バットマン:アイ・アム・ベイン

登録日:2018/10/20 Sat 18:30:53
更新日:2024/04/18 Thu 18:30:35
所要時間:約 10 分で読めます




『Batman: I Am Bane』は2017年にDCコミックスから出版されたアメコミ作品。

+ 作品情報
『Batman Vol.3』#16~#20、#23~#24
発売 2017年2月から
脚本 トム・キング
作画 デビット・フィンチ(#16~#20、#24)、ミッチ・ゲラッズ(#23)、クレイ・マン(#24)

『Batman Annual Vol.3』#1
発売 2016年11月
脚本 トム・キング
作画 デビット・フィンチ

日本では2018年に小学館集英社プロダクションから邦訳本が発売されている。

トム・キングによるバットマン・サーガ第3巻。
サイコ・パイレートを取り戻すためにゴッサムに現れたベインと迎え撃つバットマンの戦いを描いた作品。
タイトルの通りベインがもう1人の主人公のように描かれ、母親の存在を通して2人を対比させながら物語が進んでいく。
最後には単なる善悪ではない形でバットマンとベインの違いを掘り下げている。
同時収録された『Batman Annual Vol.3』#1はアイズナー賞を受賞した名作として高い評価を得ているほか、
#23はスワンプシングがゲスト出演し独自の演出が楽しめる。






『Batman Vol.3』#16~#20

【物語】

ベインからサイコ・パイレートを手に入れたバットマンは5日にわたるゴッサムガールの治療を開始するが、
心の安寧を取り戻そうと再びサイコ・パイレートを求めベインがゴッサムに迫っていることを知る。
仲間たちに警告を送るバットマンだったが時すでに遅く、ロビンたちが犠牲となってしまう。
さらにゴードンやキャットウーマンを人質にサイコ・パイレートの身柄を要求するベインに対し、バットマンはそれを拒否し単身ベインに挑む。
激しい戦いの末に打ちのめされるバットマンだったがキャットウーマンの協力で人質の解放に成功し、
ベインをサイコ・パイレートのいる『アーカム・アサイラム』へとおびき寄せある作戦を実行する。


【登場人物】

ゴッサムを守る闇の騎士。サイコ・パイレートを狙うベインに対抗する。
ロビンたちが犠牲になり自身も大きなダメージを負いながらも、自らを犠牲に残りの仲間の安全を確保することに成功する。
そしてベインを『アーカム』におびき寄せるとかつてベインが自分に行ったヴィランたちに相手をさせるという策に打って出る。
そのことをアルフレッドに非難されながらも、体力を回復させると現れたベインとの最後の戦いに挑む。
本作ではベインとの対比として普段あまり語られない母マーサへの思いが描かれている。


≪ヴィラン≫

力と知性を兼ね備え強化薬『ヴェノム』も使う大男。バットマンに奪われたサイコ・パイレートを取り戻すためゴッサムに現れた。
部下たちと協力してバットマンの裏をかき、ロビンたちを死の淵に追いやりゴードンたちを人質にとることに成功する。
人質とサイコ・パイレートの交換を拒否したバットマンを圧倒的なパワーで追い詰めるが、
今度は自分がバットマンの罠にはまり人質を解放され『アーカム』に誘い込まれてしまう。
『アーカム』の中でバットマンに解き放たれたヴィランたちを倒し続け、バットマンの元にたどり着き決着をつけようとする。
本作のもう1人の主人公。バットマンとの一回目の戦いでは少年時代から今に至るまでの人生をバットマンと交互に描かれ、
『アーカム』では自分が否定していた狂人たちと戦うこととなりバットマンとの対比を強く意識されている。

  • バード、トロッグ、ゾンビ
ベインの部下たち。ベインと共にゴッサムに現れ人質の確保を担当した。
しかし脱出したキャットウーマンの反撃にあい、全員が隠れ家で吊るされてしまった。

  • マキシー・ゼウス
自分をゼウス神の生まれ変わりと自称する異常者。『アーカム』でベインを一番最初に出迎えダンテやウィリアム・ブレイクの詩を言い続ける。

顔の半分を酸で焼かれ精神が歪んだゴッサムの元地方検事。その精神はハービーとトゥーフェイスの2つが存在しているとされる。
ベインを2番目に出迎えバットマンに手を貸すか貸さないか2つに意見が割れ、ベインに意見を求めたところ倒された。

  • ソロモン・グランディ(サイラス・ゴールド)、アミグダラ(アーロン・ヘルジンガー)
力自慢のヴィランたち。ベインを3番目に出迎えるも、本気を出すベインを前に恐怖し倒された。

  • スケアクロウ(ジョナサン・クレーン)
恐怖に魅入られた元心理学者。ベインを4番目に出迎えバットマンに返却された恐怖ガスを使用するも通用せずに倒された。

  • ミスター・フリーズ(ビクター・フリーズ)
低温下でしか生きられず特殊なスーツに身を包み冷凍銃を操る科学者。
ベインを5番目に出迎えかつて『ヴェノム』を研究した成果を活かし氷漬けにするが、想定以上のパワーを発揮され倒された。

  • ファイヤーフライ(テッド・カーソン)、ブラックスパイダー(エリック・ニーダム)、エドゥアルド・フラミンゴ、マンバット(カーク・ラングストローム)、ミスター・ザーズ(ビクター・ザーズ)、マッドハッター(ジャービス・テッチ)、ドクター・フォスフォラス(アレクサンダー・サートリアス)、ハッシュ(トーマス・エリオット)、カッパーヘッド、カレンダーマン
ミスター・フリーズを倒したベインの前に現れたヴィランたち。次々と倒されていくがカレンダーマンのみ意味深な言葉を残し自ら倒れた。

  • リドラー(エドワード・ニグマ)
なぞなぞをこよなく愛する犯罪者。サイコ・パイレートのいる東棟にたどり着いたベインが扉を開けさせるため無理矢理引っ張て来た。
脅されたこともあり協力し、ニュージェネシスの最新技術でできた扉を開けベインの道を開いた。


≪その他≫

  • アルフレッド・ペニーワース
ウェイン家に仕える執事。ゴッサムガールの治療の手助けをすることとなり、ジェレマイア・アーカムに扮し彼女と共に『アーカム』に侵入する。
サイコ・パイレートを脅し治療を進めていくが、ベインを倒すために『アーカム』のヴィランが解放されたことを知りバットマンを非難する。

  • ゴッサムガール(クレア・クローバー)
ゴッサムに現れた青と灰色のコスチュームとマスクに身を包んだ超人。寿命を消費することでスーパーパワーを発揮する。
サイコ・パイレートによって恐怖の感情に飲み込まれており、その治療を『アーカム』で行う。

  • サイコ・パイレート(ロジャー・ヘイデン)
魔力を込められた『メデューサ・マスク』の力で他人の感情を操る力を得たヴィラン。
『アーカム』の厳重に管理された東棟で自分が傷つけたゴッサムガールの治療をやらされる。

猫のようなコスチュームに身を包んだ女盗賊。ベインの襲撃が始まる中、『バットシグナル』でバットマンを呼び出し彼と会話を楽しむ。
その後『トーマス&マーサ・ウェイン・ハウス』の跡地で佇んでいたところを攻撃され人質となってしまう。
実はバットマンと事前に打ち合わせをしており、バットマンとベインが戦っている間に他の人質の解放と部下の制圧を行った。

  • ブロンズタイガー(ベン・ターナー)
『リーグ・オブ・アサシンズ』や様々な諜報機関で活動していると主張する格闘家。バットマンとは旧知の仲。
ゴッサムガールの治療を開始しようとするバットマンとジェレマイア・アーカムをベインの部下から救い警告を送る。
その後、ホテルにいたところを襲撃を受け人質となってしまうがキャットウーマンに助けられた。

バットマンの歴代相棒たち。バットバーガーでブルースからベインに関する警告を受ける。
しかしその後、ロビンたちはベインの襲撃を受け『バットケイブ』で吊るされた状態で発見され、
何とか一命をとりとめ治療と安全のためにスーパーマンの『孤独の要塞』で保護された。
デュークは警告に従うそぶりを見せるも独断で活動し、ゴードンのピンチを救うが結局人質になりキャットウーマンに助けられた。

現在の世界とは違う『プレフラッシュポイント』のスーパーマン。バットマンの頼みで『孤独の要塞』でロビンたちを保護する。
協力を申し出るも以前協力した際に『ジャスティス・リーグ』に大きな被害が出たこともあり拒否されてしまう。

  • ジェームズ・ゴードン
ゴッサム市警本部長でバットマンの良き理解者。路地裏で娘バーバラとの電話の最中にベインの部下の襲撃を受け、
デュークと協力し切り抜けようとするが失敗し人質にされてしまう。その後キャットウーマンに助けられた。

  • バットバーガー
ゴッサムのハンバーガーショップ。バットマンや仲間たち、ヴィランをテーマにした店舗や商品で展開している。
一般人やロビンたちからの評判はいいがブルースには理解できず苛立っていた。



『Batman Vol.3』#24

【物語】

ゴッサムガールの治療を終えたバットマンはある早朝に彼女の今後をどうするか鉄塔の上で話し合う。


【登場人物】

ゴッサムを守る闇の騎士。ゴッサムガールの今後について話し合う中で自分の生き方について見つめなおしていく。

  • ゴッサムガール(クレア・クローバー)
ゴッサムに現れた青と灰色のコスチュームとマスクに身を包んだ超人。寿命を消費することでスーパーパワーを発揮する。
自身の今後についてバットマンと話し合う。その内に以前助けられた時とは逆にバットマンの手助けをしていく。

猫のようなコスチュームに身を包んだ女盗賊。バットマンとゴッサムガールが話し合いをした夜にバットマンと出会い、ある屋根の上で……。



『Batman Annual Vol.3』#1

【物語】

ある日、ジョーカーの毒に侵された競争犬を発見したバットマン。
その犬は施設に保護されることなったが、アルフレッドは犬を引き取りエースと名付け飼い始める。


【登場人物】

  • アルフレッド・ペニーワース
ウェイン家に仕える執事。ジョーカーの毒に侵された犬エースを施設から引き取り飼い始める。
当初は暴れまわり制御不能だったが、徐々に彼に懐いていく。エースを引き取ったのは理由があり……。

ゴッサムを守る闇の騎士。ジョーカーのもとにいたころのエースに喉元をかまれ、引き取ってからも暴れる姿を見て育てるのは無理と思っていたが……。

  • エース
ジョーカーの毒に侵された競争犬。バットマンの戦いに使用された後、同じ状態の犬と共に捨てられていたところを保護された。
その後、施設にいたところをアルフレッドに引き取られエースと名付けられた。
当初は暴れまわるだけだったがアルフレッドの努力によって忠犬へと成長していく。



『Batman Vol.3』#23

【物語】

ある夜、ロイド・バーナード・マッギンという老人が殺されているのが発見された。
捜査を始めようとするバットマンの前にマッギンは自分の父親だと語るスワンプシングが現れる。
自分がバットマンの前に現れた理由がわからないと語るスワンプシングと共にバットマンは捜査を開始する。


【登場人物】

ゴッサムを守る闇の騎士。父親を殺されたスワンプシングに共感したのか協力して捜査に当たる。
84階という高所で殺されたという点からカイトマンを起点に手がかりを集めていく。

  • スワンプシング(アレック・ホランド)
植物の精霊へと変化した科学者。全ての植物を結びつける領域『グリーン』に選ばれた存在でもある。
実の父親マッギンが殺されたと知りその現場に現れた。マッギンとは子供のころに別れて以来疎遠だったが、
変化をした際に一度会う機会がありそれ以来父親から手紙を送られている。
生と死は同じで変転するだけという考えの持ち主で自分でも何故バットマンの前に現れたのか理解できずにいる。
その理由を確かめるためにバットマンの捜査に協力していく。

  • ロイド・バーナード・マッギン
ゴッサムで殺されたスワンプシングの実の父親。孤独な老人で他の人との関係は息子に手紙を送るくらいだった。
84階という高所で殺され、死因は頭部に受けた銃弾2発。

  • アルフレッド・ペニーワース
ウェイン家に仕える執事。ウェイン邸にやってきたスワンプシングの汚れを淡々と掃除していく。

  • ジェームズ・ゴードン
ゴッサム市警本部長でバットマンの良き理解者。マッギンの現場でバットマンに状況を説明していたが、突如現れたスワンプシングに驚愕する。

  • カイトマン(チャールズ・ブラウン)
巨大なグライダーで窃盗を行うB級ヴィラン。いつも通り犯罪を楽しんでいたが、バットマンに捕まりグライダーを1つ手放したことを教える。
この情報をきっかけにバットマンは犯人を突き止めた。



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最終更新:2024年04月18日 18:30