ヒトラー女性化計画

登録日:2019/02/21 (木) 14:10:12
更新日:2024/04/01 Mon 04:17:08
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ヒトラー女性化計画とは、かの有名なアドルフ・ヒトラーをメス堕ち……もとい、女体化させることを目的とした計画である。








この項目を語るにおいて、ひとつだけ特筆すべきことがある。「ヒトラー女性化計画」の立案者だ。



B級18禁ゲームの作者か?違う。



どこぞのイカれたYouTuberか?違う。



この計画の立案者、それは、アメリカが運営する公的諜報機関「戦略諜報局」(OSS)
アメリカの諜報機関として有名なあのCIAの前身となった組織である。


……これは、第二次世界大戦のさなか、現実のアメリカが大真面目に研究し、大真面目に企画され、大真面目に実行した、ちゃんとした軍事作戦なのである。


経緯

時は第二次世界大戦期。

アドルフ・ヒトラーこと総統閣下率いるドイツは並み居る列強を相手に暴れに暴れまくっていた。
今では想像し辛いかもしれないが、そのあんまりな強さに当時のアメリカ含む各国は頭を抱えていたのである。


どうにかしてドイツを弱くしたいけれど、当時のドイツ国民は凄まじいカリスマを誇る総統閣下を中心に超★団結しており、容易に手出しができない。
かつてイスラム教を軸に集まったオスマン帝国軍がそうであったように、心を一つにし士気を高めた軍隊、すなわち兵士が自らの死を恐れない軍隊というのはバケモノじみた戦闘力を発揮するものだからだ。*1


ならばドイツを弱体化させるにはドイツ国民から熱狂的支持を集めていた総統閣下をどうにか切り崩すことが先決だ、という方向に話が流れるのは自然の流れだった。


総統閣下を暗殺すればいいじゃないか。

その考えも一理ある。実際、当時の戦略諜報局ではそうした意見も出た。

しかし、ことはそう簡単ではない。
この作戦において要となるのは、「ヒトラーを殺すこと」ではなく「ドイツ国民の士気を削ぐこと」、すなわちドイツ人共をガッカリさせることにある。

むしろ下手に殺してしまうと、「偉大なる閣下は理想半ばにして連合軍の陰謀に倒れた英雄である!!今こそ、我らドイツ国民は命を賭けて閣下の仇討ちを!!!ドイツ万歳!閣下万歳ィィィ!!!」と逆に奮い立ってしまう恐れがあり、戦略諜報局としては暗殺に踏み切れなかったのだ。

そうなれば、それこそドイツ人を肉の最後の一片までも絶滅するまで戦争は終わらなくなってしまう。人を殺すのにだって弾丸、剣、兵力を消費するし、敵国の民を殺せば殺すほど勝ったときの取り分も少なくなる以上、できるなら戦わずに勝ちたいと思うのは当然のことだった。

……ということで計画の方向性は「ヒトラーは生かしつつ、その魅力を削ぐ」方向にシフトしていった。

最初に、総統閣下を失明させる計画が建てられた。
水と反応して緩やかに失明させる気体を発生させる液体を、閣下の会談の場に仕込んで失明させようというのであった。
しかし、総統閣下は何を思ったか直前で会談を別の場所に変更したので失敗。


次なる計画の糸口として注目されたのが総統閣下の性格だった。
  • 粗食に甘んじ、運動を好まず、しかも長寿を願っている。←これはまさに多くの主婦の姿である。
  • 嫉妬深い。
  • 他人に責任を着せる。
  • 執念深く復讐心を燃やす。
  • ヒトラーは子供をかわいがるが、自分自身の子供をもうけようとしていない。これは男性にしては母性本能が強すぎるため、女性関係が淡泊なのではないか。
  • ヒトラーはおしゃべり好きと演劇性はヒステリー性格における自己顕示性の現れである。これは女性の性格の特徴である。
  • ヒステリック。
……などなど*2
その結果、「女々しくてヒステリックなヒトラーをさらにヒステリックにして情緒不安定にさせてやろう!」「トレードマークのちょび髭を落としてやろう!」「あいつの声を甲高い女声にしてしまえば演説を聞いても萎えるはずだ!」というそこそこ合理的な、しかしあんまり共感はできない目論見で立ち上がった計画、それがヒトラー女性化計画なのだ。


実行

1942年秋、戦略諜報局は熱でも水でも変成しないという高濃度の女性ホルモン液を開発し、それを総統閣下の食事に混入させた。
実行者はドイツ現地で買収した小作人。野菜に女性ホルモン液をふりかけさせたのだという。
成功したいう報告を受け諜報局は「ヒトラーにブラジャーをプレゼントしたい」「なら私はマニキュアをプレゼントしよう」とジョークを言った。
しかし、計画はうまくいかず、総統閣下も女性化しなかった。理由は諸説あるが、「ヒトラーの主治医であるテオドール・モレル医師がヒトラーに男性ホルモンを処方していたからだ」というのが有名。
しかし、作戦が過ぎたあたりからヒトラーが急に体調不良を頻発しだしたとの記録が残ってはいるので、つまりちょっとは効果があったってことだろう。うん。そうに違いない


余談

このOSSは他にも軍事作戦をいろいろ考案しており、
第二次大戦(日本vsアメリカ)では、敵国であった日本人の士気を削ぐために富士山に赤ペンキをぶちまけて真っ赤にすることで日本人をガッカリさせるという微妙にズレた内容の作戦の記録も見つかっている。
ただ、こちらの作戦は富士山があまりにデカいのでペンキの量も輸送費もバカにならないという至極真っ当なツッコミにより企画倒れしている。


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最終更新:2024年04月01日 04:17

*1 兵隊のやる気を高く保つというのは、ほとんどの国の指導者にとって悩みの種であった。やる気が低いと戦闘能力が下がるだけでなく、敵前逃亡などにより戦線が瓦解してしまうからである。逃げようとする兵士を脅して戦線復帰させる「督戦隊」という専門役職が存在したり、兵士の足にロープをつないで退却できないようにした国(ロシア)もあったほどである。

*2 なお、第二次世界大戦期はバリッバリの男尊女卑社会かつ女性蔑視が当たり前だった時代。上記リストで出した言説は、そのまま当時の女性がどういうものだと考えられていたかという価値観を示す資料でもある。