経験値

登録日:2018/12/06 Thu 18:37:21
更新日:2024/04/03 Wed 16:49:10
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経験値とは、
  1. 物的証拠はないが経験によって推測できる数値。
  2. 日本のセガ信者漫画家、イラストレーター。代表作は『コハエース』シリーズ。
  3. 不可視の謎数値。この項目で説明する。

概要

育成要素のあるゲーム作品だと大抵存在する。英語略称は「EXP(experience point)」。ただし英語圏では「XP」とだけ呼ばれることが多い。
基本的には敵を倒すことで手に入り、これを集めることでキャラクターが成長し、より強くなる。一般的にはレベル上げと言われる。
また、強い敵ほどより得られる経験値は多い。
もちろん戦闘だけが経験ではないとして、例えばクエスト/ミッションなど戦闘を介さない方法で経験値が得られるゲームも多数ある。

コンピューターを使わないTRPGでは繁雑な計算を避けるため、大抵は一つの冒険が終わるごとに経験値と成長の処理が一括で行われる。
無限湧きする雑魚敵という概念も無いため、敵の打倒数だけでなく目的の達成度など色んな条件が経験値に繋がるのが一般的。

ゲーム的にどのような存在なのかは大抵説明はない。
大体の場合、「ゲーム世界内では単に経験を積んだと表現されているものを、プレイヤーからわかりやすく数値化している」だけの存在なので当たり前と言えば当たり前か。
だが、「ゲーム世界への異世界転生もの」だったりすると、なぜか作中の登場人物から視覚化されているケースも散見される。
逆に経験値という概念を明文化した作品が『DRAGON QUEST IV外伝 -地獄の迷宮-』や『冒険王ビィト』である。

オーソドックスなシステムの場合、敵から得られる経験値とレベルアップに必要な経験値は、ゲームが進むにつれて両方ともどんどん上がっていく。
敵から得られる経験値がずっと同じだと弱い敵とだけ戦っていればよくなるので、上がらざるを得ないのだ。
この獲得経験値と必要経験値の上昇具合を調節することで、序盤は楽だが終盤になると難しくなる、などの細かい難易度調整を行える。というかきっちり調節しないとバランスが崩れる。
べらぼうに膨れ上がっていく「つぎのLvまで」の数値は無意味にインフレしているわけではないのである。
往々にして最大レベルに達する前に、想定クリアレベルを過ぎたあたりでこの上昇はストップする。敵も出尽くすし、扱う数値が膨大になりすぎるからである。

また「必要経験値は常に一定だが、レベルアップするにしたがって獲得経験値が減少し、一定レベルになると弱い敵をいくら倒しても経験値が全くもらえなくなる」というシステムの作品も存在し、この例は主に『ザ・ブラックオニキス』『ハイドライド』等の初期のPCゲームに見られる。

進行度に応じての制限が意図されている場合には、「レベルキャップ」と呼ばれる最大レベルの制限がなされている場合もある。
この制限を解除することで、これまで集めていた経験値分一気にレベルが上がる場合もあるが、普通に最大レベル以降の経験値は無効にされる場合がほとんど。

メタル系スライムを初めとした大量の経験値が得られるボーナスキャラも定番の存在。

また、最近は「レベルが上がった後、自由にパラメーターに各種ポイントを割り振って育てる」パターンの作品も増えてきている。

極力経験値を得ずにクリアを目指す縛りプレイを「低レベルクリア」と呼ぶ。
なお「プレイヤーで調整できる成長ボーナスがあり、その一部がドーピングなどで調整しにくい、できない」場合は
目的の成長ボーナス要素を取得しきるまで「低レベルクリア」を続け、揃ってから改めてレベルを上げて最強キャラを育てあげるやり込みプレイもある。
なお「味方加入時のレベルが味方のだれかor平均に依存」の場合は味方が全員加入まで「低レベルクリア」にこだわる必要がある。



特徴的な経験値システムを採用している作品

基本的にドラクエシリーズの経験値は「出現した敵全部の合計値」なのだが、
FC版2のみ「同時出現した敵の数が多いほどボーナスポイントが入る」という仕様だった。
確かに、同じスライム3体でも、「1匹ずつ3回」よりも「3匹まとめて」の方が苦戦するので理にかなった調整である。
しかし、リメイク含めた後発作品では計算が複雑になるためか採用されなかった。

シリーズでも最も異色な成長システムを採用した作品。
「特定の能力を使えば使うほどその能力が成長するが、それ以外の能力はピクリともしない」というもの。
自分の好みに合わせて千差万別の成長の仕方をするが、あまりに複雑すぎた上に「下手に重装備するとかえって難易度が上がる」など独特な仕様だったためか後の作品では採用されなくなった。
同じような成長システムは、同社の「スクウェアのトム・ソーヤ」でも採用され、やがて下記のサ・ガシリーズに受け継がれていく。

経験値システムを採用してはいるが、それで得られる成長度はスズメの涙であり、パワーアップの要はジャンクションシステム。
敵にもレベルが設定されており、こちらのレベルが上がるほど敵も強くなるので、レベルを上げないでジャンクションだけ充実させる方が楽に攻略できる。
もっとも、ジャンクションにはAPという別の経験値が設定されており、こちらも戦闘でしか得られないので、依然として経験値稼ぎという概念はあるのだが。
経験値は低く、APは高いという敵を狙うのがミソとなる。ということは当然経験値が無駄に高くAPは低いという嫌われ者もいるわけで…

経験値による強化ではあるが、一括されたレベルではなく、腕力だけ、素早さだけといった風に、ステータスが個別に強化される。
これは2作目3作目でも引き続き採用された。
また、1作目は武器も成長する。同じ武器を使い続けることで熟達し、強力な技を覚えていくのだが、一度武器を外すとリセットされてしまう。
これはさすがに評判が悪かったのか、後の作品ではオミットされ、キャラクター自身が技を覚えるという形になった(リメイク版のミンサガも同様)。

  • クロノ・クロス
大量の仲間キャラが特徴の作品。全員を育成する手間を考えたら発狂しかねないためか、「レベルスター」という類例のあまりない独特な成長システムを採用している。
これは物語の節目の大ボスだけが落とす特殊なアイテム(?)であり、仲間全員のステータスがこのレベルスターに合わせて成長する。
では雑魚はやるだけ無意味か……というとそうでもなく、装備品を作るための素材集めの他、雑魚戦を経験すると少しだけパラメーターが上がる。
ただし、雑魚戦によるパラメーター上昇は次のレベルスター獲得による成長の手前が概ねの限界になっている(例:次のレベルスター獲得で40から50に能力が上がる時、雑魚戦をどれだけやっても48までしか上がらないし、雑魚戦を経験してもしなくても次のレベルスター獲得で50になる)。

基本的には「倒した敵に応じた経験値を得る」という一般的なシステムだが
アクションRPGとしての側面の強いバトルシステム故に「攻撃の最大コンボ数に応じて経験値が加算される」というボーナス要素があり、
10HIT程度ならともかく100HITもしようものなら相当な加算となる。
また、一部作品では周回要素として「基礎経験値が1になる代わりにコンボによる加算が大きく跳ね上がる」という経験値システム「コンボ命」をグレードショップで購入可能となる。

デスティニー2』ではパーティの平均レベルで加入キャラの初期レベルが決まり、そして加入していないと最大限の成長ボーナスを受けられないため、
このコンボ命を購入して経験値を抑え、最後の味方キャラのハロルドを最小レベルで加入させる「初期ハロ」と呼ばれる最強キャラ育成(前提)プレイがやり込み派の間では確立されている。
こちらは引継ぎでのボーナス有無、難易度は問わないものの「加入まで全員初期レベル+それまでのほとんどのボス戦を最大4HITで撃破」と、経験値のために戦闘方法も縛られるプレイとなっている。

こちらもアクションRPGとしてHIT数によるボーナスもあるが、コンボ中の空中HIT時に限定され「魔晶石」という形で可視化されており、元の経験値に乗算でボーナスが入る。
また戦闘の他にダンジョン攻略などで自由に割り振れる経験値が取得でき、
主に最高難易度では味方の加入レベルが1固定となることへのフォローや、神界に転送という形でパーティからは永久離脱させるキャラの 最低限の神界パート用の技能取得のために活用されることになる。

  • ナポレオン
ゲームボーイアドバンスのシミュレーションゲーム。
ステージクリアごとに主人公であるナポレオンが一度まとめて褒賞(=経験値)を受け取った後、各部下に分配する独特のシステムなのだが、この際それぞれの部下の活躍度に応じた分配をしないと、不平が出て不満を抱いた部下の能力が下がる
そのため、バランス良く分配するとかえって難易度が上がる。まぁ不満が出ること承知で特定キャラを贔屓することも可能なシステムなのだが。

  • ジョジョの奇妙な冒険(コブラチーム版)
基本原作再現(?)されているので、敵スタンド使いとは1回しか戦えない。そのためシナリオ進行において獲得できる経験値に上限がある。
一応終盤に自由に経験値を得られるポイントが解禁されるのだが、その方法がバーで酒を飲んで現れた幻覚を倒すという意味不明なもの。
また、なぜか幻覚のはずなのにお金を落とす。本気で意味不明である。

  • 桃太郎伝説
システム自体はオーソドックスなRPGだが、和風世界なので、レベルは「段」、経験値は「心の数」と称されている。

敵一体を倒すと経験値が幾つもらえる、というシステムではなく、敵パーティに敵パーティレベルという内部数値が設定されていて、味方キャラのレベルと敵パーティレベルの差に応じてもらえる経験値の量が決まる。
よってザコ敵が大量にワラワラ湧いて出てきても、敵パーティレベルが低い敵パーティだとろくに経験値がもらえないし、逆に大して強くないのに敵パーティレベルが高くて経験値をやたらくれる敵がいたりもする(最終編の一部ザコ敵)。
SFC版では更に、戦闘中に行動したかどうかでもらえる経験値の量に差が出るシステムだったが、リメイク版では撤廃された。
更に極悪なことに、SFC版だと最終編ラストまで進めたあたりで出てくるザコ敵の敵パーティレベルが0に設定されていることが多く、強敵を倒してもろくに経験値がもらえない有様。そこまでレベルを上げるとラスボスも余裕で倒せるので困ることはないのだが。これもリメイク版では修正が入っている。

敵を倒すことでEXPが手に入り、主人公の能力が上昇していくシステムは他のRPGと同じ。
ただし、UNDERTALEにおいてはEXPはExperience Pointではない、ゲームシステムを超えた重要な意味合いを持つ数値である。
「誰も死ぬ必要のないRPG」という煽り文の通り、敵を1体も倒さない=EXPを全く獲得せずにクリアすることも可能。
全く敵を倒さずEXPなしで進むか、EXPをひたすらかき集めていくか、主人公の決断が物語の結末を大きく左右することになる。

当初プレイヤーキャラの育成は敵将を倒してアイテムを拾うことだけ(経験値に類する功績ポイントでは護衛の兵士しか成長しない)というシリーズだったが、
「戦国無双」「無双OROCHI」「真・三國無双5」あたりからは雑兵でもわずかに得られるようにできる経験値レベル制がプレイヤーキャラでも定番になった。
その中には、ストック経験値またはゲーム内通貨を経験値としてつぎ込んでレベルアップできる機能も搭載されていることがある。
作品によって細かい仕様はまちまちで、「キャラクターの中で一番高いレベルが上限」といった制限がついている場合もある(ゼルダ無双やFE無双、Fate/EXTELLAなどは資金使用+これ)。

ちなみにFate/EXTELLAやEXTELLA LINKではこの機能に「マネーイズパワーシステム」という名前をつけている。

成長システム自体は「経験値を稼いでレベルアップ」というごく普通のものだが、一部作品を除き生きてダンジョンを出ただけでもレベルがリセットされる
そのため、キャラクター自身は絶対に挑戦をまたいで成長しないゲームとも言える。
だが、目に見えない経験……つまり、「プレイヤー自身の経験値」が加算されることで、次回プレイ時には一回り攻略の手際が良くなっているはずだ。

  • ソーシャルゲーム全般
大抵は「キャラクターのレベル」と「プレイヤーのレベル」が分割されている。
「キャラクターのレベル」はゲーム攻略において実際に用いることになるステータスであり、一般にソシャゲーで「育成」と言ったらこっちを指すが、この場合はゲーム内アイテムや他の(重複入手した)キャラを消費して"合成する"しかない場合が多い。
他には初期のレベルキャップがキャラのレアリティに比例している、最高レベルまで上げる際はレベルとは別のランク上げ( 同一キャラを複数引く など)が別途必要であることも多く、そういう意味でもレベリングと同じぐらいガチャ引きのウエイトがかなり高い。
「プレイヤーのレベル」はプレイヤー自身に加算される経験値で、基本的にバトル毎に入る経験値といえばこちらだけであるにもかかわらず、基本的にこれが上がっても目に見えたメリットはあまりない。
ただし、パーティーに入れられる最大コストが増えたり、一定レベルごとに課金アイテムがもらえたり、スタミナの最大値が上がったり……と細かい恩恵があるので、結局こっちも上げていかないと終盤キツくなる。
レベルアップの際はスタミナが全回復するのが定番なので、「もう寝ようと思ってスタミナを消費していたのに、プレイヤーレベルが上がってスタミナが溢れてしまった」はソシャゲーあるある。
なお、ごく一部「プレイヤーレベル」と「キャラクターレベル」が連動しているケースがないでもない。グランブルーファンタジー主人公千年戦争アイギス王子など。
他にはプレイヤーレベルの数値がキャラクターレベルの上限となるゲームも存在し、その場合はキャラ育成の前提としてプレイヤーレベル上げが必須になる。

スマホゲームにはかなり珍しくダンジョンと強化合成の両方でモンスターの経験値を上げることができ、ノーマルダンジョンの最後となると600万もの経験値をもらえる。*1だいたいのモンスターがレベル99までに400万が必要であることを考えるとトンデモない量である。

フロムソフトウェアのアクションゲーム。
ソウルではソウル、ブラッドボーンでは血の遺志と称されるポイントを拠点で消費する事でレベルアップする。
これらは資金と経験値を兼ねた存在であり、レベルアップの他にアイテムの購入でも消費される。
入手手段も戦闘で敵を撃破する以外に、フィールド中に転がっている遺体(一般的なゲームに於ける宝箱と同義)からも回収できる。
そのため路上で経験値を拾うという珍しい光景を拝むことができる。
また同時に、アイテム購入資金に回すか、キャラの成長に回すかで使い道をよく考える必要がある点も特徴的。
ただし、プレイヤーが倒されると所持していたソウルを全てその場に落としてしまい、
しかも回収する前にもう一度死ぬと落とした分は消滅して二度と戻ってこないため、大量のソウルを抱えざるを得ないときほど注意が要る。

ローグライクの中でも異色の作品であるElonaには、リセットされない経験値の概念が存在する。
…………というか多すぎるぐらいいっぱいある。
どういうことかというと、大量に存在するスキルごとにレベルが設定されているため、ほぼ全ての動作がレベル上げに直結するのだ。図に起こすと、
【行動する】→【スキル経験値/Lv経験値取得】→【スキルに連動した主能力(ステータス)経験値取得】 ……という感じ。
たとえば近接攻撃のダメージ・アイテムの所持上限に関与する「筋力」を上げたいなら、むろん戦闘でプチを殴りまくるもよし、あえて重い荷物を抱えて歩くもよし、といった具合。
読んで字のごとくの「耐久」ならば、宝石・鉱石集めも兼ねるうえ戦術上も有用な“採掘”がよく利用される。そして今日も街は廃墟と化す。日課です
キャラクター自身のLvも存在するものの、ステータス上はHPやMPの上限値が増える程度に留まり、強さの指標というよりかは節目におけるボーナスのようなものに近い。
……よっぽど偏った行動を取り続けていない限りは大丈夫だが、仮に戦闘系のスキルや主能力をほとんど鍛えていない場合、出現する依頼や敵の強さはLvに比例するため、
自分は高Lvなのに実は弱っちいためろくに依頼も探索もできないなーんて事態に陥ってしまう場合もある。極端な例だが。
自由度が高く、何をしても楽しいが掛け値なしに 何をしても経験値が入ってしまう ために起こる弊害。
うん、やっぱりこれもElonaゴミ箱シュート・チュートリアルの一つなんだ、すまない。ざっくり説明だから実際のシステムはもっと細かいし。
特にワールドマップでの移動時間短縮に関与するスキル“旅歩き”はペット共々勝手にLv経験値が入ってしまう上、
高レベルじゃないとほぼ全く効力がないのに育ってくる中盤以降になると邪魔になるという評価で屈指の外れスキルとして有名。
アイテム・装備の性能がランダムなローグライクなればこそお店の重要度はかなり高く、移動時間短縮が仇となり品揃えの更新が行動サイクルとズレてしまうのが特に痛い。効率、アメニティ、大切。
その他、スキルの詳細についてはスキル(Elona)を参照。

ちなみに、似たようなスキルレベルシステムがThe Elder Scrollsシリーズなどでも採用されている。

  • バトル系エロゲー
えっちすればLvが上がったりレベルドレインされたりするのは常識である。
変わったところ? だとプレイヤー側がレベルドレインしたり、あるいは稼いだ経験値をレベルドレインしてもらうことで仲間を強くすることも。これぞ貢ぎ系勇者……!


ファイナルファンタジー2やElonaなどと同じく、行動に応じたステータスが上がって行くというもの。但しこちらは育成のやりなおしができる。
また、筋力や生命力と言った単純なステータスの他、武器や技能等の多様なスキルも上昇の対象となる。
詳細は個別ページを参照。
こちらはもとを辿ればMMORPGの元祖と言われる『Ultima Online』が似たような方式をとっている。


このゲームにおけるExpはエクササイズポイントの略称で、これを得てレベルを上げるごとに主人公の攻守の能力が上昇し、新たなスキルを得られる。
Expを得る方法は敵を倒すに至らなくても、エクササイズスキルを使うだけでもよいし、なんなら道中を走ったりギミックを攻略したりしてとにかく運動をすればそのぶん入手できるというのも、運動に重点を置いたゲームならでは。
……否、このゲームで得られる本当の経験値とは、画面上に現れる数値ではなく、プレイヤー自身の肉体に蓄積されるものなのかもしれない。



成長要素があるが、経験値・レベルシステムを採用していない作品

伝統的に、ロックマン自身の基礎ステータスは「HPメモリ」と「バスターアップ」という限定アイテムを獲得することでしか上がらない。
物語を進めていく上で起こりうる火力向上は、新しいバトルチップを手にすることが中心になる。
エグゼ3以降はナビカスタマイザー、エグゼ4以降は改造カードなどの外部機器も登場しているため、余計に経験値システムの存在意義がなさげ。

メインシリーズのプレイヤーであるハンター自身にはレベルのような成長要素は一切なく、最初から最後まで体力100/スタミナ100である。
強化は全て武器・防具の効果だけで行われ、累積することはない。
作品によっては、クエストクリアで得られる「ハンターランクポイント」を増やすことでハンターランクというものが上がり、制限されていたクエストに挑むことができる。
そして解禁されたクエストに出るモンスターの素材で解禁前より一回り強い装備に換装できる作品では、実質的に「経験値を得てレベルが上がり強くなる」という要素も若干含まれているとも言えるが、
すべてのクエストを解禁して以降は、強さや実力というより「肩書き」に近い数字となる。

なおプレイヤーでなくオトモアイルーやガルクに関しては経験値とレベルが設定されている。
一部作品では進行度によるレベルキャップあり、また戦闘以外に施設でポイント、アイテムを消費して経験値を得ることもできる。
MHX/MHXXではオトモアイルーを「ニャンター」としてプレイヤーキャラにもできるため、(一部の)プレイヤーキャラにもレベルがある、ということになる。

ちなみに外伝作品のMHSTMHST2は、ジャンル自体が普通にRPGということもあり、プレイヤーキャラやオトモンは経験値・レベルとともに成長する。

上記モンハンをオマージュしている本作にも、プレイヤーキャラがそのままレベルアップする要素は無い。
使用する装備に備わっているアビリティやオプションパーツの組み合わせによって、
HP・スタミナ上限値やダメージ量増減などのプレイヤーキャラ自身の能力を強化していく形となる。
その「装備毎に備わっているアビリティ」も強化できなくはないが、
「同じアビリティを複数装備する」「より強力なスキルをインストールして上書きする」という形態を取るため、
どちらかと言えば「成長」「強化」というより「併用」「更新」に近い。
一方でプレイヤー以外のCPUのキャラが持つスキルや大量・スタミナ等のパラメータは、
戦闘を行う度に獲得するポイントを消費する事で上位のスキルを解放させるという上記のソーシャルゲームのシステムに近い形で強化でき、
やはり「更新」「付け替え」に近いがレベルアップに近い事が可能である。
また続編となるGOD EATER 2にはブラッドアーツ・ブラッドバレットと呼ばれる装備毎に存在する固有の技を成長させていく要素があり、
これは「戦闘の度に溜まっていくポイントで順次強化されていく」というオーソドックスな経験値・レベルアップのシステムを持っている。

プレイヤーキャラクターは人間・エスパー・モンスターという三つの種族に分かれており、それぞれ異なった成長システムがある。
人間は店で売っているアイテムを使って成長するため、お金がないとパワーアップできない。お金は戦闘で手に入るので、経験値をお金に統一したものといえる。
エスパーは戦闘終了後にランダムで成長する。つまり、運が良ければどんどん強くなるが、悪ければいくら戦っても成長しない。また、魔法を追加で覚えていくのではなく、上書きする形で覚えるので、使い勝手の良かった魔法を忘れて、使えない魔法を覚えるということもありうる。
モンスターに至っては、敵の肉を食べることで別のモンスターに変身し、能力が変動するが、弱体化することもある。
何ともギャンブル要素の強いゲームであった。

上記サガシリーズの成長システムを洗練させた形で、基本の4種族とも経験値に頼らない成長方法となっている。
ヒューマンは戦闘後に戦闘時の行動に応じて能力が上昇、若干ランダム性はあるが敵毎に成長しやすさが異なるため、雑魚狩りでカンスト近くに成長…は不可能である。
妖魔は一部能力のみヒューマン同様に上昇、他の能力は人間・妖魔・メカ以外の敵を三種ある妖魔武具でトドメを刺して憑依させることで向上する。
メカは能力は一切成長しない代わりに、装備の部位制限無し、更にメカ専用の能力補正が付くため装備依存で強化され、それ以外にも敵メカを倒したときにプログラムを収集する形で技能が成長していく。
モンスターは人間・メカ以外の敵の能力を戦闘後に吸収することで、能力取得と基礎HPの微上昇、そして所持している能力による変身法則に応じて変身か現状維持かが決定される。
妖魔、モンスターは上書きされる可能性もあるが、妖魔は妖魔武具の使用判断、モンスターは上書き枠の入れ替えができるため、多少わかっていれば特に問題のない形に落ち着いた。
また2週目以降は、成長要素の引継ぎは一切ないものの、前周回の戦闘回数を参照して味方の初期能力と出てくる敵の強さが変動する。
いずれの成長もこだわりぬくと主人公選択時点から悩ましくなる、かなりのやり込み要素となっている。リマスター版では成長引継ぎも可能なので各主人公限定要素は若干解消された。

その他

  • ファンタジー北島
魔法陣グルグルの登場人物。人呼んで‘‘経験値のファンちゃん’’
子供時代、家が貧乏で装備が買えなかったため城の周辺で雑魚だけ倒し続けてレベル99になったという無駄な偉業の持ち主。
でも出オチキャラなので全く活躍しなかった。
そのインパクトから「ストーリーを進めず無駄に経験値を稼ぐ」プレイを「ファンタジー北島プレイ」と呼ぶこともある。

  • アズサ・アイザワ
異世界転生系なろう作品スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました」の主人公。
転生ボーナスとして与えてもらった不老不死の力を利用して、タイトルの通りスライムだけを300年倒し続けていた結果、莫大な経験値を入手してレベル99にまでのし上がっていた。
ただし上記のファンタジー北島と異なり、こちらは不老不死と一緒に貰った自宅で暮らすための換金用アイテムの方が目当てであり、
経験値はオマケ…というかギルドでレベルを測定するまで、その莫大さに気付いてすらいなかった。
また転生時魔女の力を手に入れていたが、こっちの方も300年間「薬作り」等平和的な方に利用しており、レベルに気づくまで強大な魔法を使えるようになっていたことにも気づいていなかった。
ここまでのレベルになったのは力に対してひたすらに無心(無関心)の行動で経験値を貯めたからであり、
作中で強さを求めて修行した者は、長寿でも途中で力に慢心したり、力に見合ったそれなりの地位になって忙しくなり同等レベルには到達できていない。

  • エーリヒ
これも異世界転生系なろう作品「TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す~ヘンダーソン氏の福音を~」の主人公。
転生時の特典として「自身を思うが儘にする権能」…要するに戦闘はおろか勉強や修行等全ての経験から「熟練度(経験値)」を得、熟練度の続く限り人間が覚醒しうる全ての能力・才能・技能を獲得出来る力を獲得。
シビアな世界で一人だけ経験値概念を手にした事と前世でディープなTRPGオタクだった事からそれをフル活用し、「獲得熟練度を引き上げる特性」まで生まれてすぐ取得し、様々な経験・冒険を乗り越え常人に倍する速度で成長していく事になる。
取得対象・方法等はFF2やサガフロに近いが、獲得熟練度が技能単位でなく一括貯蓄となり、任意で上げたい特性へと振り分けられるため場合に応じて様々な成長が可能である。
流石に語学・魔法など専門的技能に関しては経験者からの指導がないと取得・成長しづらいのだが、逆に言うと指導機会さえあれば文字通り一を聞いて十を知る様に成長出来るのでちょっと便利だったり。

  • ガンダム
ここではSDガンダムフルカラー劇場の主人公を指す。
RPG編にて、ガンダムの無駄なやり込み精神により、
クリア推奨レベル50のところをレベル90まで上げてしまったため、ラスボスをワンパンで撃破してしまった。
また当初はやり込みプレイとして最弱装備の棒きれとまな板でのクリアを目指していたが、不本意ながら途中から普通の装備に交換している。

  • フォーチュンクエスト
世界観そのものがTRPGを意識しており、冒険者の身分が冒険者組合による免許制となっている。
冒険者カードには『経験値』と『レベル』が記載されている。経験値を得る方法は『モンスターを倒す事』のみ。
『秘境に入って宝物を得る』などの行為は経験値にならないし、どんな剣の達人でも腕そのものは経験値に反映されない。あくまでどれだけモンスターを倒したかの指標である。
設定として『冒険者は人間にとっての脅威であるモンスターに立ち向かう存在であり、そういった人達が活動しやすいように各種サービスを与える組織が冒険者組合である』ということになっている。
そうした都合上、モンスター討伐のみが経験値の対象となるのは当然といえば当然だが、このシステムにはいくつか欠陥がある。
まず、経験値が入るのはとどめを刺した人物のみという点。サポートキャラには経験値が入らないし、「ターンアンデッドで安らかな死を与えたい」と主張したクレリックと「自分で倒して経験値が欲しい」と主張したファイターが揉めるという事例が作中で存在する。
また、第1巻で主人公パーティーは悪の魔法使いを倒すが、『遭遇したモンスターは魔法使いが作り出した幻だった』ということで経験値にならなかった。このように、システムが対応していない脅威を乗り越えても経験値が得られない
この事例では後で人助けの功績が認められて、特例として経験値をもらえることとなったのだが、主人公パーティーは続刊で何度も冒険をやり遂げたり人助けをしてもあまり経験値をもらえないでいる。

作品内はおろかカービィシリーズ全体で見ても飛びぬけて異質なボスキャラクター(?)。
撃破することで経験値を得られる唯一のボスだが、その経験値にはなんの意味もない(ご丁寧にも(いみがない)と注釈つき)。
ついでに「おはだのつや」「ゆうじょう」といったパラメータも数ポイント上がるが、やっぱり意味はない。
後のカービィハンターズシリーズでは意味のある経験値、レベルが登場したが、レベルアップの際には「(いみがない)と記されるパラメータ上昇も伴う」というネタも抜かりなく続投している。


追記・修正は経験値をためてレベルを上げてからお願いします。

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最終更新:2024年04月03日 16:49

*1 ただし敵の体力は登場時最大の13億