SCP-7898-KO-J

登録日:2018/09/19 Wed 23:38:36
更新日:2023/09/07 Thu 23:15:38
所要時間:約 9 分で読めます




此れは…偉大なる帝国と異星の猿共との壮大な戦いの物語の一端である……


SCP-7898-KO-Jは、「SCP Foundation」韓国支部の記事である。
オブジェクトクラスはNatural enemy。
項目名は「제7898호 해저 식민 성명(海底入植地声明第7898号)」。

SCP財団韓国支部が管理するオブジェクト(SCiP)……ではない


概要

末尾に-Jが付いていることからわかるように、面白ければ何を書いてもいいジョーク記事カテゴリである。
日本支部にも、財団ではなく要注意団体東幣重工の文書である「SCP-053-JP-J - 困った時は!」が存在するが、
この記事は、SCP Foundationのフォーマットを使い、一部共通するワード(財団のO5評議会→帝国のO5総督府)こそあるものの、財団以外の組織が書いた、財団基底世界である必要性のない内容である。
だが、SCP Foundationの原点がネットで拾った画像にそれっぽい文章を付けたSCP-173が原点であることを考えると、
そういう意味では、SCP Foundationのジョークカテゴリに相応しいストロングスタイルの記事と言えよう。

さて、肝心の内容だが、とある帝国の入植地から発せられた声明文書の形をとっている。

帝国とは

日本の準要注意団体「帝国」とは無関係な、宇宙の何処かにある水生生物たちの帝国。
侵略的な軍事国家のようで、星間航法システムや空間跳躍デバイスと言ったSFチックな技術を用い、声明を7898号まで出せるほどの長きに渡り、異星の海への入植及び海洋資源の採取を計画、実行し続けていた。
O5総督府の下、多数の機動部隊や憲兵隊が更なる大多数の入植者達を管理している。
だがしかし、地上に生息する残忍な無毛の猿による絶え間ない攻撃に晒されており、あまりの危険性ゆえに撤退も議論されている。

無毛の猿について

入植地に生息していた凶暴かつ残虐な原住生物、帝国民にとっての最大の悩みである、
水中生活には適応していないものの、様々な悍ましき手段を考案し、帝国の民を捕らえ、残虐に殺している。
猿は、帝国民の蛋白質を食料とし、加えてその味覚は帝国民を非常な美味として認識していた事は、帝国にとって大きな災厄であった。
また連中は、帝国が活用すべき海洋資源にも手を出さんと、海中へと活動の場を広げようとしている。

猿の名は「人類(Homo Sapiens)」。地獄の如き星、地球の陸生生物である。

そして彼らに捕らえられた憲兵隊員達の遺体の写真がこちら。
*1
ああ、栄光の憲兵隊よ、今はその煙幕兵器も吸着装置も、タコ刺しの如く沈黙しながら、彼らの無念を語っている。


要するに

人間の漁業と魚料理の文化を海産物視点で描いた作品である。
当作では、海産物を異星人の帝国とすることで、広義の意味でのシリアスな笑いを生み出している。
まあ言いたいことはあるだろうが、ジョークなので、深いことは考えたら負けである。
というわけで、以下、対人戦争関連報告文書と言う名の負け戦の記録帝国民の受難をお楽しみいただきたい。

対人戦争関連報告文書

  • 報告書 Doc-0515
状況: 南太平洋において人間が行っている大規模な漁獲活動を阻止するため、機動部隊アルファ-1が出動。
結果: 人間が仕掛けたトロール網によって一網打尽に捕獲され、機動部隊アルファ-1は全滅。隊員は全員死亡した。
トロール漁船に挑んだ無謀な勇敢なお魚さんたちに敬礼を。

  • 報告書 Doc-0578
状況: 黒潮に沿って哨戒航行中であった帝国軍憲兵隊が、人間の漁船13隻と遭遇。
結果: 煙幕兵器と吸着装置で武装した憲兵隊員は勇敢に戦ったものの、彼我の戦力差を覆すには至らず、全員が人間に捕らえられて水揚げされた。人間は憲兵隊員たちを殺害したのち、その遺体を衆目に晒すという暴挙を行った。
憲兵隊はタコさんによって構成されている模様。ちなみに晒された憲兵隊員の遺体の様子がこちら。
*2
総督府「我々はこのような脅迫には決して屈しない。
分析: この行為が、帝国に対する警告と挑発を目的として行われたことは明らかであろう。我々はこれを黙殺するものとする。 - O5-█

  • 報告書 Doc-0664
状況: 状況:南シナ海の沿岸地域にて、善良な開拓民の一家(Urechis unicinctus)が人間に拉致されるという事件が発生。
結果: 被害者は抵抗することも叶わず、無惨にも全員殺害された。この事件を受け、全ての種に最低限の護身用武器を支給するべきではないかとの提案がなされたが、議論の結果、練度の高い戦闘部隊への支援を充実させるほうが望ましいという結論となった。
Urechis unicinctusとは、ユムシという生物である。あえて画像は載せないが、見たいというwiki篭りの貴方が男性なら、パンツを下ろせば似たようなものを見ることができる。
英名「penis fish」。ピンク色の芋虫みたいな生物で、浅瀬に縦穴を掘って、プランクトンの死骸などを食べて暮らしている無害な奴らである。日本では釣り餌として利用される他、北海道など一部の地方で珍味として食されている。
韓国では割とメジャーな食材のようで、刺身や串焼きとして食されている。
ブライト博士はユムシと二羽のキーウィSCP-914に入れてはいけません。

  • 報告書 Doc-0707
状況: 戦局の逆転を期して、26個の機動部隊を投入する大規模な電撃作戦が立案された。本作戦の参加要員(Crassostrea gigas)は全員特別に支給された重武装をしている。危険な太陽風や宇宙線をも防ぐことが可能な物だと期待されているだけ、人間による物理的攻撃にも十分耐え得るものと判断されていた。
Crassostrea gigas、すなわち真牡蠣、オイスターである。
結果: 作戦は壊滅的な失敗に終わった。我が軍が全幅の信頼を寄せていた装備は、人間の手によってあまりにも容易く破壊され、隊員たちの遺体は魚市場に展示されるという辱めを受けた。
*3
総督府「彼らを待ち受ける未来は暗い。
牡蠣剥きナイフには勝てなかった模様。
分析: 過去50年の間にオリクルジョッの価格が数十倍に上昇していることから考えるに、猿どもも我々の戦力を脅威と見なすようになってきているようだ。ようやく希望の光が見えてきた。 - Loliolus beka博士
オリクルジョッとは牡蠣の塩辛のこと。Loliolus beka(ベイカという烏賊。瀬戸内海名物)博士は貨幣価値の変遷には詳しくない模様。


  • 報告書 Doc-1103
状況: 特殊訓練を受けた暗殺者(Octopus Minor)によって人間の指導者を暗殺するという作戦が立案された。人間には捕らえたこの一族を生きたまま捕食するという習性があり、これを利用して暗殺対象を窒息死させる計画であった。
Octopus Minorとはテナガダコの事。
「生きたまま捕食」というのは韓国料理サンナクチの事で、テナガダコの脚をぶつ切りにして反射神経でヌルヌル動くそれに塩と胡麻油をかけていただく見た目はクトゥルフも泣き出すくらい冒涜的なワイルドな踊り食いの一種で、吸盤も反射で動くため喉につまらせる事故もたまに見られる。
つまり、対象に接近した時点ですべての脚が失われ、自力で海へ帰ることは不可能に近い、行きて帰らずの特攻作戦である。
そのような状態になりながらも、ただ一人を暗殺するために特訓を重ねた勇壮なる暗殺者テナガダコ。
しかし、彼を待ち受ける運命は、あまりにも残酷なものだった。
*4
結果: 作戦は失敗した。当初の想定とは異なり、テナガダコはチョゲグイと呼ばれる儀式(あまりに恐ろしいものであるため、儀式の詳細についてはここに記すことはできない)に生贄として捧げられ、地獄の苦しみの中で殺害された。
チョゲグイとは、貝をメインとした海鮮バーベキューである。当然その鍛えられた脚は焼かれて動きを止め、役割を果たせなったことは想像に難くない。

  • 報告書 Doc-1266
状況: 1946年7月1日、東経165.25度、北緯11.35度付近の海域において、人間が原子爆弾の実験に見せかけ、帝国軍に対して核攻撃を行った。
結果: [編集済]の地域が放射性物質によって汚染され、帝国軍は犠牲者数の推定すら困難なほどの甚大な被害を受けた。
その日人類が何をやらかしたかはSCP-1264を参照。
メモ: 貴君らが核戦争をも辞さないのであれば、我が帝国による無慈悲なる報復攻撃を受けることを覚悟されたい。 - 帝国軍総司令部広報官
既にもっとひでえ報復受けてるから勘弁して。


最後に、これらの報告を見て驚愕するO5-██の御尊顔がこちら。
*5
追記、修正は↑こんな顔でお願いします。

CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-7898-KO-J - 제7898호 해저 식민 성명
by Salamander724
http://scp-kr.wikidot.com/scp-7898-ko-j
http://ja.scp-wiki.net/scp-7898-ko-j(翻訳)


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最終更新:2023年09月07日 23:15