ナイチンゲール(MS)

登録日:2012/04/25 (水) 20:14:16
更新日:2023/08/04 Fri 23:41:39
所要時間:約 7 分で読めます





機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン」、「CCA-MSV」に登場するMS。
名前は鳥の「ナイチンゲール」が由来。


型式番号:MSN-04Ⅱ
全高:27.8m
頭頂高:22.5m
本体重量:48.2t
全備重量:105.7t
出力:6,760kW
センサー有効半径:23,420m

武装:
メガビームライフル
ビームサーベル
シールド
ファンネル×10

パイロット:シャア・アズナブル


ネオ・ジオン軍試作機で、ニュータイプ専用機として開発された。
サザビーの発展型で、やはり全身が赤く染め上げられている。

ネオ・ジオン軍が造ったのか、それともサザビー同様アナハイム・エレクトロニクス社に開発を委託したのかは不明。
また、サイコフレームも搭載されているかは明記されていないが、Re/100のプラモ説明書では搭載されていたりゲームではアビリティに存在する。
本機は頭頂高こそサザビーより低いが、前後左右にボリュームアップしている。そのおかげでその外観はもはやMSというよりはMAに近い。
その原因たる背中の巨大なバインダーを始め、全身にスラスターを多数備えており、その鈍重そうな見た目に似合わず機動性に優れる。
また、背中には他にも5基のプロペラントタンクを装備していて、航続距離も延伸されている。
フロントスカートにはジ・Oのようなサブマニピュレーター(隠し腕)が格納され、接近戦を仕掛けられても難なく対処できる。

元々はHi-νガンダムと同じく小説版サザビーという位置づけだったが、後に「CCA-MSV」に上記の設定と共に組み込まれた。
ライバル機のHi-νガンダムと比べるとゲームに参戦することも少ない。
そもそも知名度も低いなど色々不遇な機体。
だが、何故かGoogleの画像検索では人物の方よりこちらの画像の方が多く出てくる。



○武装
  • 大型ビームライフル
大型の携行式ビーム銃。高出力のビームを発射する。
ガンプラの説明書によると収束と拡散の切り替えができ、メガバズーカランチャー並の超高出力ビームも撃てるそうな。
下部にはバイポットも展開可能で、遠距離狙撃も可能とする。

防御用の装備。
サザビーの物と大して変わらない。

  • ビームサーベル
隠し腕と共にフロントスカートにマウントされている。
また、漫画版ではシールドの内側にサザビーと同じトマホークタイプも装備している。

  • ファンネル
肩部のバインダー上部に左右五基ずつ装備されている。
α・アジールのファンネルをダウンサイジングした物で、出力が高い。
古い資料では「α・アジールと同型のファンネルを装備」と記載されることもあるが、MSの胴体以上の大きさがあるので考証ミスである。

当初は上記武装に隠し腕を外しただけの装備だったが、後付けでこの他にもメガ粒子砲やミサイルが追加されることがある。
RE/100のガンプラではサザビー同様にシールド裏にビームトマホークとマイクロミサイルをマウントしており、胸部両脇にバルカン砲を装備する。
また、漫画版ベルチルでは胸部の下が開いてサザビー同様の拡散メガ粒子砲が露出する構造になっている。この機構はHGUCで再現される。


○作中の活躍
パイロットはシャア。
フィフス・ルナへと出撃してアムロリ・ガズィと戦い、これを圧倒。
グラーブを回収すると、さっさと後退した。
この時、アムロにわざとサイコ・ギラ・ドーガを鹵獲させている。

その後、アクシズを巡る戦闘でロンド・ベル艦隊からのミサイル攻撃を防ぎ、アムロのHi-νガンダムと交戦。
その性能とシャアの技量で一度は追い詰めたものの、ベルトーチカのお腹の中の赤ちゃんの力により、Hi-νガンダムにバリアが展開されたため、形勢逆転、攻撃も効かず、最後は劇場版同様に敗北し、脱出コクピットが始動。アムロに鹵獲され、機体も沈黙した。



■ナハトガル
型式番号:MAN-104

永野氏がかつて描いていたナイチンゲールの初期稿を自ら描き直した機体。月刊ニュータイプにて公開された。
永野氏の設定によると、「アナハイム・ジュピターがハマーンのネオ・ジオンに対して造っていた対艦攻撃用の機体で、のアナハイムにデータが漏れた際に『ナイチンゲール』と英語読みされてしまった」とのこと。
全高は45.5mとかなりの大型機である。
また、型番こそ「MAN」だが、カテゴリーとしては重MSなんだとか。



■ゲーム

第2次α』で隠し機体として登場。ただし、味方機ではなく敵機である。*1
サザビーを超える凄まじい性能を持ち、乗っているシャアの能力も相まってかなり厄介。
しかも戦力的なメリットが殆どないためスルーされがちだがハマーンと手を組むことを拒絶してしまった場合、シャアとの決着面はターン制限が付くため、条件次第ではスパロボ屈指の高難易度にもなりえる。
ハマーンと共闘した場合はターン制限なしでコイツと戦えるので、手を組まない場合は大人しくサザビーに乗ってもらった方が楽だろう。

一方、『D』では無条件で味方機として使える稀な作品。
Hi-νよりもかなり早く手に入る。まぁ、自部隊の支援組織の筆頭はネオ・ジオンなのでしゃあないと言えばしゃあない。シャアだけに。
νガンダム及びHi-ν、あるいはヤクト・ドーガの様な合体攻撃は存在しない上に武器の数も少ない。
しかし、単体の攻撃力では勝っておりDではやや冷遇されがちなMSの中では性能が高いので一軍で十分使っていける。
なお、サザビーの改造は引き継いでくれないので注意。

X』ではD以来のスパロボ登場かつ自軍運用が可能に。
(ちなみに第2弾PVで戦っていた相手はジャイオーン。Hi-νにカラーリングが似ているからか?)
条件を満たしていると第35話の後にシークレットシナリオが挿入され、そこで入手する。
武装が4つ(大型ビームライフル、ビームトマホーク、2種ファンネル)だけになるものの、性能は大幅に向上する。
特にMAPW版(着弾点指定型)のファンネルはかなり使い勝手が良く、決意でマルチアクションを引き出せるシャアとの相性は抜群。
また、戦闘アニメは重量感を強調したものとなっており、ファンネルも実質乱舞技と言っていいアクションになっている。
残念ながらシャア役の池田氏の新録が入ってないため、本機に乗ってても乗機を「サザビー」と呼ぶことがあるのが玉に瑕。

T』でも登場。
今回は一度敵として出てきた後、シャアが自軍に参入した際に条件を満たしていると本機に乗ってくる
(満たさなければサザビー。ちなみにサザビーはどちらの場合でも入手できる)。
今作ではUNDの技術を用いて開発された機体という設定。


サザビーより基本性能は高いが、武装が3つまで減ってしまったのが痛い。
ビームショットライフルとミサイルを失ったことで燃費が悪くなり、ビーム耐性持ちの敵にはより弱くなった。
ファンネルならビーム耐性のある敵にも対処できるものの、例によって使いすぎるとテンションが上がらない。
使い勝手を優先するならサザビーのままにするか、シナンジュに開発してしまった方が良いかもしれない。
一応ビーム貫通なのでIフィールド持ちであっても多少のダメージは期待できる。

『GENESIS』では武装がビーム系に偏っているのは変わらないものの大型メガ・ビーム・ライフルが大幅に強化された。
射程1~5・威力4600の拡散型と射程5~9・威力6000の収束型に撃ち分けが可能な上、威力6500MAP兵器としても使える。
開発の選択肢が増えた後も十分主力として使える性能であり「強化ではなく弱体化」と揶揄された頃の面影はもはや無い。
サザビーが「ミサイル」を失ったこともあり、全体的にこちらの方が使い勝手が良くなっている。


  • エクストリームバーサス マキシブースト
真夏のマキシブースト祭第2弾の機体として2015年8月5日に解禁。コストは3000。
その巨体は再現されており、ヴェイガンギアザクレロといった小型のボス機体と並んでも遜色ない大きさとなっている。
最大級の巨体だがバインダーや後ろのブースター部分に見た目通りの当たり判定がない。それでも機体の大きさからくる当たり判定は十分広い。
サザビーをより射撃機体にしたような仕上がりであり、接近戦は苦手。
この機体の最大の特徴としてサブ射撃でメイン射撃と連動して発射されるファンネルを相手に取りつかせる。
その他にもサザビーからの変更点としては格闘CSでサイコ・ドーガ(サイコ・ギラ・ドーガ)を1機呼び出す、特殊射撃が曲げることが可能、レバー入れ特殊射撃で拡散メガ粒子砲を撃つ、後格闘でミサイルを撃つ、といった点がある。
覚醒技はメガ・ビーム・ライフルとファンネルを照射する「粛清の光」。

ここまでの説明を見るとファンネルを飛ばしてビームを当てる機体に思えるが……その実態はとてつもない機動力でインチキ武装を繰り出すいわゆる壊れである。
機動力が全機体最速クラスであることが発覚し、武装も当てにくいと当初は思われていたが研究が進みやってることは運ゲーとまで言われるようになった。
サブ射撃のファンネルがメイン射撃を撃つと連動して出るという仕様上、レバー入れ特殊射撃で退路を塞いでどちらが当たってもおかしくない状況を単騎で作り出せるため、相手が着地したところを取るゲームにおいて空中の敵に容赦なく当てられる点が非常に凶悪。
更には自分の着地を読ませないための落下手段を3つほど持っていたり、相手の射撃を無視して格闘を当てられたりと隙がなく火力も決まれば格闘機並みに高いと文句なしの最強キャラである。

しかし、そんなことが許されるわけもなくアップデートにより足回りと武装が弱体化。前よりかスマブラのような乱戦には弱くなったが、ゲームシステム上未だ最強キャラ筆頭であることは変わらないが……。

機動戦士ガンダム Extreme vs. MAXI BOOST ONでも稼働と同時に弱体化。
更に中間アップデートで2度も弱体化を受け、しかも内容がかなり徹底した下方修正だったので一気に性能が下落。
さすがにやりすぎたのか、最後に1度だけ上方修正を貰えたのだが、失ったものを中途半端かつ僅かに戻した程度なので総合的には大幅な弱体化を受けていたのには違いない。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2では許されたのかそこそこの調整を貰った。
格闘CSは、サイコ・ドーガからファンネル展開(照射)に変更。横一線に照射するため、ステップなどの引っかけになる。
当たり方によっては異常なダメージを出していたレバー入れ特殊射撃は、最大ダメージ値が固定された。
サブ射撃は一度入力すれば全基射出ができるようになった代わりに、メイン射撃連動が緩慢に。
中間アップデートで更に強化が入った。さすがに全盛期ほどではないにしても、射撃面で圧力が増している。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2 X BOOSTでは武装配置が変更。
格闘CSは再度サイコ・ドーガに戻り、レバーサブ射撃で入力方向に応じてファンネルをライン状に展開するものに変更。
下格闘と特殊格闘が入れ替えられ、特殊格闘のシールドミサイルには一斉射が追加された。
覚醒中のメイン射撃にはファンネル連動が展開中も追加され、面制圧がしやすくなっている。
内部的な数値ではレバーN特殊射撃の威力が上昇したのみで、上記のような変更点と新要素こそあれど大枠では前作末期と大差無い。弱体化されないだけマシと思えばこそではあるが、一方で一味足りない性能にはヤキモキされがち。

2022/9/8のアップデートで上方修正を受ける。
大きな強化こそ来なかったものの、機動力の強化や新規アクションである後サブの追加など、使い手には嬉しい要素が多い。
良く愚痴が言われる武装であるレバー入れ特射も発射する弾数が増え、すり抜けが起きにくくなった。依然としてすり抜けは起こるが
巨体であるが故の被弾率の高さや、近距離の弱さなどいわゆるガチ戦をするにはまだ物足りない性能をしているものの、通常のランクマッチなどであれば十分勝利を目指せるキャラパワーとなっている。


■立体化
Hi-νと異なり異様なまでの巨躯とボディバランスから立体化に恵まれていない。
1988年に1/220でガレージキットが発売。
前後に大きく潰れた体に長いリアスカートと横に飛び出たファンネルコンテナが特徴的。
更に大型のビームライフル、多量のスラスターなどが再現されている。

1999年には1/144サイズでガレージキットが発売。
今度はサザビーのようなマッシブ体型に変わり、発展機を意識したプロポーションになった。
全く動かせない1/220と違い若干ながら関節可動する他、ファンネルも分離できた。

2002年には1/100でガレージキットが発売。
70,000円という当時からしても超高価格なプラモデルになったが、その分クオリティも高い。
特にスカート内蔵のサブアームがしっかり再現されているのは本キットが初めてとなる。

2014年9月には、新ブランド『RE1/100』の第一弾キットとして登場。
1/100ガレージキットのプロポーションをほぼそのままに、ブランドコンセプトの簡易MGを意識した構造で設計されている。
そのため通常のMGと比べると表面の情報量に欠けるが、インパクトのある大型MSという事でチャレンジする人は多かった。

その後はそれまでの恵まれなさが嘘のようにSDや食玩などでHi-ν共々度々立体化されていき、2019年にはROBOT魂ではほぼ1/144スケールで発売された。
フロントアーマーが大きくなり、Re/100で問題視された棒立ち姿勢が前傾姿勢となりボディバランスも改善されている。
隠し腕もフル可動しビームサーベルを持たせられる他、腹部メガ粒子砲もしっかり再現されている。
新要素としてファンネルコンテナを背部に折り畳む事で高速移動形態に移行できるモードが搭載されていた。

更に2021年7月にHGUCで発売された。
基本的なスタイルはROBOT魂に酷似し、姿勢は直立と前傾をスライド機能で選択できるようになった。
腹部メガ粒子砲には装甲板が付いて収納・展開ができる。肩部・腕部・脚部は可動域を十分に確保できるよう引き出しギミックが搭載。
ビームトマホーク、ビームサーベルのクリアーパーツは長短のものが付属し、勿論サブアームにも持たせられる。
ファンネルも全基射出可能な他、リアスカートには姿勢維持用のランディングギアも付属。
ボリュームに比してパーツ数は控えめに抑えられており、前述のRE100に比べて組みやすくなっている。
ただ、昨今は転売屋によるガンプラの買占めが横行し、バンダイの国内生産数が低下しているため事前予約以外で入手できる確率は非常に低い。
パッケージがはっきり言って超デカいため、運よく店頭購入できたとしても自家用車がないと持ち帰りに少々キツいものがある。


追記・修正は人類に叡智を授けてからお願いします。

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最終更新:2023年08月04日 23:41

*1 スパロボでも稀な「敵だけを強化する隠し要素」でもある。