葛城忍(仮面ライダービルド)

登録日:2018/09/27 (Thr) 21:04:06
更新日:2024/02/14 Wed 23:30:38
所要時間:約 7 分で読めます




葛城忍とは、『仮面ライダービルド』の登場人物である。

演:小久保丈二



【概要】

『ビルド』本編におけるライダーシステムの開発者・葛城巧の父親にして、難波重工の技術者であった人物。
第一話でスマッシュにされていた志水恭一は彼の教え子らしい。

火星文明の遺産「パンドラボックス」をはじめとする、極プロジェクトの成果を発表する帰還セレモニーにも登壇していたが、
そこでパンドラボックスを持ち帰った張本人である石動惣一の奇行によってパンドラボックスは部分的に開かれ、
出現した壁によって日本が3つに分断された大事件「スカイウォールの惨劇」を目の当たりにする。

この際、忍は知的生命体の好戦的な気質を剥き出しにする特性を持つパンドラボックスの光を一番近くで浴びたにもかかわらず、
精神に変調を起こした様子もなく、すぐに観覧に訪れていた巧やその他出席者の避難誘導を率先して行ったものの、
その後世間から「惨劇の戦犯」として酷いバッシングを受け、それを苦にして本編開始の数年前に自殺した。
このこともあって巧は根本的に人間不信に陥っており、己の才能と母親以外信用できない人間になってしまった。
また、巧が本格的に科学者を目指したのも、忍の無念を晴らすためだったとされる。

また万丈龍我の出生の謎に関する調査にも携わっていたほか、実は火星を滅ぼした地球外生命体・エボルトとも接触しており、
エボルトに脅迫されて損傷したエボルドライバーの復元をさせられていたことも明らかになっている。
もしかすると、脅されていたとはいえ地球を滅ぼそうとする存在に手を貸してしまったことへの罪悪感も自殺の一因かもしれない。

だが、自殺する前にエボルトやパンドラボックス、フルボトル等に関する資料や、
エボルドライバーの模造品であるビルドドライバー等のライダーシステムの設計図も残しており、
それらを見た巧が設計図を基にライダーシステムを完成させたことを考えると、人類の反撃の一歩となるアイデアも数多く残している。



追記・修正はたとえ闘争心を剥き出しにされてもなお他の人を助ける為に動ける人がお願いします。




















しかし――


顔が変わってもその癖は変わらないな


エボルトによって顔を変えられ、一度は記憶も奪われた巧である桐生戦兎/仮面ライダービルドの前に突如として現れる。
それもそのはず、忍は自殺などしておらず、裏でエボルトと手を組んで暗躍していたのだった。*1

美空にボトルを浄化させる為の偽りのヒーロー」としての「桐生戦兎」を発案したのも忍自身であり、
また戦兎が挫けそうになる度に支えにしてきた「ライダーシステムは兵器なんかじゃない、正義の為の力」という信念を真っ向から否定。
本来自分が変身する想定だったというビルドにも変身しており、ラビットタンクフォームやニンニンコミックフォームなどの初期フォームにしか変身しないながら、
戦兎が変身した同フォームとは格が違う強さを発揮し、クローズマグマやグリスローグ等を圧倒する戦闘力を見せつけている。

エボルトと手を組み人間の闘争心を増大させるロストボトル等を開発した目的は、本人曰く既存の物理法則を越えた現象である「新世界」を創るため。
ライダーシステムやライダー達、ロストボトルの実験台にされた人たちは結局その為の駒でしかなく、
家族を騙してきた理由もどうしてもその新世界が創りたかったからに他ならない。

その後は自ら戦闘に参加するようになり、美空/ベルナージュをCDロストスマッシュにしてジーニアスフォームに嗾けるなど、徹底して戦兎を精神的に痛めつけた。
しかし万丈の叱咤によって「仮面ライダービルドとして、葛城忍を越えてみせる」と決意を新たにした戦兎と万丈によって撃退された。

そして二人が想定以上の成長を見せたことを受け忍は計画を早め、人間の感情を獲得したエボルトに残り三本のロストボトルを預けわざと負けさせることで精製する。
しかし戦兎がボトルを回収したところにホークガトリングフォームで急襲、ロストボトルを奪取。
一応とはいえエボルトを打ち破ったライダー達を称賛すると、ゲル状になってエボルドライバーに逃げ込んだエボルトを特殊な容器に封じ込めた。









これまで忍は、戦兎達との戦いで、美空をスマッシュにする、戦兎の理想や決意を折るような辛辣な言葉を浴びせかける等、特に戦兎を追い詰めるような言動をしつつ、
エボルトリガーと構造を同じくするハザードトリガーの弱点を、それとなく戦兎に伝えてから秘密裡に逃がすなど、
戦兎に厳しい言葉をぶつけ、戦闘でも痛めつける一方で、「本当は戦兎たちの味方なのではないか?」と思われる行動も取っていたが、
それもそのはずで、すべては戦兎ら「正義の仮面ライダーにエボルトを倒させる為の演技であり、
エボルトのしぶとさを知っている忍は、倒されたエボルトを復活させないための策を構築して、彼らがエボルトを打倒するのを待っていた。
美空をロストスマッシュにしたのも、中にいるベルナージュをネビュラガスによって活性化させ、
ブラッド族及び仮面ライダーブラッド対策の切り札である「クローズビルド缶」を創るため。

しかしやはりスカイウォールの惨劇の際いわれのない誹謗中傷を受けたことや、
最初から裏切る算段だったとはいえエボルトの非道に加担し、その過程で自身の息子すら騙し計画に巻き込み続けたことで心が擦り切れてしまったのか、
10年前は笑顔でいることの多い朗らかで息子想いな父親だったのが、ほとんど無表情で感情表現が希薄な、一見冷酷にも見える人間に変わってしまっている。


自身の目論見通り、戦兎たちがエボルトを打倒すると、彼らの前に現れて黒いパンドラパネルの部屋に招き入れる。
そこで、「新世界」とは「過去10年間のブラッド族の襲来によって起きた事象が全て”なかったこと”になっている世界」であり、
その新世界を創るにはエボルトがエボルトリガーによって生成した「黒いパンドラパネル」に10本のロストボトルを装填し、
そこに万丈がハザードトリガーを用いて作成する「白いパンドラパネル」を合体させた上でパンドラボックスと組み合わせ、
そのエネルギーと、エボルトが数々の星を滅ぼして溜め込んだエネルギーを使用することで、
”ブラッド族が襲来し滅びの危機にあるA世界””エボルトが存在せずスカイウォールもないB世界”とを融合させる、
「既存の物理法則を越えた現象」を起こす必要があることをかいつまんで説明した。

しかしそこで裏切ったことを見抜いて内海に取り付いていたエボルトに毒を打ち込まれ、戦兎に後を託して消滅した。


【仮面ライダービルド(葛城忍Ver.)】


すべては私の計画通りだ。あとはロストボトルさえあれば、目的は達成される……

変身!


葛城巧/桐生戦兎の父親である葛城忍がフルボトルとプロトタイプのビルドドライバーを使用して変身する「もう一人の仮面ライダービルド」。
外見は巧や戦兎のものと同一だが、能力の初期値は戦兎が変身する通常のビルドを上回り(約1.5倍)、更にハザードレベルに応じて変動する。
プロトタイプは忍自身のために設計されたものであり、ビルドは彼が変身することで最大限の能力を発揮するとされ、作中で他のライダーを圧倒した際にも「私がベスト・オブ・ベストのビルド」と宣言している。

各フォームの武器は戦兎のビルドと同じものを使用可能。
作中では名前の「忍」つながりかニンニンコミックフォームに変身して四コマ忍法刀を駆使した相手を翻弄する戦い方をするなど、全体的に戦兎のビルドよりも洗練された戦闘スタイルを取る。
なお、基本的には所謂「ベストマッチフォーム」を使用して戦っているが、変身時にもボトルチェンジ時にも、「ベストマッチ!」のコールはされない。
というのも、この「ベストマッチ!」コールは戦兎自身が自分のビルドドライバーに搭載したベストマッチの組み合わせを判別するための機能によるものであり、
忍の使っているビルドドライバーにはそもそもその機能が存在しないためである。

下記以外にトライアルフォームのフェニックスタンクにも変身。
逃走用に使用し、直後にフェニックスの炎を纏ったため全身は映らなかった(テレビ朝日公式サイトでは未紹介、その後『超全集』に名称が記載)。


ラビットタンクフォーム[葛城忍Ver.]

身長:196cm
体重:99kg
パンチ力:14.7t (右腕)/25.2t (左腕)
キック力:35.1t (右脚)/26.3t (左脚)
ジャンプ力:ひと跳び71.5m
走力:100mを1.9秒

◇装備
  • ドリルクラッシャー

◇必殺技
  • ボルテックフィニッシュ
戦兎のビルドと同様に放物線の上から加速キックを放つ。または跳躍して右回し蹴りを放つ。


ホークガトリングフォーム[葛城忍Ver.]

身長:193cm
体重:107kg
パンチ力:14.4t (右腕)/14.8t (左腕)
キック力:20t (右脚)/21t (左脚)
ジャンプ力:ひと跳び54.2m
走力:100mを3.9秒

◇装備
  • ホークガトリンガー


ニンニンコミックフォーム[葛城忍Ver.]

身長:194cm
体重:90.5kg
パンチ力:16.4t (右腕)/13t (左腕)
キック力:14.9t (右脚)/32.9t (左脚)
ジャンプ力:ひと跳び59m
走力:100mを2.8秒

◇装備
  • 4コマ忍法刀
作中では「分身の術」と「隠れ身の術」を発動。


海賊レッシャーフォーム[葛城忍Ver.]

身長:189cm
体重:95.8kg
パンチ力:17.8t (右腕)/18.8t (左腕)
キック力:22.2t (右脚)/20.4t (左脚)
ジャンプ力:ひと跳び51.2m
走力:100mを1.7秒

◇装備
  • カイゾクハッシャー

◇必殺技
  • ボルテックブレイク
「海賊電車」までチャージしたカイゾクハッシャーからエネルギー弾を発射する。


【新世界】

前述の通り二つの特殊パネルとエボルト自身のエネルギ—によって発生させた時空のゆがみに現れる特異点を利用して創った、スカイウォールやエボルトが存在しない新たな世界。
「物理法則を超える現象」「物理法則を超えた救済」などと呼ばれている。

新世界の人間たちは元々、白いパンドラパネルの力で呼び寄せた通称「B世界」の住人で、スカイウォールやエボルトが存在した通称「A世界」の人間たちは融合に伴ってB世界の住人に統合。
創造主である戦兎とエボルトの遺伝子を持つ万丈のみがそのまま新世界に移された(戦兎の中に残っていた巧の人格は新世界の巧に統合、万丈は「エボルトの遺伝子を持たないB万丈」と別々に存在)。

なお、新世界ではエボルトに吸収されたはずの月が無傷のまま残っている。
















葛城忍が科学者を目指した理由は、「Love & Peace」の為に他ならない。

その彼の信念は、「桐生戦兎」となった息子の葛城巧にも、確かに受け継がれている。



追記・修正は明日だけでなく昨日の地球も投げ出さなかった人にお願いします。

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最終更新:2024年02月14日 23:30

*1 これ以前の話で、「巧の実家にあった忍の遺品に彼が自殺したとされる頃にはまだ配備されていないはずのガーディアンが映った木根礼香の写真が紛れている」、「密航船を運営している彼女に忍のことを訊ねると『ついこないだにも会った』という返答をされる」等から、それが忍本人か、誰かが化けているのかは不明ながら、少なくとも「忍の姿をした何者かが現在も活動している」ことは判明している。