ディーヴァ(インド神話)

登録日:2018/11/08 Thu 23:52:56
更新日:2024/04/07 Sun 21:32:38
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ディーヴァ(天)

『ディーヴァ(deva)』とは、インド神話で信仰されている神々のこと。
この為、ディーヴァ(デーヴァ)神属(神族)と紹介される場合もある。
元来は、紀元前15世紀頃より同地へ侵入した遊牧民族アーリヤ人が持ち込んだ外来の神々のことを指していたようだが、後にアーリヤ人が同地の支配者となっていったことから、土着のアスラ神属を抑えて信仰の中心となった。

この為、他地域のアーリヤ人の信仰している神と重なった神性が多いのも特徴。

……尤も、ヒンドゥー時代以降の主神格であるシヴァヴィシュヌは、元来は共にインダス文明以前の現地の土着信仰から生まれた黒い肌をした神=アスラであり、こうした根強い信仰や人気の高い土着の神性が都合よくディーヴァとして扱われるようになっている例も多い。

シヴァやヴィシュヌが青白い色をしているのは、本来の肌の色を灰で覆った姿であり、信仰から外れたアスラ達は悪魔として扱われるようになっていった。

同じくインドで誕生した仏教では天部(devatā)と訳され、仏法を守護する護法善神の一氏族として天竜八部衆に数えられている。
天部の梵語はデーヴァターの為、本来のデーヴァ(ディーヴァ)とは別の亜神的存在を指すとも説明されていたが、現在での説明は天部はそのままディーヴァの仏教化した存在としてヴェーダ~ヒンドゥーまでの神話毎に取り込まれて紹介されている。

仏尊の内の“◯◯天”と付いている尊格は、皆「天部」に属するインド出身のディーヴァ(及び、そこに組み込まれたアスラ、ヤクシャ)である。
これらには仏教の伝来と共に経由した土地の信仰や伝承と交ざり合い本来の姿や性格から変わった尊格も多く、日本でも仏教由来の神々ながら、単独で神社に祀られたりと、日本のカミと合体して、すっかりと土地に馴染んでしまったりもしている。


【語源】

ラテン語で神を意味するデウス(deus)と同一起源の語であり、日本語だと輝く者と訳されたりする。
ディーヴァは男性形であり、女性形はディーヴィ(女神)となる。
元来は天然自然の事象を神格化した原始的な自然神信仰群であったが、時代が下るにつれてバラモン→ヒンドゥーの教義に沿った、宇宙の創造主や信仰上の精神的な教義の人格化といった宗教的な概念に基づく神性が誕生していった。
ディーヴァが住む世界をデーヴァ・ローカと呼び、これはヒンドゥーに於ける天界の名前である。

尚、ディーヴァと表記されるのが一般的だったが、近年では同一起源のラテン語由来の語で神々しいものを意味し、プリマドンナや歌手、WWEの女性アスリートの名称として使われるディーヴァが日本でも一般的に用いられるようになったことからか、インド神話での神々はデーヴァとして表記を分けられたりもしている。

元々は古代インド地域でも信仰され、主神であった天空神ディヤウス(ギリシャ神話のゼウスと同起源の様々な地域にも伝播した多神教的信仰の最高位の神格)を指した語であったようだが、神々の役割が細分化し、別の神々(後にはディヤウスの属性をも吸収したインドラ等のこと)に信仰が移る中で、神々全般を指す語になっていったようである。
因みに、語源を等しくするラテン語のデウス(deus/Deus)は、神的な存在全般を指す言葉から唯一神のみを指す様になっていったと云う、反対の経緯を辿っている。

隣国ペルシャ地域で発生したゾロアスター教ではデーヴァ=ダエーワは悪魔(悪神)を指す語となっている。

これは、インド地域では土着信仰が外来の信仰に呑み込まれる形になったのに対し、ペルシャ地域では外来の信仰と対立する構図がそのまま信仰体系となって残されたからで、それを推し進めた宗教改革者ゾロアスターにより、アスラ(アフラ)神属が明確に信仰の主体とされたから(=ゾロアスター教の誕生)である。

このダエーワが、古代スラヴ語でも悪魔を示す名前(divu)として用いられたことから、ディーヴァを悪魔(devil)の語源として紹介している場合もある。


【主な神々】

以下に、主な神性を挙げる。
由来的に「ディーヴァじゃねーじゃねーか!」な神様も多いが気にしないように。

●ヴェーダ時代の神々●


■ディヤウス

■プリティヴィー


■アグニ

■スーリヤ

■ウシャス

■ラートリー

■ヴァーユ


■ソーマ

■アシュヴィン双神

■パルジャニヤ
雨神
植物の保護者と語られている。

■アーパス
水の女神
生命の本質たる水の象徴であり、滋養や医療のならず幸福や反映の源であると云う。
ソーマ(月)やアニラ(風)=ヴァーユと共にヴァス神群を構成しているとも云われる。

■アラニヤーニー
森の女神
森の精との表記もされる。

ヤマ

■トヴァシュトリ

■ルドラ

■アーディティヤ神群

■プラジャーパティ



●ヒンドゥー時代の神々●





■ガネーシャ

■カーマ



■パールヴァティー

■ドゥルガー

■カーリー

■ラクシュミー





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最終更新:2024年04月07日 21:32

*1 戦神としてのイメージから男神としても顕されるようになったが、本来は女神である。

*2 特にスーリヤ。彼の娘のスーリヤーと恋仲であるとも云われ、彼女は双神の旅に付き従うとも云う。

*3 自分達で願ってはいけないというルールがあるのかも知れない。

*4 10とされるのは代表的な物といった程度の意味で、それ以上の化身が神話にも登場している。

*5 上座部仏教の伝わった地域ではヒンドゥーの神々がそのまま守護神となり、東洋では当地の文化を吸収して変身したものが日本まで伝わったようである。

*6 尚、この時にカーマとその配下が地上に降りただけで聖者や苦行者以外の人間達は愛欲にとらわれセクロスしまくったとかなんとか。