海賊半魚人ギルマー

登録日:2018/10/20 (土) 08:37:38
更新日:2023/09/13 Wed 19:14:15
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怪獣とか化け物とか言うが、本当に恐ろしいのは人間かもしれないね


出典:緊急指令10-4・10-10/円谷プロ/第13話「海獣半魚人の反逆」/1972年9月25日放送

海賊半魚人ギルマーとは、「緊急指令10-4・10-10」の第13話「海獣半魚人の反逆」に登場したキャラクター。
人間の恐るべき欲望に翻弄される半魚人である…。

【概要】


身長:2.1m
体重:8.5kg
出身:アフリカ(大西洋)

元々はアフリカ大陸近海で棲息していた半魚人で、大垣達也の弟の末次によって密かに運び込まれた。
磯島キャンプ場近くに沈んだ沈没船にある、1000kgもの金塊を引き揚げるため、身元不明の青年からを移植されている。
半魚人なだけあって、人間では潜る事のできないの中でも全く影響されずに泳ぐ事ができる。
指先にある鋭い爪と怪力が武器で、人間を簡単に絞め殺してしまう。
人間の脳が移植されているために命令を理解する事はできるが言葉は話せないので、感情に動きがあった時には目を光らせて反応を示す。

自分に優しい言葉をかけてくれた時子を最後まで守ろうとしていたが、結局は時子も引き揚げが終わったら自分を殺そうとしていたと知ると逆上して時子を殺害。
直後に岩城の撃った水中銃の銛に貫かれると叫び声と共に絶命した。

作中の描写を見ると、脳の移植元の青年の記憶などは無い模様。
あくまで半魚人の知性を上げて命令を聞かせるための部品として扱われているようだ。

作中では「ギルマー」という名前は登場しない。
このため、昔の怪獣図鑑などでは単に「半魚人」として紹介されているものもある。

なお、脳を奪われた青年の身元は最後まで不明で、名前すら判明しなかった。

【劇中の活躍】


ある大雨の夜に「大垣病院」という建物に一人の仮死状態の青年が運び込まれた。
既に手術の用意をして待っていた院長の大垣達也(演:植村謙二郎)と、青年を運び込こんだ一味のリーダーで大垣の弟の末次によれば、青年はヒッピーまがいの事をしていて親兄弟もいないのでの移植手術をするという。
青年の隣に並んだベッドのシーツをめくると、そこにいたのは何と半魚人だった。

その後、海辺では無線仲間のガールフレンドと遊びに来ていた一平が釣りの最中に大垣病院に運び込まれた青年の死体を確認するが、死体は脳が取り出されていて、また元通りに縫い合わせてあった。
青年の身元も不明のため、全く目的も分からず警察も頭を抱えているという。

一方、その頃の上では大垣達が半魚人に沈没船から金塊を引き揚げるように命令していた。
全ての目的は、これだった。人間では引き揚げる事が出来ない金塊を手に入れるため、半魚人に人間の脳を移植し、思うままに動かそうと考えていたのだった。
最初は半信半疑だったものの、半魚人が本当に金塊を持ってくると一味は色めきだった。

そして事件を調べていた電波特捜隊は、手術の技術の高さから大垣に目星をつけており、彼がまれに見る技術の持ち主であったが、戦争中に生体実験をやった疑いで大学を追放されていたことを知る。
早速、岩城と一平が大垣病院にやってくるが、当分の間休診すると貼り紙がしてあった。
一平のガールフレンドから、ここの院長は変り者で、毎年この時期になると病院を閉めて船で海に出ているという話を聞いた二人が崖から偵察すると、半魚人が海から現れるところを目撃する。

病院の地下室では、看護婦の時子が半魚人に甘い言葉をかけていた。
いくら金塊を引き揚げても大垣達に渡るばかりで、半魚人はそれに不信感を抱き、わざと金塊が見つからないふりをしていた。
それを見抜いた時子は金塊を独り占めしようと企み、いかにも半魚人を気遣うような言葉をかけ、自らの手駒にしてしまった。

大垣達を偵察していた一平が一味に襲われてしまい、毛利は大垣の船が犯罪に関わっていると確信。
毛利は大垣が海から何かを引き揚げようとしていると推理し、あの場所に金塊を積んだ沈没船がある事、深すぎて異常な潮の流れで潜水夫が潜れない事、そして大垣という外科医のデータから人間の脳を動物に移して引き揚げさせていると考えた。
電波特捜隊は確証を得るため行動を開始し、金塊を隠していた洞窟に偶然迷いこんだ釣り人が半魚人に殺され、最近は大垣は船を出していなかった事から夜中に引き揚げをしていると見た電波特捜隊は音波探知機で半魚人の動きを探り、隠し場所の洞窟を突き止め潜入する。

その頃、洞窟では企みがばれた時子が一味に取り囲まれており、観念した時子は金塊の隠し場所に一味を案内。
大垣は彼女に金塊を全部運び出したらどうするつもりだったか、あいつはお前が好きだったんじゃないのか問うが、内心では化け物として嫌悪しており、引き揚げが終わった後にはエサに毒を入れて殺すつもりだったことが判明。

そして、この期に及んでこれだけ苦労したから自分が一番貰う権利があると言う時子を裏切り者として殺そうとしている所に電波特捜隊が飛び込み、一味を一網打尽にする。

最後に残った時子を捕まえようとした時、現れた半魚人は時子を守ろうと岩城に襲いかかる。
しかし、岩城が録音していた先程の時子の言葉を聞かせると、半魚人は逆上し、時子に襲いかかった。
止めようとした岩城の水中銃で半魚人は倒されたが、時子も致命傷を負い、金塊を手に持ったまま死亡した。


【その他】


特撮ドラマには、数多くの怪獣や怪人などが登場するが、ギルマーはただひたすらに悪人に利用されるだけの哀れな存在である。
一見、最も「異形」なギルマーを取り囲む悪人達こそが、登場エピソードにおいては最も「異形」な恐るべき存在であった。



この船の底に項目がある。
そこの中から、追記・修正をするんだ。

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最終更新:2023年09月13日 19:14
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