SCP-100-JP

登録日:2018/12/17 Mon 01:01:56
更新日:2024/04/17 Wed 14:49:29
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もはや宇宙はぼろぼろなのです。

SCP-100-JPは、シェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクト (SCiP) のひとつ。日本支部が管理するオブジェクトである。
項目名は『屋根裏部屋の宇宙』。

オブジェクトクラスはSafe→Euclidを経て現在はKeter。
  • 注意書き
このSCPはかなり初期に書かれた記事であり、現在ではあまり見られない言い回しなどがある。
元のまま書くのも芸がないので、当記事では勝手ながら現在よく使われる表現に改稿させて頂く事にする。
改稿なんてすんな!俺は作者の書いたままの記事が読みてえんだ!という方は是非とも元記事に行ってもらいたい。シンプルながらとても評価の高い記事である。

それでは、以下から本題に入る。



特別収容プロトコル

SCP-100-JPはサイト-103に駐留する、天文学者及び武装戦術チームの混成部隊からなる機動部隊イオタ-8("星守")により、
内部の観測及び周辺の監視がなされており、更にサイト-103の周囲には常時電流を流した高さ10m以上のフェンスが張り巡らされている。
更に、許可無くサイト-103の半径5km内に侵入した者は、いかなる目的であれ即座に終了される事となっている。中々厳重なプロトコルである。
なお、財団によるカバーストーリーとして、サイト-103は地下から見つかったウラン鉱脈の掘削施設であるという情報が流布されている。

説明

こいつが何かと言うと、メキシコ・ユカタン州のとある地域に存在する、1922年に建てられた木造建築の2階建ての家屋である。
建築時点での家主の死後、所有者不在のまま放置されていたものを財団によって収容された。

SCP-100-JPの異常性は、2階に付けられた梯子から繋がる屋根裏部屋にある。
この屋根裏部屋、あきらかに外から見た建物のサイズからかけ離れた木造の空間が、まるでダンジョンの如く延々と続いているのである。
財団が無人探索機を使用してこの空間を探索した結果、少なくとも半径127kmにわたって空間が続いていることが確認されている。


この空間は完全に無重力状態かつ真空であり、全方向に渡ってSCP-100-JP-Aに分類される木造の『壁』が続いている。
このSCP-100-JP-Aは地平線で消えていることから、この空間は歪んでいるのではないかと推測されている。

更に、SCP-100-JPの空間内には、SCP-100-JP-Bに分類される、様々な家具を分解したあとの廃材を粗雑に組み合わせた直径10センチ前後の球状の『惑星』と、
それよりはるかに巨大で、木材の内側に電球を組み込んだ『恒星』が浮遊している。
例によって、木材の材質及び電球、また電球を点灯させる電力がどこから来ているのかは完全に不明となっている。また、これらSCP-100-JP-Bは簡単な衝撃で崩壊してしまうようだ。
SCP-100-JP-Bの状況は、観測する限りでは基底世界の宇宙と完全に一致していることが財団の天文学部門によって解明されている。

……ここまでなら空間が歪んだ部屋に天体を模した模型が並んでいるだけのオブジェクトだったのだが……。

事案記録

1900年代の某日、SCP-100-JPのより詳しい研究のため、
サイト-103に天文学者を中心とした財団の研究チームが入った時、誤ってSCP-100-JP-Bの1つを破壊してしまった。
その時は何も起こらずに済んだのだが、それから数年後の2000年代某日、
おうし座付近にあるとある恒星が恒星寿命に関係なく超新星爆発を起こしたことが財団の天文学チームにより確認された。
これにより、SCP-100-JP-Bの破損状況は基底世界の宇宙の模型と同じ惑星及び恒星にも与えられる事が判明。
同様にSCP-100-JP-Aが破損した場合、宇宙空間そのものに同等の影響を与えると見られている。

これにより、SafeクラスだったSCP-100-JPは、K-クラスシナリオを引き起こしうるオブジェクトであるとして、
即座にEuclidクラスのオブジェクトとして認定。以降SCP-100-JP内部での実験は禁じられる事となった。
だが現在までに財団が材質検査及び探査中の軽微な接触などによって破壊したSCP-100-JP-Bの数は2桁を超えており
超新星爆発を起こした恒星と同様、多数の惑星が消滅する可能性があると見られている。
幸いにして破壊されたSCP-100-JP-Bは全て地球にあたるであろうSCP-100-JP-Bからは離れており、超新星爆発などによる地球及び人類への直接的被害はないものと見られている。



この事案以降、上記の特別収容プロトコルが決定。サイト-103への無許可での侵入は禁じられる事となった。



追記・修正は星の安全を守ってからお願いします。


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SCP-100-JP - 屋根裏部屋の宇宙
ttp://ja.scp-wiki.net/scp-100-jp
by tokage-otoko

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事案100-2

2000年代某日、地震によってSCP-100-JPの一部が倒壊、SCP-100-JP-Aに穴が開き多数のSCP-100-JP-Bが破壊されるという大惨事が起きた。

そう、SCP-100-JPは築100年を超える木造の家屋。いつ老朽化や災害によって倒壊しても不思議ではないのだ

この事案を受け、SCP-100-JP-Aを破壊する試みは一切禁じられ、SCP-100-JPのオブジェクトクラスは即時Keterに格上げ。
老朽化及び災害による倒壊を防ぐ為、数年に1度、木造家屋保守の特別訓練を受けた作業員20名による補修作業を行う旨が特別収容プロトコルに加えられた。
無論、この補修作業中であっても作業員の屋根裏部屋への立ち入りは禁じられている。

なお、事案100-2による損壊により引き起こされた結果だが、O5のうち4名の命令により、レベル5クリアランス未満の職員には非公開とされている。……いったい何が起きたのだろうか。


最終的にKeterにまでなったこのオブジェクトだが、現状、数あるKeterクラスオブジェクトの中でもトップクラスにやばい代物である。
特別収容プロトコルで防げるのはあくまで人的損壊だけ。補修作業は単なる応急処置でしかない。いつ災害でSCP-100-JP-Bが破壊されてもおかしくない。
いつでもXK-クラス:世界終焉シナリオのトリガーとなりうる不発弾のようなもの。

事案記録によればSCP-100-JP-Bが破壊されてからその惑星や恒星が消滅するには数十年の猶予があるようなので、
最悪、地球にあたるSCP-100-JP-Bが無くなるだけならまだどうにかなるかもしれない。
用意周到な財団のこと、地球滅亡の危機に備え、地球からの移住手段も当然確保していることだろう。
特別退避プロトコル”ノア”や、プロトコル2237-オメガのように。
だが、太陽が無くなったら?果たして人類は存続していけるのだろうか。永遠に日の当たらない世界で。それだけではない。

もし、災害で屋根が崩落し、屋根に部屋が潰されて『宇宙』そのものがなくなってしまったら?


恒星が寿命に関係なく超新星爆発を起こした事を考えれば、その結果は想像がつく。


ビッグクランチ――宇宙の消滅。YK-クラス:エントロピー消滅シナリオ。真の意味での世界の終焉が訪れるのだろう。
つうか、作者によると事案100-2の伏せられている部分はずばり「一回宇宙が滅んだのでやり直すハメになりました」という内容の情報が描かれているらしい。

財団世界の宇宙に明日あれ。


余談

冒頭で述べた通り、かなり初期に書かれた記事であり、現在では見慣れない表現がちらほらある他、
壁、恒星、惑星は元記事ではSCP-100-JP-A、SCP-100-JP-Bに分類されておらず随時「壁」「恒星」「惑星」と表記されるなどまだ手探りな様子が見て取れる。

またディスカッションでの作者曰く、執筆当時はまだ日本支部そのものが存在せず、
英訳に四苦八苦している最中に日本支部が出来たために渡りに船とばかりにJPに投稿したとのこと。
場所がメキシコだったり、全く日本支部周りの設定が出て来なかったりするのはそのため。本来は本部に投稿すべく書かれた記事だったのである。



追記・修正は宇宙がひび割れる音が聞こえてからお願いします。


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最終更新:2024年04月17日 14:49