キノボリウオ

登録日:2018/11/20 (火曜日) 21:45:00
更新日:2023/04/17 Mon 17:15:40
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キノボリウオとはスズキ目キノボリウオ科に属する魚である。



概要


アナバスと呼ばれる淡水魚のグループに属する数ある種類の一つで
キノボリウオが主にタイやマレーシアといった東南アジアやインドといった南アジア、
そして近縁種のクテノポマと呼ばれる種類がアフリカ大陸のナイジェリアやコンゴ等温暖な地域や暑い地域に生息している。
アナバスの仲間の例に漏れず水中だけでなく水上の呼吸を可能とするラビリンス器官と呼ばれる器官を備えているのが特徴。
これは彼らの生息する環境が水が乾きやすかったり高温になって酸素が欠乏しやすい為で
そうした環境でも生き残れるように進化したということである。
また、水が干上がると胸鰭と鰓蓋を器用に使って陸上を這い回ることも可能で
この能力を生かして新たな水場へ移動することができる。
ちなみに名前こそ木登りとは付いているものの実際に木に登ることはない。
これは鳥に捕まって木の上で動いていたり
跳ねていたりしたのを発見した学者がキノボリウオが
木に登ったと勘違いしたからで実際は陸上を這い回る程度しかできないのである。
生息地では食用としても使われていてベトナムではフォーなどの料理の出汁に使われるほか、
水にさえ入れておけば暫くの間生きているので新鮮なうちに調理して食べやすく、
生きた保存食としても重宝されるという。

日本には生息していないものの、後述するように適応力が高く
非常に丈夫な事から沖縄県のような温暖な地域であれば
帰化してしまう可能性も高いので絶対に放流してはいけない種類の一つでもある。

飼育

非常に丈夫。一部の種類を除いて何でもよく食べる上に水質にもうるさくないことから初心者向けである。
ただし同じ仲間のグラミーやベタ、ライギョことスネークヘッドと違って
地味な種類が多いのでそうした方面に強いアクアショップじゃないと販売していないことも。
上でも述べた通り水質にも広く適応する上に何でも食べることから飼育はしやすいものの、
貪欲な性格で口に入る魚は食べてしまうのでグッピーやネオンテトラと一緒に入れたら次の日キノボリウオ以外全滅してた…なんてことになりかねない。
どの種類も背びれと鰓蓋には鋭いトゲがあるので素手では触らないように気を付けること。
後は空気を吸うスペースを空けておかないとほかのアナバス類と同じく溺死してしまうので水を満タンに入れないこと。
それさえ守れば飼育は簡単なのだ。

主な種類


キノボリウオ

当項目名にもなっている通りこの仲間の代表ともいえる種類。
タイやマレーシア、ベトナム等に生息していて
原種はやや地味なものの、品種改良も盛んに行われており、
ゴールデンやアルビノといった改良種もたまに見かける。
大きさは最大で25㎝程度だが飼育下ではそんなに大きくはならず、
頑張っても20㎝ほどにしかならないことが多い。
本来は魚類や甲殻類などを食べる肉食性だが飼育下では
何でもよく食べる飼いやすい種類であり
地域によって顔つきや色合いが微妙に異なるのも特徴なので
マニアならコレクションするのもありか。

レオパードクテノポマ

アフリカのコンゴに生息。
名前の通りのような模様をしているのだが幼魚期が特に顕著であり、
成魚になると茶色っぽい色になってしまう。
キノボリウオ同様東南アジアでのブリードが盛んで
野生個体が出回ることはかなり稀。
生き餌を好み、人工飼料も食べないことはないのだが
餌付けるのはかなり根気が必要。
成長は遅いもののその分長生きで10年以上生きた記録もあるのだとか。

クテノポマ・キングスレイ

アフリカのナイジェリアやセネガル等西アフリカ地域に広く生息。
25㎝とこの仲間としては最大級の大きさになる。
レオパードクテノポマの近縁種だがあまり似ておらずどちらかといえばキノボリウオに似た姿。
気性は荒めで口に入る魚は勿論個体によっては口に入らない魚すら追い回すので混泳には注意が必要。
多くのキノボリウオ科に共通して地味で導入時こそ白っぽい灰色だが飼い込むと黒みがかった緑色となる為
マニアには人気の種類でもある。

クテノポマ・オケラータム

アフリカのザイールに生息する種類。
キングスレイ同様にレオパードクテノポマの近縁種だがこちらは比較的そっくりな形。
レオパードクテノポマから模様を取って地味にしたような体色でこちらも買い込むと
黒みがかった渋い色となる。
レオパードクテノポマやキングスレイと違ってあまり入荷されない珍しい種類でもある。


追記・修正は水から陸を這い回ってからお願いします。

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最終更新:2023年04月17日 17:15