに喰ってかかるが、「俺はC.C.の全てを手に入れた。お前が見たことの無い部分も含めて、全て」と非常に意味深な台詞を涼しい顔で返されてしまい逆上。
マオは怒りのままにモニターを破壊するが、実はこの時モニターに映っていたのはマオの反応まで予測し事前に用意された録画映像であり、モニターに意識を向けてギアスの効果範囲を狭めたことでルルーシュが呼んだ警官隊に包囲されてしまう。
そして警官に混じってC.C.を助けにきたルルーシュに怒りを爆発させたマオは警官隊にゼロの正体を暴露しようとするが、その行動すら読み切ってルルーシュがギアスをかけていた隊長に発砲命令を出され、マオは警官隊の銃弾を受け全身を撃ち抜かれてしまう。





しかし、この時ルルーシュのかけたギアスは「殺せ」ではなく「撃て」と命じるものだったため即死となる傷は負っておらずギリギリで生存。
更にブリタニアの病院で治療を受け、数日後には全身包帯ぐるぐる巻きのミイラ状態ではあるものの五体満足で動けるまでに回復を果たす。


すごいよね?ブリタニアの医学って


その後、警察の手から逃れたマオはC.C.の確保より先にルルーシュへの報復を行うことを決意。
交渉のためC.C.が中華連邦に向かったことを確認するとアッシュフォード学園に向かいナナリーを誘拐。
途中ルルーシュの様子に疑問を持ったスザクの出現はあったものの、ナナリーを人質にすることでルルーシュにプレッシャーを与え翻弄する。
そして最後にナナリーの元に仕掛けた爆弾の起爆・解除を賭けて、学園の礼拝堂で二人きりでチェス勝負を行い、
ギアスで思考を読むことでルルーシュを限界まで追い詰める。
そして遂に負けを認めさせ、そのうえでナナリーを殺し絶望を与えようとする。

しかし実はチェスの直前、ルルーシュはスザクに指示を出したうえで自分自身に鏡を使ってギアスをかけてそのことを忘れさせており、
その指示に従ったスザクに爆弾を解除されたうえ、ルルーシュの思考を読むために意識を集中させていたことでスザクの行動を察知出来ず、
勝負の場への突入も許してしまい、マオは取り押さえられてしまう。
因みにその指示の内容は「自分の叫び声を合図に突入しろ」。
つまりルルーシュとしては「自分はマオに敗北する」事、「マオが勝ってもどの道ナナリーを殺そうとする」事、
そして「ナナリーが死ぬと思ったら自分なら思わず絶叫するだろう」という事まで計算内だった事になる。
前者はともかく後者まで読んでいた事は格好いいのか悪いのか……。

ともあれ拘束しようとするスザクに抵抗するマオは彼の心を読み、彼の最も触れられたくない秘密、
「父を殺したこと」と「贖罪のために死にたがっていること」を暴露することで彼を半狂乱にさせることには成功するが、
その様子を見て激怒したルルーシュに「お前は黙っていろ!」とギアスを掛けられ喋れなくされてしまう*1

それでも何とかその場から逃げようとするが、その先に待っていたのはマオの生存を察知して戻ってきていたC.C.だった。
そして言葉を失くしながらも彼女に駆け寄ったマオは、「好きだったよ」という言葉と共に首に銃弾を撃ち込まれ今度こそ最期を迎えた。



ルルーシュを限界まで追い詰め、「自分へのギアス」という切り札まで使わせたマオ。
彼の存在はルルーシュとC.C.、シャーリー、スザクなど多くの人間関係に変化をもたらし、そして後の悲劇伏線ともなる。

因みに、事前に先を見据えて手を打っていたとはいえチェスに敗北しナナリーが死の危機に陥った時のルルーシュの絶望は本心である。
つまり、一時的とはいえ心の底からルルーシュに負けを認めさせることに成功するという快挙を成し遂げている。
本気でルルーシュを打つ手無しに追い込むのに至ったのは彼を除くとコーネリアシュナイゼルのみであり、
代償も大きいとはいえマオのギアス能力の強力さと、それを使って相手を追い込むマオの頭脳の凄まじさがうかがえる。



本編外の活躍


劇場版

『劇場版反逆のルルーシュ』

まさかの出番全カット。全く影も形も無い。
このためシャーリー関連のイベントが無くなったほか、スザクの過去はナリタでの間接接触時のイメージ映像で明かされることになり、
本編に於ける彼の最後の出番となるユフィにギアスが暴発した時も、「ギアスが暴走した例」としてルルーシュが彼を思い出す事も無い。
メタ的には「他のギアスユーザーとの対決」「ルルーシュとスザクの共闘」「ギアスを使い続けるとオンオフできなくなる事の説明」……
といったイベントのフラグ、及び「血染めのユフィ」回とその後の展開に向けての伏線の役目を担うキャラなので、
尺との兼ね合いもあって「総集編には不要」と判断されたのだろう。

ちなみに、「ルルーシュが自分にギアスをかける」という展開も無くなっているため、黄昏の扉の中で彼がシャルルに対して行った「死ね」のギアスを無数の鏡に乱反射させるという作戦が、自爆の可能性もあるかなり危険なものになっている。



漫画

『反逆のルルーシュRe;』

ルルーシュとスザクの回想にちょっとだけ登場。


ナイトメア・オブ・ナナリー

まさかの女体化
元イレギュラーズの一人でありC.C.の細胞を移植されたことで、ギアスを発現している。
ギアス能力は他者のシナプスサーキットに干渉し過去の記憶を呼び覚ましループに陥らせるギアス「ザ・リフレイン」。
また、ループ以外にも相手の過去を覗くことも可能。
イレギュラーズを脱走したものの、C.C.細胞による反作用でいずれ自身の身体が朽ちてしまうことを恐れ、C.C.の細胞から作られたネモを手に入れ生き延びようとしている。

作中ではネモを持つナナリーを襲い彼女にギアスをかけネモを奪い取ろうとするが、ナナリーの危機にネモを通じてルルーシュとC.C.が出現。
C.C.に干渉されたことで細胞の暴走が早まり肉体をボロボロにされ、逃亡。
そして逃げる途中自分を捜索していたアリスと遭遇し、直後限界を迎え肉体が崩壊。
アリスにC.C.細胞を持つ者の末路を見せつけた。


ゲーム

DS版

基本的な流れは本編と同じだが、2週目以降はクロヴィスランドで彼が乗るグラスゴーと戦闘になる選択肢がある。
こちらの機体はガウェインなため楽勝と思いきや、ギアスによってすべての攻撃を回避してしまう。
しかししばらくするとC.C.がガウェインに乗り込み、攻撃が当たるようになる。

ちなみに選択肢を間違えると間に合わずC.C.がコンパクトにされてしまい、ルルーシュが打倒ブリタニアそっちのけでマオ達を追いかけるというバッドエンドになる。
モノローグから察するに捕まえられなかったようだ。

『ロストストーリーズ』

まさかのTV版準拠なのに未登場
ただし劇中に出てこないだけで存在はしており、本編の裏ではTV版に近い経緯でルルーシュ達と接触、死亡した模様。
シナリオ上で登場しなかった理由については、プロデューサーから「1部では、主人公はあえてギアスから遠ざけるような作り」である事、加えて「マオのギアスだとどうしても主人公の失った記憶を暴き立ててしまうため」の2点が主な要因として語られている。


外部作品


第2次スーパーロボット大戦Z 破世篇

ナイトメアフレーム(KMF)のパイロットではないため、NPCという扱い。
大筋は原作通りであるが、ギアスを利用して『装甲騎兵ボトムズ』の秘密結社を味方につけて治安警察の指揮を執る等のクロスオーバーが用意されている。





追記・修正はオーストラリアに白くて綺麗なとても静かな家を建ててからお願いします。

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最終更新:2024年03月14日 22:19

*1 恐らくルルーシュが感情のまま後先考えずギアスを使ったためマオの読心でも咄嗟に対応出来なかったものと思われる