竜巻

登録日:2010/02/14(日) 21:37:05
更新日:2021/08/16 Mon 10:24:07
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竜巻とは、発達した積乱雲で発生した上昇気流を伴った高速の渦巻きが雲から地上まで伸びたものである。「渦を巻いている」「強い風を起こす」という点で台風と類似しているが、メカニズムは全く違う。
また旋風とも類似しているが、旋風は地表の上昇気流が渦を巻いたもので積乱雲もなく全く違う。

気象庁の定義として、「激しい空気の渦巻きで、大きな積乱雲の底から漏斗状に雲が垂れ下がり、陸上では砂塵が、海上では水柱が巻き上がる」とされている。
大きな被害を出す竜巻は、発達した極めて巨大な積乱雲(スーパーセル)から発生するケースが多く、アメリカでは毎年竜巻による被害が起きている。
竜巻の発生過程に関する研究は日々解明が進んでいるが、未解明の部分も多く残っている。一般的な説は、「積乱雲の中で多く発生する微小な渦の一部が上昇気流に乗って竜巻が発生する」というものである。

~発生地域~

温帯地方を中心に発生数が多く、アメリカでは年間に1000個前後の竜巻が多く発生している。日本では影が薄いが、それでも年25個ほどが発生している。最近では、2012年に千葉県を襲った竜巻が有名だろう。

温帯に発生しやすい理由として暖気と寒気の衝突により急速に発達する低気圧が多いこと、また大気の状態が不安定になりやすいことが挙げられているが、まだ発生の理由はきちんと解明されていない。

~規模の階級~

竜巻の規模を表すものとして藤田スケールというものがある。これは、シカゴ大学名誉教授の藤田哲也が提唱したもので、国際的に広く用いられていた。

  • F0
木が折れたり、根の浅いものは傾いたりする。

  • F1
屋根が剥がれたり、移動中の車は道から押し出されたりする。

  • F2
家の壁ごと屋根が飛んだり、貨車は脱線したりひっくり返る。また車はゴロゴロと転がる

  • F3
建て付けの良い家でも屋根や壁が吹き飛ぶ。列車は脱線転覆、森の大半の木は引っこ抜かれる。日本で発生する竜巻のほぼ全ては、このF3以下に分類される。

  • F4
建て付けの良い家でも基礎が弱いものはちょっとした距離を飛び、車も飛んで行ってしまう。

  • F5
よほど頑丈な建造物以外は、全て吹き飛んでしまう。自動車大の物は100m超過して空を飛びかい、木も根こそぎ宙を舞う。
路上にある物はことごとく破壊され、瓦礫以外には何一つ残らないと言っても過言では無いかもしれない。

  • F6
発生の記録は無いに等しいが、もし発生したなら前例の無い超壊滅的危機はまず確実だろう。影が薄く、気象庁のページでは省かれている。


ちなみに、日本では最大F3クラスの竜巻が三回発生している。それ以上の物は現状ではまず発生しないとも言われている。

改良藤田スケール(EFスケール)

上記の藤田スケール、実は経験的推測に基づいたもので、実際の風速とスケールが合わない事態が起きることが明らかになった。このままではいけないので、藤田博士は同僚とともに改良藤田スケール(EFスケール, Enhanced Fujita Scale)を新たに開発した。ちなみに、enhanceは「~を改良する、向上させる」という意味の動詞である。
アメリカでは、2007年2月からEFスケールに切り替えている。藤田スケールと違って、EF6はない。

日本版改良藤田スケール(JEFスケール)

藤田スケールおよび改良藤田スケールを開発した藤田哲也博士は、アメリカの地でこれらを作り上げた。つまり、藤田スケールというのは「アメリカ向け」の指標ということである。これをそのまま日本で運用しようとすると、とある不備が生じる。
そう、「日本の建築に向いていない」ということだ。
アメリカには屋根に瓦を敷いた家はほとんどないし、自動販売機もあまりない。
また、被害の指標が少ないという問題も遭った。

そこで、気象庁は日本向けに藤田スケールを改良することにした。こうして生まれたのが、日本版改良藤田スケールである。


~竜巻への対策~

肝心の対策であるが……無いに等しい
竜巻の発生のメカニズムや発達のきっかけなどが詳しく解明されていないため、進路予測や発生予知ができないためである。

一応防衛手段としてシェルターや地下室を作っておき避難することができるが、それでも家屋は破壊されてしまう。

創作作品での出演

ディザスターパニック映画では、竜巻がちょくちょく登場する。突然現れるので登場人物を慌てさせやすく、見た目的にも映えるからだろうか。
変わり種では、鮫が竜巻に巻き込まれて次々と空から降ってくるというトンデモなものもある。

《竜巻が出る映画》
  • ツイスター
  • デイ・アフター・トゥモロー
  • イントゥ・ザ・ストーム
  • ジオストーム
  • 『シャークネード』シリーズ
などなど。

デイ・アフター・トゥモローでは、前半部の数分間に登場した。いくつもの巨大な竜巻が生まれ、融合していき、ロサンゼルスの街を圧倒的な風速を以って呑み込む姿はまさに壮観である。


竜巻はその見た目のインパクトと破壊力から漫画やゲームなどで、名前が竜巻とつく技や見た目が竜巻だったりと、攻撃手段して登場したりもする。



シムシティーでも災害で発生する。
未開発地域で発生してくれれば助かるが、都市部で発生されると踏んだり蹴ったり。
後を追って分断された道路や電線や施設を復旧しよう。



追記・修正は竜巻に巻き込まれて空を飛びながらお願いします。

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最終更新:2021年08月16日 10:24