マライヒ(パタリロ!)

登録日:2018/11/20 Tue 23:43:01
更新日:2024/03/26 Tue 20:46:35
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冷た~い指~で♪



『マライヒ』は、魔夜峰央の漫画作者『パタリロ!』の登場人物で、準主役級のキャラクターの一人。
一応の設定上は男の子だが、立ち位置的には女性レギュラーが居ない本作のヒロインである。
実際の作劇上でも、女性的な感性を持ったキャラクターとして描かれている。
主な呼称はマライヒだが、パタリロにマントヒヒを皮切りに、様々に名前を間違えられるという定番のやり取りがあった。


演じた声優・俳優


  • 藤田淑子 アニメ(82-83)『パタリロ!』『ぼくパタリロ!』*1
  • 高木礼子 アニメ(05)『パタリロ西遊記!』
  • 永木貴依子 舞台(07)『抱腹絶倒 爆笑活劇 パタリロ西遊記』
  • 佐奈宏紀 舞台(16-19)『パタリロ!』『パタリロ!★スターダスト計画★』*2
  • 後藤大 舞台(20-)『パタリロ!~霧のロンドンエアポート~』『パタリロ!〜ファントム〜』

人物

設定年齢は18歳。
年齢やワルから更正したことをかんがえると立派なヤンママである。
曲せっ毛なのか、縦ロールまである髪を長く伸ばしており、前髪が右目を隠しているのが特徴。
髪を上げて両目を出した時には、パタリロから「お前にも両目があった」と皮肉を言われている。
髪はオレンジに塗られているが、劇中では亜麻色と表現される場面がある。

元は貴族(ユスチヌフ公)の嫡男であったが、両親を事故で失った後に顧問弁護士に寄宿舎送りにされてしまい、そこで例の如く先輩に手込めにされてしまう。
そのままアッー!を受ける日々に堪りかねて飛び出した所を、国際ダイヤモンド輸出機構のNo.2こと、
デュラン・ド・ラーケン伯爵に拾われ、日本にまで修行にやられた末にナイフ術を得意とする暗殺者に仕立て上げられる。
また、仕えていた頃には伯爵の愛人でもあった。

ナイフ術の師匠は柳生但馬春という、ファンキーな日本の老僧。
後に誕生日を祝いに好物のフルーツケーキを焼いていった時には、家庭を築いた後だったということもあり、
人間性が柔らかくなり温かみを持ったことを褒められ、殺しの術としてナイフを学んでいた頃の不純を許されている。

実は、フルネームが現在まで明かされていない。
父親の名前や、バンコランの祖先の海軍提督が密かに情を交わしていたマライヒの祖先と思われる少年もユスチヌフ公の子と言われているので、
おそらくはこれがマライヒのファミリーネームだと思われる。
一緒に育った兄弟や姉妹は居ないが、父が小間使いに手を付けて生ませた、異母妹のキアイラがスイスに居る。

悪人ではあったが自分を庇護してくれたラーケンには恩義を感じて彼に仕えており、ラーケンもマライヒを重宝していた。

マリネラはダイヤモンド輸出機構の加盟国であったが、パタリロの代になると不透明なダイヤモンド輸出機構に見切りを付け*3
不透明成を指摘すると共に、より多く儲けを得ることを目的にマリネラが脱退。
その報復の為に暗殺者を差し向けたことが切っ掛けでバンコランとも敵対していき、遂にはNo.2のラーケン伯爵までもが動くこととなった。

マライヒはバンコランを狙うが返り討ちに遭い、その中で敵としであるバンコランに惹かれ、
更には情報を聞き出すためにアッー!されたことで彼との恋に落ちる。
そして、ラーケン自身も命を失う結果となり、戦いはパタリロとバンコランの勝利に終わる。
マライヒは証言を条件に無罪を得た後、監視を兼ねてバンコランが身柄を預かることとなり、以降は事実婚に入るのだった。

元々、家庭的な性格で家事が得意だったこともあってか、この後は大喜びでバンコランの世話を焼くようになり、
これまで過酷な日々を送っていたマライヒも、漸く安住の地を見つけることが出来た。

腕利きではあるため、時折はバンコランやパタリロの厄介事の手助けをすることもあるが、基本は主婦である。
……とはいえ、元々の殺し屋としての技量の高さや、パタリロとも並ぶ推理能力*4
そしてオカルトも素直に受け入れるといったバンコランには無い能力もあるため、
マライヒがアクションやサスペンスの主役となることも多いのだが。

バンコランのかつての恋人であり、洗脳により共産圏のスパイとなったデミアン・ナイトに薬を盛られて◯イプされたり、
バンコランの叔父にして、彼の生涯を狂わせた宿敵であるキーン・バンコランとの戦いでは、
先走って捕らえられた際にレ◯プされた写真をバラ撒かれる等、正にハードボイルド物のヒロインといった立ち位置でもある。

しかし、これらの戦いを通じてバンコランとの絆はより強いものとなっていき、最後にはいずれも勝利を掴んでいる。

と、物語上は完全にヒロインとして扱われているが、一応男言葉を使ったりと「男」として振る舞うこともある。
ただ、自他共に認める中性的で可愛い男の子の為か、普段着もユニセックス……というか、明らかに女物にしか見えない服が多く、女装も得意。
というか、初登場時に既に女装してる上にウェディングドレスを着るのが夢だったりしたが。

バンコランを巡り女性に対抗する為に女装したこともある等、本人の意識も境界的な所がある。
好きなものも宝石(特にダイヤモンド)や毛皮のコートで、
パタリロに宝石で釣られたり、お詫びに毛皮のコートを貰った時には最近女性化していると評判だとタマネギ達に言われている。

非常に細身で、実は筋肉質なバンコランとは対照的に裸になっても線が細い。
殺し屋だけに細腕でも力はあるが、本人もケーキといった甘いもの好きにもかかわらず、
身体に僅かでも脂肪が付くのを嫌がっている。

特に身体に脂肪が付く=太ることへの嫌がりようは最早病的なほどで、
自分が太ったと思い込んだ時にはパタリロの発明した新ダイエット法に飛びついた。
そこで腰の細さと体重について、世の女性達が嫉妬に狂いそうな数値を告げているが、
当人は頑として「太った」と言い張ってダイエットを止めようとせず、パタリロにすら呆れられている。
尚、このダイエット法とは霞を食って仙人に至る術と同等であり、世俗を捨てて山に行こうとした所をバンコランの浮気で引き戻された。

また、別のエピソードではダイエットとは関係ないが、これまたパタリロの発案した高速思考術にハマった結果、
パタリロ同様に全ての意味が空しくなってしまい生きる気力を失い、バンコランとの激しいアッー!により戻される等、
凝り性で真面目なだけに、何事かにハマってしまう危うい面があるようである。

二度目の妊娠を経て長男フィガロを出産した時も、育児にハマりすぎてノイローゼに陥っている。
ただし本人やバンコランは知らないが、この出産自体は作中世界においてもイレギュラーな事情があり、フィガロもやはり普通の赤ん坊ではない。
これについてはパタリロだけが真実を知っている。

得意武器はナイフで、特に投げナイフの達人と言える。
マントを羽織っていることが多いが、その内側にもビッシリとナイフを仕込んでおり、
一度に数十本を投げることも可能という、とんでもない腕前を持つ。
ただし、シリアス時のバンコランや、懐かしの怪盗デュモンの様に、
マライヒ以上の腕利きも多いため、基本的に無敵のバンコランに比べてピンチも多い。

また、常にナイフを準備していることも解るように、殺し屋としての腕前そのものは落ちていないようである。


性格

口調にキツい部分もあるが、バンコランとの出会いを経てすぐに女性化した位に優しい性格をしている。
デリカシーのない冗談をかましてくるパタリロに対してのみは罵詈雑言を浴びせて、容赦のないツッコミも入れるが。

自分に妹がいると解ると、すぐにスイスまで飛び、名乗るでもなく幸せに暮らしているかを見守る等、思いやりのある性格である。

基本的には礼儀正しいが、バンコランを巡り対立したパタリロの母のエトランジュとは険悪。
また、それ以外にもバンコランを巡る恋敵が現れたことがあり、マライヒが焦るのが恒例となっているが、
バンコランの本命は最初から変わらず、それを悟った恋敵が身を引くというパターンが多い。*5

…が、そうしたシリアスなパターン以外のコメディ調のバンコランの浮気については、発覚する度にブチ切れるのが常で、
遂には「隣の痴話喧嘩で首でも吊ろうかと言うほど」に嫉妬深くなり、マライヒのキャラクターとなった。

ある時などは、自分が振った話題でバンコランが想像しただけでバンコランを殴打しており完成したネタになっている。

繰り返すが元殺し屋とは思えないほどに家庭的で、一応は男性なのに家庭科スキルが高い。
このため、主婦業をしているのが性に合うようで、バンコランの偏食を治すのに頭を悩めているが失敗に終わっている。

また、事実婚に入ってからはバンコランが血腥い世界から足を洗ってくれるように願う等、考え方も穏やかなものになっている。

男性でありながらフィガロを授かり、念願の母親になってからは、より家族を慈しむ母としての顔を見せるようになった。

ガチホモではあるが、母親に起因する女性不信から女性を憎んですらいるバンコランに対し、
恋愛の対象外というだけで女の子相手でも普通に接することが出来る。
パタリロから想いを寄せられた女の子を引き離す為の餌として利用された他、
パタリロの親類にあたり、少女でありながら政略結婚により自由を失うアニーナ王女に、
知らず知らずに想い出を作って上げた後で事情を知って後悔する等、年下の少女との切ないエピソードもある。

芸術的な素養がある他、小説を書いてみていたりと、多彩な才能の持ち主でもある。


余談

  • タマネギ達にもモーホーを蔓延させたバンコラン菌が発見された時には、その抑制が可能なマライヒ菌も登場している。

  • 『パタリロ』と同じく花とゆめCOMICSから単行本が出ている『ツーリング・エクスプレス』の主人公カップルとは、いくつか共通点がある(殺し屋と組織人の同性カップル、片方は美女と見まごう美少年など)。
    しかしあちらではバンコランのポジションになるディーン・リーガルが殺し屋で、マライヒのポジションになるシャルル・オージェが元ICPOとなっている。

  • ミーちゃん曰く、元は使い捨てるつもりのキャラクターだったという。その後、レギュラー化していく内に奥方の性格が反映されていくようになったのだとか。
    尚、ご夫婦が出会ったのもリアルにバンコランとマライヒの年齢と同じだったという……え!?

  • 『パタリロ!』では事実上のヒロインということもあり、ヌードシーンやベッドシーンが多い。
    流石に少女漫画なので局部は描かれていないが、オナニーシーンが描かれたことも。



追記修正は女装してからお願いします。

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最終更新:2024年03月26日 20:46

*1 少年的な演技も試したが、ベッドシーンで違和感があった為に女性的なイメージを残したとインタビューで答えている。実際、原作でも男性同士の恋愛を描いているのはあくまでも男女の恋愛を作者が恥ずかしがったことによる代替であり、アニメでもマライヒ同様の立ち位置の美少年達の声優は全て女性である。

*2 初めて公式で男性が演じたマライヒ。しかも実写。佐奈はインタビューでマライヒをしっかりと研究してから演じたいと語り、研究した結果を『愛』と語っている。

*3 実際、大規模な国際犯罪組織であった。

*4 初期作品ではパタリロは間抜けの設定でマライヒが推理を請け負っていた。

*5 フィガロを得るまではバンコランとの愛が壊れることへの不安があったのか、確信を得るまでは動揺してこうした事態を招くことが多かった。