SCP-1423

登録日:2019/02/14 Thu 22:06:10
更新日:2022/09/12 Mon 18:33:38
所要時間:約 4 分で読めます






We've had a great year, haven't we?(私達は最高の一年を過ごしました!)


SCP-1423は、シェアード・ワールドSCP Foundationシリーズハブ『Class of '76』に登場するオブジェクト
オブジェクトクラスはSafe。

項目名は『Summer of '76(76年、夏)』。


私達は最高の概要を過ごしました!

SCP-1423は1976年に撮影された正体不明のティーンエイジャー数名の写ったポラロイド写真である。
服装から撮影時期は夏であると推測されている。
SCP-1423の裏には棒炭で『私達は最高の一年を過ごしました!』と記述されている。

この写真を見た人は高校最後の夏休みの思い出にどっぷりふけりはじめる。
SCP-1423に触れている間、見た人はあまりにも正確に夏休みの思い出を思い出し、
その思い出を再現しようとかつての知人に連絡を取ろうとする。
なお実際に思い出の場所に行くと、何かが不足してる様に思えてしまい不機嫌になる。
まあだいたい思い出ってめっちゃ美化されるものですしおすし。
しかしそれでもめげずに思い出を再現しようと試みてしまう。

更に影響を受けた人たちは思い出を想起しようとこの写真を独占しようとしだす。
そして次第に夢にまで思い出を見るようになり、それを文章化しようと夢日記をつけはじめる。
しかし文章化された思い出と、SCP-1423のもう一つの特性である記憶改竄により、だんだんギャップを覚え苦しみだす。

実際の文章化された思い出のひとつがこれである。
それは永遠で、無限で、とにかく他のあらゆる「クソ長い」って意味の言葉が当てはまるのさ。俺たちは車に乗って走り出した。 しかしどこへもたどり着かない。 俺たちはいつだって もう少しでコンサートに行けたってのに。あぁ、今日はコンサートの日だったな。昨日はサンゴの城を見に、マイアミへと進路を向けた。 この前の火曜日はワシントン。婦人参政権論者と集まるために。参政権?ああ、まともじゃない。何もかもまともじゃない。
このように、文章は極めて支離滅裂なものとなる。

このオブジェクトが見つかったのは隣人から行方不明と通報があった███ █████氏の家である。
当初このオブジェクトの効果が知事に発揮されて混乱が起きていたようだが、財団が介入したことで報告を隠蔽した。
しかしながらこの███ █████氏、かつて1976年にSCP-332の事件に巻き込まれ、財団によって記憶処理を受けている人物であり、
写真の人物の情報について調査が現在も続けられている。





















以下、Class of '76のネタバレが含まれます





















ここからネタバレ

SCP-1423は、Tale『Remenberance(思い出)』に登場する、リーが持っていたであろう写真と同じものと判断される。
写っているのはリー自身と、友人のアンディ、及びシンディ。

リーはSCP-332-Aという大規模収容違反事件に巻き込まれた人間の一人であり、
財団が介入したことでカーク・ロンウッド高校から救出された生徒であった。
財団は彼に記憶処理を施しており、彼はその事件について忘却したはずであった。

しかしそんな彼のもとにSCP-1423が届く。
彼はカーク・ロンウッド高校の仲間たちと過ごした穏やかな日々(もっとも、本当は途中から穏やかでもなんでもなかったのだが)を思い出し、
付き合っていたガールフレンド・シンディの唇の感触を思い出す。

…でもそういえばシンディとはどうやって会ったんだっけ?

…そもそもこんな写真撮ったっけ?

そうしてリーはだんだん自分の『本当の』思い出を想起しはじめる。
リーは彼らのことを忘れていた




でも、彼らはリーを決して忘れない









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最終更新:2022年09月12日 18:33