貴族令嬢(ゴブリンスレイヤー)

登録日:2018/10/18 (木) 02:22:38
更新日:2023/11/21 Tue 18:24:40
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おのれ!辱めるならば、私からにしろ!




貴族令嬢とは、ゴブリンスレイヤーに登場する人物。

概要



作品序盤に登場した、第八位の鋼鉄等級の冒険者。他のゴブリンスレイヤーのキャラ同様、正式な名前は明かされておらず不明。
後に同じく元貴族令嬢の冒険者も登場しているが、そちらは『令嬢剣士』と呼称されている。

容姿は、肢体がしっかりと鍛錬された状態で、柔らかな脂肪に包まれた筋肉が特徴らしい。
漫画版では容姿が詳細に描かれ、セミロングヘアと釣り目が特徴的な美女になっている。
一糸まとわぬ姿ではかなりの巨乳であることも描写された。

貴族の令嬢と言う身分で生まれ、至高神に仕える遍歴の自由騎士となった。
そのプライドもあって邪悪な拷問にも屈しない覚悟を持った女性である。元々情が深い性質なのか、自分が傷付くより他人、特に仲間が傷付けられるほうが辛いタイプ。
口調は貴族の騎士らしく固めだが、漫画版では仲間に指示する際には敬語を用いていた。
身分や自分の実力に溺れる事もなく、ゴブリン相手にも慎重な姿勢や指示を取るなど、冒険家として優れた姿勢も持つ。

犠牲者役のモブキャラの立ち位置なのだが、小説版ではかなり過激な末路を辿った事で、女武闘家のようにインパクトを残した。


貴族令嬢のパーティ



貴族令嬢が率いていた仲間達。割り振られた描写が同じくらいの漫画版はともかく、小説版では貴族令嬢以上に完全なモブで、所謂「一般兵士A」みたいな扱い。

  • 圃人野伏
周囲を探る役目(漫画版では先頭)を任されるが、罠の多さに消耗したところで最後の最後に罠に引っかかる。
漫画版では、ゴブリンによる攫った村娘の遺体を利用した悪質なトラップを起動させてしまった。
弓矢を用いてゴブリンと戦うが、数の多さに敗北し、捕まった際には顔をクシャクシャにして怯えていた。
四人の中では最初に殺され、報復目的で衣服を剥がれた上で射的の的にされて死亡。
漫画版のみで確認できるが、全裸状態を見るとナイスバディのパーティの中では逆に浮く普乳。

  • 森人魔術師
ポニーテールと胸元露出した巨乳が特徴的な容姿のクールビューティ。
4つか5つ程度の術を駆使(漫画版ではファイアーを使用)するが、気力が尽きてゴブリンに敗北。
捕まった際には怯え切って引きつった声を挙げていた。
仲間を焼死させられた報復として、生きながら火炙りにされて殺される末路を迎えた*1
森人魔術師の処刑をもって仲間が全滅したことが、貴族令嬢の精神崩壊の決定打となる。

  • 只人僧侶
黒髪(?)のロングヘアの大人しそうな雰囲気の女性。
ゴブリンとの戦闘では奇跡や加護で仲間を支援したが、戦闘が長引くにつれて奇跡も加護も尽きてしまった。
捕まった際には声もなく祈っていた模様。
野伏の次に殺害された様子だが、唯一殺害の詳細が明かされていない(アニメ版では、ゴブリンに囲まれた状況で衣服が破れて倒れている僧侶らしき姿が確認できる)。


作中での活躍



小説版


受付嬢の台詞から存在が示唆され、第1巻の第4章冒頭に登場した時点で既にゴブリンの巣の大広間で死体となっていた。
貴族令嬢の一行の顛末は、最後に死亡した彼女が末後の際に「どうしてこうなったのだろう」と回想する形で語られる。

かつての森人の山砦を根城としたゴブリンたちに村娘が拉致されたと聞いた貴族令嬢一行は、義憤に駆られてその救出に乗り出した。
それなりに冒険者として経験を積んだ熟練者であった彼女らは、準備もなくゴブリンの巣に乗り込むような愚は犯さず、
拉致された村娘の住んでいた小さな村で準備を整え、夜行性のゴブリンが眠っている昼間に潜入。
頭目である貴族令嬢は前衛を務め、武器を構えながら一行と共にじりじりと巣の奥へと侵攻した。

だが、元の持ち主である森人たちが侵入者対策で拵えていた罠が貴族令嬢たちの障害となり、
圃人野伏がそれらを解除していったものの、消耗の末に砦の奥で見落とした警報の罠に引っかかってしまう。
警報が響き、それを聞きつけたゴブリンたちとの接敵を避けられないと覚悟した一行は堅牢な円陣を組んで迎え撃つが、
自分たちを遥かに上回る数で攻め立てるゴブリンの数の暴力の前に、次第に消耗して押されていき、
仲間が疲弊していく中でも、貴族令嬢は血みどろになりながらも最後まで剣を振るったが、ついに引き倒されて敗北した。

敗北後は装備を全て引き剝がされた上で仲間共々捕虜とされ、死体の山の中で宴を始めようとするゴブリンに囲まれる。
怯える他の仲間と肩を寄せ合って身を震わせながら、一行をこんな目に遭わせてしまったことへの後悔からか、血が滲むほどに唇を噛み締めていた。
ゴブリンたちは多くの仲間を殺した彼女らを、その報復も兼ねて楽に死なせてやるつもりは毛頭なく、ここに彼女らの悲惨な最期は決したと言えるだろう。

装備諸共衣服まで剥がれ、ゴブリンたちに押さえつけられてその親玉の前に引っ立てられた貴族令嬢であったが、未だその心根は萎えておらず、
また、頭目であることの責任感からか、辱めるのならば自分からにしろとゴブリンたちに吠えた。
元々自由騎士のプライドとして、邪悪な拷問を受ける覚悟も決めていた貴族令嬢だからこそ、絶望的状況であってもそのような態度を貫けたのだが、
ゴブリンにとっては、彼女のような「生意気で活きのいい」捕虜の心をへし折ることも愉しみの一つである。
故にゴブリンたちは、敢えて「辱めるのなら自分からにしろ」という貴族令嬢の要求に従った上で、彼女の心をへし折ろうと頭を巡らせ、
そして、『押さえつけられて抵抗できない貴族令嬢の目の前で、彼女の仲間を一人ずつ、強姦・輪姦せずに惨殺していく』という趣向を思いついた。

まず装備を剥がれた野伏がゴブリンたちの射的の的とされて殺される様を見せつけられた貴族令嬢は、打って変わってゴブリンに縋り、残る仲間の助命を乞うた。
次に僧侶が殺害される光景を見せつけられた彼女は舌を噛んでの自殺を試みるが、死んだ仲間の臓物を口に押し込められて阻止された
そして最後に魔術師が焼き殺された時に、ついに彼女の心は千々に破れ、その魂は砕かれた。

ゴブリンたちの目論見通りに心をへし折られた貴族令嬢は、先の自分の要求通り彼らに「最初に辱められた」後、三日三晩に渡って弄ばれることとなった。
意識がはっきりしていればまさしく地獄の時間であっただろうが、既に仲間たちの拷問死を見せつけられて精神が破壊されていたため、
仲間たちを嬲り殺しにしたゴブリンたちに強姦・輪姦と凌辱の限りを尽くされながらも、貴族令嬢は最早何も感じなかったという。
最早抵抗も脱出も叶わない以上、地の文でも言及されている通り、凌辱される前に精神が破壊されていたのは確かに「幸い」であっただろう。

そうして、末期の際に上述通り脳裏で「――どうしてこうなったのだろう」と疑問を発した後、貴族令嬢はその生涯を終えた。
小説版では、この疑問に対して地の文の語りにて「冷静に真実を告げるとすれば、彼女たちは、ひとえに運が悪かった」と評されている。

三日間に及ぶ暴虐に晒され、弄ばれて人とも思えない無残な有様になった貴族令嬢の亡骸は、近くを流れる川に捨てられた。
遺体は麓の村に流れ着き、その有様と谷に木霊するゴブリンたちの哄笑は、村人たちを改めて震え上がらせることとなった。


なお、彼女たちが救出を頼まれた、攫われた村娘たちはゴブリンたちの凌辱に耐えきれずに既に事切れていたため、
ゴブリンたちも普段であれば貴重な玩具兼「孕み袋」として虜囚たる彼女たちを「節約」して使ったと思われるが、
仲間を散々殺されて憎悪を滾らせていたこと、彼女たちが酒を持っていたこと、近々村を襲う腹積もりで「節約」する気など一切なかったことなどから、
哀れにも彼女たちは、ゴブリンたちの残酷な欲望を思うさま叩き付けられることなった。まさしく「運が悪かった」としか言いようがない。


その数日後、彼女らが全滅したことを悟った村人からの依頼でこの山砦を訪れ、ゴブリンを全滅させたゴブリンスレイヤーからは、
同行していた女神官との会話の中で間接的に「想像力がなかった(から全滅した)」と評された。

ゴブリンスレイヤー自身は「善意でゴブリン退治を請け負った冒険者一行」としか貴族令嬢たちの素性を知らないのだが、
ゴブリンスレイヤーは彼女たちと違い、攫われてからの日数やゴブリンの規模からして「まず人質は生きていない」と判断し、
元々は森人の手による山砦ということで「侵入者対策の罠が存在している」ことを警戒してか、砦に侵入せずに外から火矢等を射かけ、
直接射殺すだけでなく、火災を発生させた上で女神官の『聖壁』で砦の出入り口を封鎖し、まとめて火災・煙によって焼死・窒息死させる形で、ゴブリンたちを殲滅している。
判断材料があるとはいえ「助けてほしいと言われている人質を死んでいるものと見なす」のが良いことかどうかはさておき*2
ゴブリンスレイヤーは「そういう判断や戦術に貴族令嬢一行が思い至らず、全滅してしまった」ことを指して「想像力がなかった」と評したのかもしれない。



漫画版


漫画版でも登場しており、大まかな経緯は小説版に沿っているが、描写は簡略化されている。

ゴブリンたちが本拠地とした山砦に向かい、村から誘拐された女性を救うためにパーティと共に侵入した貴族令嬢は、
野伏を先頭にした隊列で慎重に周りを見ながら進む中で、倒れている女性の姿を野伏が発見。
しかしそれは既に死んだ娘の亡骸を利用したトラップであり、貴族令嬢の後ろに警報用のトラップが落ちる。

ゴブリンが起き始めたことに僅かに動揺しながらも、貴族令嬢は一時撤退と自身が殿を務める隊列の構成を冷静に指示。
そして小説版と似たような円陣を組んで何匹かのゴブリンを斬殺したが、上空からの投石攻撃を頭に直撃で浴びる。
それで昏睡したのか、視界が暗転する中でパーティーの敗北を示唆する叫び声が響くのだった。
小説版が単純な物量で消耗して敗北したのと比較すると、こちらではやや弱体化した印象となっている。

小説版とは異なり、敗北後すぐにゴブリンは饗宴を開いたらしく、貴族令嬢は全裸(乳首描写も解禁*3)でゴブリンに強姦されていた。
正常位の状態で強姦されている貴族令嬢の体の各所には、爪が食い込んだのか細かい傷があって痛々しい。
眼は涙も流れない虚ろな表情で、開いた口からはだらしなく涎と血が流れる状態。
精神崩壊を匂わせる表情は、ついさっきまでの凛々しい表情とのギャップが凄い。

貴族令嬢が精神崩壊状態で強姦される最中、パーティの仲間達は小説版と同様の処刑、及び屍姦をされているのであった。

貴族令嬢を精神的に甚振る意図で、一人ずつ順番に一行が嬲り殺されていた小説版とは異なり、こちらでは同時に処刑されている構図に見える。
小説版では精神崩壊の前に舌を噛んでの自殺を図り、仲間の臓物を口に押し込められて阻止されているが、
漫画の絵を見る限りでは貴族令嬢の口にそのようなものが突っ込まれている様子も見られない。
強姦されている貴族令嬢は精神崩壊している様子なので、原作と同様にゴブリンに強姦された時には既に精神崩壊していたと思われるが、
小説版の様に大切な仲間たちが無残にも処刑されゆく様を見て精神崩壊した後に強姦されているのか、
それとも小説版とは違って捕らえられた仲間たちの目前で強姦され、そのショックで精神崩壊したのかは不明。
もしくは、既に貴族令嬢はこの時点で絶命しており、虚ろな表情はそれこそ既に事切れているが故で、強姦ではなく屍姦されている場面の可能性もある。

また、漫画版では貴族令嬢の遺体がどうなったかの描写はないので、小説版と同様の始末をされたかは不明。
ただ、状況を見れば遺体は小説版と同様の始末をされたとみるのが妥当であり、近くの村に流れ着いたか、
あるいは砦内に放置されていたとしても、後のゴブリンスレイヤーによる山砦の炎上破壊によって焼き払われたと思われる。

強姦されている時点で悲惨と言えば悲惨なのだが、簡略化の影響で小説版の生き地獄は味わっていないのでマシと言えばマシ。



アニメ版


アニメ2話に登場。漫画版を基準としているが描写が更に簡略化。

既にゴブリン敗北後のみの出番で、台詞なども一切なし(そのため、アニメ化に伴っての担当声優は付かなかった)。
貴族令嬢は漫画版と同様の姿を晒しているが、薄暗い状態で一瞬その顔が写るだけ。
身体の姿勢こそ漫画版と同じだが強姦されている感じでもなく、既に絶命している様子にも見える。

また、ゴブリンたちが楽しそうに囲っている篝火は、火の高さが妙に高い、薪などの配置が火炙りの刑のそれに酷似している、
火の中にうっすら人影らしきシルエットがあること等から、森人魔術師の処刑跡と推測できる。

小説版や漫画版と比較するとマイルドな描写になっているが、キャラの出番自体がほぼないというのは別の意味で可哀想ではある。



備考



原作最初に登場した女武闘家同様、「ゴブリンスレイヤー」におけるゴブリンの悪辣さと、敗北した冒険者の末路を示す役割を担わされた人物と言える。

ただし、女武闘家と彼女(と女神官)が所属していた青年剣士パーティは、初心者故の準備・知識不足や迂闊な行動などが原因で半ば自業自得で全滅したとも言えるのに対し、
貴族令嬢の率いるパーティの実力は中級者以上であり、準備を出来る範囲で万全に行い、慎重にじりじりと探索するなど、攻略方法にもほとんどミスはなかった。
「運が悪ければ中級者以上の冒険者パーティでもゴブリン退治で壊滅し、悲惨な末路を辿る」という、青年剣士パーティとは違う視点でのゴブリンの犠牲者の例を示したと言えるだろう。

また、漫画版やアニメ版では描写省略の煽りを受けてしまっているため、その辺りの都合でキャラとしての知名度は低下してしまっている。
これも、漫画版で描写が強化された青年剣士のパーティとはある意味で対照的ともいえる。
漫画版やアニメ版で小説版が忠実に再現されていた場合は、同じく悲惨な結末を迎えた女武闘家と並ぶくらいには有名になっていたかもしれない。

上述したように、漫画版では投石で戦闘不能にされたという描写に改変されている。
ゴブリンスレイヤーが後に砦に乗り込んだ際にも同様の投石攻撃を受けるのだが、こちらは兜のおかげで無事に済んでおり、結果として漫画版では対比的な構図を作られている。
メタな視点で見ると、漫画版ではある意味主人公の引き立て役としての描き方が追加されたともいえる。









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最終更新:2023年11月21日 18:24

*1 余談だが、漫画版での火炙りの描写は小さなコマで影の形で燃えている姿となっており、同様に末路が描かれていない只人僧侶とどちらが火炙りにされたのかやや分かりにくくなっている。一応、漫画版でのみ「ファイアー」を使っているため、よく注意して読めばその報復で燃やされたと察せられるようにはされている。

*2 一概に比較できないものではあるが、現実の法執行機関(警察機関)の場合基本的に「人質の安否が不明」「他に『巻き添えにする可能性は低い』作戦がある」場合は巻き添えになりかねない作戦は敬遠される(2002年・モスクワ劇場占拠事件など「危険かつ人質も巻き込まれる手段が選ばれた」ケース自体は存在するし、航空機ハイジャックのような他に手段が少ない場合は「突入・銃撃戦で制圧」が選択されることも多いが)。囚われてからの期間を考えると人質の生存は絶望的・後々の被害を考慮すれば優先すべきは人質救助よりもゴブリンの確実な殲滅・(先述のように)罠がある可能性が高く突入するのは避けたい…という、ゴブリンスレイヤーならではの判断が重なった上での作戦であるだろう。

*3 心なしか、この時に晒された乳首は勃起しているようにも見える。