アナザーウィザード(仮面ライダージオウ)

登録日:2018/10/21 Sun 01:55:51
更新日:2024/03/18 Mon 17:14:27
所要時間:約 3 分で読めます





WIZARD

2012


「何の為に… 俺がここまでやってきたと思ってんだーっ!!」


アナザーウィザードとは、『仮面ライダージオウ』に登場する怪人「アナザーライダー」の1体。

身長:198.0cm
体重:90.0kg
特色/力:魔法を操る
変身者:2012年(ウィザードの時代)の早瀬
契約したタイムジャッカー:ウール
モチーフ:仮面ライダーウィザード
デザイン:篠原保
登場話:第7話、第8話
※身長・体重は、仮面ライダーウィザード フレイム(及びウォーター、ハリケーン、ランド)スタイルと全く同じ。


概要

第7話、第8話に登場したアナザーライダー。
変身者はマジックハウス「キノシタ」の裏方として働いている早瀬という男性。
2012年の時代に現れたタイムジャッカーウールと契約することで、
本来の仮面ライダーウィザード操真晴人から奪った力で作り出した「アナザーウィザードウォッチ」を埋め込まれて変身した。

変身者である早瀬は後に第25話と第26話で再登場し、とあるマジックカフェで人気マジシャンとして活躍している。
他の元契約者と同様にアナザーライダーとしての記憶は無く、ソウゴのことも覚えていない。他の元契約者に比べると出番が多い。
アナザージオウの標的の1人として狙われ、僅かに残滓として残っていたアナザーウィザードの力を奪われてしまう。


容姿

容姿は仮面ライダーウィザード フレイムスタイルを模しているが、
全体の配色は黒と赤のグラデーションとなっており、赤色の要素が増えていることから、若干フレイムドラゴンスタイルの要素も含まれていると思われる。

頭部はウィザードのモチーフの一つである指輪を思わせる凄まじいデザインとなっており、こめかみの辺りから大きなリングが生え、*1
後頭部から頭を鷲づかみにする骸骨の手のような装飾が付属している。
顔面は歪ながら元のウィザードの形状を一応残しているが、全体的にひび割れた宝石を思わせ、よく見ると若干透けて内部に骸骨のような顔が見える。
特に複眼に当たる部分は粉々に割れて窪んだ見た目となっており、アナザーライダー特有の眼球が露出している。
その目付きは、一見すると哀愁を漂わせる苦悶の表情を浮かべているようにも見える。

肩には銀色のドクロの造形が施され、上半身そのものも大きな赤いドクロを思わせる不気味な形状となっている。
ウィザードローブはボロボロに破れており、首の周りにもローブが巻かれているのが分かる。
背中のマント部分にはWIZARD(ウィザード)の文字が描かれ、マントで見えにくいが背中部分に「2012」の年号が確認できる。
腰にはウィザードライバーを模したベルトが巻かれているが、ベルト中心のハンドオーサー(手のひら状のパーツ)が人間の手の骨格となっている。

左手の中指にはフレイムのウィザードリングに似た指輪を装備しており、その形状は凶器の如く歪で鋭利に尖ったもの。
また体型も細身だったオリジナルのウィザードより全体的に一回り近く太く、上述の装飾の数々とも合わさりより歪さと威圧感を際立たせている。

全体的にドクロが施されたその造形は、ドクロをモチーフにしたシルバーアクセサリーのようでもある。
ドクロ要素の多さは、『劇場版 仮面ライダーウィザード in Magic Land』で登場した「タナトスの器」のオマージュかもしれない。


篠原氏によると「最終的に「指輪の魔法使い」に至ればいい。ただし希望の象徴の宝石は割れてしまっている」というコンセプトで考えたとか。
後頭部の指輪のリングは魔法使いの帽子のイメージも兼ねている。


能力

固有能力はウィザード同様に様々な魔法を操る能力。
元のウィザードのように指輪をハンドオーサーにかざしたり、違う魔法を使用する度に指輪を交換したりせず、変身者の早瀬の意思によって使いたい魔法をすぐに使用できる。
魔法の使用時にはワイズドライバーのSEが使われているが、これが意図的なものかは不明。

劇中ではフレイムスタイルのように高熱の火炎を操る他、コネクト、グラビティ、リキッド、ディフェンド、スリープ*2の各種魔法を使っている。
上述の通り、指輪の交換をする必要やハンドオーサーにかざす動作が無く、実質ウィザードの上位互換とも呼べる非常に厄介な能力である。*3
誕生直後には手を翳しただけで自動車やビルを緑のオーラに変えて霧散させるという無茶苦茶な技を使用している。

一方で格闘戦においては終始ゲイツやジオウに圧倒されており、あまり得意としていないことがうかがえる。
魔法と格闘や剣術を組み合わせての複合攻撃なども一切せず、ウィザードがやっていたリキッドで組み付いてからのプロレス技への移行と言った行為もしていない。
また、元のウィザードとは異なりパンチチョップも使用している。

歴史改変の影響

晴人がウォータードラゴンに変身してフェニックスと戦闘を行っていた際に歴史改変が発生。*4
フェニックスが消滅すると共に、変身が解除されその場を去る晴人の姿が描写された。
その後本来のウィザードである晴人がどうなったかは不明だが、アナザーライダーの出現による歴史改変の性質上、ウィザードの敵であるファントムの存在も消滅し、
晴人のファントムかつ魔力の源でもあるウィザードラゴンも存在していないと考えられ、晴人は至って普通の人間になっていると思われる。
また、他にもサバトに巻き込まれた人々も普通の人間としての生活を送っていると思われるが、つまりそれは……
一方で、コヨミの死や晴人の過去についてはファントムは一切関わっていないため、アナザーライダーによる改変が必ずしも「登場人物達全員が戦いに身を落とす事の無い、皆にとって幸せな世界」になる訳ではない最初の例と言えるのかもしれない。

一方、仮面ライダービーストの変身者である仁藤攻介は第7話の時点で「ウィザードライドウォッチ」と「ビーストライドウォッチ」を所持する人物として僅かに登場し、ゲイツとアナザーウィザードの戦闘を傍観していた。
後に第8話でゲイツと接触し、アナザーウィザードを撃破する為の手助けをすることになる。
なお、記憶を失っている間もビーストドライバーは消滅しておらず、バックル状態で腰に巻かれたままだった。
また、ウィザードライドウォッチは晴人が仁藤に預けていたものと考えられ、歴史改変後も2人は面識ができた様子。


劇中での活躍

第7話「マジック・ショータイム2018」

冒頭において、2012年のマジックハウス「キノシタ」で働いていた早瀬の前にタイムジャッカーのウールが出現。
早瀬の勤めるマジックハウスは年々客足が減っており、営業を続けるのも限界の手前まで来ており、しかも近い内に小屋が閉鎖されることをウールから聞かされる。

実は早瀬は、小屋のオーナーである羽原レイカ木ノ下香織に密かに片思いをしており、
彼女が先代オーナーの父から受け継いだ小屋を経営難から止む無く閉鎖することに悲しんでいる様子を見て、
彼女の為にも小屋の営業を盛り返すべくウールと契約し、アナザーウィザードに変貌する。
以降は魔法の力を披露することで「ウィザード早瀬」という凄腕マジシャンとして有名になり、同時にマジックハウス「キノシタ」の営業も盛り返していく。
だが、早瀬はこれまでのアナザーライダーの契約者達と違って力を悪用することはなく、表向きは「マジック」という形で使用するに留まっていた。これには、あくまでも「香織の幸せのため」という純粋な想いがあったからと思われる。

2012年から2018年までの6年間を問題なく過ごしていた早瀬だったが、そこへ自身の話題を聞いてやって来たソウゴ達の前で魔法の力を披露した結果、
すぐさま自身がアナザーライダーであることを見抜かれ、小屋から出たところで戦いを挑んできたゲイツと戦闘になる。
だが、変身者である早瀬が大人しく好戦的な性格ではなかった為か、たちまちゲイツに追い込まれ、ジオウとゲイツが揉めている隙に逃走した。

その後はアパートの自室で、突如現れたオーラと遭遇。更に自身の代わりに裏方に回った長山がアパートを訪れてくる。
長山は早瀬に対し、いずれマジックハウスの営業を止め閉鎖する事、しかも自分が6年前に既に香織と婚約しており近い内に結婚することを告げてきた。

香織と長山は有名マジシャンとなった早瀬にはもっと大きな舞台に立ってもらいたいという願いがあり、その為にマジックハウスを閉鎖しようとしていたのだが、
思いを寄せていた香織の為に全てを捧げてきた早瀬にとって、長山のこの言葉は彼の心に大きなショックを与える事になり、二人に裏切られたと思い込んだ早瀬は一気に怒りや憎しみが募って暴走してしまう。

怒りに導かれるがままに長山を殺害しようと襲い掛かるが、そこへ駆け付けたゲイツと再び対決。最後はファイズアーマーに変身したゲイツのエクシードタイムバーストを喰らって変身が解除された。
だが、その場に現れたオーラがアナザーウィザードウォッチを再起動させ埋め込んだことで復活。
行く手を阻もうと邪魔してきたツクヨミにスリープの魔法をかけて彼女を眠らせ、その場から姿を消した。

第8話「ビューティ&ビースト2012」

ツクヨミを昏睡させた後、ソウゴとゲイツの目から逃れる為どこかの路地裏に潜伏する。
怯えてビクビクしていたが、そこへ再びオーラが現れる。彼女から、今度は「もう一人の裏切り者」である香織を狙うように唆されてしまい、あろうことか片思いしていた香織の命までも奪おうと本格的に暴走する。
香織を発見すると、彼女の目の前でアナザーウィザードに変身して襲い掛かるが、間一髪で駆け付けたジオウに邪魔され、またしてもリキッドの魔法を使ってその場を退く。

その後も香織を狙い、長山の見舞いに病院へ来ていた香織の前に再び出現。長山の病室のある階は不明だが、早瀬は明らかに2階以上の階の窓から浮いて進入してきていた。
香織と長山をまとめて始末しようとするが、長山は既に避難しており、囮となっていたジオウと再戦する。*5
その戦いの最中、ビルドアーマーに変身したジオウに一度撃破され復活するが、その影響で仁藤が仮面ライダーとしての記憶を一時的に取り戻し、接触してきたゲイツにウィザードライドウォッチを託した。

その後、ウォッチを受け取ったゲイツが2012年の時代のクリスマスに訪れたことで、ウィザードアーマーに変身したゲイツと戦闘になる。
だが、早瀬は契約したばかりでアナザーウィザードの力を使いこなせておらず、ほぼ一方的にゲイツに追い詰められる。
最後はストライクタイムバーストを受けて倒され、アナザーウィザードウォッチも飛び出して消滅した。

一方、2018年のアナザーウィザードもソウゴの「あんたに必要なのは魔法の力なんかじゃない!想いを伝える勇気だろ?」と諭され、
最後はフォーゼアーマーのリミットタイムブレークで倒された。既にゲイツが2012年でアナザーウィザードウォッチを破壊したので復活することもなく、
アナザーウィザードが撃破されたことで、昏睡していたツクヨミも目を覚ました。

戦闘後、ソウゴがウォズからファイズフォンⅩを借り、2012年にいるゲイツに電話をかけ、2012年と2018年の早瀬に会話させる。
現在の早瀬は過去の自分に対し、結果は変わらなくとも、自分の気持ちを香織に告白するように励まし、
過去の早瀬は香織に想いを告白した模様(ちなみに告白の様子をゲイツが目撃している)。

作中では早瀬の告白がどういう結果となったかは描かれていない為、早瀬のその後がどうなったかは不明。
しかし自分の正直な気持ちを伝えたことで、以前のような絶望に飲み込まれず、少しは明るい未来に歩むことができると思われる。

第28話「オレたちのゴール2019」

加古川飛流が第26話でアナザーウィザードウォッチを回収しており、早瀬とは別の人間にアナザーウォッチを埋め込んだことで復活。
アナザーライダー軍団の1体としてジオウやゲイツと戦うが、最後はウィザードアーマーを装着したゲイツに倒された。

第43話「2019:ツクヨミ・コンフィデンシャル」

加古川飛流/アナザージオウⅡによって召喚・使役されている個体が登場。マントで見えにくいが他のアナザーライダー同様、身体に刻まれている年号が「2019」に変化していると思われる。
アナザージオウⅡ率いるアナザーライダー軍団の1体として現れ、飛流の屋敷までやって来たソウゴ達を迎え撃つ。
しかし、(カットされた可能性もあるが)明確に撃破されたシーンが描かれていない。恐らくはウォズギンガファイナリーの超ギンガエクスプロージョンで他のアナザーライダー共々一掃されたと考えるのが打倒か。


余談

アナザーウィザードはウールが作り出した怪人だが、以前のアナザービルドとは違い、ちゃんと変身者の自我は残っている。
また、ウールが作り出したアナザーライダーであるにもかかわらず、オーラがアナザーウィザードウォッチを取り出していた描写から、タイムジャッカーは自由にアナザーウォッチを取り出すことが可能であることが判明した。

また、ウールは第7話冒頭で早瀬にアナザーウィザードの力を与えただけで、以降は彼に接触しておらず、代わりにオーラが補助を担っていた。




追記・修正は、タイムジャッカーと契約してアナザーウィザードになってからお願いします。

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最終更新:2024年03月18日 17:14

*1 似た頭部の形状をした怪人では、エンジェル・ロイミュードやゲムデウスに近いだろうか。

*2 原典『ウィザード』では、本来は指輪の装着者自身を眠らせる効果だが、アナザーウィザードは他者に対して使用可能。

*3 ただし、何度かハンドオーサーに手をかざしてから魔法を発動している描写があり、一定していない。

*4 時系列は『ウィザード』第16話に当たる。

*5 敵に狙われた患者の代わりに主人公が囮となる展開は原典『ウィザード』にもあるので、恐らくセルフオマージュだろう。