イユ/カラスアマゾン

登録日:2018/12/14 Fri 09:55:17
更新日:2022/03/10 Thu 12:40:58
所要時間:約 14 分で読めます






や…がて… 星が降る…


星が降る… 頃…


こ…ころ ときめい…て…


ときめいて… く…る…





イユとは、『仮面ライダーアマゾンズ season2』の登場人物で、同作のメインヒロインである。

演:白本彩奈




概要


フルネームは後述する生前の事情から「星埜イユ」と思われる。
元々は普通の女子高生だったのだがとある理由で1年前に死亡し、『season1』で登場した前原淳と同様に死体にアマゾン細胞を移植する事でシグマタイプのアマゾンとして蘇った。
その為、生前の記憶は残っているものの人間らしい感情や表情は殆ど欠落しており、質問などをされない限りは終始無言で4Cの指示に従うだけの存在になっており、相手の言った言葉や行動を反射的に繰り返すこともある。
その辺の事情を知らずに『season2』から見始めた人たちからすればとてもメインヒロインには見えない存在である

4Cの黒崎隊配属で平時は黒崎の指示に従う形で行動しており、アマゾン駆除の現場ではカラスアマゾンに変身して溶原性細胞のアマゾンと戦闘を行う。また、左目は黄色の瞳の義眼となっておりアマゾンを探知するのに利用されている。ただし判断基準が「食人衝動」であり、直接アマゾンを見ないと人かアマゾンかの確認ができないため精度はお世辞にもいいとは言えない。
また前原と違って定期的に検査やたんぱく質摂取(ゼリー状の物をインジェクターで注入している。)をするので長期間4Cから離れることはできない。*1
第1話「NEO」にて4Cの活動でアマゾン駆除に向かった際、先にTEAM Xの活動でアマゾン駆除に来ていた千翼と邂逅。ここから2人のアマゾンの物語が始まる事となる。



生前


既に述べた通り生前の彼女は普通の女子高生であり、性格も明るく快活な子だった。
家族構成は父親で科学者である星埜始、そして母親と姉の4人。

高校の同級生にはTEAM Xのリーダー長瀬裕樹がおり、彼はお菓子作りやケーキ作りを楽しそうにしている所を目撃している。
また始の研究室にお弁当を持ってきたりすることもあり、水澤悠ともそこで知り合っている。

が、本編の1年前に家族全員で始の誕生日パーティをしていた所、突如始がハゲタカアマゾンに覚醒。そのまま他の家族に襲いかかったのだった。

その様はまさに地獄絵図で、始に食い殺された母親は腸が飛び出ており、姉は肋骨が剥き出しになっていた。


そしてイユ本人も始に左目を抉り取られて、彼に引きずりまわされていた。
現場にやってきた黒崎が見たのは抉り出したイユの左目をクチャクチャと食べながら「やがて星が降る」と歌う始の姿だった*2

この時点ではイユはほぼ虫の息ながらも生存していたが、遅れてやってきた悠が自分の元に(恐らく始に渡すつもりで買ったと思われる)花束を置き、そしてアマゾンオメガに変身して始を殺すシーンを見ながら落命。


遺体は4Cによって回収され、死体の損傷が比較的軽かったイユは局長である橘の意向でシグマタイプのアマゾンとして蘇生。
また、始が歌っていた歌はイユも生前よく聞いていた為、時々それを歌うのが彼女の唯一の感情表現だった。

これらの経緯から4Cからは備品扱いをされ、シグマタイプのアマゾンを知る悠からは「生前の記憶で苦しむことなく眠らせてやりたい」という哀れみに由来する殺意を向けられている。


そんな中で千翼は彼女を「自分が唯一食べようと思わなかった“人間”」として彼女に関心を持ち始める。*3
はじめは「自分が人間である」という気持ちに縋り続けるため(「イユには食人衝動が湧かない」=「食べようとしないでいられる人がいる」)に彼女に近づいていたが、彼女の生前を知った千翼はイユを「守りたい」と思うようになっていったのだった。
痛みを持たない彼女に対して「俺がお前の痛みになれたら」という言葉とともに……。


一方感情が欠落した状態の視点であるイユのほうから見た千翼は「自分に色々話しかけてくるアマゾンの1体」であり、第1話の時点で怪我をしていることを理由に戦闘を制止しようとする千翼を無理やり払いのけたり
4Cに戻ってきた後も戦闘時に同調することもなく、彼が食人衝動を見せた際には普通にターゲットとみなして襲い掛かり、致命傷*4を負わせたこともある。
「ジュヴナイル恋愛」とは……。

一応、第4話で黒崎から「アマゾンだが駆除しちゃいけねえ奴」と刷り込まれることで彼をターゲットとはみなさなくなり、戦闘時は彼の指示を聞いて合わせる形で戦闘をしていく。




ターゲット、確認。


カチャ…


…アマゾン。




カラスアマゾン





イユがネオアマゾンズレジスターを用いて変身したアマゾン態。
皮肉にも生前の自身を食ったハゲタカアマゾンと同じく鳥の姿のアマゾンである。
カラスの羽を体中に纏った姿で、爪先にはカラスの爪のような突起がある。また、変身前と同様に左目は黄色になっており、アマゾンと人間を見分けるセンサーとなっている*5
レジスターがない状態でのアマゾン態は不明(おそらく同じ姿なのだろう)。

鳥の怪人らしく、パルクールを交えて軽やかに動き回り、素早い跳躍と足技を主に戦う。
十分に力をのせた蹴りは、胸を大きく斬り裂いたり頭部を粉砕したりとアマゾンに対して致命傷を与えられる威力を持つ。
並のアマゾンなら1vs1で十分倒せて、弱いアマゾンなら重傷を負った状態で3体同時に相手をして瞬殺している。

シグマタイプのアマゾンであるために自らのダメージを認識できず、体を貫かれようと止まらずに戦おうとする。
なお前原の場合はアマゾンズドライバーに痛覚遮断機能がついていたが、イユのネオアマゾンズレジスターにはそのような機能はついておらず、体そのものの痛覚が遮断されている。
駆除班にて戦闘訓練を重ねていた前原と違い、イユは元はただの女子高生に過ぎないため、戦闘技術は習得しておらず、たとえ痛覚がなくてもシグマはダメージを受けないように防御も回避も徹底していたが、
イユの場合はそれが未成熟なために余計にダメージが蓄積するため強さでいえばシグマよりも劣っている。



ネオアマゾンズレジスター

千翼とイユが左腕に着けている新型アマゾンズレジスター。
詳細はこちらを参照。
抑制剤投与のために装着している千翼と異なり、彼女は変身のために装着している。
しかしこちらのレジスターにはとある仕掛けが施されており……。






劇中の活躍(以下ネタバレ注意)




4Cの戦闘員として戦ってきたイユだったが、千翼と触れ合い、彼が生前の楽しい記憶などから積極的に自分に近づこうとするのを見ていく内に徐々にではあるが感情を取り戻す兆しが見え始める……。
しかし一方で千翼が「溶原性細胞のオリジナル」という衝撃の事実が明らかになり、物語は壮絶な展開を迎えていくことになる…。


episode9「VANISHING WINGS」




episode10「WAY TO NOWHERE」




episode11「XING THE RUBICON」




episode12「YELLOW BRICK ROAD」




episode13「AMAZON“Z”」







余談



  • 彼女が変身するカラスアマゾンだが、リブート元にはモチーフとなる獣人がいない。ただし、モチーフになったカラス自体は原典のゲドンのマークに採用されている。


  • 演じた白本彩奈氏によると、オーディションの段階でわざと音程を外して指定された歌を歌う等の傍から見れば異常に映る演技を求められたりしていたらしい。


  • 第2話で、イユの家族が惨殺されるシーンがあるのだが、その際に父親の星埜始が食べたイユの目玉は演じた山崎潤氏曰く「ヨーグルト味」だったらしい。
    また、そのシーンのオフショットとして「血糊がたっぷりついた白本とハゲタカアマゾンが談笑しているという写真」があり、血まみれの姿で笑顔を浮かべているため、ある意味本編以上に怖い。



追記・修正、確認…。



…アマゾン。


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最終更新:2022年03月10日 12:40

*1 ただし描写されていないだけで前原も同じ処置を受けていた可能性もある。

*2 黒崎はこの光景を「格別に嫌な光景」と述懐している。

*3 恐らく食人衝動が発生しなかったのは彼女が死体だったから。『season1』でもアマゾンが死人の肉を食べられない描写がある。

*4 「通常のアマゾン」ならばの話で、千翼は回復力の高さから死ななかった。

*5 外見については、女性が変身することもあり女性的な見た目にする案もあったが没になったらしい。

*6 9話の時点で千翼が凍結処分前に壁に貼ったものを長瀬が発見して持ってきた。

*7 YBRは本話のタイトルである「“Y”ELLOW “B”RICK “R”OAD」から来ていると思われる。19は「行く」からだろうか。なお関連の有無は定かではないが、インナーチャイルドカードのオズの魔法使いの「YELLOW BRICK ROAD」は19番目のカードである。

*8 千翼は第7話で出自に関する尋問の為に拷問を受けた際に加納からこのことを聞いている。

*9 だが不具合が出ていた以上、廃棄プログラムが起動しなくなっていた可能性もある。

*10 第7話で自分の死については無自覚であるような描写がある。