逆説的な結果/Paradoxical Outcome(MtG)

登録日:2019/01/18(金) 21:38:49
更新日:2024/04/06 Sat 20:43:19
所要時間:約 6 分で読めます




《逆説的な結果/Paradoxical Outcome》とは、TCG「マジック:ザ・ギャザリング」に存在するカードである。
「カラデシュ」に収録された。レアリティはレア。

概要


Paradoxical Outcome / 逆説的な結果 (3)(青)
インスタント
望む数のあなたがコントロールする土地でもトークンでもないパーマネントを対象とし、それらをオーナーの手札に戻す。これによりあなたの手札に戻されたカード1枚につき、カードを1枚引く。

土地・トークン以外のパーマネントを好きな数だけバウンスしてその分ドローできる呪文。

元手4マナではあるが、土地は戻せないので場に他のパーマネントがないと何の意味もない。
ドローするにあたってボード・アドバンテージを失っているのも痛い所であり工夫が必要。
ETB持ちなどを戻せば、再利用可能なので更なるアドバンテージを稼げる。
インスタントなので相手ターンに使って返しの自ターンに再展開というのもあり。除去に対応して打てばパーマネントを守りつつドローもできる。

総じてテクニカルだが使いこなせれば強力なドローカードと言えるだろう。


































   *   *
 *   + うそではないです
   n ∧_∧ n
 + (ヨ(*´∀`)E)
    Y   Y  *


確かに上に記したことは事実である。

が、このカードを使うに当たって上述のような組み合わせや使い方はあまり割に合わない。
というかインスタントとはいえ4マナもかかり、かつパーマネントを唱え直すテンポ損を考えればその程度ではむしろ損になりかねない。
カードをたくさん引いてそのまま負けたのではお話にならないのだ。

むしろこういうのと組み合わせるべきカードである。

Bone Saw / 骨の鋸 (0)
アーティファクト — 装備品(Equipment)
装備しているクリーチャーは+1/+0の修整を受ける。
装備(1)((1):あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、それにつける。装備はソーサリーとしてのみ行う。


Renegade Map / 改革派の地図 (1)
アーティファクト
改革派の地図はタップ状態で戦場に出る。
(T),改革派の地図を生け贄に捧げる:あなたのライブラリーから基本土地カード1枚を探し、それを公開してあなたの手札に加え、その後あなたのライブラリーを切り直す。


Mox Amber / モックス・アンバー (0)
伝説のアーティファクト
(T):あなたがコントロールしている伝説のクリーチャーとプレインズウォーカーの中の好きな色1色のマナ1点を加える。

細かい能力は置いておいてこいつらは全て0マナや1マナで出せるカードである。
つまりバラ撒いておいたこれらのカードをバウンスしてドロー、再展開といった動きがスムーズにできる。
これらのカード自身が戦場でなんの役に立たないとしても、1回《逆説的な結果》のタネになれば帳消し、2回打てればドロー分得である。

さらに同時期のスタンダードにはこのようなカードも。

Inspiring Statuary / 鼓舞する彫像 (3)
アーティファクト
あなたが唱えるアーティファクトでない呪文は即席を持つ。(あなたのアーティファクトが、それらの呪文を唱える助けとなる。あなたはあなたのアーティファクトをタップして、1個あたり(1)の支払いに代えてもよい。)

上記のアーティファクトがすべて無色マナ源に早変わりである。
《逆説》自身が色拘束が薄い呪文なため、アンタップ状態のアーティファクトを3枚並べておけば青1マナだけで打てる。
そして即席の為にタップしたアーティファクトを手札に戻してドローし再展開すれば実質1マナで大量ドローができる。
《アンリコ》もびっくりのコスパである。

で、こんなのが居た。
霊気貯蔵器 / Aetherflux Reservoir(4)
アーティファクト
あなたが呪文を1つ唱えるたび、このターンにあなたが唱えた呪文1つにつき1点のライフを得る。
50点のライフを支払う:クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。霊気貯蔵器はそれに50点のダメージを与える。

組み合わさった結果が「《逆説的な結果》で軽量アーティファクトを出し入れして大量ライフゲイン。1ターンに8~10回呪文を唱えたら*1《霊気貯蔵器》を起動させてフィニッシュ。」というデッキである。
かつての【ストーム】デッキに動作が酷似している事から、ストームと書かれたカードは1枚も入っていないのにもかかわらず【逆説ストーム】と命名される。
初期バージョンの作成者がクソデッキ愛好家と名高い伊藤敦だったことも含め、ロマンデッキのままで終わる
…と思われていたのだが…

Sai, Master Thopterist / 練達飛行機械職人、サイ
(2)(青)
伝説のクリーチャー — 人間(Human) 工匠(Artificer)
あなたがアーティファクト呪文を唱えるたび、飛行を持つ無色の1/1の飛行機械(Thopter)アーティファクト・クリーチャー・トークンを1体生成する。
(1)(青),アーティファクト2つを生け贄に捧げる:カードを1枚引く。
1/4

復活した基本セットこと、「基本セット2019」で登場した新カード。
今までの【逆説ストーム】は《霊気貯蔵器》という勝ち手段が無ければ単体では使えないカードの集まりであり、
更に当時は《削剥/Abrade》とかいう万能アーティファクト破壊や《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》という起動型能力を止めるカードまで存在していた。
そのような環境・デッキでは安定して勝ち手段を出すことができず、出せたとしても割られるか起動不可能にされてしまう。
そもそも防御力が皆無のこのデッキでは、当時のトップメタである赤単・赤黒相手には間に合わないこともしばしばという有様であった。

そんなところに上記の《サイ》である。
デッキの基本的な動きである「軽量アーティファクトをばらまいて《逆説》でドローをする」という動きにこのカードが見事にマッチする。
タフネスが4あるので一般的な火力1枚では対処できず、トークンを生み出す能力は誘発型能力なので止めにくい。
さらにわらわらと湧き出すトークンによって守備は鉄壁、飛行を持つので場合によってはそれで攻撃も可能。
いままでのコンボ一辺倒なデッキから、軸をずらした攻めができるようになったのだ。


これらの結果、マジック25周年記念プロツアーのスタンダード部門ではなんと4番人気を獲得したほど。
【霊気池の驚異】以来のコンボデッキとして、コンボ好きに好評を博した。



さて、スタンダードのカードプールでは色々お膳立てが必要だったが、環境に軽いパーマネントが増えればもっと簡単により多くの効果を得られる。


そう、軽いパーマネントが増えれば増えるほどコイツは強くなる。


ヴィンテージでの活躍


Mox Sapphire (0)
アーティファクト
(T):(青)を加える。


Mana Crypt / 魔力の墓所 (0)
アーティファクト
あなたのアップキープの開始時に、コインを1枚投げる。あなたがコイン投げに負けたなら、魔力の墓所はあなたに3点のダメージを与える。
(T):(◇)(◇)を加える。


Mana Vault / 魔力の櫃 (1)
アーティファクト
魔力の櫃はあなたのアンタップ・ステップにアンタップしない。
あなたのアップキープの開始時に、あなたは(4)を支払ってもよい。そうしたなら、魔力の櫃をアンタップする。
あなたのドロー・ステップの開始時に、魔力の櫃がタップ状態である場合、それはあなたに1点のダメージを与える。
(T):(◇)(◇)(◇)を加える。

こんなイカれたマナ加速達と組める環境、ヴィンテージでのカードパワーは最早パワー9にも匹敵する。

割と簡単な動きだが上記の3枚を展開してマナを出した後にこれを撃って3枚ともバウンスすると、無色1マナ増えて手札が2枚増える

あれ??

これだけでもフリースペル版《アンリコ》とも言えるスペックなのだが、さらに特化すれば1枚で手札もマナも増えるなんてことも起こりうる。
《精神の願望/Mind's Desire》で捲れてしまったらとんでもない事に。


実は元々モダン以下の環境には

Hurkyl's Recall / ハーキルの召還術 (1)(青)
インスタント
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーがオーナーであるすべてのアーティファクトを、そのプレイヤーの手札に戻す。

これや《撤収/Retract》を自分に撃ってアーティファクトをバウンス・展開し直してマナとストームを稼ぐという動きが存在していた。

この動きをそのまま《逆説的な結果/Paradoxical Outcome》でやると元手が倍になった代わりに、バウンスした数だけドローとかいうおかしなことになってしまう。
増えた元手分のマナもヴィンテージでは平気で出せるのでリターンに比べれば大したリスクではない。

また4マナなので《精神的つまづき/Mental Misstep》が効かず、プレイヤーを対象に取っているわけではないので《誤った指図/Misdirection》で相手に使われる心配がないのも地味だがメリット。


このため【ストーム】デッキで早速4積みされている他、他のデッキでも普通に強いドローカード扱いで採用されることも。

あまりのパワーに「次に規制されるのはこいつ」と考えるプレイヤーも増えているという。


追記・修正はこのカードで7枚ドローしてからお願いします。
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最終更新:2024年04月06日 20:43

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