友好宇宙人モノロン星人

登録日:2018/09/26 (水) 03:57:59
更新日:2023/12/09 Sat 14:14:41
所要時間:約 3 分で読めます





相手を信頼すれば、心は通じあうものです……



『戦え!マイティジャック』の第16話『来訪者を守りぬけ』に登場した宇宙人。この項目では、宇宙猿パッキーについても解説する。

友好宇宙人モノロン星人


出典:戦え!マイティジャック/円谷プロ/第16話「来訪者を守り抜け」/1968年310月19日放送

身長:2m
体重:70kg
声:矢田耕司

地球の近くを航行中に宇宙船が故障を起こし、地球に不時着した宇宙人
地球侵略の意思などは持たない友好的な宇宙人で、無益な争いは好まない。
非常に身軽で、木の上に一瞬で飛び上がる。
地球と比べて非常に高い化学力を持ち、モノロン星人の宇宙船にはマイティ号の一切の攻撃が通用しないほど。

スーツは「ウルトラセブン」に登場した「ゴース星人」のスーツを赤くリペイントしたもの。


宇宙猿パッキー



出典:同上

身長:50cm~48m
体重:8kg~2万4000t

元々はモノロン星人が連れていたペットの小猿だったが、地球の環境に適応できず、ホルモンのバランスを崩して巨大化してしまった姿。
小猿の時はポケットモンキーのように大人しい性格だったが巨大化するとゴリラのような姿となり、性格も狂暴になってしまった。
大きく開いた口から吹く火炎と怪力で暴れ回った。

パッキーの着ぐるみは元々は円谷プロが昭和42年に企画していた、7人の類人猿が繰り広げるコメディー作品『ウルトラ・セブン』に登場予定だった「類人猿」であった。

この企画は消滅してしまったが、タイトルを転用したのがご存知『ウルトラセブン』である。

顛末

暴れ回るパッキーをエキゾスカウトのミサイル攻撃で倒すと、マイティジャックはそのままモノロン星人を救助に現れた宇宙船との戦いに突入してしまう。
しかし、マイティ号のあらゆる攻撃が宇宙船に通じず、宇宙船は着陸。

宇宙船に突入しようとする防衛隊の陸戦部隊を今井がなんとか制し、モノロン星人はようやく仲間の元へたどり着く。

そして、今井への友情の印として白い小鳥を贈り、手を振りながらモノロン星人は宇宙へ帰っていった。


こうして、二つの魂と魂の触れ合いが、無益な戦いを避ける力となった。

だが……

小鳥がパッキーのように巨大化すると判断したのか、その場で処分すると防衛隊は決断してしまい、今井の頼みも通じず、小鳥は防衛隊の銃によって殺されてしまった。

後には、撤収する防衛隊の規則正しい足音と、今井の叫びが虚しく響くだけだった……

平和を返せえーーーっ!!

■その他

実は金城哲夫氏の脚本は、モノロン星人が無事宇宙へ帰っていくところで終わっている。
本作を「マイティジャック」有数の印象的な回にしたラストの鳩が射殺される部分は東條昭平監督により現場判断で追加されたシーンである*1
東條昭平氏は本作が初監督作であり、いきなり作品テーマを180度ひっくり返すラストシーンをぶち込むという、たいへん挑戦的な監督デビューとなった。
後に東條氏は、本作のテーマを更に深掘りし、更に過激に演出した、かの『怪獣使いと少年』を撮影する。

同じく、監督が加えたラストワンシーンによって作品の印象が大きく変わった作品としては、『ウルトラセブン』の狙われた街がある。
奇しくもあちらも金城哲夫氏脚本である。

機動戦艦ナデシコ22話のサブタイトル「『来訪者』を守り抜け?」は本作のパロディであろう。

普段はお調子者として描かれている源田であるが、この回に限り「モノロン星人の処遇を巡って今井と対立する」所謂嫌われキャラとなってしまっている。

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最終更新:2023年12月09日 14:14

*1 「上原正三シナリオ傑作集 24年目の復讐」P418より