マザー・カルメル(ONE PIECE)

登録日:2018/10/30 Tue 00:08:16
更新日:2024/02/04 Sun 10:51:05
所要時間:約 7 分で読めます





その者達を殺せば!! エルバフの戦士達は再び軍隊を成し!! 人間達に復讐を誓うでしょう!!

罪を許しなさい!! 私が導きます!!

この世のあらゆる種族が手を取り、笑いあえる世界へ!!


漫画ONE PIECE』の登場人物。

●目次

【プロフィール】


本名:カルメル
異名:シスターカルメル・聖母(マザー)山姥
悪魔の実:ソルソルの実(超人系(パラミシア  ))
所属:羊の家聖母
出身地:西の海
年齢:43歳(100年前)→80歳(63年前)
誕生日:12月21日(ひ(1)つ(2)じ(2)のい(1)え)
星座:山羊座
血液型:S型(現実だとO型)
初登場:単行本86巻・865話・『〝ねぇマザー〟』
好物:子羊肉、チョコレート
CV:平野文


【概要】


この世の権力の頂点の一つとも言える「四皇」として傍若無人に振る舞う“ビッグ・マム”シャーロット・リンリンが、唯一と言っていいほど敬愛の念を抱いている人物。
リンリンの育ての親に当たる女性。

外見としては修道服を着たシスターの様だが、ナイスな笑顔で煙草を吸っているなんちゃってシスターである。
若い頃からかなり堂々と煙草を嗜んでおり、作中の描写を見る限り煙草に関してはワンピースの世界においてもジャンキーレベルだった模様。
しかし、リンリンが所持している彼女の写真は何時もの笑顔で煙草をキメてる物であり、他の子供たちも殆ど気にしていなかったので、羊の家では『煙草=マザーの必需品』といった認識だったことが窺い知れる。
リンリン自身も「おれ達のマザー」「マザーこそこの世の光…」と発言する等、普段の傲慢なマムの言動からは考えられないような、もはや崇拝の域に達している感情を持っていることが示されている。

リンリンは彼女との思い出を非常に大切にしており、お茶会では常にリンリンの席の正面にカルメルの写真が置かれ、
茶会の客が彼女の事を聞いた途端に笑顔から一転して「人の思い出に踏み込むんじゃねぇ!」覇王色の覇気で一瞬にして気絶させるほどである。
それ故かリンリンに近しい子供達ですら彼女についてはほとんど知らず、昔リンリンの元から去った事ぐらいしか知らないらしい。

【能力】


超人(パラミシア)悪魔の実「ソルソルの実」の能力者。
人間の(ソウル)(=寿命)を自在に操る事ができ、(ソウル)を他の生物や無機物、概念に与えることで擬人化して使役できる。
ゲッコー・モリアのカゲカゲの実と似た効果を発揮するが、死体や人間に与えることはできない。
また、擬人化した存在はカゲカゲの実で生み出したゾンビと違って(海水)で無効化されない。
ただし、擬似的な魂を吹き込む能力であるため、ブルックのヨミヨミの実の力を受けるとキャンセルされてしまう。
さらに擬似的とはいえ自我を持つため、能力者の予期せぬ行動をとることもあるなど欠点も明確。

◆技

  • ゲブーアツターク
無機物に自らの(ソウル)を入れ名前を与える事で無機物を擬人化して使役する技。
"Geburtstag"はドイツ語で「誕生日」の意。

◆パンドラ

マザー・カルメルの命を分けて生まれたホーミーズ*1
太陽を擬人化したような姿をしたホーミーズで、炎に命を吹き込まれ生まれた。
能力者の力量によるものか、ビッグ・マムの生み出したプロメテウスに比べかなり小さく手乗りサイズ。

【来歴】

本編の100年前、二人の頭目を失い油断して海軍に捕まった巨兵海賊団の残党数名が処刑される場に現れたカルメルは「天が和解を求めている」と処刑をやめるよう進言。
カルメルの言葉で処刑は取りやめられ、カルメルはその宣言通り、エルバフの地「ウォーランド」に身分種族を問わず行くあてを失った子供たちを受け入れる「羊の家」という施設を開いた。
奴隷にされかけた子供や暴動の末、国を追われた王子、親の手にも負えなくなった問題児等の身寄りがない子供たちの面倒を見ながら、人間とエルバフの巨人たちの交易を取り持ち、巨人族と人間の交友の懸け橋となった彼女は「聖母」と呼ばれるようになった。

そして63年前、80歳となった彼女は、両親によってエルバフに捨てられた、後の四皇”ビッグ・マム”となるシャーロット・リンリン*2を拾う。
リンリンはわずか5歳にして人間を超越した暴力を備えており、数多の破壊活動により故郷の国から国外追放され、手に負えなくなったリンリンの両親も泣く泣く彼女を聖母の運営する羊の家のあるというウォーランドに置いていった。

規格外のリンリンのパワーによって、彼女が何ら悪意なく善意のもとで多くの者を傷つけた際には、驚きながらもリンリンの気持ちを察し、全てを許して彼女を諭し、子供達や巨人と打ち解けられるよう尽力した。
その甲斐あってリンリンは無自覚の暴力で傷つけることも少なくなっていき、巨人族や羊の家の子供達とも友達になれた。
カルメルはリンリンにとって生まれて初めての理解者であり、リンリンは彼女を強く慕った。

リンリンが冬至祭前の断食の時、初めて食いわずらいを起こしてエルバフの村を壊滅させ、更には元巨兵海賊団団長・巨人族の英雄である滝ひげのヨルルに死を招く重傷を負わせてしまった際には、リンリンの食いわずらいを抑えるとともに、ソルソルの実の力で村を燃やす劫火を支配下に置き鎮火。
山ひげのヤルルがリンリンを処刑しようとした際には彼女をかばい、自分を慕う他の子供たちと共に巨人族の村を後にした。



















以下ネタバレ




よく考えな!5歳でエルバフの村を半壊させる程の逸材だよ!!

海兵なら将来の大将、元帥クラス。サイファーポールなら天竜人の最強の盾となるだろう。
ガキ売り(・・・・)稼業50年 ウチにしたって歴代最高の商品だ!!


リンリンが彼女を慕う理由は今まで述べた通りだが、そんなカルメルの正体は“山姥”の異名を取る人身売買のブローカーだった。
普段は聖母を演じながら、裏で「羊の家」の子供たちの中から2年に1度才能のある者を抜粋。
「里親」として政府または海軍の関係者に人材として内密に売っており、若かりし時から50年近く子供の人身売買に手を染め、数えきれないほどの子供たちを売って来た。

しかしこれらの事実は売られた子供たち当人にすら知られておらず、カルメル自身と買付担当の者以外は限られた人間しか知らない。
もちろんエルバフの巨人たちにも知られておらず、巨人族からも強く信頼されていた。

リンリンの前の「ソルソルの実」の能力者であるが、リンリンの誕生日会以降行方不明になっている。
これはリンリンがセムラの山を前に「感動で前が見えない」ままテーブルまで食べたこと、悲鳴の描写と様子を見ていた巨人族が青くなって逃げ出したこと、
何よりリンリン自身がそれ以降ソルソルの能力を使えるようになったことを考えると、この時にリンリンに食われてしまったと思われる。


【功罪】

人身売買そのものは人倫にもとる行為であることに疑いの余地はないものの、売られる先は海軍世界政府といったその後の安泰が確定している所であり、
売られた子供たちはそのまま政府関係者・諜報部員や海兵として就職する可能性が高く、
  • 子供たちは拐ってきたのでもなんでもなく本当に身寄りのない子供を保護していること
  • 海賊や犯罪者になったりそのままのたれ死ぬよりかは遥かにマシな地位に就けると予想される事
  • シスター当人が自分がやっているのは外道の行いだと自覚しており、リンリンを最後に廃業するつもりであった事
  • 羊の家の運営のためにも多額の資金が必要になるだろう事
から、彼女の言動を抜きにして考えると、人身売買で得た収益は結果的に斡旋に対する紹介料程度の意味合いしか持たないため、実質的にはただの就職斡旋という見方もできる。
現に老後の資金を貯めるために50年も働いたことから、かなり薄利な商売だったことが分かる。

子供たちもその多くが親の手に負えなくなった子供であり、
  • 貧しさゆえに奴隷にされかけた子供
  • 亡国の王子
など一癖も二癖もあるカルメルがいなければ海賊か犯罪者かのたれ死ぬかといった者ばかりであり、カルメルの教育のおかげで皆まっとうな性格になっていったと評判であった。
実際カルメルの元を離れたマムが海賊となり、世界を脅かしているのを見ると、カルメルの行いは平和にも大きく貢献していると言えるだろう。

本編でも『人間屋(ヒューマンショップ)』と呼ばれる人身売買を生業とする者達が登場したが、彼らの商品に対する扱いや所業は外道そのものであり、彼らと比べると子供に対して不当な扱いもしなければ情操教育なども施し、優しい理想の母親を50年間実践し続けたマザーの在り方は非常に真っ当である。
というか行き場の無い子供を無償で幸福に育てて公務員の職まで用意するというのは実質公権力が介在しない学校兼児童養護施設兼職業紹介所みたいなものである。

ちなみに彼女が人間と巨人族との間の交流をとりもったこと*3は、争いを未然に食い止めただけでなく海軍における巨人族部隊のきっかけとなっている。
その最初の海兵が他ならぬジョン・ジャイアント。
もし彼女がいなければハグワール・D・サウロが24年前時点で中将になることはなく、それどころか海兵になること自体が怪しいため、
図らずも彼女の存在はニコ・ロビンの命を救った遠因ともいえる。

そんな彼女のリンリンに対しての見方は「最高の売り物」。
前述の事件もあり、海兵では「元帥」「大将」クラス、CPでは最強の盾になると見ていた。
実際、海賊の一つの頂点「四皇」になっていたことからもこの見立ては正鵠を射ていると言えるだろう。
もっともその場合、彼女の食い煩いの制御が必要となるため、海軍や政府に就職できるかは怪しい部分もあるが、
“生まれながらの怪物”ゆえに、わずか6歳でカルメルの庇護・教育を離れたのがリンリンであり、
もしもう少しだけカルメルの教育を受け続けて良識を身につけられたのならばなにか変わったのかもしれない。

なおリンリンが追い求める「種族の垣根を越えて皆が同じ目線で団欒を過ごす」という夢をリンリンの幼少期に語って見せた張本人であるが、
その夢を語る際の表情は非常に露骨な作り笑いだったことから、この夢そのものが子供達を欺き、彼らの信頼を得るための嘘八百だった…ともとれるが、
本当に全くの嘘ならリンリンへの倫理教育やサプライズパーティーも不要なはずであり、もしかしたら自虐的に偽善者ぶっているだけなのかもしれない。あるいはワンピの世界だしあれが素の笑い方なのかも

作中で近いタイミングに登場したシャーロット・プリンと並び、「善人と思われていたが実際は真っ黒」というONE PIECE世界の人物には珍しいタイプである。
プリンのほうは幼少期のいじめという背景から後の改心まで描かれたものの、カルメルのほうは行動背景も明確な改心も描かれないまま退場した。
もっとも、「人身売買」「子供を騙している」という形に目を瞑ればカルメルのやってきた事は贅沢など一切せず、私腹も肥やさず慈善事業に半世紀を費やした偉人であり、先述の通り自分が悪党だという自覚は持っていた。*4
リンリンを売った後は足を洗うつもりだったことからも多少なり自分の行いに対する後ろめたさはあったと思われる。
一部では「やってる悪行は聖母を名乗りながら子供の前でパイプ咥えてることくらい」とネタにもされている。





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最終更新:2024年02月04日 10:51

*1 ソルソルの実の能力によって命を吹き込まれ擬人化した物体の総称

*2 当時は5歳児だったが巨人の子供並みの体格

*3 ここから利益が出た様子はないため、これは本当に無私の行いだったのかもしれない

*4 これは「悪意から人助けをする」という意味で「善意から人を傷付ける」リンリンとの対比になっているのかもしれない