盾の勇者の成り上がり

登録日:2019/02/13 Wed 07:46:18
更新日:2024/03/24 Sun 20:47:34
所要時間:約 10 分で読めます






これは一人の男が、絶望の底から這い上がって行く軌跡を描いた成り上がりファンタジー!




出典:TVアニメ『盾の勇者の成り上がり』公式サイト、http://shieldhero-anime.jp/、19年4月18日閲覧、
©2019 アネコユサギ/KADOKAWA/盾の勇者の製作委員会



概要

『盾の勇者の成り上がり』とはアネコユサギ氏が『小説家になろう』で連載していた小説。完結済み。
MFブックスから書籍化もしており、既刊20巻。イラストは弥南せいら氏。
書籍化された後もweb版は今でもなろうで読む事が出来る。

漫画化もされており、作画は藍屋球氏が担当。既刊12巻。

2019年1月から6月まで2クールでアニメが放送されており、1話は1時間SPという気合の入ったものになっている。
さらに2期、3期の放送も決定している。
2期は当初2021年10月からの放送だったが、2022年4月からの放送に延期された。
3期は2023年10月から放送開始している。

原作Web版、書籍版、漫画版、アニメ版はどれもストーリーの大筋自体は同じだが細かい場面の違いが多く、それぞれで受ける印象も違ってくるのが特徴。


外伝作品『槍の勇者のやり直し』、およびその続編『真・槍の勇者のやり直し』も小説家になろうで掲載されている。
カテゴリ上は『盾の勇者の成り上がり』内に入っているので少々探しづらいかもしれない。
『槍の勇者のやり直し』は書籍化、漫画化している。『真・槍の勇者のやり直し』は『槍の勇者のやり直し』が完結していないので書籍化されていない。
また『槍の勇者のやり直し』は『盾の勇者の成り上がり』の終盤中の終盤にラスボスの攻撃で死んだ槍の勇者が過去に飛ばされるという話なので、
『盾の勇者の成り上がり』をある程度は読んでいないと面白さが半減する。


本作では主人公含めた四聖勇者たちは色々好き勝手に行動し色々な問題を起こすが、これは作者が言うには主人公の一面だという。
主人公の行う主人公らしさという一面は裏返せば「身勝手でウザイ奴」であり、勇者に選ばれる四人は主人公属性の塊なので、意図的にウザくしているという。

シリーズ累計620万部を突破している。(19年4月時点)
ちなみに活動報告で作者が470万部と発表した直後に公開されたアニメPV3に600万部と書かれていた事があった。
作者も驚いて編集部に問い合わせてみるとさらに増えて620万部になっていると返ってきたらしい。
そして僅か三か月後に発売された設定集には累計780万部と書かれていた。アニメ効果恐るべし……。


あらすじ

ある日、岩谷尚文は図書館で『四聖武器書』を読んでいる最中、ふと気づくと異世界に『盾の勇者』として召喚されていた。
他にも3人召喚されており、それぞれ剣・槍・弓の勇者だった。
彼らの話では「この世界にそっくりなゲーム」をしたことがあるらしく、そのゲームでは盾が最弱職だと言うのだ。

翌日、「勇者が仲間を選ぶ」のではなく「仲間がついていきたい勇者を選ぶ」という、謎の方法でパーティが決まったが、尚文の下には一人も仲間が来なかった。
そんな彼に同情したのか、唯一仲間に加入したのが「マイン=スフィア」という女性冒険者だった。
美女とパーティを組めた事に気を良くした尚文は、ウキウキしながら異世界冒険に出発した。

……が、翌日宿で目が覚めると自分の装備品と所持金が忽然と消えていた。
慌てる尚文だったが、そこに駆け付けた城の兵士に連行されてしまう。
連行された先の城で尚文を待っていたのは「マインを強姦しようとした罪」を言い渡す国王と、自分にだけ見えるようこっそり舌を出して笑うマインだった――



主な登場人物

四聖勇者

盾・剣・槍・弓の聖武器に選ばれた勇者の総称。
聖遺物を使って召喚される異世界人のみが四聖勇者になれ、現地人ではなれない。
一度の召喚で呼べるとは限らず、召喚される勇者の種類、および人数は召喚されるまで分からない。そもそも世界の危機が訪れないと召喚出来ない。
そのため召喚される勇者の人数で危機の危険度が把握できるというシステムでもあり、たいていの場合は一人の勇者しかやってこない。
4人全員召喚される例は過去にも数えるほどしかない稀な事であり一大事。
召喚される異世界人は元の世界でこの世界と酷似したゲームをプレイしているようで地理に詳しい。
今回も尚文以外の勇者は元の世界でゲームをしており、それゆえこの世界をゲームと思い込み他の勇者を競争相手としか思っていない。
ちなみに勇者たちが持つ聖武器は基本的に外せない。トイレの時も寝る時も常に一緒。そのため日常では小さくして持ち運んでいる。

CV石川界人
料理漫画的な日本から召喚された本作の主人公で盾の勇者。作者曰く「チート? 商売、裏切られ主人公」
20歳のオタク大学生。図書館でふと手に取った『四聖武器書』を読んでいたところ、異世界に召喚される。
料理が得意でケモナーなだけのお調子者だったが、裏切りにあった事で人間不信となり冷徹な人間へと豹変してしまう。
一方で本質的には優しい人間で、不当な扱いを受ける者達の面倒を見たり、警戒はすれど親切で弱者の為の文字通り盾となる。
また、一つで酒樽一杯分の酒が作れるルコルの実をパクパクと食べられるほど酒に強い。*1
虐げられ続けたせいで「憤怒の盾」(後にラースシールド)に目覚める。

CV:松岡禎丞
VRMMO「ブレイブスターオンライン」がある日本から召喚された剣の勇者。作者曰く「チート天才クール主人公」
16歳の高校生で、四聖勇者の中で一番若く疑り深い性格。はっきりいえばコミュ障。また、カナヅチであり浅瀬ですら動けない。
尚文に次いで常識があるが体感型ゲームであるVRMMOの経験者故に、勇者の中で一番この世界がゲームであるという思い込みが強い。
また4人の中では一番理性的で相手の話に耳を傾けるが、プライドが高く相手を見下す癖がある。

CV:高橋信
ギャルゲー的な日本から召喚されたヤリチンの勇者槍の勇者。作者曰く「チートハーレム主人公」
アホだが仲間思いで一度信じたらどこまでも信じぬく性格。少年漫画の主人公みたいな性格だが、本作では信じた相手が悪すぎて……。*2
女の子が大好きで仲間になったマインの事を信じぬいたため、尚文とはたびたび敵対する事になる。フィーロのような天使属性ロリが好み。
王女が同行しているので贔屓されており、マインが嘘を吐いていた事が判明しても信じず、その後も仲間として連れ添っている。
外伝作品『槍の勇者のやり直し』では主人公を務めるが、『盾』を読まずにいきなりこちらを読むとキャラの違いに驚くこと請け合い。

CV:山谷祥生
異能力がある日本から召喚された弓の勇者。作者曰く「チート能力隠し主人公」
「命中」の能力を持ち、日本にいた頃は自分の能力の弱さにコンプレックスを抱き、拗れた正義感を胸に抱くようになった。
この世界では自分の身分を隠しながら悪徳貴族などを成敗してまわるという副将軍様プレイを満喫中。
しかし苦しんでいる民衆の意見しか聞いていないことと、アフターフォローをしていないので想定外の事態に。
また、仲間に冤罪をかけて追放した為に尚文からは敵視されている。アニメではかなり空気

その他

CV:瀬戸麻沙美
本作のヒロインの一人。狸系の亜人であるラクーン種(亜種)。
まだ10歳だが『波』によって両親と故郷を一度に亡くし、奴隷になっていた。
尚文に買ってもらった後は急激なレベルアップによって大人の姿に急成長した。
そして言い掛かりの決闘で奴隷から解放されたが、自分の意志で「盾の勇者の剣」となることを誓い再び奴隷に。
剣を武器とし、武器屋の親父がこっそり餞別で入れた魔力剣でも戦う。また、幻覚魔法なども使える。
その実力は異世界の勇者達と同等に渡り合うほどにまで成長した。

CV:日高里菜
尚文がフィロリアルの卵から育てたフィロリアル・クイーン。
フィロリアル・クイーン状態は白をベースに桜色が混じった鳥で、人間体では金髪碧眼の美少女になる。
馬車をひく事と食べる事が大好きで、ラフタリアの尻尾も美味しそうと思って狙っている。
後にフィトリアに認められアホ毛が生えた。尚文パーティーの切り込み隊長。
槍の元康に惚れられて迷惑しており、尚文への無礼千万もあって最も嫌っている。

CV:ブリドカットセーラ恵美
メルロマルク第一王女。冒険者名は『マイン=スフィア』和訳すると「地雷」…つまりそういう事だ
当初は自分の身分を隠し単なる冒険者として尚文の仲間になるが、尚文の金と装備を奪ったうえで強姦魔にでっち上げた。
その後はイケメンで自分を盲目的に信じる元康の仲間になり、尚文とは敵対する。
これらの経緯で母から激怒され、尚文に名前を「ビッチ」、冒険者名を「アバズレ」にさせられる。
自分の利益にならないことはしないほど利己的な性格だが、何故か自分の利益にならなくとも勇者を貶めようとするが……?

CV:仲野裕
マルティの父親でかつては「英知の賢王」と呼ばれたメルロマルクの王。とはいえ女王制の国なので代理の王だが。
三勇教の無断での勇者召喚を許容し、盾が召喚されれば娘のでっちあげに協力し盾を追放。その後も事あるごとに盾を冷遇する。
しかし、女王が帰還した事により愚行を咎められ、娘のマルティと同様に改名の罰を受け「クズ=メルロマルク32世」と改められた末、王族としての権威を剥奪される。
+ ...
ここまで盾と亜人を冷遇するのには理由があり、それは彼が少年時代フォーブレイの王子だった頃に遡る。
当時「ルージュ=ランサーズ=フォブレイ」という末席の王族だった時、両親含めた親しいものが亜人の国シルトヴェルトに殺されてしまい、
しかも政治的理由でシルトヴェルトを罪に問えなかったうえにルージュは王族の位を剥奪されてしまう。
激怒したルージュは残された盲目の妹を連れてシルトヴェルトと敵対するメルロマルクに「ルージュ=ランサーローズ」という名前で移民。
王族であったことを隠した一兵卒として入隊しながら多大な功績を打ち立てる。

しかしその妹もシルトヴェルトに殺されてしまったため(大量の血だけが残されていた)さらなる復讐心を募らせる。
世界支配をしようと大規模な侵略戦争を勃発させたシルトヴェルトの王や過激派を死闘の末に打ち破ったこともあり、
この頃はまだ復讐心や嫌悪よりも理性が勝っていたのでシルトヴェルトとの和平にも応じたのだが、
和平を結ぶ場でシルトヴェルトの王族によって息子が毒殺されてしまって以来、
亜人と亜人が信仰する盾の勇者への憎しみが隠し切れないほどに増幅し、もはや理性よりも憎しみの感情が優先する愚王に成り下がってしまった。

余談だが、その後『ディメンションウェーブ』にて人あたりの良いやり手経営者「オルトクレイ」が登場。
ヴィッチがウェーブ世界にはいないこともあり何事もなければこれが本来の姿だったのかもしれない。

CV:井上喜久子
メルロマルクの正統な女王。クズは彼女が不在の時に代理で王をしている。
本来外交はミレリアよりもクズの方が得意なのだが、クズがもう本来の理性を発揮できなくなったのでかわりに外交に出向いている。
国を離れている間に国が勝手に勇者召喚を行ったあげく、盾を冷遇していると知り、
同じくそれを知った他国と戦争にならないように交渉しているためメルロマルクに中々戻れない。
愚王になったクズのことは呆れつつも見放しきれていないが、マルティに関しては愛が尽きかけている。
実はマルティとメルティの間にもう一人息子を生んでいたのだが、それを毒殺したのが実はマルティではないかと疑っている。
そのためメルティを守るために二人を離して育てている。

CV:内田真礼
メルロマルク第二王女。青い髪で水魔法を得意とする少女。
姉に似ず王族としての責任感も能力も持つ。そのため妹なのに継承権も上。
また自分の能力に見合わないレベルは宝の持ち腐れという信条であり、部下とパーティを組めば高レベルになれるにもかかわらず低レベルのままでいる。
フィロリアルが大好きで、その知識量は愛の狩人になった元康と同等。またフィーロともすぐ仲良くなる。
魔法使いとして適性が高く、尚文の窮地をその得意の水魔法で度々援護している。

  • ベローカス
CV:緒方賢一
「~です、ハイ」が口癖のメルロマルク城下町の奴隷商人。表向きは魔物商人。この名前は後年の歴史書に載っていた名前で真偽は不明。
人間不信になった尚文を気に入り、ラフタリアとフィーロを売りつけた本人。
実は盾の勇者が迫害されていると知った女王が暗部に頼んで斡旋された人物であり、信用がなかった尚文に積極的に絡んできたのもそのため。
最初から優秀な奴隷を安く売ると怪しまれるため、最初はラフタリアのような使えない奴を安く売り、
それを使いつぶしたころには金が溜まるため、その頃に本来売りつけるはずだった奴隷を安く売るのが当初の目的だった。
しかし尚文はラフタリアを一級品に育ててしまったうえ、尚文がベローカスが気に入るほどの人材だったため予定が変更される事となった。
ゼルトブルに瓜二つの姿の叔父がいる他、四聖教の教皇も容姿と口癖が瓜二つであり、実は分家筋なのではないかと元康と尚文から思われている。

  • エルハルト
CV:安元洋貴
城下町で武器屋をしている親父。もっぱら武器屋の親父と表記される*3
冤罪で汚名を着せられた尚文を最初に信用してくれた人物であり、尚文も親父を信用している。
元々は他の国の出身らしく、兄弟弟子にルーモ種(モグラの獣人)がいたこともあり、他種族に対して偏見を持ったりしない。
腕利きの武器屋でもあり、尚文にオーダーメイドで『蛮族の鎧』を作ったりもする。錬や尚文が使う武器も最終的には親父産のコピー。
しかし、もう蛮族の鎧じゃないだろと言いたくなる外見や性能に魔改造しても頑なに『蛮族の鎧』と名付けるので、尚文は嫌がらせしているのではと内心嫌がっている。
実はゼルトブルの『隕鉄シリーズ』の剣・槍・弓・盾の試作品を持っており、エルハルトと仲良くなれば序盤でもスキル『流星シリーズ』が覚える事が出来る。
『隕鉄シリーズ』まで取り揃えている事を知った女王は国のお抱えにしようかと悩むほど。

  • グラス
CV:潘めぐみ
尚文たちが召喚されてから2回目の波の時に現れた謎の和服女性。
尚文以外の四聖勇者を難なく蹴散らし、尚文たちのパーティとも互角以上に戦えるほどの強者。
魔物を送り込んでくる侵略者だと思われていたが、その正体は異世界の眷属器、扇の勇者。
異世界でも同じく波と戦っているが、他の世界を滅ぼすことで自分たちの世界を延命できると知り、尚文達の世界にやってきた。
純粋な人間ではない霊体的な特殊な存在であり、尚文の盾の一つ「ソウルイーターシールド」に弱い。

  • フィトリア
CV:丹下桜
現フィロリアルクイーン(種としてのクイーンの中でもフィロリアルをまとめる役職)。
メルティ暗殺容疑の逃亡中にクイーン種になったフィーロの実力を知るために来訪する。
戦闘能力は非常に高く、単体で各地の波に出向いて退けるほど。
街を壊滅状態にしたドラゴンゾンビを一蹴し、その気になれば四聖勇者を皆殺しにできるレベル。
実は七星勇者の八人目、伝承から消えた馬車の勇者。

  • 教皇(ビスカ=T=バルマス)
CV:菅生隆之
三勇教の教皇。メルロマルクの四人全員の四聖勇者召喚や盾の勇者の迫害に加担した黒幕。
四聖勇者の持つ聖武器4つすべての能力をもつ「複製品」と、信者たちの儀式魔法による防御・援護・攻撃で強大な戦闘力を持つ。
尚文達四聖勇者全員を相手にし圧倒、あわや全滅寸前まで追い込む。しかし女王の援軍が到着し、カースシールドの力で返り討ちに遭った。

  • ラルクベルク
CV:福山潤
web版未登場。巨大な大鎌を担いだガタイのいい長身の男性。通称「ラルク」。気さくで人が良い兄ちゃん。
カルミラ島でレベル上げをしにきた際に尚文達と出会うが、尚文が盾の勇者だという話を全く信じていなかった。
一緒にレベル上げをする事になり、その過程でようやく尚文が盾の勇者である事を信じた。
その正体はグラスと同じく異世界の勇者であり眷属器、鎌の勇者であり、自分達の世界を救う為に尚文達と戦う。
面倒見のいい兄気分な性格で、尚文達にも自分達の手の内を隠さず正々堂々と戦ってみせた。

  • テリス
CV:早見沙織
同じくweb版未登場。ラルクと親しくいつも共に行動していお淑やかな女性。
カルミラ島でラルクと共に尚文一行と出会い、一時的に仲間となって共にレベル上げをした。
その後、ラフタリアから尚文は細工が得意と聞き、アクセサリー作りを依頼する。
宝石から力を借りて特殊な魔法を使用する。波のボスを退けた後、ラルクと共に尚文の前に立ち塞がる。

CV:原奈津子
弓の勇者の元仲間で緑色の髪を三つ編みにした少女。童顔だが実年齢は17歳。
レベル68にもかかわらず購入当初のラフタリアと大差ないほど異常にステータスが低く、冤罪をかけられ解雇。
元康から事情を聞いた尚文に問い詰められた樹に弱すぎて一緒にやっていけないと言われたことに絶望して自殺を図った。
しかし尚文に諭され「樹に認めて貰えるほど強くなる」ことを目標に、尚文の仲間になった。
コミックスでは船の中で樹の仲間の戦士にいびられてるところでラフタリアと出会っている。

用語

  • 厄災の波
四聖勇者が召喚された世界を滅びに導いている災害。
空が不気味なワインレッドに染まり時空の亀裂が走りそこから大量の魔物が襲来する。
各国には『龍刻の砂時計』というものがあり、砂が落ち切る時に波が発生する。
勇者は砂時計に登録する事で波が発生時に仲間と共に発生場所まで転送される。
その発生原因は世界同士の融合によって起きる現象であり、黒幕が意図的に発生させている。
また、「波の先にある世界の勇者を殺せば、自分たちの世界を滅亡から延命できる」という伝承がある。

  • 七星勇者
四聖勇者と同じく人々から敬われている存在。位としては四聖には劣る。
本来は四聖勇者の持つ四つの聖武器にそれぞれ二つずつの眷属器があり、それぞれ小手・杖・投擲具・鞭・槌・ツメ・斧である。これに選ばれたのが七星勇者。
例えば盾の眷属は槌とツメであり、弓の眷属は投擲具……と読者は思っていたが、のちに作者から弓と投擲具の対応関係は否定された。

誤解の元は、いくつかあるが
「作者が最初に断言し、例えとされた盾と槌・ツメの関係性が物語において重要だったこと(主人公が盾の尚文なので当然だが)」
「現在ではすべての聖武器が等しく、七星(眷属器)に対し権限を行使できる(逆に眷属器も等しく救援などの機能を行使できる)ため、過去の対応関係でなくとも問題ないこと」であろう。

七星勇者は四聖とは違い異世界からの召喚だけではなく現地人もなることができるので、現地の戦士からの憧れは強い。
また四聖勇者は世界に大きな危機が訪れなくては召喚出来ないが、七星勇者は安置されている眷属器に選ばれれば即座になれるため、常時世界に存在している。
ここまで読めば思うだろう「聖武器にそれぞれ二つの眷属があるなら、八星勇者じゃないのか」と……。
実は眷属器には最後の一つ……『馬車の眷属器』があったのだが、これの最後の適合者は千年以上の時を生き、
人前には滅多に顔を出さないフィトリアであるため、長い時の中で馬車の勇者の存在が忘れられ八星勇者から七星勇者となった。

  • ラクーン種
ラフタリアが所属している種族。
一般的に知られているラクーン種は、太りやすくブサイクで、大人になると怠けものになるという。
しかしラフタリアはこれら特徴を兼ねておらず、後に近隣種と判明する。
というのも本作のラクーン種は、タヌキとアライグマとレッサーパンダ系の亜人が一まとめでラクーン種と呼ばれているのである。
タヌキ系のラクーン種は尻尾に縞々はなく、アライグマ系のラクーン種は縞々がある。
しかしこの尻尾の縞々というのは魔物しか判別がつかず、人間や亜人の目では縞々を確認できないため、一まとめにされているのだ。
ラフタリアはタヌキ系のラクーン種で、この世界で一般的なラクーン種はアライグマ系である。

  • ブレイブスターオンライン
  • エメラルドオンライン
  • ディメンションウェーブ
それぞれ錬、元康、樹が元の世界でプレイしていたゲーム。
いずれも地名や地形、魔物の生息図やイベント・ゲームの仕様などが召喚された異世界にそっくり。
そのため尚文以外の勇者はゲームの世界に来たと思い込み、知識があるからと他の勇者との情報交換を怠るといった行動に出た。

+ ...
実はこれらのゲームは『波』を起こしている黒幕が四聖勇者が異世界をゲームだと思い込ませるために、こっそり各異世界の日本に普及させていたゲームであった。
黒幕はこれを利用し、勇者たちが互いを信じることによる伝説の武器の強化方法の共有を困難にさせ、この異世界では物凄く強い封印された四霊をゲームでは割と簡単に倒せるクエストに設定し、
弱いと思い込んでいる三勇者に当時の彼らでは敵うはずもない四霊の封印を解かせるといった策略もみせている。

  • 転生者
  • 転移者
  • 憑依者
その名の通り転生して異世界に来た人と、異世界に転移してきた人と、異世界の人物に憑依した人。いずれも本作の敵に送り込まれてきた日本人たち。
勇者武器である眷属器を強奪する力を黒幕から与えられており、ゲーム気分でいる。


  • メルロマルク
本作の主な舞台となる国。女王制。亜人の奴隷制度がある。
国の歴史はメルロマルクの元となった国を合わせればかなりの歴史になる。
人間絶対主義であり、亜人絶対主義のシルトヴェルトとは長年敵対関係にある。
そのためシルトヴェルトが信仰する盾の勇者を悪魔として扱う三勇教が国教であり、尚文はいわば敵国のド真ん中に召喚されたようなもの。

メルロマルクの国教で剣・槍・弓の勇者を信仰している宗派。亜人に対して差別的で、人間至上主義を掲げている。
亜人が崇める盾の勇者は悪魔として毛嫌いしており、目下勇者を殺す為に動いている。四勇者を召喚したのもこの組織。
後に三勇者まで巻き込み王家もろとも殺害する国家転覆を企むも失敗し、全ての勇者を崇拝する世界共通の宗教「四聖教」にとって代わられた。

  • 盾教
シルトヴェルトで国教になっている三勇教とは逆に盾のみを信仰した宗教。
こちらも三勇教に負けず劣らず過激な思想を持つ宗教組織。
とはいえ、三勇教のように盾以外の勇者を露骨に悪魔扱いするようなことはなく、盾の勇者の味方であればそこまで酷い扱いはされない。

  • シルトヴェルト
当初不遇な扱いを受けていた尚文を勧誘しようとした亜人国家。メルロマルクと長年戦争を続けてきた国でもある。
亜人至上主義でメルロマルクとは逆に人間が奴隷として扱われている。
ハクコ、シュサク、アオタツ、ゲンムの4種族が代表についているが、ハクコ種は過去に英知の賢王に倒され、アオタツ種はシルトフリーデンの代表についている為、現在は穏健派のシュサクとゲンムが代表となっている。
盾の勇者を神として崇めてはいるが、亜人でない者が盾の勇者であることに不満を抱いている者も少なくない。

  • フォーブレイ
国の歴史自体は比較的浅いものの、勇者伝説の発祥の地であり勇者の血が集結している場所。
四聖勇者、七星勇者を平等に崇め、人間と亜人の差別も特にない。
転生者からもたらされた技術により現代世界の技術が発達しており、車や飛行機などが存在している。
メルロマルクが勝手をしなければ、本来なら四聖勇者はフォーブレイに召喚されるはずであった。
しかしフォーブレイ近隣には転生者がウヨウヨおり、仮にここに召喚されていたのなら1回目の波を迎える前に4人は殺されていただろう。
作者によれば盾にとって天敵ともいえるメルロマルクに召喚されたのは、
フォーブレイに比べれば安全(三勇教のせいで転生者も近づかない)と判断した聖武器たちの気遣いである。

  • ゼルトブル
傭兵の国でもある商業都市。その為か武器や装備の質がいいらしい。

  • シルドフリーデン
人間と亜人の国。シルトヴェルトの血統主義に反旗を翻し袂を別った亜人と人間が作り上げた国で、奴隷戦争の末に奴隷制度は廃止されている。
自由と平等を標榜するが、ここに住んでいた原住民を虐殺して土地を奪って作り上げたという血なまぐさい歴史を持つ国でもある。
現在はタクトの息がかかっているアオタツ種が代表を務めている。

  • 七星教
フォーブレイに教会が存在する。
四聖教の教会と同じように七星勇者のステンドグラスが存在する。


追記・修正は成り上がってからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 盾の勇者の成り上がり
  • 小説家になろう
  • アネコユサギ
  • MFブックス
  • 弥南せいら
  • 19年冬アニメ
  • 小説
  • アニメ
  • 裏切り
  • 成り上がり
  • ファンタジー
  • 藍屋球
  • 漫画
  • MADKID
  • 19年春アニメ
  • 22年春アニメ
  • パチスロ化
  • 序盤は鬱展開
  • 四聖勇者
  • 七星勇者
  • ダークファンタジー
  • 23年秋アニメ

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月24日 20:47

*1 常人は一粒食べれば卒倒する。

*2 ちなみにこれは純心から等ではなく、異世界に転生した原因が自分が二股した女性達に刺されたから、今後は女性を大事にしようと思ってのこと。

*3 web版本編ではずっとこの表記であり、エピローグに出てきた後年の歴史書でようやく名前が判明した